福岡市議会議員・山口つよし

2008.12.15 : 平成20年第6回定例会

◯36番(山口剛司)登壇 皆さん、おはようございます。朝一番でございます。元気いっぱい質問をさせていただきます。
 私は、公明党福岡市議団を代表いたしまして、高齢社会における住宅と交通に関する地域コミュニティーについて、リサイクルシステムについて、そして、学習指導要領の改訂に伴う本市の準備と通学路の整備について質問をいたします。行政当局の前向きの回答を期待いたします。
 我が国は平成17年に、有史以来初めて人口減少時代に突入しました。福岡市では全体として人口は増加しているものの、高齢化の波は当然押し寄せております。全国各地で今後どのような対策を打つのかが極めて重要な課題であると言えます。そこで、今後の本市のコミュニティーのあり方、まちづくりのありようについて先進事例を学んでまいりましたので、種々御提案を含め、質問を行います。ただし、このテーマは本当にたくさんの角度から論じられますので、今回は移住、住みかえについて、主要駅と住宅団地を結ぶ公共の足についてお尋ねしてまいります。
 昭和40年代には、人口増加に伴い、本市でもさまざまな場所で造成工事や宅地開発が進められてきました。その当時入居された世帯は、現在、現役を引退された方々が多くなっています。子ども世帯と同居されていれば別ですが、老夫婦のみで生活されている場合は、家が広過ぎたり、また、段差が室内にあったりで、不自由な生活を余儀なくされている場合があります。高齢で自家用車を手放されると、買い物に行くにも、病院に通うにも不便です。このような地域にお住まいの方たちには、すべて歩いて行動できる地域に移りたいというニーズがあります。一方、子育て世代は部屋数の多いところに移りたいが、予算が足りなくて引っ越せないといった方たちもおられます。福岡県は、あんしん住替え情報バンク事業を始められました。
 そこでお尋ねいたしますが、この事業の概要と利用者数をお示しください。また、本市はこの事業に何か関係してあれば、それもあわせてお示しください。
 次に、コミュニティーバスなどに代表される住宅地と交通駅との結節の方法についてお尋ねしてまいります。
 今回取り上げている点は、これまでの市議会で路線バスの廃止について、たびたび取り上げられました志賀島の交通手段や糸島地区のバス運行など、大きく重要な路線の整備という問題ではありません。それこそ、車で移動すると5分程度ですが、歩いてとなると30分も40分もかかるような住宅地と交通駅との交通手段です。高齢化が進んでくると、住民の足は本当に限られてきます。移動に際し、いつもタクシーなどを利用するわけにはいきません。そうなりますと、自宅から余り外に出ない人がふえることになります。健康の面からも心配です。
 そこで、まずお尋ねしたいのが、このような身近な交通手段について、行政内で研究会なり勉強会なり、どう取り組んでいくかなど議論されていますでしょうか、お尋ねいたします。また、全国の事例を検討されたことがあれば、あわせてお示しください。
 次に、リサイクルシステムについてお尋ねいたします。
 本市のごみ対策で当局から発表されたごみ減量目標は、平成27年度、62万トンの目標数値に対し、平成19年度はごみ要処理量63.8万トンとなり、目標に近づいております。市民のごみ減量に対する意識が向上しているのと、当局で積極的に啓発、実行された結果だと評価したいと思います。一方、資源ごみのリサイクルは19年度、22%と、ここ数年は同レベルの現状です。今後もごみ量自体を削減するために、資源ごみのリサイクルにもっと力を入れる必要があると考えます。
 そこで今回は、資源ごみの中でもペットボトルと携帯電話のリサイクルについてお尋ねしてまいります。まず、本市のペットボトル回収量はどのように推移していますでしょうか。19年度と空き瓶、ペットボトルの回収が始まった12年度と対比してお示しください。
 次に、不要になった携帯電話等の回収についてです。レアメタルの再利用を促進しようという機運が、資源のない我が国で高まってきています。福岡県は本年7月に産学官の研究会を立ち上げ、再利用について検討を始めました。本市ではどうでしょうか。何か取り組みをされようとしているのか、お尋ねいたします。また、各自治体で携帯電話の回収ボックス等を設置し、回収の取り組みを始めたとの話をよく聞くようになりました。本市はまだそのような取り組みをされてはいませんが、どのような考えをお持ちか、あわせてお尋ねいたします。
 次に、学習指導要領の改訂に伴う本市の準備と通学路の整備についてお尋ねいたします。小学校において、今後、学習内容に大きく変化がある点と児童生徒が安全に登下校できるのか不安がありますので、以下、質問を行ってまいります。
 まず、平成23年度に予定されている学習指導要領の改訂に伴う本市の準備についてお尋ねいたします。今回の改訂は、前の改訂と何がどのように変わるのか、簡潔にお示しください。さらに、小学校高学年において外国語のカリキュラムが加わるということですが、文部科学省では外国語活動に対してどのようなねらい、目的等を考えているのか、お尋ねいたします。また、この改訂では、全国学力調査が参考にされていると聞いています。19年度と20年度に実施された学力調査では、本市は全国平均点と比較すると、どのくらいのレベルになるのでしょうか。特に、平均より劣っている分野があれば、あわせてお示しください。
 次に、通学路の歩道の整備について伺います。これまでの道路特定財源は、国においてさまざまな議論があり、21年度からは道路以外にも使える財源となるようであります。本市において都市計画道路の整備率は平成19年末で71.4%となっていますが、依然として交通渋滞に対する市民の不満は高く、平成17年度に策定されている福岡県新渋滞対策計画にもあるとおり、今後も総合的な渋滞対策が望まれているところです。また、本市の歩道の設置割合は、19年の道路統計年報に記載されておりますが、現状は24%で、76%が未整備の状態です。本市はまだ公共インフラ整備が必要な都市と言えると思います。
 そこで今回は、歩道の中でも学校の通学路に関する整備についてお尋ねいたします。まず、本市の通学路の全延長は何キロメートルで、そのうちどの程度歩道が設置されていないか。さらに、学校から半径1キロメートルの範囲で多くの児童が通う、例えば、交通安全事業法で定める1日40人以上の児童が通う通学路の場合、未整備はどの程度あるのかお尋ねいたします。
 以上で1回目の質問を終わり、2回目以降は自席にて行います。

