2009.09.14:平成21年第4回定例会(第3日)
◯36番(山口剛司)登壇 私は公明党福岡市議団を代表しまして、7.24九州北部集中豪雨における東区西部の状況について、学校給食における食物アレルギー対応食の提供について、そして水道事業の収支計画と節水について質問をいたします。行政当局の前向きの答弁を期待するものであります。
初めに、7.24九州北部集中豪雨で、被害をこうむられた方々へお見舞いを申し上げますとともに、お亡くなりになられました皆様方に慎んで御冥福をお祈り申し上げます。私は今回、東区西部の状況について特にお尋ねしてまいります。これまで本市は、平成11年と平成15年、大きな水害に見舞われました。平成15年の御笠川においては、河川激甚災害特別緊急対策事業、いわゆる激特事業に指定されました。今回の水害はどの程度の災害だったと認識されているのか、まずお尋ねいたします。また、これまで整備したおかげで、どの地域の何が効果を発揮したか、あわせてお示しください。
道路下水道局では、橋梁のアセットマネジメントを実施するために、定期的な点検等を実施されておりますが、どのような点検を行われているのか、お尋ねいたします。また、今回の水害を受け、橋梁の点検方法の見直しなどの検討は行われているのか、お尋ねいたします。
また、2級河川においても、今回もはんらんした箇所が複数発生していますが、県の土木事務所とどのような協議がなされているのか、お尋ねいたします。特に河床の掘削など、地域住民から要望があった箇所は市当局より県へ要請した後、地元への報告はどのようになされているのでしょうか、お尋ねいたします。
本市では、ハザードマップを作成し、水害や地すべりなど危険箇所の表記を行っています。その地域の住民の避難についてですが、どの程度の降水量や河川の増水で避難してもらうかなど、周知すべきではないのか、お尋ねいたします。
東区松田に住んでいる私の家の前の市道は、7月24日の午後8時ごろには須恵川のはんらんにより約70センチの深さまで達し、私の腰がつかるまで増水しました。ドラム缶は流れる。どこの家のタイヤかクーラーボックスなのかわかりませんが、何個も流されていました。ここは道なのか、川なのかわからない状態です。近所にお住まいの方の車は何台もが浸水して動かなくなり、整備費用に多額のお金がかかっています。地域住民からは、過去10年の間に何回もつかっているのに、県も市も対策が不十分ではないかとおしかりを受けています。須恵川は、堤防より20センチの高さではんらんしています。私もこのまま何もしなかったら、これからもこうした被害が川の両岸である津屋や原田、松田の地域は、近い将来また起きると思っています。多々良川流域についても、市としては今後どうするつもりか、御所見をお伺いいたします。
次に、避難所についてです。
今回、多々良公民館が避難所になりませんでした。市内ではほかにも公民館が避難所として機能しなかったところがありましたでしょうか、お尋ねいたします。
そもそも公民館は、地域第一の避難所として活用されるべきです。そこが浸水して使えないとはどういうことでしょうか。今後の公民館の整備はどうあるべきでしょうか、御見解を伺います。公民館の設置場所は地域の要望も当然ありますが、安全な避難所としての役割を持っているのが、まず第一ではないのかと考えますが、御所見をお伺いします。
次に、排水機能を持つポンプ場についてお尋ねいたします。
まず、この設備を作動するのは、人が操作しているのでしょうか、それともある一定の水位になると自動的に作動するのか、運転方法をお示しください。
次に、本市の給食センター及び小学校などの自校式での食物アレルギー対応食の提供についてお尋ねしてまいります。
現在、アレルギー疾患を持つ子どもたちが全国的に大変多くなってきております。特に食物でアレルギー反応を示す子どもたちがたくさんいます。主食である米や小麦、そばなどでも発症し、中には呼吸器の炎症で一歩間違えば重篤な状態に陥ります。私が小中学生のころと比べても、今のほうがはるかに食物アレルギーを持つ子どもたちがふえています。学校給食において、さまざまな配慮と対策が必要と感じております。
そこで、これまで食物アレルギーに関して、何か検討会などを実施されたことがあるのでしょうか、お伺いいたします。
次に、子どもたちはどのような食品にアレルギー反応を示していますでしょうか。小中学校別に上位からお示しいただくとともに、人数は上位3位までお示しください。また、全体人数としては10年前と比べてどうでしょうか。増加しているのでしょうか、減少しているのでしょうか。さらに、今何人が家庭から弁当を持参していますでしょうか、お伺いいたします。
また、本市の自校式やセンター方式では、現在どのような除去食の方法をとっているのか、また代替食についてはどのようにされているのか、お伺いいたします。
次に、エピペンの取り扱い状況についてお尋ねします。
エピペンは、意識障害や呼吸障害など、いわゆるアナフィラキシーショックを起こしたときに、救急車が来るまでの間、症状を重症化させない有効な注射です。衣服の上からでも使用できます。エピペンは、昨年4月より担当医の許可が出た子どもに対して、学校職員でも使用することができるようになりました。現在、本市でその対象児童生徒は何人か、またエピペンが現場でできるように学校職員が研修を受けているのか、お尋ねいたします。
次に、水道事業の収支計画と節水についてお尋ねいたします。
昨年9月、日本水道協会の発表によりますと、全国の66の自治体、企業団が水道料金を値上げしたと協会の調査結果が伝えられました。その値上げの要因は何ととらえられておられるのか、お尋ねいたします。
本市は、平成9年に、今の料金に値上げして以来、その後値上げしないで頑張っておられると大いにエールを送ります。しかし、今後10年間を見た場合、水道料金を値上げしないで本当に水道事業会計が維持できるのか、お聞きしたい。
今回の質問の大きな趣旨は節水にあります。節水だけが大きくクローズアップされますと、当然ながら料金収入に影響が出ます。どのくらい水道局に体力があるのかを尋ねたくて質問しておりますので、収入減になる質問をどうか御容赦いただきたい。経営に幾らかでも余力があれば、大いに節水に取り組んでいこうではありませんか。節水して料金値上げになれば、身もふたもないことだとまず申し述べておきます。
初めに、資本的支出の見通しについてですが、今後、水源開発や昭和40年代に大量に布設した配水管の更新など多額の建設改良費、いわゆる設備投資が見込まれると思いますが、今後10年間の建設改良に伴う投入額は幾らか。またピークはどうかお示しください。
次に、収益的収支の見通しについてですが、先ほどお聞きした設備投資を行った場合、これらにかかわる減価償却や企業債の支払利息も加算され、支出が増大していくのではないでしょうか。また、料金収入も減少傾向となり、そうした中で将来赤字になるのではないか、ひいては料金の値上げにつながるのではないかと心配いたしております。今後10年間の損益の見通しをお尋ねいたします。
そこで本題ですが、節水への取り組みをこれまでどおり推進していかれるのか、水道事業管理者の御所見をお伺いいたします。
以上で1回目の質問を終わり、2回目以降は自席にて行います。
◯議長(光安 力) 岩崎道路下水道局長。
◯道路下水道局長(岩崎憲彰) まず今回の浸水被害についてですが、福岡市の気象観測史上、最高の時間雨量116ミリを記録するなど、平成11年及び15年以上の豪雨によるものと認識しております。これまでの整備の効果につきましては、本市が重点的に整備を進めてきました博多駅周辺地区において効果があらわれたと思っております。これは福岡県による御笠川河川激甚災害対策特別緊急事業の整備が完了したことや、レインボープラン博多の整備が進捗したことによるものだと思っております。
次に、橋梁の点検につきましては、異常、損傷等を早期の段階で発見するために、通常点検を2年に1回、定期点検を5年に1回の頻度で行っております。点検で損傷などが発見され、対策が必要と判断されれば計画的に補修を行い、橋梁の適正な管理に努めております。今回の水害を受け、被災事例や点検、補修履歴などのデータを集積し、定期点検における点検項目の見直しや追加などを検討してまいります。
次に、2級河川における福岡県との協議につきましては、整備促進や適切な維持管理につきまして県に対し毎年要望しており、周辺市町で組織しております促進協議会などで県と協議を重ねております。今後とも、引き続き2級河川の整備促進及び適切な維持管理について、協議、要望を行ってまいります。また、市から県に要望した内容につきましては、県よりその対応について地元に報告、協議がなされていると聞いております。
次に、松田地区の浸水対策につきましては、記録的な集中豪雨により須恵川の堤防から溢水したものであり、河川管理者である福岡県に対して、護岸のかさ上げや河床掘削を強く要望してまいります。また内水排除のために整備を進めている雨水整備Doプランにつきましても、積極的に推進してまいります。さらに、本市では昨年度、雨水流出を抑制するための施策を推進するため、福岡市公共施設雨水流出抑制指針を策定しており、河川改修や道路及び下水道整備とあわせて取り組んでまいります。
次に、雨水排水ポンプ場のポンプ運転につきましては、ポンプ場に設置している水位計により作動し、自動で運転をしているところでございます。以上でございます。
◯議長(光安 力) 阿部市民局長。
◯市民局長(阿部 亨) 豪雨災害についての御質問にお答えをいたします。
まず、ハザードマップに危険箇所を表記している地域の住民の避難判断についてでございますが、避難判断のための情報や危険を避けるための心得などにつきましては、これまでに作成しましたハザードマップの中でも周知をしてきたところでございます。しかしながら、今回の水害では、市民への災害情報の伝達や避難誘導のあり方などが課題となったところでありますので、今後は出前講座や自主防災組織リーダー研修会、市政だよりなどを活用した防災教育、啓発を進めますとともに、より効果的な周知方法を検討しながら取り組んでまいります。
