平成17年~18年
◯山口委員 区役所の全体予算、決算と年度末予算執行について尋ねる。17年度決算として1兆6,918億円余が執行され、これまでの報告で各局の決算状況はわかるが、区役所という切り口では、各区の予算額や決算額、執行額がわからない。本庁各局の予算と決算を縦軸としてとらえた場合、現場に近い区役所の予算と決算は横軸とも言える。各区役所の16年度決算、17年度予算と決算、18年度予算額、また、区役所の裁量で自由に予算要求し、執行できる予算の状況はどうか。
△市民局長 区役所で執行する予算は、事業局から令達の形で各区の事業担当課に直接配分され、執行することとなっており、区役所で全体の予算額、決算額を整理するシステムにはなっていないため、区役所の予算額、決算額という形で示すことはできない。また、各局の予算のうち区役所の裁量で執行できる予算の枠は、7区の合計で、16年度は約2億円、17年度は約3億3,000万円、18年度は新たに区予算制度を導入して区の裁量権を拡大し、金額も約4億2,000万円に増額している。
◯山口委員 各区レベルでは予算、決算を示すことができず、区役所の各課に予算額を尋ねて合計しなければ数字が出ないということであり、驚いている。どの区で一番多く予算が執行されているのかを知りたい市民は多いと思われ、各年度の予算と決算の数字は明示してほしい。区によって事業規模が違うため、各区の金額は一律でなく、ばらつきがある点は理解でき、区役所独自予算にした場合に、議会の議決をとるシステムになっていないため、現在は、最終的に各局が執行金額を管理していることも理解できるが、全市的に、事業を最低このレベルまでは推進するという指針、区役所レベルでの指針が必要ではないかと思う。例えば、土木局の道路整備アクションプランは、歩道のフラット化を促進する整備の達成率を、14年度の10%から19年度には17%に上げるとしている。目標設定は大変重要であるが整備場所も大事であり、どの区に重点的に配分されているのかわからない。各区に置きかえると、当然に整備予算には差がつき、まちの熟成率でも差がつくと思う。都心部の中央区や博多駅を中心とした博多区では、これまでも重点的に施策が実施されてきたため生活環境は恵まれているが、東区などの場合は、生活道路や歩道の整備、通学路の安全確保、老朽化した下水のマンホールの更新等の生活環境という点で、他区より見劣りがする。区全体の決算内容は膨大なため、今回は地域整備部関連に内容を絞り、重点事業等の大規模な公共工事は除き、局の予算の中で弾力的に運用している区役所の裁量として使える金額について、土木局、都市整備局、下水道局における区全体の17年度予算額及び決算額は幾らか。
△土木局長 各区の道路整備や維持の予算については、他局からのネット替え事業や補助事業を除く単独費は、区が優先順位をつけて要望したものを土木局及び関係局と協議して予算化しており、実質的にはすべて区の裁量となっている。17年度の区全体の予算額は約78億8,000万円、決算額は約76億5,000万円である。
△都市整備局長 区が管理を行う街区公園や近隣公園等の住区基幹公園の管理費として、公園管理費を各区へ令達し、各区においては、この予算をもとに(財)福岡市森と緑のまちづくり協会に公園の維持管理業務を委託し、区と同協会で協議の上、年間計画を立て、維持管理業務を実施している。なお、あらかじめ一定額を区の裁量予算として確保しているわけではないが、緊急的、突発的な維持管理については、区の裁量で対応している。
△下水道局長 区で執行できる下水道局予算は、河川と下水道事業を合わせ、17年度予算額は14億6,150万円、決算額は13億9,889万円となっている。
◯山口委員 区役所の裁量予算については、各局で確保してもらうしかないことは理解するが、市民生活に密着した関連予算は、区役所と十分に協議して金額を確保してほしい。予算がないことを理由に、住民の要望実現には時間がかかり、いつ実現できるかわからないという区役所職員のせりふはやめるよう意見を述べておく。次に、区役所単位での内容の差に関して、土木局の道路整備や道路維持に係る決算額、都市整備局の公園管理に係る決算額、下水道局の新規整備を除くマンホールの改修個数について、17年度の全体額と最高及び最低の区名、金額等はどうか。
△土木局長 区役所の道路整備や維持費の決算の全体額は、先述の区の単独予算額に区が執行する補助事業を加えて約87億9,000万円であり、最多は博多区で約16億6,000万円、最少は城南区で約7億4,000万円である。
△都市整備局長 区役所が行う街区公園や近隣公園の維持管理の17年度決算額は、全体で約11億2,100万円、最高額は東区で約2億7,000万円、最低額は城南区で約5,900万円である。
△下水道局長 17年度に区が改修したマンホールの個数は、全体で3,836個、最多は東区で805個、最少は西区で245個である。
◯山口委員 内容に相当な差がある。区の人口や以前の整備年度の影響があり、特に土木関連の予算執行が少ない城南区は、地下鉄3号線の整備が行われている影響もあると思う。年度における全庁の整備予定に、決算で大きな差が出るのは仕方がないかもしれないが、単年度における各区の整備については、数値目標を掲げ、市全体のレベルを上げることが重要と考えるがどうか。
△土木局長 本市では、福岡市道路整備アクションプランに基づき5カ年の整備目標を立てて道路整備を進めており、特に市民生活に密着する生活道路については、歩道のフラット化や放置自転車対策等を重点として数値目標を掲げ、整備水準の向上に努めている。また、各区で行う道路整備については、人口や面積、道路管理延長など様々な要素が異なり、市民の多種多様なニーズもあるため、区によって予算的にも事業量的にも異なっているが、各区の整備率に十分配慮しながら、本市全体のレベルアップを図っている。
△下水道局長 マンホールの改修は、道路パトロールや市民からの通報等によって進めてきたが、17年度からは区と連携しながら実態調査を実施しており、さらなる市民の安全確保に努めている。今後とも各区の実態を十分に踏まえながら、効率的、計画的な改修を行い、本市全体のレベルアップを図っていく。
◯山口委員 本市全体のレベルを上げることは、各区におけるレベルを上げることと認識してほしい。次に、各区役所の地域整備部において、当該年度の予算執行計画はいつ決定されるのか。
△土木局長 区役所予算の執行計画は、各区において8月ごろに事業計画を立て、9月に土木局に提出され、その後に土木局で区役所予算を含めた重点予算や局裁量予算について関係局に要求し、調整後に3月議会で当初予算として審議される。議決後に各区へ予算額を提示し、各区で再度、年度当初に実施計画を立てて事業を行っている。
◯山口委員 予算配分後、特に1~3月に、緊急工事や緊急ではないが整備を必要とする工事が発生した場合はどうなるのか。新年度まで待たなければならないのか。
△土木局長 区の地域整備部における予算執行については、工期等の制限があるため、おおむね12月中には当該年度の事業を確定している。1~3月に発生した緊急工事に関しては、大規模な災害等の場合は、原則として予算の追加補正を行い対応している。また、小規模な緊急工事に関しては、緊急性に応じて、各区の予算内で箇所の振りかえが可能な場合は対応し、区内で調整できない場合は、土木局で他区との調整を行いながら、局全体の予算で対応している。
◯山口委員 調整ができなかった事例を述べる。平成18年2月4日午後6時ごろ、東区の汐井公園に通じる歩道橋で火災が発生し、歩道橋の下で生活していた1人が死亡した。その後、歩道橋は通行どめになり、修復予算がないため17年度は封鎖のままで、新年度の平成18年4月以降に応急復旧されて通行できるようになったが、本格復旧には時間がかかり、10月にやっと完了する状況である。3月17日に地域から相談を受け、現地を調査したが、歩道橋は公園におりる部分が黒く焼け焦げ、通行どめのテープが張りめぐらされていた。この事例は緊急ではないにしても、死亡事故の発生現場が何カ月も火災が起きたままの状態で放置されていることは好ましくなく、すぐに復旧工事を行うべきではなかったのか。
△都市整備局長 指摘の件については、汐井公園の歩道橋の下に住んでいたホームレスの小屋から発生した火災が歩道橋に燃え移ったもので、火災発生後、管理を行っている東区で直ちに被災状況の現地確認を行い、安全性確保の観点から閉鎖し、復旧工事の年度内実施について検討したが、予算残額や工期等から年度内の対応は困難と判断した。平成18年4月に焼却鉄板部の強度調査を行った後、舗装の整正、手すりやパネルの焼け焦げ除去等の仮復旧を行い、4月末に通行可能な状態とし、その後、本格復旧工事に着手し9月末までに完了した。長期間にわたり公園利用者に迷惑をかけたことは反省すべきであり、今後は、年度末の緊急事態発生にも柔軟に対応できるよう努めていきたい。
◯山口委員 同様の事例は他にもあると思われ、予備費的な7区共通の予算を確保し、実行することが必要と考える。本市の統計では、市民1人当たりの様々な数値が発表されているが、各区の決算額をその区の人口に置きかえた場合に、居住地域で大きな差があることは問題と考える。17年度決算で、各局から集められた不用額は415億円余に上っている。市税は市民に平等に恩恵を与えるものと認識しているが、各区別の予算及び決算のめり張りと7区共通の予備費的な予算の設定について、市長の所見を求める。
△市長 区役所が、地域の問題解決のために柔軟かつ機動的に取り組めるよう、区の裁量で執行できる予算を確保することは重要な課題と認識している。これまで区長の裁量で執行できる予算枠の導入や増額を順次図ってきたが、18年度からは新たに区予算制度を導入し、区長が自らの判断で、地域の実情や区の特性を踏まえた予算原案を作成できるよう権限を強化した。今後、その成果を踏まえ、地域の課題や市民の多様なニーズに応じた区独自の対応を推進できるよう、区予算制度の充実について検討していきたい。
◯山口委員 区の予算制度は、今後も拡充するよう要望しておく。次に、市有財産の活用について尋ねる。都市部に増大している低・未利用地は、生活環境の悪化や犯罪の誘発等の問題を発生させやすく、地域の魅力や活力の低下を招く原因にもなる。このような遊休地を市民農園やガーデニング、スポーツ広場、子どもたちの遊び場等として活用できるよう、地域住民、地権者、自治会、商店会等が担い手となり、低・未利用地等の管理や利用を継続的に行う体制の構築と支援策を講じる必要があると考える。平成15年の一般質問において、市有財産としての遊休地の現状と今後の対策について質問したが、どのように改善されたのか。また、17年度の遊休地の売却実績はどうか。
△財政局長 利用目的のない未利用地については、積極的に売却を進めており、17年度の売却実績は53件、83億1,551万円余である。
◯山口委員 17年度末で用途廃止後5年以上の遊休地の件数と面積は幾らか。また、活用方策が決まっているものや売却予定等の内訳はどうか。
△財政局長 本市が保有する土地で、用途廃止後5年以上保有している土地は、42件、10万7,643m2であり、内訳としては、行政用途が既に決定しているもの又は暫定利用中の土地が12件で4万5,889m2、ため池など活用困難な土地が3件で8,521m2、17年度までに分譲を決定し分譲中のもの又は17年度までに入札に付して売却を試みたものの買い手がつかなかった入札不調の土地が12件で3万8,316m2、18年度以降の売却に向けて準備を進めている土地が14件で1万2,597m2、行政用途も売却の方針も決定していないものが1件、2,320m2である。
◯山口委員 未利用地については、内容をさらに精査するよう要望しておく。次に、福岡市土地開発公社の保有地全体の借入れ利息は、近い将来、本市が利息分も含めて買い戻すことから重要な点と考える。17年度決算時点で本市事業のために保有している土地の元金とその利息額は幾らか。
△財政局長 元金は376億700万円余、利息は33億3,300万円余である。
◯山口委員 当時の取得金額である元金の支払いは理解できるが、利息の33億円についても、市民の税金で賄わなければならないとの認識を持ってほしい。平成15年に指摘した元職員研修所建設用地は、現在も土地開発公社の保有と聞いているが、当該用地の購入時から現在までに支払った利息は幾らか。
△財政局長 利息は、17年度末で3億7,800万円余となっている。
◯山口委員 毎年多額の利息が支払われており、民間では考えられない。平成15年6月の議会において、当時の総務企画局長は、この土地の処置方法については有効活用策を検討していると答弁したが、その後3年が経過しても、購入から10年以上の長期にわたり空き地のまま放置され、財政上からも対処しようという意識が見られない。民間であれば、利用方法が決まらず長期にわたると判断した場合は、期間を決めて借地として貸し出したりすると思う。職員の給料に直接影響しないため危機意識が欠如していると言われても仕方がないと危惧するが、所見はどうか。
◯山口委員 早急に用途を示してほしい。遊休地を売却していた場合と長期間保有したまま活用しない場合とを比較したときの損失は、積み上げれば莫大な金額に上ると想像できる。公共用建物の移転等で遊休地が生じた場合は、売却するだけでなく、他の部局での利用希望や全体的な判断で将来的に必要な施設に残しておくことも重要と考えるが、残す場合も、利用計画等で期間を設定すべきであり、まとまらなければ売却の方針を示すべきである。また、入札での売却不調を何年も続けることは問題と思うがどうか。
△財政局長 行政用途を廃止した土地は、速やかに他の行政利用への転活用を検討し、行政利用が見込めない未利用地については積極的に売却を促進し、財源確保に努めていく。また、入札で買い手が見つからなかった土地については、ホームページを活用し、随時、先着順による募集を行うとともに、物件によっては宅地建物取引業協会等への売却あっせんも活用していく。なお、入札後1年間を経過した物件については、売却予定価格を見直し、早期の売却に努めていく。
◯山口委員 他局にも遊休地があるが、活用例として、建築局所管の市営住宅の建築用地として確保されている空き地がある。今までは様々な制約があり、貸与できなかったと聞いているが、周辺住民は有効活用されないことを不思議に思っている。建てかえ用地等で当面使用予定がない用地について、市有財産の有効活用の点から、現在、どのように取り組んでいるのか。
△建築局長 指摘の土地は、市営住宅の建てかえ事業に伴い発生したもので、今後、市営住宅を建設する計画がある事業用地と市営住宅の用途を廃止し処分を予定している余剰地がある。そのうち、事業化や売却処分等までに一定期間が見込まれ、その間の有償貸与が可能なものについては、社会福祉法人に貸与するなど歳入の確保を図っている。また、自治協議会から地域活動の場として利用したい旨の要望があったため、地域活動支援の観点から、一定期間、無償で自治協議会が利用できるようルールを設け、現在、3校区の自治協議会で多目的広場等に利用されている。今後とも積極的に土地の有効活用に努めていきたい。
◯山口委員 3年前にはなかった遊休地の利用例であり、特に校区の自治協議会との連携は大変評価できる。他の部局でもしっかり取り組むよう要望しておく。また、東区千早駅周辺には、将来の公共施設用地として平成9年に先行取得され、現在も空き地のままの土地がある。東区では、300~500人規模のイベントを行いたくても、ホールとしては東区市民センターしかない。議会でもたびたび議論され、そろそろ東区民の要望にこたえる時期ではないかと考えるが、局長に尋ねても結論が出ない。次に、現在、資産活用は全国の自治体で検討されており、本市が保有する不動産資産も積極的に活用すべきと思うが、不動産活用という観点で検討していることがあるか。
△財政局長 平成16年6月に策定した福岡市財政健全化プランにおいて、積極的な財源確保策として市有財産の有効活用を掲げ、平成17年1月に策定した福岡市財産活用プランに基づき、利用目的のない未利用地の売却促進など市有地減量作戦に取り組んでいる。また、行政利用している建物の活用については、地方自治法による制約を受けていたが、平成18年6月の法改正により既存庁舎等の空きスペースの有効活用等が可能となった。今後、効率的な使用の推進について、法の改正内容を踏まえ、研究、検討していきたい。
◯山口委員 地方自治法の改正により、資産活用の一環として建物ごと企業に売却し、そこへテナントとして役所機能の部署が入居する方法もあると聞くが、市役所の中に様々なテナントが入ってもいいのではないかと思う。また、定期借地権のように年限を区切り、民間ディベロッパー等に事業をゆだねてはどうか。