 

◯議長(川口 浩) 松本住宅都市局長。


◯住宅都市局長(松本法雄) まず、あんしん住替え情報バンクの事業概要についてのお尋ねでございますが、この事業は、高齢者世帯等の住みかえの円滑化と住みかえた後の空き家の有効活用の手助けを目的に、本市を含めた県内を対象として、福岡県が実施している事業でございます。住みかえを検討している世帯が、現在住んでいる住宅を売買または賃貸の物件としてバンクに登録することにより、住みかえや持ち家活用を支援するもので、本市は公的機関や各業界団体等で構成される住宅市場活性化協議会の一員としてバンクの設立、運営等に参画し、施策の推進を図っているところでございます。利用者数につきましては、平成16年10月の事業開始以降、平成20年11月末現在で福岡県内の相談世帯数は1,802世帯で、そのうち実際に住みかえが確認できたものは163世帯と聞いております。
 次に、身近な交通手段についてのお尋ねでございますが、本市では平成17年度に公共交通に関する調査を行い、バス停や鉄道駅から1キロメートル以上離れた地域を公共交通空白地と位置づけ、バス路線の休廃止対策に取り組んでいるところでございます。また、バス停からおおむね500メートル以上離れ、鉄道駅から約1キロメートルを超える地域を公共交通不便地と位置づけ、地域特性に応じた公共交通機関のあり方について検討を進めているところでございます。また、全国の事例を検討したことがあるかというお尋ねでございますが、本市の施策の参考とするため、全国の自治体のさまざまな事例について調査を実施しておりますが、政令指定都市におきましては、横浜市の地域交通サポート事業、神戸市の住吉台くるくるバス、広島市のやぐちおもいやりタクシー、北九州市の枝光やまさか乗合タクシーなど、地域が主体となって乗り合いタクシー等の事業が運営されている事業がございます。以上でございます。

 

◯議長(川口 浩) 吉澤環境局長。


◯環境局長(吉澤 温) 本市のペットボトルの回収量につきましては、平成12年度が1,839トン、平成19年度が2,702トンとなっております。レアメタルの再利用化の検討につきましては、福岡県が設置いたしましたレアメタルリサイクル産学官連絡会議にオブザーバーとして参加しております。そこで情報収集を行っております。この連絡会議では、レアメタルのリサイクルの事業化についての課題や可能性について検討を行うとともに、産学官関係者への情報提供や意見交換が行われております。また、他都市におけます携帯電話の回収につきましては、本市の施策を検討する上でも貴重な実験例であり、課題や効果など調査、研究を重ねていく必要があると考えております。以上でございます。

 