次に、今回の集中豪雨において、避難勧告が発令された地域で、避難所として開設できなかった公民館についてでございますけれども、開設できなかった公民館は、東区の多々良公民館のみでございます。多々良公民館につきましては、建物本体への被害はございませんでしたが、周辺道路及び前面駐車場が冠水をしたために開設できなかったものでございます。このため避難所としては付近の地域集会所に開設をいたしております。
次に、今後の公民館の整備の考え方についてのお尋ねでございますが、公民館は災害時の一時避難所としての役割と地域コミュニティー活動や生涯学習の拠点施設としての役割を担っております。したがいまして、地域の皆様の御要望などを十分に尊重するとともに、施設の安全性及び利便性の双方に配慮しながら整備を進めてまいりたいと考えております。以上でございます。
◯議長(光安 力) 山田教育長。
◯教育長(山田裕嗣) 食物アレルギーなどに関する御質問にお答えをいたします。
まず、アレルギーに関する検討などにつきましては、福岡市医師会や福岡市養護教諭研究会において検討がなされるとともに、本市も含めました3者で毎年数回開催している懇談会においても、アレルギーに関する検討を行っております。食物アレルギーについては、最近の例としまして、平成20年10月に開催した懇談会で意見交換を行ったところでございます。
また、子どもたちの食品によるアレルギー反応につきましては、平成21年度の調査では、小学生で一番多いのは乳、乳製品で1,122人、2番目は卵、卵製品で954人、3番目はエビで272人となっており、以下、そば、落花生、キウイフルーツの順となっております。中学生で一番多いのは乳、乳製品で400人、2番目は卵、卵製品で253人、3番目はエビで161人となっており、以下、そば、キウイフルーツ、カニの順となっております。
また、アレルギー反応を示す子どもの全体人数の増減についてのお尋ねでございますが、小学校につきましては、平成14年度から調査を行っており、平成14年度の1,346人から平成21年度は2,152人と806人増加し、約1.6倍となっております。中学校につきましては、平成16年度から調査を行っており、平成16年度の668人から平成21年度は1,020人と352人増加し、約1.5倍となっております。
また、家庭から弁当を持参する児童生徒につきましては、小学生が370人、中学生が34人となっております。
また、除去食への対応につきましては、小学校などの自校方式の給食におきましては、調理の最後に加える卵、マヨネーズとゴマ、ゴマ油の除去を行っております。中学校などの給食を実施しております給食センターにおきましては、施設設備面での制約があり、現在、除去食は実施しておりません。給食の一部をアレルギーに対応したものにかえて提供する、いわゆる代替食につきましては、自校方式、センター方式ともに実施しておりません。
次に、アドレナリン注射、いわゆるエピペンの処方を受けている児童生徒につきましては、小学校10名、中学校1名、合わせて11名です。
次に、学校職員への研修につきましては、平成20年度は2月の学校保健研修会において、アレルギー対策の中でエピペンについて説明するとともに、平成21年8月には実際のエピペンの使用方法も含めた専門研修を実施しております。以上でございます。
◯議長(光安 力) 松永水道事業管理者。
◯水道事業管理者(松永徳壽) 順次お答えいたします。
まず、全国66の水道事業体が料金値上げを行っているが、その要因をどのようにとらえているかということでございます。
日本水道協会においては毎年全国の水道料金の改定状況を調査し公表されておりますが、その改定の理由までは調査されておりません。今回、私どものほうで、平成19年度改定の当該各事業体に問い合わせを行っております。その結果、値上げの要因は、一つには、市町村の合併に伴い、料金の統一を図るためのもの、二つには、人口の減少や市民、企業の節水等により、収益が落ち込んだことによるもの、三つ目として、施設の更新時期を迎えて、内部留保資金を確保するためのもの、以上3点に集約できるかと思います。
次に、建設改良費の今後10年間の投入額についてでございます。
水道局は、本年2月に、今後10年間の財政収支を見通した上で、これからの事業運営の指針とする水道長期ビジョンを策定いたしております。この計画の中で、水資源の開発や老朽化した水道施設の更新などに係る事業費として、10年間で約1,327億円、単年度当たりにいたしますと、約133億円を見込んでいるところでございます。また、建設改良費のピークは、平成27年度でございまして、約155億円を見込んでおります。
次に、今後10年間の損益の見通しについてでございますが、御指摘のとおり、建設改良費の増加に伴い減価償却費や支払利息など費用が増加する一方で料金収入は減少傾向が続くと見ておりまして、単年度で見ますと当面は利益を確保できるものの、平成28年度以降は損失が生じる見込みでございます。しかしながら、今後も引き続き経営の効率化や財政の健全化にしっかりと取り組んでまいりますことにより、約10年後の平成30年度におきましても、累積利益は確保できる見込みでございまして、異常渇水などが生じない限りは、現行料金が維持できるという見通しを持っておるところでございます。
最後に、節水への取り組みについてでございますが、昭和53年の大渇水を契機に水道局では全国に先駆けて効率的な水運用を図るための市内全域の流量や水圧を調整、集中制御する配水調整システムを導入するとともに、漏水防止対策や節水意識の高揚を図るなど各種施策に取り組んでまいりました。現在では、市民1人当たりの水使用量の少なさ、水の有効率の高さは全国でもトップレベルを維持しておるところでございます。市民一人一人の節水は水を安定的に供給する上で大変重要であり、また水道水をつくるためのエネルギーを軽減することにもつながります。水は限りある資源であるという認識のもと、節水型都市づくりを、さきに述べました水道長期ビジョンの施策目標として明確に位置づけてもおります。市民の皆さんの御理解と御協力をいただきながら、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。
◯議長(光安 力) 山口剛司議員。
◯36番(山口剛司) それでは、2回目の質問に入ります。
まず、水害についてです。
はんらんした河川の堤防には今、土のうが積まれています。高いところは4個分もありますが、今後どうするつもりでしょうか。まさかそのままではないと思いますが、今後の処置をお聞きします。土のうは長期間対応に限界があります。袋が破けて砂が漏れ出します。また、積んでいる場所の歩道は狭くなっています。昨年ようやく箱崎公園横の歩道を広く整備したのに、今は車いすも通れない狭い場所があります。まずは川底の掘削を一番先に取り組まなければならないと考えます。その次には歩道と河川との境にフェンスがありますが、私はそこにパラペットやコンクリートブロックなどをつけたらいいのではないかと思っています。今後の整備について、しっかり答弁をいただきたい。
また、今回初めて住民避難のサイレンを鳴らしましたが、21時でした。この時間では、道と側溝や田んぼの区別がつかないほど水があふれていまして、避難できない状況でした。床上浸水も多数。避難勧告ももっと早く出すように考え直したほうがいいのではないでしょうか。現に兵庫県の水害では、避難している途中に側溝に流され死亡された方がいらっしゃいます。本当に無念で御冥福をお祈り申し上げます。本市も例外ではありません。避難開始時間と方法は今後どう改善していくのか、お尋ねいたします。
また、24日から1日置いた26日、日曜日の午前中に、また河川から水があふれ出してきました。土のうが必要だったのに、区役所に依頼しても在庫がないとの返事です。どうしようもないとの回答でした。本当にこれでいいのでしょうか。私は地域の方々と一緒に公園の砂を使い、土のうをつくりました。しかし、袋が足りない。土のう袋の購入のために店に走ったのが現状です。これはどこかおかしくありませんか。袋ぐらいなぜ災害備蓄として用意されていないのでしょう。初めての水害ではないのです。最初の発生から2日後たったにもかかわらず対策が打てていない。危機管理が実際には役に立っていないことが証明されたようなものです。避難所に毛布もなく、食料もなかった実態を局長は報告を受けていましたか。市長は聞かれていますか。お粗末と言いたい。現場の状況を知らないと改善もされないままで、しょせんマニュアルは机上の空論に終わってしまい、無用の長物となってしまいます。食料についてですが、私は地震のときも避難所に食料がなかったので市民局に連絡し対応してもらいました。今回もまた避難所に食料がない。なぜ教訓が生かされないのか、不思議でしようがありません。今後、どのように反省会や結果報告会を持ち、改善するのか、お伺いいたします。
博多区山王の地下貯留池が今回大きな成果を発揮したと伺いました。それこそ水害が発生する地域において公共施設の地下などに貯留池や地下ダムをつくることも必要になってきているのではないでしょうか。仙台市青葉区の紹介ですが、住宅分譲地で雨水浸透ますを全区画に設置する計画が民間事業者の手をおかりして進んでいます。全97区画で3万8,000平方メートルの面積で、市も設置に補助金を出しています。ここでは、1戸の住宅で1時間に3トンの雨を地中に浸透させることができます。地区全体では約300トン、5コースある25メートルプールの1杯分に相当いたします。本市も雨水タンクの助成だけでなく、雨水ますの助成にも乗り出して積極的に推進したらいかがでしょうか。雨水の配水をすべて河川に流すやり方は変えなければならないのではないかと考えます。今の排水方法では、川がはんらん状態にあるのに、そこへポンプ場から排水するだけでは困難だと考えています。浸水地域でポンプ場が必要であるということは理解をしていますが、ここは専門家を交えて、いま一度検討すべきではないかと思います。私は早急に研究会を開催し、都市型災害におけるさまざまな改善策を検討、実施すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