△財政局長 建物ごと企業に売却し、賃借するリース・アンド・バックの方法もあるが、売却による歳入が見込まれる一方で新たな賃借料負担が生じ、他の資金調達方法と比較するとコスト的に高くなるなど様々な課題を抱えているため、他都市の例も見ながら、引き続き制度の調査、研究を行っていきたい。
◯山口委員 局部内で十分に議論し、よりよい資産の活用方法を検討するよう要望しておく。本市が保有する資産の価値が大きいことは市民が認めるところであり、本庁舎についても、天神の一等地でなく地価が安い場所に移転すれば莫大な資産になるだろうと述べる識者もある。20~30年前と比べて、公務員の仕事内容や情報が大きく様変わりしている現在、市有財産の有効活用に知恵を出し合い、借金をしなくても経営できる自治体へとかじを取るべきと考えるが、このテーマの最後に市長の所見を求める。
△市長 本庁舎など本市が有する施設には大きな資産価値があると考え、行政財産を含めた資産の有効活用に取り組んでおり、本庁舎では平成16年11月にコンビニエンスストアを開設し、財源確保に努めている。平成17年1月には財産活用プランを策定し、行政利用が見込まれない未利用地の売却、有償貸付けを積極的に進め、また、全市的に本市の広報媒体や施設を活用した広告事業、ネーミングライツの導入を目指し、検討を行っている。市有財産の有効活用については、重要な経営資源の一つとして、時代のニーズに応じて創意工夫を凝らしながら、効果的な財産運用に努めていきたい。
◯山口委員 市有財産については、市民が納得できる形での活用を要望しておく。次に、町内会の集会所について尋ねる。これまでにも様々な議論がなされてきたが、集会所の問題は、市民の要望にこたえる形になっていない。町内会の集会所は、住民自治を進めるために必要な施設と認識しているが、集会所を持たない地域では打合せを行う場所もなく、集会所を建てたくても、町内会レベルでは土地の購入にはおぼつかないのが現状である。市民局では、集会所建設の際に建物に対して補助金を出しているが、17年度決算での相談件数と補助の決定件数、補助金額、予算に対する執行率は幾らか。
△市民局長 17年度は、地域から新築5件、修繕1件、借上げ5件の申請があり、すべてについて予算化して補助を行った。また、震災による集会施設の被害に対する緊急修繕として42件に補助を行い、全体で53件、4,592万8,000円の補助金を支出し、予算に対する執行率は95.4%である。
◯山口委員 建物には様々な補助メニューがあるが、土地を補助対象としない理由は何か。
△市民局長 地域集会施設設置補助金の交付は、地域住民の福祉の向上に寄与するため、住民自らによる集会施設の設置に対して、その公益性を考慮して助成を行っている。あくまでも地域住民の自主的な活動に対して助成を行う趣旨であり、土地の取得は補助対象としていないが、集会施設は地域住民にとって必要な施設であるため、用地購入については、別途、低利の融資制度を設けている。また、16年度からは、集会施設としての戸建て住宅や集合住宅の借上げに対する補助制度を新設している。
◯山口委員 集会所は必要な施設と認識しながらも、町内会に対して行政側からのアプローチは行われていないのが現状である。現在、本市の公園内に集会所があるが、公園内の施設の法的な位置づけと、公園内の集会所建設に対する局の考え方はどうか。
△都市整備局長 公園内の集会所としては、老人いこいの家については、公的管理のもとでだれもが自由に利用できるという公平性が担保された運営が行われる施設であることから、都市公園法施行令に定める公園施設としての集会所と認めている。一方、町内会員など特定地域の住民だけが使用する集会所は、都市公園が一般公衆の自由な利用に供する目的で設置される公共施設であることにかんがみ、法的にも認められておらず、局としても、これらの集会所の公園内立地は適切でないと考えている。なお、公園施設として設置できる建物の建築面積は、都市公園法に定めがあり、当該公園の敷地面積の100分の2までとなっている。
◯山口委員 法律によれば、敷地面積の2%の枠内で公園施設の設置は可能であるが、集会所は設けられないとの判断である。集会所は、特定の人とはいえ地域住民の施設であり、かたくなな対応でなく、地域の事情や状況を勘案し、ケース・バイ・ケースで運用できないか。施設的な面で、土地の貸与を希望する場合にも対応できないのか。
△都市整備局長 公園施設については、一般開放を前提に、公的な管理のもとでだれもが自由に利用できる公平性が担保された運営が必要であるとの基本的な考え方で対処しており、随時、個別の事情を勘案して判断することは適切でないと考えている。
◯山口委員 検討すらできない状況で、じくじたる思いがある。東京都稲城市は、人口7万7,000人余で、首都圏の都市として大きくはないが、自前で消防本部を設置するなど市民の安心、安全に、殊のほか重点的に施策を実行している。集会所も39カ所が設置済みで、市長の選挙公約で実現させたものであり、集会所が市にとって大事な施設と判断された結果と思う。この集会所には防災用の道具や器具も保管されており、年に2回の点検時には、道具の使い方を含めて地元住民に講習会を実施し、集会所は単に話し合いの場でなく、災害時の地域の対策室として機能している。本市は大地震にも遭遇し、近年でも2度、過去には都市機能が麻痺するほどの水害も発生しており、このような観点からも集会所は必要な施設と思う。本市は、1校区1公民館の方針で取り組んできたが、今後、高齢社会が相当に進むこと、自治協議会等の自治活動がより活発化していくこと等を考えると、校区より小さな単位での集会所が必要になると考える。様々な知恵を使い、本市が積極的に集会所建設を推進する必要があると思うがどうか。
△市民局長 本市は1校区1公民館の方向で取り組んできたが、校区より小さな単位での集会所も、地域住民の福祉の向上とコミュニティー振興を図るために重要な施設と考えている。地域集会所に対する補助制度は昭和53年に発足したが、16年度に本市の重点施策として位置づけ、新築購入に対する補助率を3分の1から2分の1へ、限度額も500万円から800万円に引き上げ、修繕も補助対象とするなどの改善を行った。また、新たな施策として、増改築に対して補助率2分の1、限度額200万円の補助制度を設け、さらに、地域集会施設の建設が難しい場合に集会所となる戸建て家屋や集合住宅の1室等を借り上げる制度を設け、補助率2分の1、限度額50万円の補助を行うなど積極的に制度の拡充に努めている。今後とも、集会所建設を積極的に推進していきたい。
◯山口委員 集会所は必要であるが、地域の現場では土地がなく設置できない。新しく開発された住宅地では最初からコミュニティーホール等が建設されているが、住宅開発が行われない地域の住民は、やり場のない不満を持ち続けている。地域では、町内会費の積立てなどで集会所取得のための自己資金を捻出しようとしているが、町内会費のみでは土地の購入には明らかに不足し、また、地域に適当な土地がなければどうしようもない。そこで、地元から要望があった場合に、本市の管理地や公園等を建設用地として提供することはできないのか。公園の土地は遊休地ではなく必要なエリアだと思うが、その一部を町内会の集会所建設用地として貸与できないのか。
△財政局長 市の管理地である土地の提供については、集会所は町内の人だけが利用する施設であり、集会所用地として利用できる市有地も偏在しているため、住民負担の公平の見地から、地元の要望があれば随意契約による時価売却で対応している。また、貸付けについては、借地権の発生や契約解除の困難性など財産管理上の問題があるため、売却の方向で対応している。既に本市から時価で土地を譲り受け、集会所を建設した町内もあることから、公平性を欠くことのないよう対応したいと考えており、理解願いたい。
△都市整備局長 公園は不特定多数の人が自由に利用できるオープンスペースで、利用者に休養、レクリエーションの場を提供するなどの目的を有する都市施設であり、設置できる施設についても、この趣旨を踏まえて法的に厳しい制限が設けられている。また、公の土地に特定の地縁団体、町内会の建物の権利が発生することや特定町内会専用の公園という地元意識が高まり他の利用が阻害されるなど、公園の管理運営上も好ましくない状況が想定されるため、町内会という限定された地域住民が専用的に利用する集会所の建設用地として、公園の一部を貸与することは困難と考えており、理解願いたい。
◯山口委員 町内会の集会所の問題は、なかなか解決の道筋をつけられない。市民が喜ぶ施策、市長の判断を期待するが、先に述べた東区千早の公共施設用地の件と町内会の集会所建設について、住民自治を主張する市長の所見を求め、質問を終わる。
△市長 具体的な地域の例を一般論にされると難しい面があるが、単位町内会で集会所を必要としている地域があることは理解しており、集会施設の確保については、ケース・バイ・ケースで様々な知恵を出さねばならないと思う。本市は1校区1公民館の方針で取り組み、150坪館への切りかえを進めており、地域の中にコミュニティー施設を持っているという意味では先進的な都市だと思う。公民館建設に当たっては、過去に、土地を地元が提供したり、建設費の一部を地元が負担する形で、1校区1公民館が成立してきた歴史がある。市民と行政との関係は協働であり、互いに力を出し合って問題の解決に当たることが、今後の基本的なあり方と思っており、地域でできることについては、もっと地域で考えてもらわなければならないと思う。集会所については、公有地の遊休地だけでなく、民有地にある同様の土地の活用など、個々具体的に対応すべき事柄と考えている。また、香椎副都心については、東区の拠点地域として、少しずつまちの形成が図られており、地域の期待も大きいと認識している。市民の要望を念頭に置きながら、東区全体のまちづくりや地区の活力あるまちづくりにふさわしい機能について、既存の公共施設の移転や建てかえを含め、当該地の周辺道路が整備完了する19年度を目途に、方向性を示していきたいと考えている。
◯36番(山口剛司)登壇 私は公明党福岡市議団を代表しまして、本市の市営住宅について、個人情報保護制度の対応について、そして水害時の校区避難場所について一般質問いたします。行政当局の前向きの回答を期待いたします。
本市の人口は、昨年9月に140万人の大台を超えて以来、毎月増加傾向が続いております。福岡市の元気さが認知されている反面、衣食住のうち、住宅について、市民から市営住宅など公営住宅について大きな要望があります。そこで、本市における市営住宅の現状についてお尋ねいたします。
初めに、先日、東京都港区でエレベーターに高校生が挟まれ、死亡するという痛ましい事故が発生いたしました。事故を起こしたシンドラー社製のエレベーターに対する保守点検が全国で問題となっています。福岡市においても、公共施設でこのシンドラー社製のエレベーターが使用されていますが、市営住宅にはこれまで何基が使用されて、過去に何らかのトラブルが発生していたのでしょうか。また、今回の死亡事故を受けて、本市ではどのような対策をとっておられるのか、お尋ねいたします。
市営住宅の入居状況についてお尋ねしてまいります。現在の福岡市市営住宅戸数は、他政令市と比較するとどうでしょうか。人口に対する市営住宅戸数をお示しください。さらに、一般公募の応募倍率はどのような傾向で、人気の高い市営住宅のうち、最高の倍率は何倍になっていますでしょうか、お尋ねいたします。また、今後の市営住宅の整備については、どのような計画や事業目標で臨もうとしているのか。さらに、18年度における事業はどの程度を予定しているのか、お答えください。公的住宅には市営住宅のほかに県営住宅、住宅公社、旧公団、現在のUR都市機構や雇用促進住宅等がありますが、何か連携されているのかお尋ねいたします。さらに、区役所において、県営住宅の募集要項や申し込み用紙は置いているのか、市民から求められたときなど、説明ができていますでしょうか。苦情などありませんでしょうか、お伺いいたします。
次に、特定優良賃貸住宅についてです。通称特優賃と言われる制度で、家賃補助を行っていますが、かつては95%以上の入居があったと聞いております。現在の入居状況と家賃補助をしている戸数及び家賃補助金額をお示しください。さらに、傾斜家賃のため、長年住むと補助率が下がる一方で住居は老朽化していきます。家計に占める割合として実質家賃が上がっていくのですが、こういった傾斜家賃制度が利用しづらいとの声があります。何年たっても同じ家賃で生活できる、いわゆるフラット化された家賃補助制度にできないものか、お伺いいたします。
次に、住みかえの制度についてお伺いいたします。新公営住宅法で公営住宅の住みかえについて、弾力的に運用できる旨、話をお聞きしました。そこで、現在の市営住宅で、入居者の年齢は過去10年前と比較してどのように変わってきていますでしょうか、高齢化率をお尋ねいたします。また、長年入居されていると、入居時と現在では世帯人数が変わっていく場合があります。例えば、現在、1人で住んでいる世帯で3部屋以上ある住宅に入居されている場合がよくあります。当初は多人数であったため、3LDKなど部屋数の多い住宅に入られているわけですが、その後、家族の独立などで今は1人で住んでおられる場合など、こういった方には部屋数の少ない住宅に、バリアフリーが整った住宅に転居をお願いすべきと思いますが、当局はどう考えておられるのか、お伺いいたします。また、住みかえを希望されている方に、例えば、家族介護や住環境の悪さなど、さまざまな理由で転居できないものか、多数の方から要望があります。住みかえについては、主なものとしてどのようなケースがあるのか、お尋ねいたします。また、他政令市の公営住宅の住みかえについて、どうしているのか、状況をお示しください。
次に、市営住宅のメンテナンスについてお伺いいたします。長年使用されていると、特に高層の住宅では排水管に油等が流されて詰まるなどトラブルが発生しています。この排水管の清掃ですが、現在は何年のサイクルで実施されているのか、また、排水管詰まりによる水漏れトラブルで家具や洋服など補償された件数はここ3年間はどうでしょうか。件数と補償金額をお示しください。
次に、個人情報保護制度についてお尋ねしてまいります。個人情報保護法が欧米におくれること20年経過し、日本では昨年施行され、本年4月で1年がたちました。本市においても、平成17年10月より福岡市個人情報保護条例が全面改正され、施行されております。この新たな法は、個人の権利に関するため、各自治体では個人情報保護制度に対する認識に温度差が発生し、マスコミからもさまざまな批評がなされており、その1つに、過剰な反応ではないかとの指摘もあります。それら意見の中でマイナス面が強調されているのに、次の3点が上げられます。第1に、この法令によって職員が逮捕され、免職となるような事件でも、その氏名を公表しなくなるなど、不祥事を起こした職員の氏名の公表に行政がより消極的な姿勢を示すようになった。第2に、自治会、町内会で緊急避難時に介助が必要な方の名前が公表されなくなったため、対応ができなくなった。第3に、学校現場において、クラスの緊急連絡網が出されなくなったため、すぐの対応ができないなどが上げられています。一方では、住民基本台帳の閲覧によって、大量の個人情報が営業活動に利用されるなど、閲覧を悪用し、犯罪に利用されたと見られる事件なども発生しております。そこで、まず本市では、個人情報保護条例に基づいた個人情報保護制度の対応について、職員に対しどのような指導をされているのか、お伺いいたします。そして、この法令が施行されて、本市では何が問題となっているのか、また、何がよくなってきたのか、あわせてお示しください。
先ほどのマスコミの意見に対して、本市ではどのような状況かお伺いしてまいります。まず、市職員の懲戒免職者についてですが、その氏名公表はどうしておられるのか、お尋ねいたします。
次に、65歳以上の名簿は、民生委員にどのように扱うよう指導してあるのでしょうか。特に要援護者に対しては、災害発生などの緊急避難時にはどうするのか、お尋ねいたします。自治会、消防団が情報を持っているかいないかでは大きな差があります。特に、夜間に避難が必要になったとき、要援護者の方が住居のどこに寝ているのかがわかっていると、一刻を争うときは大きな救援の力になりますので、この点も踏まえお答えください。また、老人会では、新規入会促進のため、これまでは名簿をもとに勧誘されていたと思いますが、今はどのように行っているのか。あわせて、個人情報保護制度以降、各老人会組織の構成人数の推移はどうなっているのか、お示しください。
学校の場合ですが、クラス名簿の作成と管理、配布状況について、何か指導等なされているのでしょうか。また、学校には、電話回線が二、三本と少ないので、緊急時には先生の個人携帯電話を使用している学校があると聞いていますが、緊急連絡の行い方はどうしているのか、お尋ねいたします。