◯議長(川口 浩) 山田教育長。


◯教育長(山田裕嗣) 学習指導要領についてのお尋ねでございますが、今回の小学校における学習指導要領の改訂につきましては、基礎的な知識、技能の習得と思考力、判断力、表現力をバランスよく伸ばしていくために、国語、社会、算数、理科、体育などの授業時数が6年間で約1割増加し、教育内容の改善が図られております。具体的な改善の内容といたしましては、国語を初め各教科などで言語の力をはぐくむことや理数教育の充実を図るとともに、小学校の5、6年生で英語を中心とした外国語活動が新たに導入されております。
 次に、小学校外国語活動のねらいや目的などについてでございますが、小学校外国語活動は、平成23年度より第5、6学年それぞれで年間35時間実施することとなっております。目標につきましては、外国語を通じて言語や文化について体験的に理解を深め、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り、外国語の音声や基本的な表現になれ親しませながら、コミュニケーション能力の素地を養うことが示されております。内容につきましては、外国語を用いて積極的にコミュニケーションを図ることや、日本と外国の言語や文化について体験的に理解を深めることが示されております。
 次に、平成19、20年度の全国学力・学習状況調査における本市の結果と学力の課題についてのお尋ねでございますが、知識、技能の定着につきましては、全国と同程度の結果となっております。また、知識、技能を活用する力につきましても、全国と同程度の結果となっており、国語における書く能力や算数、数学における数学的な考え方などが本市においても課題であるととらえられております。以上でございます。

 

◯議長(川口 浩) 坂田道路下水道局長。


◯道路下水道局長(坂田憲治) 通学路におきます歩道の整備状況でございますが、平成18年度の調査によりますと、学校長指定の通学路は約1,050キロメートルとなっております。このうち歩道の未整備区間は約580キロメートルで、未整備率は55%でございます。また、学校から半径1キロメートル以内で1日40人以上の児童が通う通学路は、約317キロメートルとなっております。このうち歩道の未整備区間は約123キロメートルで、未整備率は38%でございます。以上でございます。

 