次に、アレルギーに関してですが、過去3年間で見てみますと、検討会はこれまで1回しか行われていません。それもアレルギー全般の話とのことでした。もっとしっかり議論すべきではないでしょうか。何らかの食物アレルギーがある人数は、小学校で2,000人を超え、中学校では1,000人を超えています。全体の児童生徒数から比較すると約3%になります。この子どもたちへの対応がしっかりできていないのではありませんか。仙台市の状況と比較していきます。仙台市は平成15年に食物アレルギーを持つ児童生徒も学校生活を円滑に送れるよう、学校給食食物アレルギー対応検討委員会を開催し、翌年には答申を出して対応に乗り出しました。本市の自校式と同じく、単独調理校では除去食も代替食も実施しています。さらにアレルギー食対応の給食センターである新野村学校給食センターを2年前に設立いたしました。PFIのBOT方式、サービス購入型で9億円安く27億円でできているそうです。このセンターのエリアは、小学校18校、中学校8校の計26校が対象です。9,300人の基準献立の調理場とは別に、対応食用のブースを設けています。これは調理過程でのコンタミネーション、つまり微量でも原因食材が混入することを防ぐことが要求されるからです。アレルギー対象児童生徒の内容が違うため、食器にはそれぞれ学校名と生徒名が記入され、配達の際も直接学校関係者に手渡しをするなど、徹底して間違わない配慮をされていました。このエリアにアレルギーを持つ家庭が転入しているとも聞いてまいりました。また、今建てかえ中である別のセンターでも、食物アレルギー対応の専用ブースを設けるとのことです。仙台市の考えは、アレルギーを持つ子どもたちもほかの子どもたちと同じように、楽しい給食時間が送れるようにしてあげたいという点にあります。アレルギー食品の内容にもよりますが、このエリアで弁当を持参している子は6名です。
一方、本市ではどうでしょうか。仙台市と比較すると、対応がほとんどできていないのに等しいではありませんか。まずは検討委員会を開催し、現状をもっとしっかり把握した上で、今後の学校給食はどうしていくのかということを医者などの専門家と現場の調理師、栄養士も含めて、学校関係者と議論する必要があります。それがこれまでできていないのが本当に残念でなりません。また、本市では今給食センターの建てかえについて検討を始められていると聞きました。検討の内容はどのようなものでしょうか。その中にアレルギー対応食の調理場をつくる考えがありますでしょうか、お尋ねいたします。
本市のアレルギー対応食も除去食だけではなく、代替食が大事です。除いてばっかりだったら栄養も何もあったものではありません。成長期の学童期で本当に栄養のバランスがとれた食事を取らせることができるかが大事ではないでしょうか。1回目の質問で調査をした年と比較した生徒数を聞きました。現在の増加の要因として、調理の苦手な保護者や仕事の都合で食事をつくれない保護者が多くなり、その結果、子どもたちが好むレトルト食品や総菜、弁当などの購入がふえ、子どもたちに必要な栄養バランスが取られていないことも原因として上げられています。だからこそ、せめて給食はおいしく楽しくバランスよく取らせてあげることが重要ではないでしょうか。ここで誤解のないように申し述べますが、アレルギーのある家庭すべてが家庭での食事対応がまずいということではありません。発症の原因はさまざまにあり、それも幼児期のアレルギーから学童期へ、また青年期へと成長するに従い、アレルギー反応を示さなくなる場合も多くあるということを申し上げます。今後、アレルギー対応食の取り組みをセンター方式、自校方式に限らず、できるところから早速開始していただきたいと考えますが、御所見を伺います。
次に、エピペンについてです。仙台市では、どこの学校にだれとだれがいると把握していました。特に複数の対象生徒がいる学校では、学校全体の職員が研修を受けていました。小中学校合わせて全部で5校あります。仮に二、三人の職員しか対処方法を知らなければ、その職員が現場にいないと、いざというときに間に合わないからです。その他の学校では、栄養職員や養護教諭はもちろんのこと、教頭は全員研修を受けています。本市では養護教員や担任ぐらいでしょうか、学校単位で見ますと、ごく少数の教員しか知らないところがあるのではないでしょうか。さらに、教員の異動があると、だれ一人研修を受けていない学校が今後発生する危険性があります。研修会を開き、エピペンの実物を見てもらい、また模型などで実際に試すなどすれば、エピペンの使用に関しての現場の不安は薄らぐと思いますが、今後、研修受講者をどのようにふやすのか、お尋ねいたします。
次に、水道事業会計と節水に関してお尋ねいたします。
各自治体で水道料金が値上げされている要因がわかりました。値上げは、市民の生活にとって、すべての方に多大な影響を及ぼします。どうか値上げしなくて済むように今後も頑張っていただきたい。水道事業管理者の答弁で節水型都市づくりを推進すると心強い発言がありました。非常に心強い限りです。しっかり節水に取り組みたいと思います。しかし、本庁舎もそうですが、節水こまをつけている洗面所などでは、最初、蛇口をひねっても水の出が悪い。気分で発言して申しわけありませんが、ちょろちょろと流れる水ではきれいになった気がしません。そこで、昨年から学校では水圧も普通とそんなに変わらない節水キャップをつけて、節水の効果を上げていると聞きました。そこで、既に設置している老司小学校を視察いたしました。今の校長先生は4月に赴任されたそうですが、水の出は普通と変わらない。ただバケツに水をためようとすると何かいつもより時間がかかるのでおかしいと思っていたそうです。また、洗い場では水量が絞られているので子どもたちが手洗いをしても回りに飛び散らなくて本当に助かっているとのことでした。
そこでお尋ねいたします。今は節水キャップを何校に設置し、費用は幾らかかったか。その設置費用と比較すると、どのくらい水道料金が減少して、どのくらいプラスになったのか、お示しください。また、今後はどのように整備していく計画があるのか、お尋ねいたします。
今度は水道局にお尋ねしますが、公共建築物も含め、いろんなところで施設の新築や改築がなされています。これまで水道の節水状況など調査したり、何らかの啓発を行ったりされているのでしょうか、お伺いいたします。
以上で2回目の質問を終わります。
◯議長(光安 力) 岩崎道路下水道局長。
◯道路下水道局長(岩崎憲彰) 現在積まれている土のうの対処、及び今後の河川整備につきましてですが、須恵川に対する恒久的な対応である河川改修及びパラペットによる暫定的な対策についても、県に強く要望してまいります。
浸水対策としましては、河川改修や下水道施設の整備とともに、雨水の貯留、浸透を行う流出抑制を図っていくことが重要でございます。現在、家庭用雨水貯留タンクについては、国の補助制度や本市の助成制度を導入し、普及促進に努めております。新たに一般家庭への浸透ます設置の助成制度についても検討してまいります。また、敷地面積1,000平方メートル以上の開発事業者には、雨水流出抑制対策を講じるよう協力を依頼しております。今後とも、市民の皆様と行政が一体となって雨水の流出抑制対策に取り組んでいくことが重要であり、積極的に対処してまいります。また、学識者や国の研究機関の方々にもさまざまな浸水対策についての意見をお聞きし、今後の対策に役立てていきたいと考えております。以上でございます。
◯議長(光安 力) 阿部市民局長。
◯市民局長(阿部 亨) 豪雨災害の際の避難開始時間と方法の改善についてお尋ねでございます。
御指摘のとおり、住民の方から適切な時期に避難勧告が出されなかったという御意見もいただいているところでございます。また、住民の避難につきましては、避難所へ避難するよりも自宅2階などへ移動する方法や、集合住宅の場合、上層階へ避難するほうがより安全な場合もございます。今回の水害では、市民への災害情報の伝達や避難誘導のあり方などが課題となったところでございまして、今後は避難勧告前の早い段階から、危険が予測される地域の住民へ避難準備を促す情報を広報するとともに、迅速な発令、伝達ができる体制を整え、住民の避難行動の支援に努めてまいります。
次に、今後、災害対策をどのように改善するのかというお尋ねでございますが、御指摘のとおり、今回の水害の対応では、水防活動や避難所運営などについて課題が明らかになっております。これらの課題を初め、今回の災害対策については、現在、各局、各区との検証作業を進めているところであり、今後、訓練や研修、地域での会合など、さまざまな機会をとらえて、直接地域住民や自主防災組織などからの御意見もお聞きし、改善策の検討、実施に取り組んでまいります。以上でございます。
◯議長(光安 力) 山田教育長。
◯教育長(山田裕嗣) まず、食物アレルギー等についての御質問にお答えをいたします。
給食センターの建てかえにつきましては、平成21年7月に、学識経験者や保護者の代表等から成る福岡市学校給食センター再整備基本構想策定委員会を設置いたしまして、給食センターの必要な機能、適正な配置箇所数及び配送エリア並びに事業手法や調理業務等運営体制の方向性などについての検討を行っております。新たな給食センターにおいては、アレルギー対応食の調理場は必要な機能と考えており、その施設、設備などについても検討を行ってまいります。