次に、住民基本台帳の大量閲覧に対してですが、本市においてどのように取り組んでおられるのか、お伺いいたします。
次に、校区の避難場所についてお尋ねしてまいります。本年もまた梅雨の時期を迎えました。ここ2年は少雨傾向で水不足の方が心配されてきましたが、ことしは大雨になるかもしれないとマスコミでは報じられています。福岡市はここ10年間で2回も大きな水害の被害に見舞われました。議会でも水害対策についてさまざま論議してきたわけですが、先日、博多区山王公園地下に完成した雨水調整池を視察してまいりました。1号施設はグラウンドを1.8メートル掘り下げ、1万3,000立方メートルをためることができ、2号施設は地下6.4メートルに横幅34.8メートル、長さ78メートルに1万5,000立方メートルためられます。御笠川流域でのレインボープランが着々と進み、ことしの梅雨によくぞ間に合わせていただいたと関係者の方々に感謝申し上げます。
今回の質問では、防災拠点として水害時の避難場所についてお伺いしてまいりたいと思います。まずこれまでの経緯ですが、過去10年間、浸水により避難場所として使用困難になった場所はどこがあったか、お示しください。そして、今ではすべて改善されているのか、お尋ねいたします。特に東区においてですが、私の記憶では、避難場所に指定している筥松公民館、多々良小学校グラウンドが浸水または冠水し、多々良公民館は周りが水であふれていたため、避難所として機能しなかったと思いますが、現在の対応はどうかを含めて伺います。本市の防災危機管理情報の中で、河川の水位計13カ所と監視カメラは15カ所設置され、インターネットを通じて見られるようになっております。さらに、綿打川近くにはサイレンも備えられています。このサイレンですが、音声も流されると聞いていますが、だれがどのように作動できるのか、お伺いいたします。
以上で1回目を終わり、2回目以降は自席にて行います。
◯議長(妹尾俊見) 松井建築局長。
◯建築局長(松井愛人) 市営住宅に設置しておりますシンドラーエレベーター社のエレベーターにつきましては、10団地に計16基を設置いたしております。過去のトラブル等につきましては、福岡市住宅供給公社がエレベーターの保守点検業務を委託しております同社から、シンドラー社から提出されました平成13年度から平成17年度までの報告書を調査した結果、30分程度の閉じ込め事故が5件、停止位置のふぐあいが4件、ボタンの誤作動によるふぐあいが4件発生いたしておりますが、いずれも人身の被害はございません。これらのトラブル等の際には、緊急通報を受けた同社が直ちに現地に赴き、閉じ込められた方の救出や故障箇所の点検、部品の取りかえ等を行っております。なお、今回の東京都で発生した事故を踏まえまして、同社に対しまして緊急点検を実施するよう指示したところでございます。あす6月16日までに緊急点検を終了する予定でございます。
次に、本市の市営住宅の管理戸数につきましては、平成17年度末で176団地3万1,722戸でございます。また、本市の人口に対する市営住宅の戸数につきましては、平成17年4月1日の推計人口で申し上げますと、1万人当たり228戸でございまして、15政令指定都市中、多い方から5番目となっております。最も多い都市は大阪市でございまして、1万人当たり398戸、最も少ない都市はさいたま市で1万人当たり19戸、全国平均は1万人当たり175戸となっております。
次に、市営住宅の募集倍率についてでございます。最近、5年間で比較いたしますと、平成13年度の倍率は16.62倍、平成17年度は20.56倍と若干高くなっております。また、人気の高い住宅のうち、募集倍率が最も高い住宅は、最近建設された住宅や交通の利便性が高い住宅に人気が集まる傾向がございまして、最近5年間で最も高かったのは、平成16年8月募集の千代パピヨン住宅でございまして、1戸の募集に対しまして352人の申し込みがございました。倍率は352倍でございます。
次に、市営住宅の整備につきましては、住宅管理戸数を現状程度にとどめ、建てかえなどの更新による質の向上に重点を置くことを基本に整備推進に努めてきたところでございますが、社会経済状況の変化を踏まえまして、さらなる効率化と円滑な事業推進を図る観点から、平成18年3月に市営住宅ストック総合活用計画、改めて策定し直したところでございます。今回の計画では、従来からの手法であります建てかえ、全面的改善に加えまして、入居者の方に居住していただきながら、バリアフリーとかの高齢者対策とか設備の更新の工事を行う部分的な改善という手法も新たに取り入れることといたしておりまして、設備の老朽度やバリアフリー化の程度などストックの状況に応じた事業を進めてまいることといたしております。
今後、10年間の事業目標でございますが、建てかえ事業を30団地約2,000戸、改善事業等を6団地約3,000戸を整備することといたしております。さらに、これらに加えまして、この計画期間内で市営住宅の耐震化率90%を目標に耐震改修を進めてまいります。なお、平成18年度の整備事業につきましては、建てかえ事業として7団地180戸、全面的改善事業として3団地195戸を予定いたしております。
次に、公的住宅の連携につきましては、市営住宅、県営住宅、市や県の住宅供給公社の住宅、都市再生機構等の市内の公的賃貸住宅について、それぞれの入居資格や手続などを1冊にまとめたパンフレット、福岡市内の公的賃貸住宅入居申し込みの手引を毎年度作成いたしておりまして、各事業主体の窓口で配布しておるところでございます。雇用促進住宅の問い合わせにつきましては、建築局の住宅相談コーナーにおきまして申し込み窓口を案内しておるところでございます。また、本市やその他の事業者による公的賃貸住宅の募集情報等につきましては、国の財団が管理するインターネットの情報提供システムを活用いたしまして、一元的に提供させていただいております。
次に、県営住宅の募集案内書につきましては、本市の市営住宅の募集の案内書と同様に、各区役所のほか、市庁舎1階の情報プラザなどで配布を行っております。区役所での入居の問い合わせにつきましては、県の申し込み窓口を御案内させていただいております。苦情につきましては、区役所に県営住宅の募集の案内書がなかったケースがあったと聞いておりますので、区役所と連携し、県営住宅の募集案内配布や問い合わせ窓口の案内について、このようなことがないよう努めてまいります。
次に、特優賃住宅の入居状況につきましては、平成18年3月末時点におきまして、公社借り上げ型が22団地、管理戸数751戸でございまして、入居率83.4%でございます。次に、民間建設、民間管理型につきましては13団地でございまして、管理戸数が232戸、入居率97%でございます。合計で35団地、管理戸数が983戸でございまして、全体の入居率といたしましては86.6%でございます。
次に、平成17年度に家賃補助を行っている戸数と家賃補助額につきましては、公社借り上げ型の戸数が559戸で、家賃補助額につきましては約1億6,900万円でございます。また、民間建設、民間管理型の戸数につきましては27戸で、家賃補助額約460万円でございます。合わせまして、全体戸数が586戸で、家賃補助額につきましては約1億7,300万円でございます。
次に、特優賃住宅の家賃のフラット化につきましては、現行の傾斜型家賃制度のままでは、御指摘のように、建設年次が古い団地ほど、入居者が負担する家賃が上昇するため、割高感が増大し、入居率は年々低下する傾向にございます。このため、家賃の割高感を解消し、退去の抑制や新規入居の促進策といたしまして、平成18年度から公社借り上げ型特優賃のうち、6団地215戸を対象といたしまして、入居者負担家賃が段階的に上昇しないフラット型家賃方式の導入を開始いたしたところでございます。
次に、市営住宅の高齢化率についてでございますが、平成18年4月末現在で22%、10年前の平成8年4月末で10%と、この10年間で約12ポイントの増加となっております。
次に、入居当初より世帯人員が減少した場合についてでございます。面積のより小さな住宅ヘの移転の申し込みがあったケースでは、住みかえができるようになっておりまして、相談を受ける場合もございますが、実態は家具などを処分する必要が出てきたり、住みなれた住宅や地域を離れたくないなどの理由により、最終的には断念されるケースが多いのが実態でございます。今後とも住みかえの制度につきまして、さらなる周知を図ってまいります。
次に、住みかえの主なケースでございますが、世帯人員の増加に伴って、今お住まいの住宅が手狭になる場合とか、あるいは病気または身体障がいなどによりまして、現住宅での生活に支障がある場合などのケースがございます。また、他の政令市における住みかえ制度につきましては、同じ政令に基づいて対応させていただいておりますので、本市と同様の取り扱いでございます。
次に、台所、ふろ、洗濯機置き場などの雑排水管の清掃サイクルにつきましては、おおむね6年を目安として計画的に実施させていただいております。また、これらの排水管のトラブルにつきましては、維持修繕業務を行っております福岡市住宅供給公社が加入しております施設賠償責任保険によって補償をいたしておりまして、平成15年度から平成17年度までの3カ年間で、合計3件に対しまして39万1,365円の補償を行ったところでございます。以上でございます。
◯議長(妹尾俊見) 鹿野総務企画局長。
◯総務企画局長(鹿野 至) 個人情報保護制度についてのおただしについてお答えいたしたいと思います。
まず、個人情報保護制度を実効性のあるものとするため、何よりも実際に市民の個人情報を取り扱う職員が制度の趣旨や内容を正確に理解し、市政の適正かつ円滑な運営との調和を図りながら、個人の権利、利益の保護を行うことが求められております。そのために、各所属への通知や手引、パンフレットによる周知はもとより、個人情報保護法及び個人情報保護条例についての説明会を平成16年度より平成17年度にかけまして、57回実施しており、約3,000名の職員が受講いたしております。また、法令の施行に伴いまして、個人情報の重要性に対する意識が高まり、適正な管理運営に関する意識が醸成されてきておるところでございます。本市におきましても、職員1人1人に個人情報の取り扱いの基本理念が定着し、適正な制度の運用がなされてきていることを考えております。また、事業者が個人情報を含めた顧客のセキュリティーを充実させていることも法令施行後のプラスの効果であるというふうに思っております。しかし、法令の趣旨にのっとり、個人情報をより慎重に取り扱うようになったことで、今まで提供していた情報を提供できなくなったというようなことも事例としてございまして、それが市民の方にとって不便になったというふうにとらえられているということも認識いたしております。そのため、今後とも法令の趣旨や内容を周知徹底し、個人情報の有用性と保護のバランスに配慮した制度の運用を行っていくことが重要であるというふうに考えておるところでございます。
次に、市職員の懲戒処分の公表につきましては、平成15年11月の国の人事院の懲戒処分の公表の基本的な指針を踏まえまして、本市におきましても平成16年2月に策定いたしました懲戒処分の基本指針に基づき、懲戒処分を行った場合は、原則として職員の所属局及び役職、処分内容、事案の概要などについて公表を行うこととしているところでございます。懲戒免職者の氏名の公表につきましては、免職という厳しい処分に加えて、社会的に大きな不利益を受けることになることから、社会的に影響が大きい事案や、職責の重い役職者の免職の場合などを除いて、国や他の多くの自治体と同様に原則として氏名の公表までは行っていないところでございますので、御理解をお願いいたしたいと思います。以上でございます。
◯議長(妹尾俊見) 石井保健福祉局長。
◯保健福祉局長(石井幸充) 65歳以上の名簿の取り扱いに関する民生委員、児童委員への指導ということでございますが、民生委員、児童委員につきましては、民生委員法によりまして、職務上知り得た秘密については固く守らなければならない、こういう定めがあるということを踏まえまして、毎年名簿を貸与する際に、災害時要援護者台帳調査などの目的である地域福祉活動への活用以外には使用しないと、こういう指導をいたしております。また、貸与した名簿につきましても、紛失や貸与することがないよう適正管理を指導いたしております。
それから、次に、本市の老人クラブの会員数ということでございますが、平成15年度末で6万1,339人、16年度末で6万775人、17年度末で5万7,137人ということになってございます。また、老人クラブへの入会促進につきましては、地域での清掃活動や交通安全運動等の社会奉仕活動を初めとして、老人クラブ主催のゲートボール大会などの各種行事を実施する際、地域住民への参加を広く呼びかけるとともに、参加されました高齢者の方に対し、老人クラブへの加入について積極的に取り組んでいるという状況にございます。以上でございます。
◯議長(妹尾俊見) 北嶋市民局長。
◯市民局長(北嶋雄二郎) 災害援護者に対する緊急時の対応についてでございますが、大規模災害が発生した場合には迅速な安否確認が必要であり、このためには行政のみならず、地域の力が欠かせません。昨年の福岡県西方沖地震におきましては、地域の皆さんが自分たちで安否確認が行われたと伺っております。その後、その体験から、地域の高齢者、障がい者など、災害時要援護者名簿を事前に提供してもらいたいとの御意見をいただいております。そこで、同意をいただいた方の名簿を地域の自治協議会に防災活動のために提供することといたしました。
次に、住民基本台帳の閲覧につきましては、平成15年10月に事務取り扱い要領等を見直し、閲覧時間や閲覧人員などの制限、閲覧者の本人確認の厳格化などを行いまして、大量閲覧を制限してまいりましたが、公開が原則であることから、営業活動の閲覧を禁止するまでには至っておりませんでした。そのような中、国におきましては、住民基本台帳法の一部を改正する法律案が平成18年6月に国会で可決されまして、年内に施行されることとなっております。本市におきましても、国に先駆けまして、その改正内容に沿って平成18年7月1日から事務取り扱い要領を改正し、ダイレクトメール発送を目的とした営業活動等の閲覧は禁止することといたしております。
それから、校区の避難場所についてでございます。過去10年間に浸水により使用困難となった避難所は、多々良小学校、筥松小学校、堅粕小学校、板付北小学校、弥生小学校、田隈小学校、筥松公民館、吉塚公民館、那珂公民館、長住公民館、筥松会館、板付北会館などでございます。このうち、2回の浸水被害を受けられた筥松公民館につきましては、地域からの強い要望もございまして、平成15年度に外壁のかさ上げや止水板の設置を行っております。また、サイレンの作動でございますが、本市は2度の水害を教訓として、多々良川水系及び御笠川水系に緊急時の情報伝達のため、10基のサイレン及び拡声器を設置いたしておりまして、綿打川近くには3カ所設置いたしております。サイレンの作動につきましては、河川水位計と連動させ、河川水位が危険水位に達したときに自動的に作動するようにいたしております。また、市災害対策本部、区災害対策本部から遠隔操作で作動することができるようにしており、操作は降雨状況や河川水位の状況から判断して、原則として市職員が行うことといたしております。以上でございます。
◯議長(妹尾俊見) 植木教育長。
◯教育長(植木とみ子) 個人情報保護に関しまして、クラス名簿につきましては、学級担任が用途に応じて作成しておりまして、学級経営を行う上での内部の資料として活用しております。個人情報保護の重要性にかんがみ、この作成や管理及び不要になった際の廃棄につきましては、適切に取り扱うよう指導徹底しております。各学校では、名簿を配布することは基本的には行っておりませんが、保護者から強い要望があった2校につきましては、保護者の同意を得た上で配布しております。また、緊急連絡の方法につきましては、平成18年4月に作成いたしました学校における個人情報取り扱いマニュアルに基づきまして、教師個人の連絡先及び児童生徒につきましては、保護者の同意を得た上で、電話番号など必要最小限の情報を記載した緊急連絡網を配布するなどの方法により対応を行っております。今後ともこのマニュアルの周知徹底を図り、クラス名簿や緊急連絡網が適正かつ有効に活用されるよう管理してまいります。
◯議長(妹尾俊見) 山口剛司議員。
◯36番(山口剛司) 2回目の質問に入ります。