◯議長(川口 浩) 山口剛司議員。


◯36番(山口剛司) 2回目の質問に入ります。
 まず、シニア世代の住みかえについてです。局長の答弁では、県に参加しているというお話でありましたが、本市としましては、ほとんど何もアクションを起こされていないように思います。将来のまちづくりを考える上でも大事な点ではないでしょうか。自治協議会等のアンケートに、役員のなり手がいないという項目では59.4%にも上ります。自治会、町内会のアンケートでも67.8%です。この数値にはいろんな理由が考えられますが、担い手となる若手が少ないことも大きな要素だと考えます。
 先日、多摩市の調査に参りました。ここは、昭和30年代に東京ベッドタウン構想で多摩ニュータウンとして造成されました。しかし、5階建ての集合住宅の上層部に住んでおられる高齢者は、エレベーターなどがないために、外出するときなど本当に不自由な思いをしていると伺いました。こうした中、NPO団体が活躍され、国の補助事業でもあった住みかえの相談に乗っておられます。NPOの代表は、地域のつながりをいかにうまくするかという視点に立ち、いいかげんがよいかげんと言われ、4つのルール感覚が大事と言われていました。それは、1、家族づき合い、情けがつき合いの基本です。2、地域づき合い、名刺など肩書が要らず、柔軟につき合うこと。3、ビジネスづき合い、責任を持って効率よくお金を稼ぐこと。4、公共づき合い、お金の価値だけではなく、公正で必要なサービスを提供することです。相談の解決にはマニュアルどおりにはいかなくて、10人の相談があれば、それこそ10通りのやりようが必要であると言われています。この住みかえという事業は、費用対効果を考えるとなかなか難しい。収益を中心に考えると不動産業となってしまいます。また、相談者も高齢者が多く、話のポイントをつかむのが大変で、ベストな相談の受け手はバランスのいい主婦の方がいいと言われていました。よく話を聞いてあげて、ポイントを絞り込む、その能力にたけておられます。その相談内容を後方支援者が判断し、住まいのリフォームがいいのか、移住がいいのかなどを判断され、よい方法を検討するそうです。目的がはっきりとした相談者の場合は、先ほど説明された県の事業で済むと思いますが、今後、10年後、20年先を見ますと、何かしら施策を考えることが必要であると考えますが、御所見を伺います。
 また、地域で困っている主要駅と住宅地との交通手段についてですが、高知県四万十市で実施されている中村まちバス事業を視察してきました。この事業のきっかけは、住宅地と市街地を結ぶバス路線の廃止がきっかけでした。このシステムは、利用者が電話でバス停に行く時間を予約し、運行してもらうフルデマンド式というやり方です。もちろん、実現にはタクシー業界の協力が大きかったと言われていました。運賃は大人が200円です。当初のバス停28カ所が57カ所と増加しました。病院やホテル、スーパーや役所など、市民がよく使う場所に設定されています。これまでの定時運行では、利用者は1日約7人の乗車だったのが、このシステムでは23人と増加したとの説明を聞きました。市民アンケートでも、便利になったと回答した人は95%にもなっています。人口が4万人を切る自治体で行われていることがすごいと思います。今後もこのシステムを続けていくことには困難があると思いますが、市民の足として活動を続けていってほしいものです。
 また、裏を返せば140万人を超える本市では、このようなシステムを全体的に実施するのは難しいと言われるかもしれませんが、エリア限定で実施することの参考にはなるのではないでしょうか。また、徳島県の上勝町での有償ボランティア輸送の取り組みも際立っています。NPO法人の登録運転者がおられ、この方の自家用車を使い、登録された方からの依頼を受け、目的地まで運送するという方法です。これまでの事例はNPOの方たちなどの支援が不可欠でもあります。本市の地域の実情に合ったやり方がないものか、特に区役所の地域支援課職員の方たちには、こういった交通の足として活動している他都市の情報を地域の方々に伝えていただきたい。地域から相談があれば紹介していただきたいのです。
 コミュニティーバスの導入について、先ほど局長から政令市の説明をいただきました。特にさいたま市では、本年度1億5,600万円の予算を準備し、住宅地と区役所を結ぶアクセスを目的として、コミュニティーバスの運行を実施しています。また、本市周辺の市や町でも、コミュニティーバスなどを行政が支援しています。西鉄バスやタクシー協会と協議をうまくされ、運用しています。これらの事例を知っている福岡市民の間では、当然、自分の地域にも何か交通手段として欲しいと思われるのは必至です。これからのまちづくりの視点で、この研究も必要ではないかと考えますが、御所見を伺います。
 次に、リサイクルシステムについてです。
 まず、ペットボトルの回収量が、本市は平成12年と比較して伸びてきているようです。全国でもペットボトルの生産量と回収量について、PETボトルリサイクル推進協議会発表の資料で見ていきますが、平成9年当時、今から10年前ですが、ペットボトル用の樹脂生産量は全国で約22万トンだったのに対し、19年の販売量は57万トン強と、3倍近く増加しています。これは、ライフスタイルの変化が一番大きく影響していると考えられます。一方、回収量の推移を見てみますと、市町村の分別収集量は生産量に対し、平成9年は回収率9.7%で、約2万1,000トンでした。19年は市町村回収が28万3,000トン、コンビニエンスストアやスーパー、駅などのお店などの事業系でボトル回収が11万3,000トンで、合計の回収率は69.2%に上っています。今後も、回収には行政の回収促進のみにとどまらず、事業者にもこれまで以上の協力を求めることが必要です。しかし、回収された後、そのペットくずは中国を初めとする海外へ輸出されたりしています。19年度は36万3,000トンが輸出されています。再生に向け活用されるのであればわかりますが、そのままごみとして輸出され燃やされるのでは大変な問題だと思います。どのように外国で再生されているのか、当局でわかりますでしょうか、お尋ねいたします。今後も処理責任者である行政が、ペットボトルが最終的に再利用されていることを知っておくことが大事であると申し上げておきます。
 ここで、別の視点ですが、ペットボトルを回収事業者に処理してもらうのに、これまでお金を支払っていたのが、最近では資源ということで販売に変わり、引き渡し量に応じ、福岡市に収入があるということです。19年度ではどのくらいの金額になったのか、お示しください。さらに、その収入はどのような扱いになっているのか、お尋ねいたします。
 次に、携帯電話の回収についてです。先ほどの局長の答弁では、調査研究という段階にとどまっております。しかし、現在は携帯電話の販売店が回収を進めているのですが、各自治体でも回収ボックスを設置するなど協力をしています。九州でも北九州市や水俣市が行っています。これまでの回収の現状は、モバイル・リサイクル・ネットワークの発表によりますと、回収台数は平成13年度の1,300万台をピークに減少傾向にあり、19年度では約半数の644万台までに落ち込んでいます。減少の理由として、電気通信事業者協会が実施したことし5月のアンケート調査では、何となくや、どのように処分したらいいかわからないなどの理由で手元に置かれたままになっていることがわかりました。また、回収ボックスに入れて個人情報が流出したら心配だと思っている人がいるのも事実だと思います。そこで、自治体が市民へ回収の意義の周知徹底や意識向上を図る必要性が出てくるのです。東京都も都内大学構内や地下鉄の駅など、若者や人が集まる場所に専用の回収ボックスを設置し、回収実験をしました。1トンの携帯電話から約400グラムの金をつくることができるのです。これは世界最大の金鉱山、南アフリカの金鉱脈の最大80倍が含まれることを示しています。本市もエコが大事と考えておられるのであれば、他都市のように回収に積極的に乗り出してはいかがかと考えますが、御所見を伺います。本市は、若者率が格段に高い都市です。回収ボックスの設置場所として、地下鉄の主要駅や大学構内など協力をいただいてはいかがでしょうか。積極的な局長の答弁を期待いたします。
 環境局は、回収から再利用の流れに対して、経費がかかるなど不安を抱いておられるかと思いますが、本市では既にこのような回収システムがあります。それは、不要入れ歯回収ボックスです。市役所の1階にも設置されています。市民局長にお尋ねいたしますが、この回収ボックスを設置した経緯及びリサイクルの仕組みや収益金の使い道はどのようになっているのでしょうか。また、本市ではいつから回収ボックスを設置され、現在、何カ所に設置されているのでしょうか。また、これまでの回収の状況及び収益金はどのようになっているのか、さらに今後もこの事業を続けていかれるおつもりか、参考までにお知らせください。
 次に、学力調査に関してですが、本市は全国平均とほぼ同じであると述べられました。また、基礎問題に比べて活用問題、いわゆる応用の力ですが、弱いと指摘されています。全国学力調査に限らず、子どもたちは特に理数系が弱いと言われていますが、本市も同じ傾向であると言うことができます。先ごろ科学技術振興機構と国立教育政策研究所の調査で、小学校の学級担任の半数が理科の指導に苦手意識を持っていることがわかりました。本市では、この理科の学習に対して、学習効果を高めるために理科の支援員を配置されています。この理科の支援員に対し、国からの補助がどのくらいあって、何人がその担当をされているのか。また、この支援員によって学級担任の理科授業に対する負荷がどのように軽減されているのか、お示しください。また、生徒の学習意欲がどのように変化しているのか、お尋ねいたします。
 次に、平成23年度から小学校5、6年生に対し、外国語、とりわけ英語の授業が必修として取り組まれます。市民の皆さんから、外国語活動の授業対策に関して心配の声が上がっています。まず、学校現場からは、教科担任制で英語の教員が新たに配置されるのであればいいのですが、今の学習指導内容に英語の授業がプラスになると、教える準備がさらにふえ、うまくやりくりできるか不安であるとの声を聞きました。保護者からは、果たしてうちの子どもが英語の授業についていけるのか心配だという声。子どもたちからは、兄弟が中学校や高校で英語の授業に苦戦しているのを見て、自分は大丈夫かなという心配があります。また、小学校で英語教員を新たに増員するとなると、その分費用も発生しますが、考え方として、理科支援員と同じように配置ができないものでしょうか。また、授業のこま数が必要と思われますが、今のこま数からどれくらい増加することになりますでしょうか。文部科学省がホームページで、英語教育の習熟度の考え方として英語ノートを出していますが、それを見ますと、大変内容が多いと私は感じました。本市で習熟度はどの程度まで行えばいいと思ってあるのでしょうか。
 以上、これらの心配な点について、教育長、どうか明快に皆さんの不安を払拭する答弁をよろしくお願いいたします。
 また、通学路の歩道に関してですが、道路幅員が7メートル以上あって設置されている割合は約85%に上ります。その反面、幅員が7メートル未満の道路では10%しか整備されていないのが福岡市の現状です。そのうち、1日40人以上の通学児童が通う未整備区間は、学校から半径1キロメートル以内で123キロメートルもあります。さらに、学校から半径250メートル以内で、本当に学校の近くですが、全延長158キロメートル中、未整備区間は57キロメートルもあり、率にして36%になります。ここはしっかり整備が必要です。
 そこで、現在、道路下水道局が策定されている道路整備アクションプラン2011の計画で、通学路の整備目標がどのようになっているのかお尋ねいたします。また、整備については用地買収が必要な箇所もあると思われますが、生活道路などにおいては用地買収はなかなか大変で、時間も整備費用も多額になるのではないでしょうか。今後、どのようにして整備を進めていく計画なのか、お尋ねいたします。
 以上で2回目の質問を終わります。