次に、アレルギー対応食への取り組みにつきましては、これまで現状の施設、設備で対応できる範囲で、献立や調理方法を工夫するなどして、除去食を提供してきたところでございます。調理上、困難な面もありますが、今後とも、要望におこたえできるように検討を進めてまいりたいと考えております。
次に、エピペンにつきましては、今後とも、研修会を継続して実施し、研修受講者の拡大に努めてまいります。また、対象児童生徒などがいる学校については、できるだけ多くの教職員の方が受講できるよう、研修会の開催方法など工夫し、実施してまいりたいと考えております。
次に、節水キャップについての御質問にお答えをいたします。
本市教育委員会では、平成20年度において、小学校2校、中学校1校の合計3校に、それから平成21年度においては、小学校4校、中学校4校、特別支援学校1校、高等学校1校の計10校に、従来の節水コマに加えて新型の節水キャップをモデル的に設置しております。このキャップは、水道の蛇口内に取りつけることにより、空気を含みながら水が放出されるようになっているもので、水道の使用感を損なうことなく、その使用量を減らす効果があるとされております。平成20年度のモデル校3校のうち2校については、前年比で1校当たり水道料金が約30万円の減額となり、節水キャップを200カ所に取りつけた場合の年間リース料約20万円を差し引きますと、約10万円のプラスとなっております。ただし、水道の使用量につきましては、気候の影響や学校の節水の取り組みなど、さまざまな要因で大きく変動するため、一概に節水キャップを取りつけたことによる節減効果とは言い切れない面もございます。実際に平成20年度のモデル校の残る1校では、年間水道使用量の節減効果が認められませんでした。このため、本年度さらにモデル校10校を追加して、節減効果の検証に取り組んでいるところでございます。今後の整備計画につきましては、この検証結果を踏まえた上で検討してまいりたいと考えております。以上です。
◯議長(光安 力) 松永水道事業管理者。
◯水道事業管理者(松永徳壽) 市内の各種施設に対して、設備状況の調査や啓発を行っているかとのことでございます。
まず、一定規模以上の大型建築物につきましては、建築確認の際に提出される節水計画書に基づき、雑用水道の利用や節水機器の設置状況等を確認し、必要に応じて指導を行っております。また、月に1,000立方メートル以上使用される大口需要者につきましては、水の利用状況等について適宜調査を実施してございます。そのほかに市民の皆様への幅広い啓発といたしまして、渇水の経験を風化させることのないよう、水需要が増加する6月から8月にかけてを「水をたいせつにキャンペーン」を展開するなど、年間を通してさまざまな広報活動に努めておるところでございます。以上でございます。
◯議長(光安 力) 山口剛司議員。
◯36番(山口剛司) 3回目の質問をいたします。
まず、災害対策についてです。
市民の生命、財産を守るのが市役所の使命です。河川の整備について、県の土木事務所は、須恵川の河川整備についてお金に余裕がなくて回せないなどといって、これまで10年もほったらかされています。また、水害の被害が心配でなりません。本当に情けない話です。中途半端な対処だったら、被害をこうむった住民はもう許せない話です。最高責任者の吉田市長に、今後の河川整備を含め、水害の対処法について御所見をお伺いします。
次に、アレルギー対応食についてです。
食育として学校給食が担っている役割は本当に大事です。アレルギーがあるからといって、弁当を持参させるだけで解決してよいのでしょうか。仙台市の例を紹介しましたように、また、東京区部でもみんなで知恵を出し合いながら代替食にも取り組んでいます。福岡市の子どもたちが健やかに成長していくために吉田市長、本市もアレルギー対策に真剣に取り組みませんか。御所見をお伺いいたします。
次に、節水について伺います。
公共建築物の中では、私が調べただけでも節水されていない箇所がありました。節水こまも以前のように水量を制限するだけではない。水圧は全開した状態とほとんど変わらないが、節水になっている新型も開発されていると聞いています。利用者はさほど不便に感じない。すぐれた技術が福岡にはあります。今後とも、公共建築物も含め節水に取り組むことが大事であると思います。公共建築物の改築や新築に当たって、現在どのように取り組まれているのか、お示しください。
最後に、着実に節水型都市づくりを推進していく決意を、水道事業に特に詳しい高田副市長にお伺いして、私の質問を終わります。
◯議長(光安 力) 貞刈財政局長。
◯財政局長(貞刈厚仁) 公共建築物の新築や改築に当たっての節水の取り組みにつきまして、技術管理部を所管する財政局のほうから回答いたします。
公共建築物の新築、改築につきましては、節水対策としてさまざまな観点から機器を選定し積極的に採用するとともに、各施設管理者などに対しては、節水効果も含め光熱水費の削減を図る観点から作成いたしました庁舎等省エネルギー手引書などにより、節水に向けての適切な使用の周知を図っておるところでございます。新しい節水機器につきましては、今後とも、関係局と連携し、その効果を確認しながら検討を進めるとともに、各施設管理者などへ情報の提供を図り、さらなる節水に向けた施設づくりを指導してまいります。以上でございます。
◯議長(光安 力) 高田副市長。
◯副市長(高田洋征) 水行政について私のほうからお答えをさせていただきます。
御存じのように、水資源に恵まれない福岡市におきましては、これまでも水資源の開発につきまして、市議会を初め、水源地の関係者の皆さんの御理解と御協力のもとで、いろんな取り組みをさせていただき、水の安定供給につきまして、一定の成果をこれまで見てきているところでございます。しかしながら一方で、本市の水使用量、これは具体的に申し上げますと、日量約40万トン、福岡都市圏全体におきましても、日量61万トンを超える水量を使っているわけでございますが、この3分の1は筑後川水系からの水の取水に頼っているという現状でございます。水の安定供給に向けた努力とともに、水資源は有限であるという認識を市民の皆さんとともに共有していくということは大変重要であろうと考えております。
先ほど管理者からもお答えさせていただいておりますけど、平成15年に全国に先駆けて制定した節水推進条例に基づき、水の有効利用策として節水PRによる節水意識の啓発や節水機器の使用奨励、また雑用水道の導入等を積極的に推進してきたところでございます。また、これらの事業につきまして、政策推進プランの主要事業として位置づけ、全市的に取り組んでまいってきているところでございます。今後とも、公共建築物における効果的な節水を含めまして、節水型都市づくりを推進してまいりたいと考えております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
◯議長(光安 力) 吉田市長。
◯市長(吉田 宏) 河川の整備及び水害の防止の方法でございます。
治水の根幹というのは、まず、主要な河川をしっかりと改修をしていって、まず水があふれないということが大事でありまして、そのことについては、常々県に対して要望してまいりましたけども、やはり今回も浸水の原因になる河川のはんらんとまでいかないにしても、溢水などありまして、これは今回もまた放置されたとは言いませんけれども、ほとんど手つかずの河川があるために起きた被害だということを強く県に対しても要望して、改修を進めていけるように我々もしっかりやっていきたいと思います。
あふれたら今度は次どうするかという内水排除のための整備でありますけど、これは雨水整備Doプランで今進めておりますが、今後も積極的にこれは早めることも含めてやっていきたいと思っております。
いずれにしろ、気象変動の影響かと思いますが、記録的な雨、豪雨がありまして、今後も浸水対策というのは非常に重要であると思っております。天神地区なども含めて、浸水があるということ自体が、都市のイメージを非常に損なうものであると、今回、議会でも御指摘いただいていますけれども、まさに私もそのように感じておりまして、ぜひこれは雨水流出を抑制するための施策を進めていかなくてはならないと考えております。現在、福岡市公共施設雨水流出抑制指針というものも作成をしておりまして、河川改修及び道路及び下水道の整備とあわせて全体的に進めていこうということにしております。豪雨災害のときには地域の自主防災組織との連携が欠かせません。今回も御指摘いただいているように、ところどころで反省すべき点があったかと思っておりますので、これは深く反省をしまして、今後の取り組みにつなげていきたいと考えておるところであります。
また、食物アレルギー対応の給食の提供についてでございます。
仙台市での先進的な取り組みを議員のほうから御報告いただきましたけれども、大変にきめ細かい対応ができているようであって、食器に学校別に書いてあるというようなことなどは、本当に子どもたちが給食を楽しむというか、そこで十分な栄養補給をしてもらおうという、そういう仙台市の非常に高い理想といいますか、それが具現化している例だろうと思ってお聞きをしておりました。何もアレルギーになりたくてなる子どもはいないわけでして、子どもたちのせいではないので、そこは給食をみんなと一緒に食べる、そのとき自分だけお弁当というのも本当にかわいそうな話ですので、しっかりやっていきたいと思います。
それで、現在、学校給食センターの再整備を検討しておりまして、この中でアレルギー対応食にも検討を進めているというふうに教育委員会のほうからお聞きをしております。きょう議員のほうからの御指摘も含めまして、教育委員会ともども、子どもたちみんなが給食に親しんでもらえるような環境づくりを進めていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