まず、市営住宅についてですが、先ほどの局長の答弁で、一般公募の倍率が若干ふえていると言われ、それは20.56倍と非常に多くの方が実は入居希望されております。今後新規市営住宅は建設しないということで改築を進めると言われました。そもそも本市では、市営住宅の戸数が少な過ぎるのではないでしょうか。民間を含めると、全体的に住宅の供給が多いと言われるのですが、それでも市営住宅を希望される方が多いのです。入居希望者が多いのはわかるが、供給する戸数が少ないこの現状では、どうしようもない。このままでいくしかないというのでは、市民の理解は得にくいのではないでしょうか。まずはぜひ新規住宅の建設を検討していただきたい。そして、本当に入居していただく戸数がこれ以上ないのか、ここはしっかり検証していただきたいものです。公営住宅には、市営住宅のほかに県営や雇用促進住宅など、さまざまな住宅が平成17年4月の集計で7万3,000戸余り本市にあります。これらの案内は、各区役所でも行っているそうですが、例えば、県営住宅で直近の応募倍率の案内などがなされているのでしょうか。ここは市営の応募倍率だけではなく、市民が必要としているわけですから、県とか市とかの枠を超えて、お互い連携し、県営住宅の直近の応募倍率も案内してもいいのではないかと考えます。さらに、もう一歩進めて言えば、区役所の窓口で市営住宅と同じく、県営住宅の申し込みについても積極的に案内をしていただくと、市民にとって本当に助かると考えますが、雇用促進住宅の案内実施を含め、当局の見解をお尋ねいたします。
特優賃に見られる今後の家賃制度についての見直しですが、フラット化について18年度から進めていく旨の答弁がありました。ぜひ前倒しを含め、早期に実行していただきたいと要望いたします。また、すべて実行される時期についてお示しください。
次に、住みかえの制度についてです。現在、市営住宅に入居されている世帯の65歳以上の高齢化率は22%で、平成8年と比較すると12%増加するなど大きく変化しています。さらに、世帯人数も減少傾向にあり、1人で3部屋以上の部屋に入居されている件数は7,449件と、今後も増加傾向にあります。本市の市営住宅戸数は約3万2,000戸ですから、約23%に当たる戸数が1人で住んである計算になります。これはちょっと問題ではないでしょうか。本年2月に募集された3部屋以上の多子世帯向け住宅は2戸しかありません。一般公募要件で多人数世帯の戸数が、他の戸数と比較すると極端に少ない状況があります。ここのところはどうしても解決していただきたいのです。一方で、今入居されている1人世帯の方に、世帯人数が減少しているとはいえ、高齢化も進んでいます。住みなれた場所から引っ越していただくのには多大な負担がかかることもあるでしょう。何もメリットがなければ引っ越しをしようとは考えられないと思います。そこで、改築の中で、バリアフリー住宅を進めておられますが、空き家が発生した場合、公募する前に対象となるひとり暮らしの方々などへ、インセンティブをつけるので移りませんかというように転居を進めるということができませんでしょうか。インセンティブとしては、敷金の免除や引っ越し費用の補助が考えられると思いますが、いかがでしょうか、お尋ねいたします。特に、新規に入居される場合には、世帯人数が減少すると転居をお願いしていますなど、告知ができないものでしょうか、あわせてお尋ねいたします。
住宅のメンテナンスについてです。排水管の清掃は、おおむね6年サイクルで実施されているとのことです。民間のマンションなどの集合住宅では、現在3、4年で清掃されたりしております。比較的新しい住宅は、排水管の清掃はしなくても汚水のあふれ出し事故は少ないのでしょうが、20年以上たつ高層住宅では、先ほどのトラブル件数3件と賠償金額が39万円余と発生しています。私も水漏れした住宅を見ましたが、清掃されても、どことなくにおいもあるし、壁のしみも水漏れしたときと同じ状態でした。金銭に換算できない生活する上での痛みは、とても大きいものがあります。この方も住みかえができないのかお尋ねがありました。当局では、排水管を6年で清掃するための予算は一体幾ら組んであるのでしょうか。また、清掃サイクルを、例えば4年で実施するとなると、あと幾らあれば実施できるのか、お尋ねいたします。
次に、個人情報保護制度についてです。この制度に対する各局の取り組み方に差があるように思います。プライベートに当たる分とそれ以外と区別することで、きちっとしたマニュアルが作成できると思いますが、今後、これまでの経過を踏まえ、どのような指示を、また、研修会を持たれようとしているのか、お尋ねいたします。
市職員の懲戒免職者は社会的制裁を受けているので公表していないという局長の答弁ですが、私にとっては理解しがたいものがあります。ここはやはり未然防止の意味を込めて、マスコミ発表の後追いではなく、その前に開示すべきではないでしょうか。本市の職員に対して、市民は基本的に信頼をしています。それが、一部の心ない職員により全体が悪いイメージを持たれたら、一生懸命に頑張っている職員は報われません。局長、いかがでしょうか。発表される意思がないか、お伺いいたします。
次に、要援護者の情報を地域自治会などに知らせる件ですが、本年、支援体制を整備している旨伺いました。非常にいいことだと思います。しかし、スケジュールが遅くないでしょうか。要援護者の方が情報開示を了解したら、個人情報を自治会に通知すると新聞では一部報じられましたが、現場ではどのような手順で進むのか知らない地域もあります。もう梅雨入りいたしました。ここはもっとたくさん説明要員の手を入れていただき、地元自治会に早期に説明していただきたいのですが、御所見を伺います。
学校現場についてですが、やはりさまざまな保護者からの意見、マスコミからの情報等で学校の先生方は混乱を来しているのではないかと思います。ここはひとつ、例えばという形でも示されてはいかがでしょうか。ここまではいい、これ以上はだめという指針が必要と思いますが、御所見を伺います。
次に、校区の避難場所についてです。着実に改善されていることに安心できるのですが、ただ気になる箇所があります。それは、多々良川危険地域に指定されている多々良地域です。ここは増水した場合、河川の水位より地盤が低いため、また、河川に避難場所が近いこともあり、地域の方々はこの梅雨の時期になると毎回不安にかられております。自治協議会、公民館を初め、本市に対し避難場所の確保として、西鉄バスの土井営業所を防災公園やスポーツ公園として利用できるよう交渉してもらいたいとの趣旨で陳情が過去に出されています。しかし、きょう現在、どうするのかはっきりと返事をされていません。
そこでまず、近隣公園整備計画についてお尋ねいたします。都市整備局では、市内全域に1万平方メートルを超える近隣公園を整備する計画を持っておられますが、その計画は1カ所整備するのに幾らの費用がかかり、何年かかるのか、お尋ねいたします。今回例示しております多々良地域に関して言えば近隣公園はありません。この地域は近隣公園を整備する緊急性を持っておられるのか。緊急性があるとするならば、順番でいって、多々良地域に公園整備するのは何年後になるのか、お尋ねいたします。仮に西鉄バス土井営業所の敷地が公園として整備されるとすると、多々良中央中学校の隣接地となります。この学校のグラウンドは横長く設置されており、面積としては他の学校と比較しても狭い方ではないと思われますが、グラウンドの形状で体育活動では不便さがあると思われます。この隣接地に運動公園ができると、学校としても利用が可能になるのではと考えます。
次に、非常時に使用するサイレンの件です。放送する人を、職員に限らず町内の責任者や消防団にも作動できるようにすべきではないかと考えます。避難が必要なときの判断は、対策本部が発令するのは当然ですが、地元の状況は地元がよくわかっております。自主的に避難が必要な状況の場合、要援護者への手助けには時間がかかることから、ぜひ地元にも放送ができるよう開放していただけないか、お尋ねいたします。
以上で2回目の質問を終わります。
◯議長(妹尾俊見) 松井建築局長。
◯建築局長(松井愛人) 公的賃貸住宅の案内につきましては、区役所と連携いたしまして、先ほど申し上げました入居申し込みの手引というパンフレットに基づき説明を行っているところでございます。議員御提案の福岡市内の県営住宅の平均応募倍率や、雇用促進住宅の入居資格や手続につきましても、このパンフレットに記載することを検討してまいります。
次に、公社借り上げ型特優賃住宅の残り16団地536戸のフラット化の時期につきましては、来年度以降、管理開始後、おおむね10年を経過した団地から順次フラット型家賃方式に切りかえることを検討しているところでございます。
次に、住みかえにかかわるインセンティブの導入の可否と、入居時におきまして、あらかじめ転居のお願いをしておいたらどうかという御提案でございますが、世帯構成に応じて住みかえを促進することは重要なことだと私どもも認識しております。しかしながら、先ほど御答弁しましたとおり、家具等の処分や住みなれた地域を離れたくないなどの理由によりまして、住みかえを断念される場合が多いという実態もございますので、御提案の件につきましては、他都市の状況等も調査しながら今後研究させていただきたいと考えております。
次に、排水管の清掃にかかる予算でございますが、雑排水管の清掃業務委託費といたしまして、平成18年度は約2,900万円の予算を計上させていただいております。
次に、現在の清掃サイクルを6年から4年に変更した場合の予算の増額でございますが、さらにそうしますと、さらに年間1,460万円余の予算が必要となると考えております。以上でございます。
◯議長(妹尾俊見) 鹿野総務企画局長。
◯総務企画局長(鹿野 至) 個人情報保護制度につきまして、各局の取り組み方に差があるように思うがというお尋ねでございますが、本市におきましては、法令施行時より職員に対し、個人情報保護制度を実効性のあるものとするため、その趣旨や内容について研修を実施してまいりました。さらに、平成18年度から新規採用職員研修や主任、総括主任研修の内容に、制度についての科目を加えるなど、今後さらに全庁的な職場研修を実施し、個人情報の利用と保護の適切な調和を図りつつ、制度の適正な運用を行っていくように引き続き職員に徹底させてまいりたいと考えております。
次に、職員の懲戒処分の公表につきましては、今後とも国や他の自治体の状況なども踏まえまして、行政としての説明責任とプライバシー保護との調和を図りつつ、適切に対応してまいりたいと考えております。懲戒免職者の氏名の公表につきましては、氏名公表を原則とすることは考えておりませんが、懲戒処分の指針にのっとり、事案の社会的影響の大きさや処分者の職責などを勘案いたしまして、その都度その氏名の公表について判断してまいりたいと考えておりますので、よろしく御理解のほどお願いします。以上でございます。
◯議長(妹尾俊見) 北嶋市民局長。
◯市民局長(北嶋雄二郎) 災害時要援護者対策の手順についてでございますが、災害発生時に迅速に要援護者の安否確認を行うため、地域に名簿を提供することは重要なことと考えております。ただ、この名簿は個人情報に当たるため、地域に情報提供するに当たっては、御本人の同意をいただくとともに、名簿提供を希望される自治協議会と情報管理等について覚書を締結する必要がございます。現在、各区において自治協議会の説明を始めており、既に幾つかの校区で覚書を締結しております。今後も地域との連携により、災害時要援護者対策を進めてまいりたいと考えております。
それから、サイレン、拡声器の地元での操作につきましては、災害時の情報伝達は、迅速的確に実施する必要があり、地元が必要と認めた場合には、自治協議会、自主防災組織の責任者などに御活用をいただきたいと考えております。以上でございます。
◯議長(妹尾俊見) 植木教育長。
◯教育長(植木とみ子) 学校現場における個人情報等の取り扱いについて、教員への例示や指針が必要ではないかとのおただしでございますが、議員御指摘のように、学校から卒業アルバムに住所を掲載していいかどうか判断に迷うなどの相談を受けることもございました。このような状況を踏まえて、緊急連絡網や卒業アルバム等の作成に当たっては、保護者などに同意を得ることで個人情報の利用が可能になるといったことなど、具体的な場面における判断の事例を掲載した学校における個人情報取り扱いマニュアルを作成いたしました。これを平成18年4月に全校長、園長に配付し、個人情報の適正な管理、保護などについて周知徹底を図ったところでございます。今後は関係局と連携して、教員を対象とした研修会を開催し、特に学校現場における個人情報の取り扱いなど、具体的な事例を示しながら適正な判断が行えるよう指導してまいります。
◯議長(妹尾俊見) 中村都市整備局長。
◯都市整備局長(中村耕二) 近隣公園の整備計画についてお答えいたします。近隣公園は、面積を1ヘクタール以上4ヘクタールまでとする公園でございまして、現在、本市では2ないし3校区を1ブロックとして、1ブロックに1カ所の近隣公園を配置するよう整備計画を進めているところでございます。おただしの整備に要する費用につきましては、土地の価格によって当然のことながら大きく変わりますけれども、仮に面積を1万平方メートル、土地価格を1平方メートル当たり10万円と仮定いたしますと、用地取得費が10億円、施設の整備費がおよそ2億円、合計12億円かかるということになります。また、整備に要します期間につきましては、これも権利者の状況等によって変わりますけれども、一般的に都市計画決定などの手続に1年、用地取得に3年程度、それから設計、施設整備に2ないし3年程度、合計6ないし7年程度というふうになります。
次に、多々良地域における近隣公園整備の緊急性についてのおただしでございますが、現在の計画では多々良校区は八田、青葉校区とあわせまして、3小学校区で1ブロックとしておりまして、ブロック内に近隣公園としましては、みどりが丘公園が既に整備されておりますことから、緊急性という面からは高い地域とはとらえておりません。当該地域におきます近隣公園の整備につきましては、中長期的な課題として検討してまいりたいというふうに考えておるところでございます。以上でございます。
◯議長(妹尾俊見) 山口剛司議員。
◯36番(山口剛司) 3回目の質問に入ります。
市営住宅については、さまざまな提案を含め、意見を申し上げました。市営住宅のメンテナンスとして排水管の清掃に絞ってお尋ねしましたが、4年サイクルにした場合、今の予算に単純にあと1,400万円程度プラスすることで実施できます。ここは清掃サイクルを見直すべきではないかと考えますが、御所見を伺います。
市営住宅の応募倍率ですが、一般公募の倍率が20倍以上になっている現状は異常ではないかと考えます。本市における住宅戸数と世帯数を見ますと、供給住宅戸数が上回る状況は、市営住宅の新規着工ができないという判断はあります。しかし、市民のニーズがこんなにたくさんある以上、このまま放置していることはいかがかと感じているのは私だけではありません。他の公営住宅との連携、特優賃の見直し、住みかえの制度の拡充は、本市にとって市民の住宅に対する要望にこたえるために重要な施策ではないでしょうか。御所見をお伺いいたします。
個人情報保護制度については、先ほども答弁されましたように、これまでのやり方から一般市民に開示する手だてがよりわかりやすくなったと考えます。情報化社会となり、いとも簡単にインターネットなどを通じて情報がやりとりできる現在、公開の歯どめとすべきもの、また、積極的に開示するものとの区別をしっかりすべきと思います。何もかも個人情報ということで市民が知る権利を阻害してはならないと考えますが、御所見を伺います。
災害の避難場所についてです。本市にとって水害対策はいまだ万全の体制に至っていないと思っております。先ほどの近隣公園ですが、面積が1万平方メートル以上使うわけですから、いざ整備をしたくても、土地がなければ計画倒れになるのではないかと危惧いたします。特に、危険地域に指定されている多々良川流域はどう整備されようとしているのか、現地を視察されている山崎市長にお尋ねして、私の質問を終わります。
◯議長(妹尾俊見) 松井建築局長。
◯建築局長(松井愛人) 排水管の現行の清掃サイクルにつきましては、これまでの維持修繕業務の経験を踏まえまして行っているものでございまして、入居者の皆様に排水口の受け皿などを日ごろから小まめに清掃していただくことと、6年サイクルの定期清掃により適切に維持管理できるものと考えております。したがいまして、日ごろの清掃の仕方について、市営住宅センターだよりに掲載するなどして、入居者の皆様にさらなる御協力をお願いいたしますとともに、施設の老朽化の状況や過去の詰まりによる事故の実績等を踏まえながら、今後とも計画的な維持管理に努めてまいります。以上でございます。