 

◯議長(川口 浩) 松本住宅都市局長。


◯住宅都市局長(松本法雄) まず、高齢者世帯等からの住まいに関する相談への対応についてのお尋ねでございますが、本市におきましては、市役所内に住宅相談コーナーを設置し、住宅相談員による借りる、建てる、リフォームするなどの住まいに関する多様な相談へ対応しているところでございます。また、区役所の市民相談室におきましても、住まいに関する相談に応じているところでございますが、より専門的な内容については、住宅相談コーナーを紹介しているところでございます。議員御指摘の点を含め、高齢者からの多様な相談へきめ細かに対応できるよう、住まいに関する情報収集を強化するなど、住宅相談コーナーを充実するとともに、市民の皆様に広く御利用いただけるようPRに努めてまいりたいと考えております。
 次に、本市周辺の市や町のコミュニティーバスへの支援について研究が必要ではないかというお尋ねでございますが、周辺市町は人口規模も小さく、中心市街地を通る基幹的なバス路線の運行が採算上困難なことから、既存バス路線が廃止されたことなどに伴い、自治体がバス事業者等に運行を委託している状況にございます。本市の場合、市の大部分の地域を民間のバス路線がカバーしており、全国的に見てもバスネットワークが充実し、公共交通不便地は市の縁辺部に点在するにとどまっているなど、周辺市町とは状況が異なっていると考えております。しかしながら、今後は高齢化社会が一層進展することが確実であり、高齢者の手軽な移動手段を整えることは極めて大切なことと認識をいたしております。このため、まずはこのバスネットワークを広域的に維持し、公共交通空白地をつくらないことが重要であると考えております。また、高齢化が進む中で、丘陵地などの公共交通不便地につきましては、きめ細かな公共交通のあり方について、今後とも検討を進めてまいりたいと考えております。以上でございます。