初めに、7.24九州北部集中豪雨で、被害をこうむられた方々へお見舞いを申し上げますとともに、お亡くなりになられました皆様方に慎んで御冥福をお祈り申し上げます。私は今回、東区西部の状況について特にお尋ねしてまいります。これまで本市は、平成11年と平成15年、大きな水害に見舞われました。平成15年の御笠川においては、河川激甚災害特別緊急対策事業、いわゆる激特事業に指定されました。今回の水害はどの程度の災害だったと認識されているのか、まずお尋ねいたします。また、これまで整備したおかげで、どの地域の何が効果を発揮したか、あわせてお示しください。
道路下水道局では、橋梁のアセットマネジメントを実施するために、定期的な点検等を実施されておりますが、どのような点検を行われているのか、お尋ねいたします。また、今回の水害を受け、橋梁の点検方法の見直しなどの検討は行われているのか、お尋ねいたします。
また、2級河川においても、今回もはんらんした箇所が複数発生していますが、県の土木事務所とどのような協議がなされているのか、お尋ねいたします。特に河床の掘削など、地域住民から要望があった箇所は市当局より県へ要請した後、地元への報告はどのようになされているのでしょうか、お尋ねいたします。
本市では、ハザードマップを作成し、水害や地すべりなど危険箇所の表記を行っています。その地域の住民の避難についてですが、どの程度の降水量や河川の増水で避難してもらうかなど、周知すべきではないのか、お尋ねいたします。
東区松田に住んでいる私の家の前の市道は、7月24日の午後8時ごろには須恵川のはんらんにより約70センチの深さまで達し、私の腰がつかるまで増水しました。ドラム缶は流れる。どこの家のタイヤかクーラーボックスなのかわかりませんが、何個も流されていました。ここは道なのか、川なのかわからない状態です。近所にお住まいの方の車は何台もが浸水して動かなくなり、整備費用に多額のお金がかかっています。地域住民からは、過去10年の間に何回もつかっているのに、県も市も対策が不十分ではないかとおしかりを受けています。須恵川は、堤防より20センチの高さではんらんしています。私もこのまま何もしなかったら、これからもこうした被害が川の両岸である津屋や原田、松田の地域は、近い将来また起きると思っています。多々良川流域についても、市としては今後どうするつもりか、御所見をお伺いいたします。
次に、避難所についてです。
今回、多々良公民館が避難所になりませんでした。市内ではほかにも公民館が避難所として機能しなかったところがありましたでしょうか、お尋ねいたします。
そもそも公民館は、地域第一の避難所として活用されるべきです。そこが浸水して使えないとはどういうことでしょうか。今後の公民館の整備はどうあるべきでしょうか、御見解を伺います。公民館の設置場所は地域の要望も当然ありますが、安全な避難所としての役割を持っているのが、まず第一ではないのかと考えますが、御所見をお伺いします。
次に、排水機能を持つポンプ場についてお尋ねいたします。
まず、この設備を作動するのは、人が操作しているのでしょうか、それともある一定の水位になると自動的に作動するのか、運転方法をお示しください。
次に、本市の給食センター及び小学校などの自校式での食物アレルギー対応食の提供についてお尋ねしてまいります。
現在、アレルギー疾患を持つ子どもたちが全国的に大変多くなってきております。特に食物でアレルギー反応を示す子どもたちがたくさんいます。主食である米や小麦、そばなどでも発症し、中には呼吸器の炎症で一歩間違えば重篤な状態に陥ります。私が小中学生のころと比べても、今のほうがはるかに食物アレルギーを持つ子どもたちがふえています。学校給食において、さまざまな配慮と対策が必要と感じております。
そこで、これまで食物アレルギーに関して、何か検討会などを実施されたことがあるのでしょうか、お伺いいたします。
次に、子どもたちはどのような食品にアレルギー反応を示していますでしょうか。小中学校別に上位からお示しいただくとともに、人数は上位3位までお示しください。また、全体人数としては10年前と比べてどうでしょうか。増加しているのでしょうか、減少しているのでしょうか。さらに、今何人が家庭から弁当を持参していますでしょうか、お伺いいたします。
また、本市の自校式やセンター方式では、現在どのような除去食の方法をとっているのか、また代替食についてはどのようにされているのか、お伺いいたします。
次に、エピペンの取り扱い状況についてお尋ねします。
エピペンは、意識障害や呼吸障害など、いわゆるアナフィラキシーショックを起こしたときに、救急車が来るまでの間、症状を重症化させない有効な注射です。衣服の上からでも使用できます。エピペンは、昨年4月より担当医の許可が出た子どもに対して、学校職員でも使用することができるようになりました。現在、本市でその対象児童生徒は何人か、またエピペンが現場でできるように学校職員が研修を受けているのか、お尋ねいたします。
次に、水道事業の収支計画と節水についてお尋ねいたします。
昨年9月、日本水道協会の発表によりますと、全国の66の自治体、企業団が水道料金を値上げしたと協会の調査結果が伝えられました。その値上げの要因は何ととらえられておられるのか、お尋ねいたします。
本市は、平成9年に、今の料金に値上げして以来、その後値上げしないで頑張っておられると大いにエールを送ります。しかし、今後10年間を見た場合、水道料金を値上げしないで本当に水道事業会計が維持できるのか、お聞きしたい。
今回の質問の大きな趣旨は節水にあります。節水だけが大きくクローズアップされますと、当然ながら料金収入に影響が出ます。どのくらい水道局に体力があるのかを尋ねたくて質問しておりますので、収入減になる質問をどうか御容赦いただきたい。経営に幾らかでも余力があれば、大いに節水に取り組んでいこうではありませんか。節水して料金値上げになれば、身もふたもないことだとまず申し述べておきます。
初めに、資本的支出の見通しについてですが、今後、水源開発や昭和40年代に大量に布設した配水管の更新など多額の建設改良費、いわゆる設備投資が見込まれると思いますが、今後10年間の建設改良に伴う投入額は幾らか。またピークはどうかお示しください。
次に、収益的収支の見通しについてですが、先ほどお聞きした設備投資を行った場合、これらにかかわる減価償却や企業債の支払利息も加算され、支出が増大していくのではないでしょうか。また、料金収入も減少傾向となり、そうした中で将来赤字になるのではないか、ひいては料金の値上げにつながるのではないかと心配いたしております。今後10年間の損益の見通しをお尋ねいたします。
そこで本題ですが、節水への取り組みをこれまでどおり推進していかれるのか、水道事業管理者の御所見をお伺いいたします。
以上で1回目の質問を終わり、2回目以降は自席にて行います。
◯議長(光安 力) 岩崎道路下水道局長。
◯道路下水道局長(岩崎憲彰) まず今回の浸水被害についてですが、福岡市の気象観測史上、最高の時間雨量116ミリを記録するなど、平成11年及び15年以上の豪雨によるものと認識しております。これまでの整備の効果につきましては、本市が重点的に整備を進めてきました博多駅周辺地区において効果があらわれたと思っております。これは福岡県による御笠川河川激甚災害対策特別緊急事業の整備が完了したことや、レインボープラン博多の整備が進捗したことによるものだと思っております。
次に、橋梁の点検につきましては、異常、損傷等を早期の段階で発見するために、通常点検を2年に1回、定期点検を5年に1回の頻度で行っております。点検で損傷などが発見され、対策が必要と判断されれば計画的に補修を行い、橋梁の適正な管理に努めております。今回の水害を受け、被災事例や点検、補修履歴などのデータを集積し、定期点検における点検項目の見直しや追加などを検討してまいります。
次に、2級河川における福岡県との協議につきましては、整備促進や適切な維持管理につきまして県に対し毎年要望しており、周辺市町で組織しております促進協議会などで県と協議を重ねております。今後とも、引き続き2級河川の整備促進及び適切な維持管理について、協議、要望を行ってまいります。また、市から県に要望した内容につきましては、県よりその対応について地元に報告、協議がなされていると聞いております。
次に、松田地区の浸水対策につきましては、記録的な集中豪雨により須恵川の堤防から溢水したものであり、河川管理者である福岡県に対して、護岸のかさ上げや河床掘削を強く要望してまいります。また内水排除のために整備を進めている雨水整備Doプランにつきましても、積極的に推進してまいります。さらに、本市では昨年度、雨水流出を抑制するための施策を推進するため、福岡市公共施設雨水流出抑制指針を策定しており、河川改修や道路及び下水道整備とあわせて取り組んでまいります。
次に、雨水排水ポンプ場のポンプ運転につきましては、ポンプ場に設置している水位計により作動し、自動で運転をしているところでございます。以上でございます。
◯議長(光安 力) 阿部市民局長。
◯市民局長(阿部 亨) 豪雨災害についての御質問にお答えをいたします。
まず、ハザードマップに危険箇所を表記している地域の住民の避難判断についてでございますが、避難判断のための情報や危険を避けるための心得などにつきましては、これまでに作成しましたハザードマップの中でも周知をしてきたところでございます。しかしながら、今回の水害では、市民への災害情報の伝達や避難誘導のあり方などが課題となったところでありますので、今後は出前講座や自主防災組織リーダー研修会、市政だよりなどを活用した防災教育、啓発を進めますとともに、より効果的な周知方法を検討しながら取り組んでまいります。