◯議長(妹尾俊見) 山崎市長。
◯市長(山崎広太郎) 市営住宅について、さまざまな御提案をいただいたところでございますが、市営住宅は住宅セーフティーネットとして、真に住宅に困窮する低額所得者に対し、公平かつ的確に供給されることが必要であると考えております。近年の市営住宅の応募倍率は高く、社会経済情勢の変化に伴い、公営住宅への市民要望は多様化しておりますが、御指摘の他の公営住宅などとの連携、特定優良賃貸住宅の制度見直しなど、いろいろと工夫しながら市民の住宅に対する要望におこたえできるよう努めてまいります。
個人情報保護制度は、個人情報が個人の人格尊重の理念のもとに慎重に取り扱われるべきものであることにかんがみ、その適正な取り扱いに関して、必要な事項を定めることにより、個人情報の有用性に配慮しながら、個人の権利、利益を保護することを目的とする制度でございます。個人情報は、社会生活を営む上で有用なものであり、行政においては公益目的を実現するための基礎的資料として必要不可欠でございます。また、地域においてさまざまな活動が行われる際にも必要な情報であるわけでございます。個人情報保護制度を実効性のあるものとするため、実際に市民の個人情報を取り扱う職員に制度の趣旨を徹底し、今後とも個人情報の利用と保護のバランスに配慮した制度の運用を行ってまいりたいと考えております。
それから、本市の水害対策につきましては、市民の生命、身体及び財産を災害から守ることは市の最重要施策と考えておりまして、平成11年、それから15年の2度の水害経験を踏まえまして、水害に強いまちづくりを推進しておるところでございます。ハード面の整備につきましては、多々良小学校周辺の浸水対策としてポンプ場などの整備を完了しております。また、多々良川などの河川改修も進んでおるところでございます。また、ソフト面では、緊急時の情報伝達手段として、サイレン、拡声器を設置しており、災害時には地元でも活用できるようにしておるところでございます。さらに、降雨による浸水想定や避難方向などを示した浸水想定避難図を今年度中に作成し、多々良川流域の全世帯に配布予定といたしておるところでございます。市民の方にも日ごろから自主防災の意識を持っていただくために、関係機関や地域の自主防災組織などと緊密な連携をとりながら、さらに水害に強いまちづくりを推し進めてまいりたいと考えております。以上でございます。
◯19番(山口剛司)登壇 皆様おはようございます。私は公明党福岡市議団を代表いたしまして、今や大きな社会問題となっております児童の通学路の安全確保について、博多湾の環境保全対策について、新都心構想について、そして外国人観光客の案内について一般質問をいたします。行政当局の前向きの回答を期待するものであります。
初めに、先月、広島市において小学1年生が下校途中に殺害され、家庭用ガスコンロをこん包する段ボール箱に押し込められた姿で発見されるというむごい事件が起きました。さらに、10日もたたずして、今度は栃木県今市市の小学1年生が刃物で刺されるという殺人事件が発生しました。広島市での容疑者は現在取り調べ中ですが、今市市の犯人はいまだ捜索中です。一日も早い犯人逮捕を願うものであります。今回の事件で亡くなられた児童の御冥福を祈りますとともに、御家族の方に謹んでお悔やみを申し上げます。
警察庁は一昨年1月から10月まで、15歳以下の子どもの連れ去り事件の実態調査をしました。それによると、全国で126件発生し、未遂を含めて139人が被害に遭っています。被害者のうち少女は107人です。犯行現場は半数以上が路上で、時間帯は登下校時が70人と多く発生しています。最近の事件の例でも、ここに手を打たなければなりません。
昨年までの10年間、全国の下校中に発生した殺害事件は、低学年の児童で6人、とりわけ1年生に対する犯罪が目立っています。殺されないまでも傷つけられた事件は枚挙にいとまがありません。昨年1年間に12歳以下の子どもが被害に遭った事件は3万7,054件に上り、特に強制わいせつは1,679件と10年前の1.5倍、誘拐は141件、暴行は1,115件と10倍に急増しています。これには本市も無関心ではいられません。本市でこのような事件に類することは、どれくらい発生しているのでしょうか。危害を加えられた件数は昨年1年間どうだったか、発生件数、内容と10年前と比較すると何倍か、お尋ねいたします。
下校時の安全は、児童を送迎バスなどで守らない限り、100%の安全確保は難しいことです。とても警察だけの手に負える仕事ではありません。それでは、だれが児童の安全を担うのか。警察はもちろんですが、学校、地域、保護者、そして行政と児童の安全確保のために知恵を絞っていこうではありませんか。子どもたちの身の安全は、地域の大人が力を出し合わなければ守れるものではありません。そこで、今実行されている施策、もしくは児童の安全確保のために考えられていることがあればお示しください。さらに、昨年質問しました不審者の情報メールについて、現在はどのように希望者に配信するのか、研究された結果をお尋ねいたします。
次に、博多湾の環境保全についてお尋ねしてまいります。
近年の博多湾の状況は、汚染や富栄養化により、今後しっかり対策をとらないと、資源も枯渇し、将来に残せなくなることが危惧されています。博多湾に流入する河川などの水質の問題、また水産資源については、栽培漁業を行うことで水揚げ高を確保していくことが重要であると思います。
まず、博多湾の水質ですが、現在はどのような状況になっていますでしょうか。全窒素、全燐、化学的酸素要求量、いわゆるCODについて、測定結果の推移を示していただくと同時に、環境基準の未達成地点も含めお示しください。
関係局である環境局、下水道局、港湾局、農林水産局で、平成15年度から現在に至るまで、水質保全と水産資源確保に向けて、どのような施策を幾らの費用で実施されたのか、そして、その効果はどうだったか、お示しください。
特に博多湾に流入する下水についてですが、下水道普及率が本市では99.3%に達していると発表されています。下水の高度処理について、福岡市ではどのくらい整備が進んでいるのか、そして、その結果、処理水はどのくらいよくなっているのか、あわせてお示しください。
また、博多湾の環境を保全、創造していくためには、関係局同士の連携が重要だと考えますが、どのような連携をとられているのか、お尋ねいたします。
次に、新都心構想についてお尋ねしてまいります。
今回、中間報告を発表されました。過去、こういった構想が策定された内容はどうだったのでしょうか。そして、今回の構想とどう関連づけられているか、お尋ねいたします。
来年には、この構想の最終まとめが発表されますが、取りまとめられた後は、これらの構想をどのように実現させていこうとされているのか、お尋ねいたします。といいますのも、中央の資本や海外の資本は、福岡の土地など、いとも簡単に購入する財力を持っております。策定はあるが、何も縛りがないのでは、勝手放題の建築物や施設ができるのではないか不安があります。御所見を伺います。
また、福岡市は緑の基本計画を策定し、花と緑の国際文化都市を目指しています。この計画の中で、市街化区域における公園や道路内の緑といった担保性のある緑の割合が20%確保されていることが望まれています。しかしながら、都心部において新たに公園等をふやしていくことには限界があります。都心部における緑の拡大には、民有地における緑化の推進が必要ではないでしょうか。そこで、今回の新都心構想に、建物の更新にあわせて、民有地にも緑化を積極的に進める記載を盛り込んではいかがでしょうか、お尋ねいたします。
また、策定の過程で市民意見を求められておりますが、今現在、何件の意見が集まっていますでしょうか。もし内容も出せれば、あわせてお示しください。
次に、外国人観光客の案内についてお尋ねいたします。
本市を訪れる観光客数ですが、04年は1989年の過去最高記録に迫る1,635万人に達したと経済振興局は観光統計で発表されました。この数字は、前年より2.6%の増加とのことです。そのうち外国人観光客数は、福岡空港、博多港の外国人入国客数は約45万人で、前年より24.3%増加しています。
まず、来訪者の国別ですが、上位4カ国をお示しください。また、リピート客ですが、全体でどのくらいおられるのでしょうか、あわせてお尋ねいたします。
また、外国の訪問者が福岡市に対して、こういったところを改善してほしいとか、このような案内をしていただければなど、情報の収集がなされていますでしょうか、お尋ねいたします。
以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
◯議長(妹尾俊見) 植木教育長。
◯教育長(植木とみ子) 子どもたちを取り巻く事件につきましては、平成16年度に児童生徒が被害に遭った事件の総数は21件、そのうち登下校時は14件発生しております。この14件の内訳ですが、すれ違いざまに体を触れられるなどの痴漢行為が9件、突然殴られたなどの暴力行為が5件となっております。また、10年前の平成6年度の発生件数の総数は9件でございました。しかし、子どもたちの安全を脅かす事件が社会問題となり、軽微なものも昨年から報告するように指導した経緯もありまして、単純に比較することはできませんが、平成16年度は平成6年度の2.3倍となっております。
通学時の児童生徒の安全対策といたしましては、各学校では学校の危機管理マニュアルなどにのっとりまして、通学路の安全点検を行い、危険箇所などを記載した安全マップを作成しております。また、児童生徒に対しては、小学校1年から3年まで防犯ブザーを配布するほか、体験型被害防止教室を実施したり、複数で帰る、決められた通学路を通る、声をかけられてもついていかないなどの指導を徹底するとともに、状況に応じて集団登下校を行っております。さらに、家庭に対しては、事件などの発生の都度、文書を配布し、注意を呼びかけております。一方、地域におきましては、福岡市PTA協議会による、こども110番のいえの設置を行うほか、多くの校区において、自治協議会など地域の関係団体による通学路の安全パトロールが実施されております。
新たな取り組みといたしましては、平成17年10月より、2カ所の小学校区を指定して、自治協議会などの地域団体の協力を得て、児童生徒の安全確保などを目的とした学校安全モデル地域の取り組みを行っております。なお、広島市などの事件を受けまして、12月6日に全学校長を集めまして、改めて児童生徒の通学状況の把握、通学路の点検等を実施するように指示しておりますし、また区役所を通して、自治協議会に対し、パトロール強化などの安全確保の協力要請を行っているところでございます。今後とも、児童生徒の安全確保に当たりましては、学校での取り組みはもとより、自治協議会や警察など、関係団体、機関と連携し、その充実に努めてまいります。
携帯電話へのメール配信につきましては、モデル校での研究の結果、緊急時や不審者情報の有効な連絡手段の1つであると認識しております。また、研究結果からは、携帯電話を持たない、または配信を希望しない保護者への配信、また配信する情報の信憑性の確保、さらにはメールアドレスは個人情報であり、情報管理を徹底する必要があるなどの課題が報告されております。以上でございます。
◯議長(妹尾俊見) 山田環境局長。
◯環境局長(山田隆光) 博多湾の水質の現状ですが、経年的には全窒素、CODはほぼ横ばい、全燐は減少傾向にあります。また、全窒素は、これまで東部海域で環境基準をやや超えたことがございますが、昨年度は全海域で環境基準を達成しております。全燐につきましては、これまですべての海域で環境基準を達成しております。CODにつきましては、8つの基準点のうち平成15年度までは西部海域の湾口部の1地点で環境基準を達成し、その他の地点が未達成でございましたが、平成16年度はさらに東部海域の1地点で達成し、それ以外の6地点が未達成となっております。
次に、環境局における水質保全に向けて実施した施策、費用及び効果につきましては、平成15年度は博多湾の環境監視、博多湾貧酸素対策調査及びアオサの有効利用を図るための研究を実施し、費用は2,160万円となっております。平成16年度は、これらに加え、藻場の生息状況調査及び市民参加を通じたアマモの移植による多様な生態系づくりにかかわる研究を実施し、費用はアマモ移植300万円を含め3,660万円となっております。なお、アオサ有効利用につきましては、平成16年度をもって終了しております。また、平成17年度は、さらに漁協、福岡県と連携した海底耕うんによる底質改善実験を開始しており、この費用の900万円を含め3,230万円となっております。これらの調査結果は、博多湾の環境保全を検討する上での基礎資料として活用しております。
次に、関係局における連携につきましては、これまでも学識経験者、関係局長等で構成する博多湾総合調査委員会において連携を図ってきたところでありますが、今後、より連携を深めるために、今年度から関係4局の担当課長で構成する連絡会議を開催しております。この連絡会議は、今年度3回開催しており、各局の事業の進捗状況の確認や今後の取り組み等について協議、調整を行っているところでございます。以上でございます。
◯議長(妹尾俊見) 平野下水道局長。
◯下水道局長(平野 定) 下水道局におきましては、燐除去を目的とした高度処理施設の整備を平成11年度に完了し、現在、全処理場で運転を行っており、全燐の目標水質である0.5ミリグラムパーリットル以下を達成いたしております。また、燐と同様、栄養塩類である窒素の除去を目的とした高度処理につきましては、平成15年度に東部水処理センターにおいて実規模実験を行うための施設改造工事を行い、平成16年度から実証実験を実施しております。費用としましては、平成15年度が施設改造に要した経費として約4億7,000万円、平成16年度が実証実験等に要した経費として約4,000万円、平成17年度が同じく実験等に要する経費として約4,000万円でございます。以上でございます。
◯議長(妹尾俊見) 中島港湾局長。
◯港湾局長(中島紹男) 港湾局で実施をいたしております施策についてでございますけれども、シーブルー事業、アオサ回収事業、和白干潟活性化事業、海岸環境整備事業を実施いたしておるところでございます。シーブルー事業は、覆砂や作れいによる水質及び底質の改善や、生物のすみやすい環境をつくることを目的とした事業でございまして、平成9年度から香椎地区で実施をいたしております。平成15年度は、事業効果を確認するための環境調査や評価を行い、事業費は約1,600万円でございます。平成16年度は事業費はございません。平成17年度につきましては、約2.6ヘクタールの覆砂及びアマモ場づくりを実施することといたしており、事業費は覆砂事業が8,000万円、アマモ場づくりが1,000万円の合わせまして9,000万円でございます。シーブルー事業の効果でございますけれども、海底の有機物の減少が確認され、カレイやウニなどが見られるようになってきているところでございます。
次に、アオサ回収につきましては、和白海域の悪臭などの被害防止や海域の環境保全のため実施をいたしており、従来の海岸清掃に加えまして、平成8年度から専用の船を用いた海域での回収を実施いたしております。海域回収の事業費は、平成15年度が約3,100万円、平成16年度、17年度がいずれも約3,200万円となっているところでございます。事業効果につきましては、毎年約3,000立方メートルを回収いたしておりますので、平成8年度以前のような打ち上げアオサによる悪臭被害は解消されてきているところでございます。和白干潟活性化事業につきましては、アサリやゴカイなどの生物のすみやすい環境を整えるため、平成16年度から市民と共働で干潟を耕しておるところでございます。事業費は、平成16年度が約150万円、平成17年度が約180万円でございます。事業効果といたしましては、耕した場所でアサリの稚貝がふえる傾向が見られているところでございます。また、海岸環境整備事業は、自然石を使って生物のすみかとなる護岸の整備や、アサリなどがすみやすい砂浜の整備を行う事業でございまして、生の松原、香椎、和白、名島、西戸崎で実施をいたしております。事業費は、平成15年度が約3億3,000万円、平成16年度が約4億1,000万円、平成17年度が約2億4,000万円でございます。事業効果といたしまして、新たに整備した場所では、カニやフジツボなどのいその生物の生育が見られているところでございます。以上でございます。
◯議長(妹尾俊見) 中村農林水産局長。
◯農林水産局長(中村耕二) 農林水産局において実施いたしました水産資源の確保に向けた施策、及びその費用と効果についてお答えいたします。