 

◯議長(川口 浩) 吉澤環境局長。


◯環境局長(吉澤 温) リサイクルシステム関係についてお答え申し上げます。
 まず、海外に輸出されております使用済みペットボトルの再生につきましては、資源物として取引されております。国の支援を受けまして、使用済みペットボトルのリサイクル推進等を目的として設立されましたPETボトルリサイクル推進協議会の資料によりますと、作業服などの繊維製品や、ポールペンやごみ箱などの成形品に加工がなされております。
 次に、ペットボトルの引き渡しに伴います本市の収入についてでございます。本市が回収いたしましたペットボトルは、容器包装リサイクル法に基づき、指定法人であります財団法人日本容器包装リサイクル協会に引き渡しております。同協会ではペットボトルの再商品化に当たり、再商品化事業者に委託しておりますが、ペットボトルの価格が上昇したことにより、協会が収入を得られることが平成18年度から実施されております。その収入の一部が、ペットボトルの引き渡し量に応じまして市町村へ拠出金として配分されております。本市が平成19年度に同協会から配分されました金額は8,614万1,927円となっております。この収入につきましては、空き瓶、ペットボトルの回収、選別等の経費、約10億円の一部として充てております。
 次に、携帯電話の回収についてでございます。携帯電話の回収につきましては、製造、販売を行う事業者の責任、個人情報の保護、採算性の継続などを考慮した適切な対応が必要となっております。また、通信事業者や製造メーカーで構成いたしておりますモバイル・リサイクル・ネットワークが全国で携帯電話を回収しており、本市では約180店舗で回収が行われております。しかしながら、御指摘のとおり回収率が年々低下しております。これらのことを踏まえまして、本市でも携帯電話の回収が進むよう、市外からの転入者や市民に配布いたしますごみルールブックやホームページ等で周知を図っているところでございます。今後、国や他都市におけます回収実験の取り組み状況を見守りながら、本市の状況に合わせました仕組みづくりや行政支援のあり方について検討を進めてまいります。以上でございます。

 

◯議長(川口 浩) 陶山市民局長。


◯市民局長(陶山博道) 不要入れ歯の回収に関するお尋ねでございますが、まず、回収ボックスを設置した経緯につきましては、本年1月に市長へのメッセージで、市民の方から、他都市で行っている不要入れ歯回収ボックスの設置を福岡市でも導入してはどうかという提案をいただきました。この事業は、NPO法人日本入れ歯リサイクル協会が不要入れ歯の金属部分をリサイクルして、社会貢献に役立てることを目的に行っているものであり、本市におきましてもこの事業に協力し、回収ボックスを設置することとしたものです。リサイクルの仕組みにつきましては、2カ月ごとに市職員が回収を行い、NPO法人日本入れ歯リサイクル協会が提携する専門業者に引き渡し、ここで不要入れ歯から金、銀などの貴金属を精製します。これから得られた収益金については、NPO法人日本入れ歯リサイクル協会の運営費にその20%が充てられ、また、日本ユニセフ協会と本市にそれぞれ40%が寄附されます。本市では、福岡市NPO活動支援基金で寄附を受け入れ、NPO活動支援に活用することといたしております。回収ボックスは、本年4月から市役所本庁舎や区役所などに設置し、現在、13カ所に設置しております。寄せられる不要入れ歯は、衛生面から袋に入れていただいておりますが、4月から11月までの8カ月間で、合計104袋を回収しております。なお、1袋に複数個入っている場合もございます。収益金につきましては、4月から7月までの4カ月間分、62袋について約16万円の収益があり、その40%である約6万4,000円が福岡市NPO活動支援基金に寄附されております。今後も積極的な広報を行い、この事業を引き続き行ってまいりたいと考えております。以上でございます。

 