次に、今回の集中豪雨において、避難勧告が発令された地域で、避難所として開設できなかった公民館についてでございますけれども、開設できなかった公民館は、東区の多々良公民館のみでございます。多々良公民館につきましては、建物本体への被害はございませんでしたが、周辺道路及び前面駐車場が冠水をしたために開設できなかったものでございます。このため避難所としては付近の地域集会所に開設をいたしております。
次に、今後の公民館の整備の考え方についてのお尋ねでございますが、公民館は災害時の一時避難所としての役割と地域コミュニティー活動や生涯学習の拠点施設としての役割を担っております。したがいまして、地域の皆様の御要望などを十分に尊重するとともに、施設の安全性及び利便性の双方に配慮しながら整備を進めてまいりたいと考えております。以上でございます。
◯議長(光安 力) 山田教育長。
◯教育長(山田裕嗣) 食物アレルギーなどに関する御質問にお答えをいたします。
まず、アレルギーに関する検討などにつきましては、福岡市医師会や福岡市養護教諭研究会において検討がなされるとともに、本市も含めました3者で毎年数回開催している懇談会においても、アレルギーに関する検討を行っております。食物アレルギーについては、最近の例としまして、平成20年10月に開催した懇談会で意見交換を行ったところでございます。
また、子どもたちの食品によるアレルギー反応につきましては、平成21年度の調査では、小学生で一番多いのは乳、乳製品で1,122人、2番目は卵、卵製品で954人、3番目はエビで272人となっており、以下、そば、落花生、キウイフルーツの順となっております。中学生で一番多いのは乳、乳製品で400人、2番目は卵、卵製品で253人、3番目はエビで161人となっており、以下、そば、キウイフルーツ、カニの順となっております。
また、アレルギー反応を示す子どもの全体人数の増減についてのお尋ねでございますが、小学校につきましては、平成14年度から調査を行っており、平成14年度の1,346人から平成21年度は2,152人と806人増加し、約1.6倍となっております。中学校につきましては、平成16年度から調査を行っており、平成16年度の668人から平成21年度は1,020人と352人増加し、約1.5倍となっております。
また、家庭から弁当を持参する児童生徒につきましては、小学生が370人、中学生が34人となっております。
また、除去食への対応につきましては、小学校などの自校方式の給食におきましては、調理の最後に加える卵、マヨネーズとゴマ、ゴマ油の除去を行っております。中学校などの給食を実施しております給食センターにおきましては、施設設備面での制約があり、現在、除去食は実施しておりません。給食の一部をアレルギーに対応したものにかえて提供する、いわゆる代替食につきましては、自校方式、センター方式ともに実施しておりません。
次に、アドレナリン注射、いわゆるエピペンの処方を受けている児童生徒につきましては、小学校10名、中学校1名、合わせて11名です。
次に、学校職員への研修につきましては、平成20年度は2月の学校保健研修会において、アレルギー対策の中でエピペンについて説明するとともに、平成21年8月には実際のエピペンの使用方法も含めた専門研修を実施しております。以上でございます。
◯議長(光安 力) 松永水道事業管理者。
◯水道事業管理者(松永徳壽) 順次お答えいたします。
まず、全国66の水道事業体が料金値上げを行っているが、その要因をどのようにとらえているかということでございます。
日本水道協会においては毎年全国の水道料金の改定状況を調査し公表されておりますが、その改定の理由までは調査されておりません。今回、私どものほうで、平成19年度改定の当該各事業体に問い合わせを行っております。その結果、値上げの要因は、一つには、市町村の合併に伴い、料金の統一を図るためのもの、二つには、人口の減少や市民、企業の節水等により、収益が落ち込んだことによるもの、三つ目として、施設の更新時期を迎えて、内部留保資金を確保するためのもの、以上3点に集約できるかと思います。
次に、建設改良費の今後10年間の投入額についてでございます。
水道局は、本年2月に、今後10年間の財政収支を見通した上で、これからの事業運営の指針とする水道長期ビジョンを策定いたしております。この計画の中で、水資源の開発や老朽化した水道施設の更新などに係る事業費として、10年間で約1,327億円、単年度当たりにいたしますと、約133億円を見込んでいるところでございます。また、建設改良費のピークは、平成27年度でございまして、約155億円を見込んでおります。
次に、今後10年間の損益の見通しについてでございますが、御指摘のとおり、建設改良費の増加に伴い減価償却費や支払利息など費用が増加する一方で料金収入は減少傾向が続くと見ておりまして、単年度で見ますと当面は利益を確保できるものの、平成28年度以降は損失が生じる見込みでございます。しかしながら、今後も引き続き経営の効率化や財政の健全化にしっかりと取り組んでまいりますことにより、約10年後の平成30年度におきましても、累積利益は確保できる見込みでございまして、異常渇水などが生じない限りは、現行料金が維持できるという見通しを持っておるところでございます。
最後に、節水への取り組みについてでございますが、昭和53年の大渇水を契機に水道局では全国に先駆けて効率的な水運用を図るための市内全域の流量や水圧を調整、集中制御する配水調整システムを導入するとともに、漏水防止対策や節水意識の高揚を図るなど各種施策に取り組んでまいりました。現在では、市民1人当たりの水使用量の少なさ、水の有効率の高さは全国でもトップレベルを維持しておるところでございます。市民一人一人の節水は水を安定的に供給する上で大変重要であり、また水道水をつくるためのエネルギーを軽減することにもつながります。水は限りある資源であるという認識のもと、節水型都市づくりを、さきに述べました水道長期ビジョンの施策目標として明確に位置づけてもおります。市民の皆さんの御理解と御協力をいただきながら、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。
◯議長(光安 力) 山口剛司議員。
◯36番(山口剛司) それでは、2回目の質問に入ります。
まず、水害についてです。
はんらんした河川の堤防には今、土のうが積まれています。高いところは4個分もありますが、今後どうするつもりでしょうか。まさかそのままではないと思いますが、今後の処置をお聞きします。土のうは長期間対応に限界があります。袋が破けて砂が漏れ出します。また、積んでいる場所の歩道は狭くなっています。昨年ようやく箱崎公園横の歩道を広く整備したのに、今は車いすも通れない狭い場所があります。まずは川底の掘削を一番先に取り組まなければならないと考えます。その次には歩道と河川との境にフェンスがありますが、私はそこにパラペットやコンクリートブロックなどをつけたらいいのではないかと思っています。今後の整備について、しっかり答弁をいただきたい。
また、今回初めて住民避難のサイレンを鳴らしましたが、21時でした。この時間では、道と側溝や田んぼの区別がつかないほど水があふれていまして、避難できない状況でした。床上浸水も多数。避難勧告ももっと早く出すように考え直したほうがいいのではないでしょうか。現に兵庫県の水害では、避難している途中に側溝に流され死亡された方がいらっしゃいます。本当に無念で御冥福をお祈り申し上げます。本市も例外ではありません。避難開始時間と方法は今後どう改善していくのか、お尋ねいたします。
また、24日から1日置いた26日、日曜日の午前中に、また河川から水があふれ出してきました。土のうが必要だったのに、区役所に依頼しても在庫がないとの返事です。どうしようもないとの回答でした。本当にこれでいいのでしょうか。私は地域の方々と一緒に公園の砂を使い、土のうをつくりました。しかし、袋が足りない。土のう袋の購入のために店に走ったのが現状です。これはどこかおかしくありませんか。袋ぐらいなぜ災害備蓄として用意されていないのでしょう。初めての水害ではないのです。最初の発生から2日後たったにもかかわらず対策が打てていない。危機管理が実際には役に立っていないことが証明されたようなものです。避難所に毛布もなく、食料もなかった実態を局長は報告を受けていましたか。市長は聞かれていますか。お粗末と言いたい。現場の状況を知らないと改善もされないままで、しょせんマニュアルは机上の空論に終わってしまい、無用の長物となってしまいます。食料についてですが、私は地震のときも避難所に食料がなかったので市民局に連絡し対応してもらいました。今回もまた避難所に食料がない。なぜ教訓が生かされないのか、不思議でしようがありません。今後、どのように反省会や結果報告会を持ち、改善するのか、お伺いいたします。
博多区山王の地下貯留池が今回大きな成果を発揮したと伺いました。それこそ水害が発生する地域において公共施設の地下などに貯留池や地下ダムをつくることも必要になってきているのではないでしょうか。仙台市青葉区の紹介ですが、住宅分譲地で雨水浸透ますを全区画に設置する計画が民間事業者の手をおかりして進んでいます。全97区画で3万8,000平方メートルの面積で、市も設置に補助金を出しています。ここでは、1戸の住宅で1時間に3トンの雨を地中に浸透させることができます。地区全体では約300トン、5コースある25メートルプールの1杯分に相当いたします。本市も雨水タンクの助成だけでなく、雨水ますの助成にも乗り出して積極的に推進したらいかがでしょうか。雨水の配水をすべて河川に流すやり方は変えなければならないのではないかと考えます。今の排水方法では、川がはんらん状態にあるのに、そこへポンプ場から排水するだけでは困難だと考えています。浸水地域でポンプ場が必要であるということは理解をしていますが、ここは専門家を交えて、いま一度検討すべきではないかと思います。私は早急に研究会を開催し、都市型災害におけるさまざまな改善策を検討、実施すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