まず、水産資源の維持、増大を目的として栽培漁業を実施いたしておりますが、博多湾内にアサリ、アワビ、アカウニ、クルマエビ、ヨシエビなどの種苗を放流いたしております。次に、博多湾の水産資源の再生産機能回復を目的として漁場環境保全事業に取り組んでおりますが、クルマエビやカレイなどの種苗放流の効果を高めるため覆砂を行っており、本年度はさらに水産生物の生育場として藻場の造成を予定いたしております。これら以外にも、海底ごみの回収やアサリの貝殻除去事業なども実施しており、漁業者の皆さんも海底耕うんを自主的に実施しておられ、本市もこれに対しまして年間28万円の支援を行っております。以上、本市が実施しております栽培漁業と漁場環境保全事業に漁業者への支援事業を加えました事業費は、平成15年度が4,888万1,000円、16年度が5,223万5,000円でございます。また、17年度は6,377万5,000円を予定いたしております。それから、水産資源確保に向けての施策の効果につきましては、天候などによって漁場が大きく変化することや、放流の直接的効果が数的に把握しにくい面がございますけれども、1つの指標として、博多湾内の漁業従事者の1人当たりの生産量を見てみますと、平成12年には3.4トンであったものが平成16年には4.1トンと増加している実態がございます。以上でございます。
◯議長(妹尾俊見) 鹿野総務企画局長。
◯総務企画局長(鹿野 至) 新都心構想についてでございます。
まず、過去の構想の内容と今回の構想との関連についてでございますが、過去に策定をいたしました構想としましては、アジア太平洋博覧会開催前年の昭和63年に策定されました都心構想がございます。これは、札幌、仙台、広島といった全国の地方都市や九州内の主要都市との都市間競争に勝ち抜くために、都心部の魅力向上を目的として策定されたものでございます。県庁跡地、イムズ、ソラリアなど、当時進みつつあった都心部の開発の連携や、コンベンション施設を持ったウオーターフロント地区での国際交流拠点づくりなどが提案され、実現してまいったところでございます。旧構想から約20年が経過した今回の構想は、都心の成長による自動車交通渋滞や、都心の成長を支えた建物の更新時期の到来など、新たな課題に対応するとともに、現実になりつつある九州・アジア生活圏時代の都心として、市民や都市圏の人々だけでなく、九州やアジアからの来街者や滞在者など、さまざまな人から愛され、市民が誇りを感じるような、海に開かれた都心づくりを進めるために指針をまとめるものでございます。
それから、構想の実現につきましては、新たな時代に必要な社会資本の整備につきましては、重要性、費用対効果などについて検討し、議会の御意見もお聞きしながら判断し、進めてまいりたいというふうに考えております。また、まちの運営につきましては、地区計画の決定など法的な検討に加えまして、エリアマネジメント組織などとともに、課題への対応やまちづくりガイドラインの策定に取り組むなど、市民、企業と行政とが共働で行うまちづくりを進めてまいりたいと思っております。
次に、民有地の緑化でございますが、構想の中に、都心の景観形成に緑化、にぎわいを組み合わせ、回遊ルートを重ね合わせました、美しい風格ある都心づくりを進めるという考えが盛り込まれており、民有地の緑化についても触れられております。また、地域からの御提案につきましても、緑と憩いの空間整備がうたわれておりますので、御意見を踏まえ、緑化の確保について、引き続き策定委員会の中で検討してまいりたいというふうに考えております。
それから、市民から募集した意見の件数と内容についてでございますが、市民意見募集はこれまでに2回行っておりまして、1回目は策定委員会が設立される前の本年5月から1カ月間、市民の夢を募集しまして、42人、280件以上の御意見をいただいてございます。また、今回の中間報告に関する意見募集は、12月8日現在で10人の方から21件の御意見をいただいております。主な意見としては、天神北地区の都市的活用や道路空間のあり方などでございます。以上です。
◯議長(妹尾俊見) 松永経済振興局長。
◯経済振興局長(松永徳寿) 外国人の観光客数につきましては、統計数値としては、福岡入国管理局が発表される福岡空港及び博多港から入国した外国人の入国客数、これに基づき、おっしゃいますリピート客もこの中に含んだ形で把握し、発表いたしておりますが、お尋ねの平成16年の上位4カ国、地域につきましては、第1位が韓国の25万8,255人、第2位が台湾の7万4,480人、第3位が中国の3万9,006人、第4位がフィリピンの2万1,006人となっております。
また、個々の外国人来訪者からの情報収集をどのようにしているかということでございますが、来訪者の個々の生の声 要は、生の声というのは、観光案内所などでの実際の相談や問い合わせの内容などを把握し、その人数を把握するといった方法でございます。また、最前線で携わっておられる旅行関係者の声も重要でございまして、地元関係者はもとより、海外の旅行関係者につきましても、海外各地でのプロモーションの際や、また海外からお招きした際など、さまざまな機会をとらえて関係情報の収集に努めてまいっておるところでございます。以上でございます。
◯議長(妹尾俊見) 山口剛司議員。
◯19番(山口剛司) 児童の通学路の安全確保についてですが、先ほど答弁でおっしゃっていました、学校安全モデル地域の取り組みを、今、試験的に2校で実施されているということですが、この制度はすぐ全校で実施することができないのでしょうか、お尋ねいたします。
事件が発生してからでは取り返しがつきません。ことしからは防犯ブザーを新1年生に渡すようになりました。今3年生まで保持していますが、全学年に一日も早く渡せないか、お尋ねいたします。
また、犬の散歩をされている方たちに、特に登下校時間帯に通学路を通っていただくなど、区役所が音頭を取っていただき、各関係団体に働きかけていただけないでしょうか。また、その際には、パトロール中など書かれた、目立つ腕章やたすきをつけていただくと、不審者には、この地域は児童の安全に関心があるなと思わせる抑止効果があると思いますが、御所見を伺います。
また、防犯メールについてですが、警察が発信する不審者情報について、これからどのように活用していくのか、お尋ねいたします。
博多湾の環境保全対策についてですが、関係局の施策を伺いました。水質については、平成10年に水質保全計画を策定されておりました。今後、新しく計画を策定されると聞いておりますが、いつごろ、どのような目標値を設定されようとしているのか、お尋ねいたします。
博多湾での水質調査ですが、これまで問題であった燐や窒素の数値が改善されていることは評価できます。今後も水質の保全について、努力と監視を続けていただきたい。これからの課題として、福岡都市圏ではすべての流域自治体で下水が完備されておりません。引き続き福岡県へ下水道完備の要望をしていくことが大事です。また、本市の高度処理では、全燐は除去されたが、全窒素は試験段階とのことです。今後、悪影響を及ぼさないためにも実用化が待たれます。これからの計画はどうなっていますでしょうか、お尋ねいたします。
水質検査の結果の中で、COD対策が喫緊の課題であることがわかりました。環境局で県の水産海洋技術センターと漁協と連携し、900万円の予算で海底耕うんを実施されています。農林水産局も28万円ですが、漁協と海底耕うんを実施されています。行っていることはほとんど同じであると思いますので、別々の局ではなく、一緒に考えて連携をとってはいかがでしょうか。環境局にお尋ねいたします。
一方、水産資源の再生についてです。港湾局では、シーブルー事業でアマモの栽培やアサリ稚貝の放流を東部海域で実施しています。アマモの栽培方法は、ヤシマットでアマモの種子をサンドイッチし、海流で流されないよう金属板で押さえるという1,000万円かけた事業を行っています。植えつけから1年を過ぎるころには、立派なアマモが再生しています。環境局も、東部海域の和白干潟でアマモの植えつけを実施しています。ここでは、種をボール状にして投げ込んでいるそうです。費用は300万円弱です。植えつけのやり方にはいろんな方法があるようですが、実行予算がこれは違うんですね。農林水産局は漁業権のある西部海域で、これもやはり藻場造成やアサリ稚貝などの種苗放流を実施しています。覆砂に至っては、もうたくさんの局、また事業体で、本当に多くのところで実施されています。効率面を考えても、博多湾全体の事業として、部局の垣根を取り除いて実施してはいかがでしょうか。一緒にやれないとする理由があれば、お示しください。農林水産局長の答弁を求めます。
水質の浄化は環境局主導で、水産資源は農林水産局で、全体の予算からは他局に押されぎみですが、博多湾全体の漁獲資源の増加を図れるよう、しっかりとリードしていただきたいと考えますが、あわせて所見を求めます。
新都心構想についてですが、構想取りまとめ後、どのような縛りや協議会を設けて実現するかが課題であると考えます。先ほど地区計画なども実施するときがあると述べられましたが、遅きに失することがないよう、建設の計画が発表される前でも、どのような建築物かわかるように、情報の網をかけていくべきではないかと意見を申し述べます。
今、博多駅の再開発に向けて協議がなされています。新都心構想にも、博多駅の位置づけが重要な要素になっています。この再開発に行政も関与されているのは大事ではありますが、開発検討のエリアに博多郵便局などの周辺街区が含まれておらず、まちづくりの連携が見えておりません。また、博多駅筑紫口の駅前広場は、朝、団体バスが道路の1車線を占領していますし、客待ちタクシーも1車線とっている状況で、慢性の渋滞が発生するなどの課題を抱えております。そこで、このような課題解決に向けて、駅の開発のみならず、駅地区全体を視野に入れた開発の取り組みが必要と考えますが、御所見をお尋ねいたします。
さらに、規制緩和が進んでいる中、金融機関の再編により、日本銀行や他の金融機関など、準公共機関の跡地が発生することが予想されます。そこで、これらの跡地が、民間への売却等により都心のまちづくりの支障とならないよう、事前に地権者や関係機関に働きかけられるよう要望しておきます。
現在、国では、まちづくり三法の見直し作業が進められております。98年に大規模小売店舗立地法、改正都市計画法、中心市街地活性化法が制定されたのですが、大型店が郊外に進出するなど、都市の空洞化に歯どめがかかっていない。見直しの方向性は、都市機能の市街地への集約と中心市街地の振興を一体的に推進することにあります。まちづくり全体にかかわる活動を官民が協力して実施する体制の構築として、住宅や公共公益施設などの立地支援や公共交通の利便性向上、歩行者空間の充実に取り組むこととしております。特にコンパクトシティー構想が注目され、無秩序な市街地拡大を抑制する計画がさまざまな都市で実行されてきています。鹿児島市では、郊外の住宅開発を認めずに、まち中に人が住むようにしたり、金沢市では、まち中に戸建て住宅を建設すれば、1軒につき300万円の補助を出したりしています。旧静岡市では、バスを中心とした公共交通機関の利用増進策などを実施したことが功を奏し、市全体に対する中心市街地の事業所数のシェアの伸びをもたらしています。本市の構想において、エリア内には数々の商店街があります。住民との共生が今こそ必要であると考えますが、この構想に商店街活性化策は盛り込まれていくのか、また、どのように取り組もうとされているのか、お尋ねいたします。
次に、今行われている市民意見の募集ですが、10件と報告をされました。これはちょっと少な過ぎるのではないでしょうか。募集のやり方に問題がありはしないか、また、募集件数をふやすために、何か手を打ってあるのでしょうか。新都心構想のエリア内の自治協議会や住民に意見を聞いてはどうかと考えますが、御所見をお伺いいたします。
先日、金沢市が金沢まちづくり市民研究機構を実施し、好評だというので、調査に行ってまいりました。その概要は、まず市民研究員を公募して、研究テーマごとに市民研究会を設置します。その研究会にはディレクター、大学教授等を置き、約1年間検討会を実施し、研究成果として金沢市に提案する仕組みになっています。平成17年度は、それらの提案のうち8事業を当初予算に計上し、実行していました。一部を紹介しますと、アートからのまちづくりという研究テーマで、中心街のショーウインドーや空きフロアに学生たちによる共同芸術作品をライトアップ展示するのに、事業費300万円をつけています。また、まち中再生のためのまちづくりのテーマでは、金沢町家継承のための市民意識調査やシンポジウム開催事業で500万円、バス利用者を対象にICカード利用調査に300万円など、事業費をつけ実施しています。
今回の視察で感心しました点は、自治体が設置しているシンクタンクとは別の組織であるということ、行政は研究会に対し、ディレクターへ研究会に参加していただく方をセットする以外、内容にはかかわらないということでした。そして、その研究成果は、市の政策に反映させることを前提としているということです。このような取り組みを見ますと、市民の意識としては、自分たちの提言が政策として実施されるわけですから、いやが上にも意識が高まります。市民が政策形成の初期段階から参画でき、問題解決に向けた共働化が図られるという利点があります。本年は2年目に当たりますが、市民研究員の応募は10代から70代の人と広範囲にわたっていまして、約70名、9テーマで研究を続けておられます。本市の新都心構想の場合、民間事業者などから意見を募集し、行政と策定作業を進めておれらますが、ここにもう1つの視点、金沢市で実施されている市民研究会のような仕組みも取り入れてはどうかと提案いたしますが、当局の御所見をお伺いいたします。
次に、外国人観光客の案内について勉強していたところ、韓国の留学生から福岡市に対して改善の要望がありました。それは、韓国語であるハングル表記についてです。福岡市が表記しているやり方と北九州市が表記しているやり方が違っています。具体的に言いますと、発音で、天神を言うときに、「テンジン」と私たちが発音しているのと、「テ」と「デ」の間の発音をする場合があるとのことです。私も実際発音された言葉を聞いて、その違いがよくわかりませんでした。ただ、文字としてあらわすときに、違う言葉が当てられていました。こういった表記の違い、対馬やホテル名でも発音が違ったりしています。ハングル表記の方法に、福岡方式と北九州方式と違いがあるのですが、同じ北部九州です。統一する手だてはないものでしょうか。
北九州市では、ハングル表記が混在しているとのことで、04年3月に統一マニュアルを策定されています。本市では、外国人への情報提供の手引として、05年7月にパンフレットを作成し、配布されております。もともとは外国人にわかりやすいようにとの趣旨で始められていますが、日本人のひとりよがりで、外国人に親切なパンフレットや案内をしているというようになってはまずいと思います。福岡市民は、私も含めてですが、ハングル語に対する知識が少なく、話せる人も少ないという現実があります。昨年、海外視察に行きましたときですが、レストランのメニューはもちろん英語で書かれています。私には、その料理が甘いのか辛いのか、温かいのか冷たいのか、またどのような形状なのかよくわからず、注文して出たとこ勝負といった状況でした。しかし、ただ1カ所ですが、日本語のメニューも用意されているお店に入りました。そのときの注文する安心感は、言いようがないくらいうれしかったことを覚えております。おもてなしの福岡を標榜する本市にとっても、福岡に滞在してよかったと言われるよう、政策をとっていただきたいのですが、御所見を伺います。また、本市で勉強している留学生と連絡会を持つなどして、本市に不足している点などを聞く機会を設けてはいかがでしょうか、御所見を伺います。
本市の幹部の方々は、よく海外交流に出かけられておりますが、渡航中に感じられた点などを本市の事業にも積極的に提言していただければ、もっとよりよいおもてなしの福岡になるのではないでしょうか。ハングル表記の北九州市との違いについての改善もあわせてお尋ねいたします。
以上で2問目を終わります。
◯議長(妹尾俊見) 植木教育長。
◯教育長(植木とみ子) 学校安全モデル地域についてのお尋ねでございますが、本市においては、既に多くの自治協議会などの地域団体が、車でのパトロールやウオーキングを兼ねた見守りなど、地域の状況に応じて子どもの安全確保に努めていただいております。お尋ねの学校安全モデル地域事業につきましては、平成17年10月より文部科学省の委嘱を受け、防犯活動に積極的に取り組んでいる小学校区の中から2カ所を選び、安全マップの作成や地域の実情にあったパトロールの実施、防犯の専門家による講習を受けるなど、よりスキルアップした実効性のある取り組みにより、地域ぐるみで子どもを守る仕組みづくりを行うものでございます。今後は、このモデル地域の取り組みを他の校区にも広めるとともに、従来から行われております各校区での取り組みの充実を図り、地域ぐるみの学校安全体制の整備に努めてまいります。