◯議長(川口 浩) 山田教育長。


◯教育長(山田裕嗣) まず、理科支援員等配置事業についてでございますが、平成20年度は2,639万円で、国の委託事業のため、全額国の負担でございます。また、理科支援員は18校に34名を配置しております。
 次に、学級担任の負荷軽減についてでございますが、理科支援員が観察実験器具の準備や後片づけを行ったり、器具を整理することで、学級担任の学習準備や片づけの時間短縮ができております。また、観察実験の学習では、複数の目で安全面の指導や確認を行うことができることにより、教員の指導にゆとりが生まれ、児童への個別指導など、きめ細かな対応ができるようになっております。
 次に、児童の学習意欲の変化についてでございますが、理科支援員が配置されたことによって、児童の理科学習の意欲が高まり、観察実験の準備がとてもスムーズになったという報告がされております。特に、児童にとって苦手意識が強い電気や空気などの物やエネルギーの学習では、好きになったと答えた児童の割合が、理科支援員がかかわる前の14%から27%に増加しております。
 次に、現在の小学校英語活動については、本市においてはゲストティーチャー支援事業を実施し、英語を母国語とする外国人を市内114校の小学校に派遣し、学習活動を行っております。理科支援員は国による委託事業であり、同様なことはできませんが、本市においてはこのゲストティーチャー支援事業を来年度以降さらに拡充する方向で、現在、検討を進めております。
 次に、小学校外国語活動の授業時数の増加についてのお尋ねでございますが、現在、福岡市内のすべての小学校で英語活動が行われており、5、6年生においては年間平均21時間実施されております。新学習指導要領では年間35時間を実施するようになっておりますので、約14時間程度の増加となります。なお、学習指導要領が全面実施されるのは平成23年度からとなっており、来年度から2年間は学校の実態に応じて取り組むようになっております。
 次に、本市における外国語活動の習熟度についてのお尋ねでございますが、来年度、文部科学省から5、6年生全部に配布される英語ノートは、英語による外国語活動を進める際に、学習活動に活用できる教材の一環として作成されており、あいさつや紹介、ゲームなどの内容で構成されております。英語ノートの取り扱いにつきましては、各学校のこれまでの取り組みや児童の実態等に応じて活用することとなっており、コミュニケーション能力の素地を養うようになっております。教育委員会としましては、学校への説明や研修会等を通して、英語ノートの活用について理解を図るように努めてまいります。以上でございます。

 

◯議長(川口 浩) 坂田道路下水道局長。


◯道路下水道局長(坂田憲治) 通学路の歩道整備につきましては、児童の安全な通行確保の観点から、鋭意取り組んでいるところでございますが、本年度策定いたしました福岡市道路整備アクションプラン2011におきまして、さらに重点化を図った整備を行う計画といたしております。この整備目標でございますが、小学校から半径250メーター以内の通学路309キロメーターにおきまして、地域との協働により歩車分離を進め、現在の整備延長162キロメートルを平成23年度までに216キロメートルとし、歩車分離確保率を現在の52%から70%まで引き上げる計画といたしております。また、今後の通学路における歩車分離の進め方といたしましては、地域の協力を得ながら、交通規制や用地の確保を行い、歩道の整備を進めることといたしておりますが、歩道の新設が困難な箇所につきましては、路側のカラー化や防護さくの設置などを行い、安全な歩行空間の確保に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。

 

◯議長(川口 浩) 山口剛司議員。


◯36番(山口剛司) 3問目に入ります。
 地域コミュニティーについてですが、本市も10年後、20年後には、かつて開発された地域が間違いなく交通不便地域になってくると考えています。そのときになって困らないために、全国で施行されている住みかえの支援策や交通手段について、担当部署でしっかり検討を始めていただきたい。市長が言われている安心で住みやすいまちづくりの理念にもかなうと思いますが、市長の御所見を伺います。
 次に、ペットボトルのリサイクルについて。先ほどの答弁では8,600万円という金額でございますが、その収益金は環境市民ファンドに積み立ててはいかがでしょうか。世界では環境税という取り組みをされている国があります。環境保護のために生み出されたお金は、もっと環境に努力する分野に使われるべきではないかと考えます。特に市民の協力で、この分野では幾らの収益が上がりましたなど啓発されるような、例えば、市政だよりに収益金を掲載するなど行ってはいかがかと思います。先ほど説明いただいた不要入れ歯回収ボックスは、本当にいいことをされています。限りある金属資源を有効活用するというシステム、市民の要望から本市も実施していますが、その収益金をユニセフに寄附するなど、本来、廃棄処分されるものを有効利用しているいい例だと思います。他都市でもリサイクルについて行政が応援しているように、本市でももっと積極的に進めるべきと考えます。循環型社会を目指す福岡市として、吉田市長はどうお考えか、御所見を伺います。
 次に、英語の学習についてですが、英語は私も含めて、外国人と話すことが苦手な大人がたくさんいます。小学校の時代から外国人と話すことが楽しくなれば、もっとコミュニケーションがとれ、英語に対する恐怖も少なくなるのではと思います。中学校で英語の文法がわからず、一度苦手意識を持って学校を卒業すれば、年数がたってもそのままずっと英語が話せない社会人は少なくありません。そこで、本市の対策として、理科支援員のように英語に関係する人材を配置する場合には費用が発生します。未来を担う子どもたちに英語力を身につけてもらうためにも、ぜひ人を配置できる予算の検討を行っていただきたいのですが、吉田市長の御所見を伺います。
 通学路について、これからの道路に関する国からの交付金がどのくらいの額になるか、福岡市に配分される交付金の額がわからない今は整備計画が立てづらいということは想像できます。今、本市は来年度の予算編成作業の真っただ中でしょうが、私は、通学路の整備は児童の交通安全の確保のみならず、歩行者の安全な通行の観点からも重点的に取り組んでいく分野であると考えており、しっかりとこれからも取り組んでいただきたいのですが、最後に吉田市長の御所見を伺い、私の質問を終わります。