次に、アレルギーに関してですが、過去3年間で見てみますと、検討会はこれまで1回しか行われていません。それもアレルギー全般の話とのことでした。もっとしっかり議論すべきではないでしょうか。何らかの食物アレルギーがある人数は、小学校で2,000人を超え、中学校では1,000人を超えています。全体の児童生徒数から比較すると約3%になります。この子どもたちへの対応がしっかりできていないのではありませんか。仙台市の状況と比較していきます。仙台市は平成15年に食物アレルギーを持つ児童生徒も学校生活を円滑に送れるよう、学校給食食物アレルギー対応検討委員会を開催し、翌年には答申を出して対応に乗り出しました。本市の自校式と同じく、単独調理校では除去食も代替食も実施しています。さらにアレルギー食対応の給食センターである新野村学校給食センターを2年前に設立いたしました。PFIのBOT方式、サービス購入型で9億円安く27億円でできているそうです。このセンターのエリアは、小学校18校、中学校8校の計26校が対象です。9,300人の基準献立の調理場とは別に、対応食用のブースを設けています。これは調理過程でのコンタミネーション、つまり微量でも原因食材が混入することを防ぐことが要求されるからです。アレルギー対象児童生徒の内容が違うため、食器にはそれぞれ学校名と生徒名が記入され、配達の際も直接学校関係者に手渡しをするなど、徹底して間違わない配慮をされていました。このエリアにアレルギーを持つ家庭が転入しているとも聞いてまいりました。また、今建てかえ中である別のセンターでも、食物アレルギー対応の専用ブースを設けるとのことです。仙台市の考えは、アレルギーを持つ子どもたちもほかの子どもたちと同じように、楽しい給食時間が送れるようにしてあげたいという点にあります。アレルギー食品の内容にもよりますが、このエリアで弁当を持参している子は6名です。
一方、本市ではどうでしょうか。仙台市と比較すると、対応がほとんどできていないのに等しいではありませんか。まずは検討委員会を開催し、現状をもっとしっかり把握した上で、今後の学校給食はどうしていくのかということを医者などの専門家と現場の調理師、栄養士も含めて、学校関係者と議論する必要があります。それがこれまでできていないのが本当に残念でなりません。また、本市では今給食センターの建てかえについて検討を始められていると聞きました。検討の内容はどのようなものでしょうか。その中にアレルギー対応食の調理場をつくる考えがありますでしょうか、お尋ねいたします。
本市のアレルギー対応食も除去食だけではなく、代替食が大事です。除いてばっかりだったら栄養も何もあったものではありません。成長期の学童期で本当に栄養のバランスがとれた食事を取らせることができるかが大事ではないでしょうか。1回目の質問で調査をした年と比較した生徒数を聞きました。現在の増加の要因として、調理の苦手な保護者や仕事の都合で食事をつくれない保護者が多くなり、その結果、子どもたちが好むレトルト食品や総菜、弁当などの購入がふえ、子どもたちに必要な栄養バランスが取られていないことも原因として上げられています。だからこそ、せめて給食はおいしく楽しくバランスよく取らせてあげることが重要ではないでしょうか。ここで誤解のないように申し述べますが、アレルギーのある家庭すべてが家庭での食事対応がまずいということではありません。発症の原因はさまざまにあり、それも幼児期のアレルギーから学童期へ、また青年期へと成長するに従い、アレルギー反応を示さなくなる場合も多くあるということを申し上げます。今後、アレルギー対応食の取り組みをセンター方式、自校方式に限らず、できるところから早速開始していただきたいと考えますが、御所見を伺います。
次に、エピペンについてです。仙台市では、どこの学校にだれとだれがいると把握していました。特に複数の対象生徒がいる学校では、学校全体の職員が研修を受けていました。小中学校合わせて全部で5校あります。仮に二、三人の職員しか対処方法を知らなければ、その職員が現場にいないと、いざというときに間に合わないからです。その他の学校では、栄養職員や養護教諭はもちろんのこと、教頭は全員研修を受けています。本市では養護教員や担任ぐらいでしょうか、学校単位で見ますと、ごく少数の教員しか知らないところがあるのではないでしょうか。さらに、教員の異動があると、だれ一人研修を受けていない学校が今後発生する危険性があります。研修会を開き、エピペンの実物を見てもらい、また模型などで実際に試すなどすれば、エピペンの使用に関しての現場の不安は薄らぐと思いますが、今後、研修受講者をどのようにふやすのか、お尋ねいたします。
次に、水道事業会計と節水に関してお尋ねいたします。
各自治体で水道料金が値上げされている要因がわかりました。値上げは、市民の生活にとって、すべての方に多大な影響を及ぼします。どうか値上げしなくて済むように今後も頑張っていただきたい。水道事業管理者の答弁で節水型都市づくりを推進すると心強い発言がありました。非常に心強い限りです。しっかり節水に取り組みたいと思います。しかし、本庁舎もそうですが、節水こまをつけている洗面所などでは、最初、蛇口をひねっても水の出が悪い。気分で発言して申しわけありませんが、ちょろちょろと流れる水ではきれいになった気がしません。そこで、昨年から学校では水圧も普通とそんなに変わらない節水キャップをつけて、節水の効果を上げていると聞きました。そこで、既に設置している老司小学校を視察いたしました。今の校長先生は4月に赴任されたそうですが、水の出は普通と変わらない。ただバケツに水をためようとすると何かいつもより時間がかかるのでおかしいと思っていたそうです。また、洗い場では水量が絞られているので子どもたちが手洗いをしても回りに飛び散らなくて本当に助かっているとのことでした。
そこでお尋ねいたします。今は節水キャップを何校に設置し、費用は幾らかかったか。その設置費用と比較すると、どのくらい水道料金が減少して、どのくらいプラスになったのか、お示しください。また、今後はどのように整備していく計画があるのか、お尋ねいたします。
今度は水道局にお尋ねしますが、公共建築物も含め、いろんなところで施設の新築や改築がなされています。これまで水道の節水状況など調査したり、何らかの啓発を行ったりされているのでしょうか、お伺いいたします。
以上で2回目の質問を終わります。
◯議長(光安 力) 岩崎道路下水道局長。
◯道路下水道局長(岩崎憲彰) 現在積まれている土のうの対処、及び今後の河川整備につきましてですが、須恵川に対する恒久的な対応である河川改修及びパラペットによる暫定的な対策についても、県に強く要望してまいります。
浸水対策としましては、河川改修や下水道施設の整備とともに、雨水の貯留、浸透を行う流出抑制を図っていくことが重要でございます。現在、家庭用雨水貯留タンクについては、国の補助制度や本市の助成制度を導入し、普及促進に努めております。新たに一般家庭への浸透ます設置の助成制度についても検討してまいります。また、敷地面積1,000平方メートル以上の開発事業者には、雨水流出抑制対策を講じるよう協力を依頼しております。今後とも、市民の皆様と行政が一体となって雨水の流出抑制対策に取り組んでいくことが重要であり、積極的に対処してまいります。また、学識者や国の研究機関の方々にもさまざまな浸水対策についての意見をお聞きし、今後の対策に役立てていきたいと考えております。以上でございます。
◯議長(光安 力) 阿部市民局長。
◯市民局長(阿部 亨) 豪雨災害の際の避難開始時間と方法の改善についてお尋ねでございます。
御指摘のとおり、住民の方から適切な時期に避難勧告が出されなかったという御意見もいただいているところでございます。また、住民の避難につきましては、避難所へ避難するよりも自宅2階などへ移動する方法や、集合住宅の場合、上層階へ避難するほうがより安全な場合もございます。今回の水害では、市民への災害情報の伝達や避難誘導のあり方などが課題となったところでございまして、今後は避難勧告前の早い段階から、危険が予測される地域の住民へ避難準備を促す情報を広報するとともに、迅速な発令、伝達ができる体制を整え、住民の避難行動の支援に努めてまいります。
次に、今後、災害対策をどのように改善するのかというお尋ねでございますが、御指摘のとおり、今回の水害の対応では、水防活動や避難所運営などについて課題が明らかになっております。これらの課題を初め、今回の災害対策については、現在、各局、各区との検証作業を進めているところであり、今後、訓練や研修、地域での会合など、さまざまな機会をとらえて、直接地域住民や自主防災組織などからの御意見もお聞きし、改善策の検討、実施に取り組んでまいります。以上でございます。
◯議長(光安 力) 山田教育長。
◯教育長(山田裕嗣) まず、食物アレルギー等についての御質問にお答えをいたします。
給食センターの建てかえにつきましては、平成21年7月に、学識経験者や保護者の代表等から成る福岡市学校給食センター再整備基本構想策定委員会を設置いたしまして、給食センターの必要な機能、適正な配置箇所数及び配送エリア並びに事業手法や調理業務等運営体制の方向性などについての検討を行っております。新たな給食センターにおいては、アレルギー対応食の調理場は必要な機能と考えており、その施設、設備などについても検討を行ってまいります。