防犯ブザーにつきましては、今後とも新1年生への配布を継続してまいります。なお、既に配布しております児童に対しましても、登下校時の所持及び使用方法等について、周知徹底してまいります。
警察からの不審者情報の活用につきましては、各学校に対し、福岡県警メール配信システムに登録し、受信した情報を登下校時の際の安全対策に活用するよう指導しております。また、このような情報を保護者へ連絡する手段の1つとして、携帯電話へのメール配信につきましても、各学校とPTAとの協議等に基づき、運営体制が整った学校から、順次、実施に向けての検討を進めてまいります。以上でございます。
◯議長(妹尾俊見) 北嶋市民局長。
◯市民局長(北嶋雄二郎) 地域住民による通学路の見守りにつきましては、現在、市内では多くの団体がパトロール活動をされております。市としても、自主パトロール等の地域安全活動をより活性化するため、立ち上げの支援として、腕章等の配布を行っております。また、市民の自主防犯意識の高揚を図るため、防犯DIGの実施や地域防犯マニュアルの作成、配布などを行っております。さらに、散歩など屋外に出かけられるときは、できる限り児童生徒の登下校する時間や通学路に合わせていただくよう、協力をお願いしているところでございます。今後とも区役所を通じまして、自治協議会を中心とした防犯活動の支援をさらに進めていきたいと考えております。以上でございます。
◯議長(妹尾俊見) 山田環境局長。
◯環境局長(山田隆光) 博多湾の環境保全に関する今後の計画につきましては、現在、第2次福岡市環境基本計画を策定中であり、部門別計画である博多湾水質保全計画につきましても、年内には検討委員会を設置して見直し作業に着手し、平成19年度末を目途に新たな計画を策定したいと考えております。現在の計画は水質の保全を中心とした計画ですが、新計画には多様な生物の生育、生息の場としての博多湾という視点を取り入れ、従来の水質の目標に加え、生物などの新たな目標についても検討してまいります。このような考えに基づき、名称についても、仮称ではございますが、博多湾環境保全計画に改め、博多湾の環境保全に関する総合的な計画にしたいと考えております。
次に、海底耕うんにつきましては、環境局が、耕うん適地、効果把握及び評価をする目的で、平成17年度から実験を実施しております。また、農林水産局では、漁協が独自に実施する事業への助成を行っております。今後、環境局で実施した実験結果につきましては、両局において効果について十分検証を行った上で、事業化につきましても連携して検討してまいりたいと考えております。
次に、水質の浄化につきましては、これまで各局と連携を図りながら進めてきたところでありますが、先ほど申し上げました新しい計画の策定に合わせ、私が会長を務めております、局・区長から成る環境調整会議などを活用し、各局が博多湾の保全という1つの目標を持って、連携のとれた施策が推進できるよう努めてまいります。以上でございます。
◯議長(妹尾俊見) 平野下水道局長。
◯下水道局長(平野 定) 窒素除去を目的とした高度処理につきましては、平成16年度から2カ年の予定で行っている実証実験の結果を踏まえて、今後、早期導入に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。以上です。
◯議長(妹尾俊見) 中村農林水産局長。
◯農林水産局長(中村耕二) 水産資源の再生などに関する各局の取り組みに対するおただしでございますが、農林水産局の取り組みは水産資源の再生産機能の回復を目的としており、また港湾局におきましては、自然環境に優しい港づくりを目的とするなど、事業目的に差異はございますけれども、御指摘のとおり、事業手法が類似している側面もございますので、実施に当たりましては関係各局と情報交換を密に行い、連携を図りながら、効果的な方法について検討してまいります。
また、水産資源の確保、増加につきましては、博多湾が魚介類の産卵、生息の場として大切な海域であるとの認識に立ち、今後とも市民の皆様に新鮮でおいしい魚介類を安定的に供給ができるよう、各局と連携を図りながら、農林水産局が中心となって積極的に取り組んでまいります。以上でございます。
◯議長(妹尾俊見) 大場都市整備局長。
◯都市整備局長(大場美徳) 博多駅地区全体を視野に入れました取り組みについてのお尋ねでございます。
博多駅地区につきましては、商業、業務、行政施設等が集積した天神地区と並ぶ都心の顔であると認識しており、平成23年春に予定されております九州新幹線の博多乗り入れや、新しい駅ビルの建設を契機といたしまして、九州の玄関口としての機能が飛躍的に高まるものと考えてございます。現在、JR九州において駅ビルの開発に取り組まれているところでありますが、本市といたしましても、今後、交通結節機能の一層の強化を図るとともに、人のための空間やゆとり、景観といった観点にも配慮し、駅周辺地区の関係者とも情報交換しながら、地区全体が活発な人の流れを生み出す都心の新しい顔となるよう努めてまいりたいと考えてございます。以上です。
◯議長(妹尾俊見) 鹿野総務企画局長。
◯総務企画局長(鹿野 至) 新都心構想に関連いたしまして、商店街の活性化策についてでございますが、都心の重要な機能の1つとして、集客機能のさらなる充実を掲げておりまして、ショッピングなどに加え、歩行者天国やオープンカフェの設置など、都市的な楽しみによるにぎわいづくりの推進という形で盛り込まれております。また、生活利便施設でございます身近な商店街につきましては、経済振興局でもさまざまな施策が進められておるところでございますが、記載のあり方等につきましては、都心居住としての観点から、引き続き策定委員会において検討していきたいというふうに考えております。
続きまして、市民意見募集についてでございますけれども、私自身も現段階ではちょっと少ないのではないかというふうに考えております。今まで市政だよりや市のホームページへの掲載のほか、記者発表を行い日刊紙などで周知を図ったところでございます。このほかにも、情報プラザ、各区役所等で原案を配布し、意見を募っております。現在は、ホームページやメールマガジンによる広報の強化を図るとともに、市内のまちづくり団体や都心の自治協議会などに意見の提出を働きかけているところでございます。そのほかの手段もあれば、随時やっていきたいというふうに思っておるところでございます。
次に、市民が参画できる仕組みについてでございますが、構想策定の過程の中で、市民、企業がまちづくりに参加する提案が地域から出され、さらに実践するという試みも出てきておるわけでございます。構想の中では、構想を実現する方策として、市民、企業、団体などから成るエリアマネジメント組織によるまちづくりの推進とともに、まちの利用者である市民のまちづくりへの参加も示されており、今後、市民と共働できる仕組みづくりの検討を進めていきたいというふうに考えております。なお、構想策定に当たりましては、一昨年、検討準備会を設置し、商業者、NPOなど多くの方々から都心づくりのアイデアをいただいておりまして、また本年5月には、市民の夢として一般市民から都心のまちづくりに対する考えや思いを募集し、構想策定の参考としたところでございます。
それから次に、留学生からの意見を聞く機会についてでございますけれども、行政、大学、地域国際化協会等、留学生の関係団体で組織されます福岡地域留学生交流推進協議会や、留学生や就学生を支援していく民間組織の福岡外国人学生支援の会などを通じ、また個別に留学生の懇談会を開催するなど、さまざまな機会をとらえ、意見聴取に努めてまいりたいというふうに考えております。
また、ハングル表記の北九州市との統一につきましては、福岡県においても基準を作成中でございまして、今後、広域的視点から、福岡県などを通じまして協議してまいりたいというふうに考えておりますので、御理解いただきたいと思います。以上でございます。
◯議長(妹尾俊見) 松永経済振興局長。
◯経済振興局長(松永徳寿) 交流人口を増加させることは、本市の経済の活性化に大きく貢献すると、こういった考えで、私どもビジターズ・インダストリーの推進に努力いたしておるところでございます。特に、経済成長が著しい東アジアからの観光客の誘致は重要であると考えておりまして、誘致プロモーションと受け入れ環境の整備を2本の柱として整備を進めておるところでございます。お尋ねのおもてなしのための受け入れ環境の整備としては、観光ガイドブックや観光案内所、また案内板の外国語対応を進めるとともに、外国人の来訪者が安心して利用できる交通網の整備を図りますために、平成16年の11月から、西鉄と共同でバスの外国語アナウンスや、またバス停を番号で表記していくなどの整備も行っておるところでございます。また、若干のお得感を感じていただくということで、お土産品等で割引を受けられるウエルカムカードなどの事業も実施しております。
また、海外出張など、渡航したときに感じたことはということでございます。例えば、中国、韓国など、こういった主なホテル、土産品、商業施設では、日本語で対応できるというところが多うございまして、正直こういったことでほっといたしますし、また何かあったときの安心感といったものも感じるところでございます。また、現地通貨で買い物をしたり、あるいは食事をするというのは、そのまちに対する大変親しみも覚えますし、また楽しみの1つでもあるわけでございます。そういったところでは、両替所が至るところにあるといったことも大変便利だなと思っております。また逆に、ホテルのフロントにまちの地図が置いてあったら、もっといいのになということも感じることもありますし、また、やはり身近に感じる通訳、ガイドさんたちの観光の知識、またそのまちの成り立ちに対する知識とか思い入れとか、こういうものが強いと、大変私どももその都市に対する魅力を感じる、こういった意味で、その資質ということが大変大事だと、こういったことも感じたところでございます。いずれにいたしましても、こういった海外からのお客さん、人々に対するおもてなしの心を醸成していくということが大変大事であるということで感じておるところでございます。以上でございます。
◯議長(妹尾俊見) 山口剛司議員。
◯19番(山口剛司) 3問目に入ります。
児童の通学路の安全確保について、種々述べてまいりました。福岡市にとって、未来を担う子どもたちが安心して勉強に遊びに活動することは、大事な視点であると言えます。財政厳しき折とは認識いたしておりますが、児童の登下校の安全を確保する事業に対し、優先的に予算をつけることは当然として、ハード面、ソフト面、すべてにわたって、子どもたちの安全確保に総力を挙げるべきだと思いますが、市長の決意のほどをお尋ねいたします。
また、博多湾の環境保全対策についてですが、関係局の考えを伺いました。山崎市長、ここは三役の方主導で総合的に推進するなどできないものでしょうか。財政的にも各局の事業予算は削らなくてはならず、かといって博多湾浄化の事業は、手を抜くと後々取り戻すのに大きな費用と時間がかかると思います。御所見を伺います。
新都心構想については、福岡市のオフィスビルや博多駅の再開発など、更新時期が来ている建物が多数出てきています。これらの建てかえに際し、本市で計画していくまちづくり構想に沿って協力していただけるよう依頼する必要があると考えますが、山崎市長の新都心構想に向けての考え方をお聞きし、私の質問を終わります。
◯議長(妹尾俊見) 山野副市長。
◯副市長(山野 宏) 博多湾の環境問題につきましては、市民にとって大変貴重な財産であるというふうに考えておりますので、博多湾の良好な環境を次の世代へ継承していく必要があると考えております。そのため、博多湾の水質が保全されていることはもちろんですが、博多湾がさまざまな生き物の育成、生育の場として、市民により親しまれる場となるよう保全し、創造していくことが重要であり、この考えに基づき、新たに博多湾環境保全計画を策定することといたしております。
博多湾の環境保全につきましては、各局に施策がまたがっているということもあり、関係局間の連携強化を図るとともに、私をトップといたしまして、副市長プロジェクトの1つとして施策を推進してまいるということを考えております。
◯議長(妹尾俊見) 山崎市長。
◯市長(山崎広太郎) 児童の通学路の安全確保についてでございます。広島あるいは栃木で、まことに痛ましい、人ごとでない事件が発生したわけでございます。市民の皆さん方も一層子どもたちの安全ということに、強い、今関心をお持ちであると考えております。犯罪のない、安全で住みよいまちづくりということについては、もう市民の非常に強い要望があるわけでございまして、やはり地域ぐるみでこれを確保していくということが大事だと、このように考えておるところでございます。
今、市内の各小中学校の学校長、教頭先生が、本当に地域の皆さん方と真剣に接触しておられるという状況をつくっていただいておるところでございます。そういうことで、地域の、特に自治協議会と学校がしっかりと連携を持って、特に児童の登下校の安全確保を図っていかなきゃいけないと、このように考えておるところでございます。予算のことをおっしゃいましたけれども、確かに限られた予算でございますが、最大限効果的に活用しながら、今後ともこの安全、安心のまち、そして通学路などの防犯対策を進めまして、子どもたちが安心して学び、遊ぶ環境を守っていけるように、一層取り組んでまいりたいと考えております。
それから、新都心構想についてでございますが、現在、策定委員会で協議をいただいておりまして、新しい時代に対応して、この都心の魅力を高めるというねらいで、また都心が抱えるいろいろ、さまざまな課題解決を、行政だけじゃなくて、市民や企業体も一体となって、このまちづくりを行うための指針づくりをお願いいたして、策定を進めていただいておるところでございます。議員御指摘のとおり、この福岡の都心も更新時期に来ているということもございます。そういうこともありまして、民間の皆様方の御理解とお力もいただきながら、この都心づくり、新しいまちづくりに取り組んでいきたいと、このように考えておるところでございます。
また、この構想を生かした今後のまちづくりも進めてまいりたいと。それは、特にアジアということを本市はここ20年、最大のテーマとして取り組んでまいりました。その実績はいろんな形であらわれておると、このように思っておるところでございますが、九州・アジア生活圏時代といいますか、まさにこの福岡がアジア社会の中での非常に中核的な役割を務める都市、そういう位置づけをさらに明確化していきたいと。このために、いろんな業務の面、あるいは集客、観光の面、それから居住機能、こういうものについて、国際的な水準を持った都心づくりということを進めてまいりたいと考えております。そのことで、福岡市はもとよりでございますが、九州、西日本全体の活性化につなげていきたいと、このような考えで新都心構想づくりに取り組んでおるところでございます。
◯19番(山口剛司)登壇 私は、公明党福岡市議団を代表して、平成16年度一般会計、特別会計及び企業会計の決算について、これを認定することに賛成し、討論を行います。なお、意見の詳細については、さきの決算特別委員会総会並びに各分科会において、我が党議員が意見、要望を述べております。行政当局におかれましては、真摯な対応をお願いいたします。ここでは、特に重要な課題である財政問題に絞って意見を述べます。
まず、平成16年度決算を実質収支で見ると、一般会計が92億193万円の黒字、特別会計は37億8,414万円の赤字で、合計54億1,779万円の黒字となっています。単年度収支では、一般会計、特別会計ともに黒字で、合計29億3,082万円の黒字と、平成14年度から2年間赤字だっただけに、ようやく黒字に転換しましたが、少子・高齢化など今後の社会変化を考えると、歳出面で扶助費や公債費など義務的経費が増加傾向にあることから、徹底した事務事業の選別など財政健全化に向けた一層の努力が求められるところであります。
我が国経済は、企業収益が改善し、雇用環境が持ち直すなど回復の兆しが見られます。しかし、一方では原油などの素材価格の高騰に加え、欧米各国での金利上昇など世界経済の懸念材料も出始めており、まだまだ予断を許さない状況が続くものと思われます。景気回復の兆しが見え始めたとはいえ、本市経済や財政への影響が出てくるのはまだまだであり、一方では国も地方も巨額の債務を抱えている現状にあって、三位一体の改革など国からの交付税や補助金の大幅削減も予想されることから、さらなる財政健全化に向けたより強力な取り組みが求められております。