 

◯議長(川口 浩) 吉田市長。


◯市長(吉田 宏) 最初に、高齢社会における住宅と交通に関してのお尋ねでありますけど、議員が言われた多摩ニュータウンというのが、昭和30年代以降、大変大型の開発で全国的にも有名になったところでありますけれども、そこで今急速に高齢化が進んでいる実態を見てこられたということで、福岡市もそれにおくれてといいますか、非常に若いまちですから、そこまで大規模に高齢化の問題が現在のところ大きな割合で顕在化しているということは、ほかの地域に比べれば比較的恵まれていると思いますが、御指摘のように今後急速に進んでくることはもうわかっているわけでありまして、住替えバンクももう1つ積極的にかかわっていってほしいという御要望、御指摘、そのとおりかと思います。地域の状況に応じまして、交通問題も今からさらに研究を前もって進めていく必要があるというふうに思っております。
 2つ目のリサイクルのシステムでありますけど、ペットボトルはこの10年で倍ぐらい、私たちの暮らしの周りにあふれた、ライフスタイルがそこまで変化してきているわけですけど、特にリサイクルの推進につきましては、資源の有効活用という点から、リサイクル法に基づいてペットボトルの分別回収の実施を進めておりますけど、適正にこれからも処理するための啓発、各種の取り組みはしっかりと強めていかなきゃいけないと思っています。また、最近言われています携帯電話の中のレアメタルも対象になりますけれども、都市鉱山というようなしゃれたネーミングもありますが、まだ福岡市の中でもペットボトルなどに比べれば、回収をするシステムが完全に確立しているとはちょっと言いがたい状況かなと思います。大学などにも協力を呼びかけたらどうかという御指摘でございますけど、これは確かにその仕組みの1つかなというふうにお聞きをしました。いずれにしましても、新しい課題でございますので、本市の産業構造全体にふさわしい事業者の支援のあり方を検討するということも含め、また、市民の皆さんの協力をいただきながら、循環型社会の構築にしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
 3番目の、今度、小学校で5年生、6年生から英語を教えるということで、今、現場ではどうやってやっていこうということで、現場でいろいろ工夫をされていると思います。きのう私も日中韓のサミットに関連した催しで、3カ国の大学生が集まって、これから先のアジア、世界をどうしていくかという議論の場に参加しましたけれども、全部で50人ぐらいでしたでしょうか。この議論が全員英語でやっているわけですね。韓国も、中国も、日本もですね。それぞれの代表ですから、かなりレベルの高い英語で議論しておりましたけれども、ますますそういった社会に変わっていきますね、これからは。ですから、福岡の子どもたちも当然、英語によるコミュニケーション能力というのを早い段階から身につけていくということは、非常に大切なことになるだろうと思っております。いろいろ仕組みも必要ですけど、私は動機づけが非常に大事ではないかなと思っています。子どもたちが英語を学んで、外国人と楽しくコミュニケーションができるようになるということが、子どもたちにとっても生き生きとした楽しいことなんだということをまずわかってもらうのが非常に大事かなと思うので、その辺はぜひ教育の現場でも工夫していただきたいなと思っています。教育委員会とも協議をしながら、新しい学習指導要領に適切に対応できるように、英語に関係する人材の配置についても、予算の措置についてもしっかり検討してまいりたいと思います。
 最後の通学路ですが、今、地域で毎朝立っていただいて、子どもたちが安全に学校に通えるように協力もいただいておりますけれども、しかし、やはり大事なのは、歩道の整備そのものだという認識は強く持っております。今、歩車分離、先ほど局長も答弁しましたけれども、52%と大体半分ぐらいなわけですが、平成23年には7割に達するように、しっかりと目標を達成するようにやっていきたいと思いますし、70%ぐらいまで整備をすると、大分目に見えてしっかりと歩道が確保できているなということが地域でもわかっていただけるのではないかなと思いますので、早く到達し、その後、100%になれるようにしっかり頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 

福岡市議会議員
山口つよし

公明党 福岡市議団

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