次に、アレルギー対応食への取り組みにつきましては、これまで現状の施設、設備で対応できる範囲で、献立や調理方法を工夫するなどして、除去食を提供してきたところでございます。調理上、困難な面もありますが、今後とも、要望におこたえできるように検討を進めてまいりたいと考えております。
次に、エピペンにつきましては、今後とも、研修会を継続して実施し、研修受講者の拡大に努めてまいります。また、対象児童生徒などがいる学校については、できるだけ多くの教職員の方が受講できるよう、研修会の開催方法など工夫し、実施してまいりたいと考えております。
次に、節水キャップについての御質問にお答えをいたします。
本市教育委員会では、平成20年度において、小学校2校、中学校1校の合計3校に、それから平成21年度においては、小学校4校、中学校4校、特別支援学校1校、高等学校1校の計10校に、従来の節水コマに加えて新型の節水キャップをモデル的に設置しております。このキャップは、水道の蛇口内に取りつけることにより、空気を含みながら水が放出されるようになっているもので、水道の使用感を損なうことなく、その使用量を減らす効果があるとされております。平成20年度のモデル校3校のうち2校については、前年比で1校当たり水道料金が約30万円の減額となり、節水キャップを200カ所に取りつけた場合の年間リース料約20万円を差し引きますと、約10万円のプラスとなっております。ただし、水道の使用量につきましては、気候の影響や学校の節水の取り組みなど、さまざまな要因で大きく変動するため、一概に節水キャップを取りつけたことによる節減効果とは言い切れない面もございます。実際に平成20年度のモデル校の残る1校では、年間水道使用量の節減効果が認められませんでした。このため、本年度さらにモデル校10校を追加して、節減効果の検証に取り組んでいるところでございます。今後の整備計画につきましては、この検証結果を踏まえた上で検討してまいりたいと考えております。以上です。
◯議長(光安 力) 松永水道事業管理者。
◯水道事業管理者(松永徳壽) 市内の各種施設に対して、設備状況の調査や啓発を行っているかとのことでございます。
まず、一定規模以上の大型建築物につきましては、建築確認の際に提出される節水計画書に基づき、雑用水道の利用や節水機器の設置状況等を確認し、必要に応じて指導を行っております。また、月に1,000立方メートル以上使用される大口需要者につきましては、水の利用状況等について適宜調査を実施してございます。そのほかに市民の皆様への幅広い啓発といたしまして、渇水の経験を風化させることのないよう、水需要が増加する6月から8月にかけてを「水をたいせつにキャンペーン」を展開するなど、年間を通してさまざまな広報活動に努めておるところでございます。以上でございます。
◯議長(光安 力) 山口剛司議員。
◯36番(山口剛司) 3回目の質問をいたします。
まず、災害対策についてです。
市民の生命、財産を守るのが市役所の使命です。河川の整備について、県の土木事務所は、須恵川の河川整備についてお金に余裕がなくて回せないなどといって、これまで10年もほったらかされています。また、水害の被害が心配でなりません。本当に情けない話です。中途半端な対処だったら、被害をこうむった住民はもう許せない話です。最高責任者の吉田市長に、今後の河川整備を含め、水害の対処法について御所見をお伺いします。
次に、アレルギー対応食についてです。
食育として学校給食が担っている役割は本当に大事です。アレルギーがあるからといって、弁当を持参させるだけで解決してよいのでしょうか。仙台市の例を紹介しましたように、また、東京区部でもみんなで知恵を出し合いながら代替食にも取り組んでいます。福岡市の子どもたちが健やかに成長していくために吉田市長、本市もアレルギー対策に真剣に取り組みませんか。御所見をお伺いいたします。
次に、節水について伺います。
公共建築物の中では、私が調べただけでも節水されていない箇所がありました。節水こまも以前のように水量を制限するだけではない。水圧は全開した状態とほとんど変わらないが、節水になっている新型も開発されていると聞いています。利用者はさほど不便に感じない。すぐれた技術が福岡にはあります。今後とも、公共建築物も含め節水に取り組むことが大事であると思います。公共建築物の改築や新築に当たって、現在どのように取り組まれているのか、お示しください。
最後に、着実に節水型都市づくりを推進していく決意を、水道事業に特に詳しい高田副市長にお伺いして、私の質問を終わります。
◯議長(光安 力) 貞刈財政局長。
◯財政局長(貞刈厚仁) 公共建築物の新築や改築に当たっての節水の取り組みにつきまして、技術管理部を所管する財政局のほうから回答いたします。
公共建築物の新築、改築につきましては、節水対策としてさまざまな観点から機器を選定し積極的に採用するとともに、各施設管理者などに対しては、節水効果も含め光熱水費の削減を図る観点から作成いたしました庁舎等省エネルギー手引書などにより、節水に向けての適切な使用の周知を図っておるところでございます。新しい節水機器につきましては、今後とも、関係局と連携し、その効果を確認しながら検討を進めるとともに、各施設管理者などへ情報の提供を図り、さらなる節水に向けた施設づくりを指導してまいります。以上でございます。
◯議長(光安 力) 高田副市長。
◯副市長(高田洋征) 水行政について私のほうからお答えをさせていただきます。
御存じのように、水資源に恵まれない福岡市におきましては、これまでも水資源の開発につきまして、市議会を初め、水源地の関係者の皆さんの御理解と御協力のもとで、いろんな取り組みをさせていただき、水の安定供給につきまして、一定の成果をこれまで見てきているところでございます。しかしながら一方で、本市の水使用量、これは具体的に申し上げますと、日量約40万トン、福岡都市圏全体におきましても、日量61万トンを超える水量を使っているわけでございますが、この3分の1は筑後川水系からの水の取水に頼っているという現状でございます。水の安定供給に向けた努力とともに、水資源は有限であるという認識を市民の皆さんとともに共有していくということは大変重要であろうと考えております。
先ほど管理者からもお答えさせていただいておりますけど、平成15年に全国に先駆けて制定した節水推進条例に基づき、水の有効利用策として節水PRによる節水意識の啓発や節水機器の使用奨励、また雑用水道の導入等を積極的に推進してきたところでございます。また、これらの事業につきまして、政策推進プランの主要事業として位置づけ、全市的に取り組んでまいってきているところでございます。今後とも、公共建築物における効果的な節水を含めまして、節水型都市づくりを推進してまいりたいと考えております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
◯議長(光安 力) 吉田市長。
◯市長(吉田 宏) 河川の整備及び水害の防止の方法でございます。
治水の根幹というのは、まず、主要な河川をしっかりと改修をしていって、まず水があふれないということが大事でありまして、そのことについては、常々県に対して要望してまいりましたけども、やはり今回も浸水の原因になる河川のはんらんとまでいかないにしても、溢水などありまして、これは今回もまた放置されたとは言いませんけれども、ほとんど手つかずの河川があるために起きた被害だということを強く県に対しても要望して、改修を進めていけるように我々もしっかりやっていきたいと思います。
あふれたら今度は次どうするかという内水排除のための整備でありますけど、これは雨水整備Doプランで今進めておりますが、今後も積極的にこれは早めることも含めてやっていきたいと思っております。
いずれにしろ、気象変動の影響かと思いますが、記録的な雨、豪雨がありまして、今後も浸水対策というのは非常に重要であると思っております。天神地区なども含めて、浸水があるということ自体が、都市のイメージを非常に損なうものであると、今回、議会でも御指摘いただいていますけれども、まさに私もそのように感じておりまして、ぜひこれは雨水流出を抑制するための施策を進めていかなくてはならないと考えております。現在、福岡市公共施設雨水流出抑制指針というものも作成をしておりまして、河川改修及び道路及び下水道の整備とあわせて全体的に進めていこうということにしております。豪雨災害のときには地域の自主防災組織との連携が欠かせません。今回も御指摘いただいているように、ところどころで反省すべき点があったかと思っておりますので、これは深く反省をしまして、今後の取り組みにつなげていきたいと考えておるところであります。
また、食物アレルギー対応の給食の提供についてでございます。
仙台市での先進的な取り組みを議員のほうから御報告いただきましたけれども、大変にきめ細かい対応ができているようであって、食器に学校別に書いてあるというようなことなどは、本当に子どもたちが給食を楽しむというか、そこで十分な栄養補給をしてもらおうという、そういう仙台市の非常に高い理想といいますか、それが具現化している例だろうと思ってお聞きをしておりました。何もアレルギーになりたくてなる子どもはいないわけでして、子どもたちのせいではないので、そこは給食をみんなと一緒に食べる、そのとき自分だけお弁当というのも本当にかわいそうな話ですので、しっかりやっていきたいと思います。
それで、現在、学校給食センターの再整備を検討しておりまして、この中でアレルギー対応食にも検討を進めているというふうに教育委員会のほうからお聞きをしております。きょう議員のほうからの御指摘も含めまして、教育委員会ともども、子どもたちみんなが給食に親しんでもらえるような環境づくりを進めていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。