現在進めている事業の選択と集中による財政の合理化は当然のことですが、さらに職員定数の実質減につながる事務事業の抜本的見直しが必要と考えます。そのためにも、我が党議員が決算総会でも指摘しましたように、現在のすべての事業について仕分け作戦を実施すべきであります。本市でも総事業点検スプリングレビューを実施し、約60億円の縮減ができましたが、民間のシンクタンク、構想日本が提唱し、幾つかの自治体が既に実施し、国も特別会計で取り入れようとしている事業仕分けは、大胆な歳出削減につながる有効な手法として注目を集めています。行政の事業を見直し、不要な事業を廃止したり、民間へ移管することは、行政依存から抜け出し、地域の活力を回復するために不可欠な取り組みですが、実際には総論が繰り返されるだけで各論は遅々として進んでいきません。そこで、自治体職員など現場の人々に第三者の目、有識者の目を交えて予算書の全事業項目を個々にチェックし、この事業はそもそも必要なのか、必要ならば行政で行うべきか、民間ではできないのか、行政で行うとしても行政のどの部分が担った方がより効率的に行えるか等々の仕分けをしていくのがこの事業仕分け作戦の特徴であります。行政のスリム化と費用の軽減を図るためには有効な手法であり、早急な取り組みを求めるものであります。
また、本市の平成16年度末の市債残高は、前年度比2.3%増の2兆7,092億3,991万円、市民1人当たり193万5,000円となっています。平成11年度以降、市債発行額は減少し、平成12年度決算からプライマリー・バランスを達成しているとはいえ、平成16年度までは過去に発行した市債の元利償還のため公債費の増加は避けられません。それだけに、しっかりとした財政見通しのもと、市債に限らず、借り入れ、債務保証などを含めた公的債務残高を持続可能な水準以下に抑え込むようにしていかなければなりません。今後は市債を中心とする公的債務の徹底した管理政策が重要になってまいります。市債をめぐっては、今後、景気回復などに伴って金利の上昇がささやかれ始めている中で、金利リスク、さらに過去に大量に発行された国債や地方債の借りかえ時期を迎える平成20年度に予想されている借りかえリスクなど、国債、地方債をめぐる幾つかのリスク要因が指摘されているだけに、市債発行量の適切な管理、市債の有利かつ安定的な発行及び将来負担の計画的抑制、市債管理部門の強化及び専門知識を持った職員の育成、配置等々、公的債務管理政策の強化、充実を強く求めるものであります。このほか、歳入の面で見ると、一般会計では平成16年度の不納欠損額が前年度比8.2%減少しているものの16億1,900万円余りあります。特別会計では前年度比で12.9%増加しており、合計すると不納欠損額は前年度比4.9%増の48億7,231万円になります。市税を初め保険料、使用料などの収納率向上への取り組みでもなお一層の努力を求めます。
以上、私は財政問題に絞って意見、要望を申し上げましたが、市長2期目の総仕上げを迎えた山崎市長の力強いリーダーシップによる市政運営を期待しまして、我が党の賛成討論を終わります。
◯19番(山口剛司)登壇 私は、公明党福岡市議団を代表して、国民健康保険について、福岡市総合図書館と小中学校における図書室に関して、まち並みを形成する都市計画道路について質問をいたします。関係理事者の明確な答弁を期待いたします。
まず、国民健康保険の現状についてお尋ねいたします。
平成17年度予算は1,241億7,000万円余です。平成14年度以降、予算額の伸び率は15年度107%、16年度108%、17年度は111.8%と毎年増加しています。今後3年間は予算額がどのように推移していくと見ておられるか、まず御所見を伺います。さらに本市の一般会計から国保に対する繰入金も平成17年度は186億円以上に上っていますが、今後どう推移していくのか、あわせてお示しください。
次に、被保険者数の推移についてですが、高齢化に加えて、これまでの経済情勢の停滞や悪化で加入者が増加しています。現在は45万7,700人ですが、過去5年間の被保険者数は1万から1万5,000人のペースで増加しています。この増加の中でどの年代階層の人が増加していますでしょうか。顕著な伸びを示している階層を平成14年度と16年度対比で増加人数をお示しください。
次に、保険料の収入についてお尋ねしてまいります。
本市における収納率は15年度87.75%、16年度86.56%と年々悪化しています。また、本市の平成15年度と平成16年度の収納率が政令市の順位では9番目でした。これを金額で見ると、平成16年度決算見込みで5万8,000世帯の滞納世帯数と約90億円の収入未済額が予測されています。大変な世帯数と金額ですが、平成14年度以降、それらの数値がどのように推移しているのか、率で増減をお示しください。そのうちの高額滞納世帯ですが、50万円以上の滞納額とすると現在は3,200世帯余り、約23億5,000万円もあります。これは全体の滞納者から比較するとどのくらいの割合になるのかお示しください。関連して、保険料を納付されていない方に対し、資格証明書と有効期間が4カ月の短期被保険者証を発行されておりますが、平成14年度から現在までの発行件数をお示しください。
財政局にお聞きしますが、市税の滞納者が何人になっているのか。平成16年度の人数、収入率と平成14年からの収入率の増減率をお示しください。市税滞納者についてはどのような収入対策がとられているのかお尋ねいたします。
次に、国民健康保険料の口座振替ですが、現在の口座振替率は54%と非常に少ない数値です。収納率のアップにはまずは口座振替が一番と考えます。一方、1度目の振替が例えば残高不足などで振替できなかった場合など、本年度より再振替を実施されています。現在の成果をお尋ねいたします。また、コンビニ収納をスタートされていますが、どれだけ収納効果が上がっておりますでしょうか、あわせてお示しください。また、若年層の滞納率が増加傾向にあります。就職難が大きな原因ですが、それとは別に、学校現場において国民健康保険や年金について、これらの制度が相互扶助で成り立っているということがきちんと理解されていないところに原因もあると考えられます。特に中学校の授業の中でそれらの取り組みがしっかりできているのか不安になります。本市での授業内容について、現状はどのようになっているのか、教育委員会にお尋ねいたします。
次に、支出の一番重要な項目は医療費に対する支出であります。平成17年度予算の医療費、すわなち保険費は769億6,690万円と試算されています。増加の一途をたどっていますが、まず医療費総額の平成14年からの伸び率と、また増減の特殊要因がありましたらお示しください。また、若い世代と老人とに分けて1人当たりの費用額とその伸びをお示しください。
この医療費ですが、医療費明細を見て高いと感じている被保険者がおられます。その医療費の診療報酬明細書、いわゆるレセプトについてお尋ねいたします。被保険者が医療機関にかかる費用として請求されるレセプトが適正であるか否かについてレセプトを点検し、審査することが重要であります。まず、平成14年9月の議会答弁でレセプト点検を強化すると述べられていますが、何がどのように強化されたのかお尋ねいたします。さらに、医療レセプト点検の効果額について、前年と比較した推移をお示しください。
医療費を抑制していくという点で、国保加入者の健康診断の受診がどのようになっているのかお尋ねいたします。健康診断の対象者数と受診していない人数をお示しください。また、40歳から10年刻みで節目健診を本年より実施されています。対象者全員に受診してもらうことが重要ですが、そのため対策等何か講じられていればお示しください。関連して健康保険証についてですが、社会保険のように世帯別ではなく、個人別にカードを発行するということが考えられないのかお尋ねいたします。
次に、福岡市総合図書館と小中学校の図書室について質問を行ってまいります。
本年7月22日、国会で文字・活字文化振興法が成立いたしました。国民の活字離れを防ぎ、豊かな生活を築くことを目的に、地方自治体の責任が明記され、図書館や司書の整備を推進することが定められています。具体的には、地域の施策として必要な数の図書館を適切に配置すること、大学を初め教育機関の図書館に対しては、地域住民への開放が求められます。その上で司書の充実やインターネットなど情報化の推進が図られ、人と物の両面から図書館の質を向上させ、国民の読書環境の整備を進めると記載されています。福岡市総合図書館は平成8年に開館しました。以来9年が経過しようとしています。開館に際しては非常に多くの注目を集め、近代図書館としての一歩を記しました。そこで今回の質疑では、現在の図書館がどのように市民の財産となり、どう活用されているか、また、図書館利用の不便な地域の市民に対してどうするのか、質問してまいりたいと思います。
現在の本館と分館の蔵書数を合わせると171万5,000冊を超えています。また、平成17年度の資料収集の購入予算は2億8,300万円余ですが、平成14年度からの購入費で比較するとどの程度減少しているのかお示しください。
次に、利用者ですが、平成16年度で見ますと総合図書館本館のみで入館者数118万人、貸し出し利用者は約45万人です。この人数はこれまでと比較するとふえているのか減少しているのか、比率でお示しください。また、貸し出し利用者の各区の人数はどうなっていますでしょうか。政令市の中で1館当たりの人口で比較した場合、政令市の平均と本市の分館も1館と計算すると何人になるのかお示しください。また、民間から書籍購入のための寄附金や書籍、そして貴重な文献等の寄贈があっているのでしょうかお示しください。
次に、インターネットに対するサービスについてお聞きします。分館も含め、総合図書館では市民が自由に使えるパソコンは何台あり、その稼働状況はどのようになっていますでしょうか。図書の検索用のパソコンとそれ以外自由に全世界の情報を見ることができるパソコンの台数についてお尋ねいたします。
次に、図書館に携わる司書の人数ですが、職員の中で司書の資格を持っておられる人は何人でしょうかお尋ねいたします。あわせて、16年度の一般職員の人事異動数についてもお示しください。職員で司書の資格を持っていない人に対し、図書館の平成16年度事業として職員の司書資格取得を推進するとの項目がありますが、何人が資格を取られたのかお尋ねいたします。図書館の職員はある意味で専門的知識や内容を理解し、行動することが求められていると考えます。普通の人事異動では済まされないのではないでしょうか、御所見を伺います。
次に、学校と図書館の連携について、また図書室の現状について質問いたします。
まず、総合図書館の団体貸し出しを利用している学校は何校ありますでしょうか。また、学校に関係する団体はどのくらいありますでしょうかお尋ねいたします。また、各学校では朝の読書活動など積極的に進められておられます。しかし全校ではありません。現在実施していない小中学校は何校あるのでしょうか。それら実施されていない学校に対してどうされるのか。これまでと同様、各学校長の指導方針で実施するしないを決められるのかお尋ねいたします。
次に、学校司書と司書教諭の人数についてお尋ねいたします。司書の採用は16年度8人増加して合計15人となっていますが、今後何人までふやすのを目標とされているのかお尋ねいたします。また、司書教諭は現在何人で、未整備校が何校あるのかお尋ねいたします。
次に、まち並みを形成する都市計画道路についてお尋ねいたします。
本市の都市計画道路は現在269路線、総延長で508キロ計画されております。このうち平成16年度末で337キロが整備され、整備率は66%となっていると聞いております。残りは171キロ、34%の都市計画道路はいまだに未整備となっております。この中には昭和50年以前に策定された、30年以上経過しても路線自体が全く整備されていない箇所が5路線あります。着手済みの路線でも一部の区間は完成しているものの、そのほかの区間で完成するめどが立っていないものなどあります。このような状態は本市と周辺市町にまたがる都市計画道路によく見受けられ、市内部分は10年前に整備されているのに、隣の自治体の部分の都市計画道路が整備されず、連続していない状態になっています。例えば、私の住んでいる東区松田地域でも、一部区間は約10年前に整備されていますが、その先の区間の見通しが全く立っていない路線があります。計画の路線上には会社や倉庫、スーパーや民家が建ち並んでいます。計画道路には川に橋をかける必要もあり、素人目にもこれから10年ぐらいは具体的な道筋がつかないのではないかと思われます。まず、このように整備がとまっている路線について、関係自治体と整備する年度の打ち合わせを綿密に協議する必要があるのではないのでしょうか、御所見を伺います。
このような一部区間のみの整備路線について、その完成時期を市民の方からよく相談を受けております。都市計画道路は、都市計画法により未整備区間の敷地について建築行為に制限がかかっています。このため、未整備都市計画道路の中に土地をお持ちの方や沿線に住まわれている方は、その都市計画道路がいつ整備されるのかわからないことから、将来の生活設計などに不安をお持ちの方が多くおられるようです。このような状況を見ますと、これは都市計画道路の整備に関する情報が市民へうまく伝わっていないのではないかと感じます。そこで、都市計画道路整備に関する市民への公表状況についてお伺いいたします。
以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
◯副議長(大石 司) 石井保健福祉局長。
◯保健福祉局長(石井幸充) 国民健康保険についてのお尋ねでございますが、まず、今後3年間の予算額の推移についてでございますけども、過去の状況からしますと、増大傾向が続いていくというふうに考えております。
次に、一般会計からの繰入金の状況でございますが、これまでの経緯に照らしますと、今後も増加していくことが考えられます。
次に、被保険者数の年齢階層別の伸びについてでございますが、平成14年度と平成16年度の比較で伸びが高い順に申し上げますと、最も高い年齢階層が70歳代で6,074人、次に80歳代で4,290人、次に60歳代で4,099人というふうになってございます。
次に、まず滞納世帯数の対前年度比についてでございますが、平成14年度及び15年度は8%の増、平成16年度は11.4%の増の見込みでございます。また、収入未済額につきましては、平成14年度が10.4%の増、15年度が8.1%の増、平成16年度は10.7%の増の見込みでございます。
それから次に、高額滞納世帯の割合でございますが、16年度の見込みで世帯数で5.6%、金額で25.9%ということでございます。
次に、資格証明書の年度ごとの交付件数でございますが、平成14年度が1万2,816件、15年度が1万3,363件、16年度は1万7,293件の見込みでございます。また、短期被保険者証の年度ごとの交付件数につきましては、平成14年度が2,764件、15年度は4,505件、16年度は5,843件の見込みでございます。
次に、口座振替の再振替についてでございますが、制度発足の6月と7月分で再振替件数が4,393件、保険料で見ますと7,359万7,000円ということになってございます。また、コンビニ収納につきましては、6月と7月で納付件数が1万7,903件、保険料で1億5,248万1,000円というふうになってございます。
次に、医療費総額の対前年度比でございますが、平成14年度が2.1%の増、15年度が4.3%の増、平成16年度は5.0%の増の見込みです。なお、医療費総額が増加した要因といたしましては、高齢化の進展及び被保険者数の増嵩、こういったことが考えられます。
次に、若い世代の1人当たりの医療費でございますが、平成14年度が約20万円で1.2%の減、15年度が約20万6,000円で3.1%の増、16年度は約21万4,000円で4.0%の増の見込みです。また、老人の1人当たり医療費につきましては、平成14年度約94万8,000円で2.9%の減、平成15年度が約96万8,000円で2.2%の増、16年度は約101万7,000円で5.1%の増の見込みでございます。
また、レセプト点検の強化につきましては、平成14年度から選考試験により専門知識を有する人材の採用にあわせ、点検事務を区役所から本庁に集約するなどの改善を図っております。さらに、平成16年度からは電算システムの導入により、自動的に資格点検を行うなどの事務の効率化、適正化を図っております。
次に、レセプト点検の充実強化の結果ということで、平成14年度は約3億4,178万4,000円で3.1%の増、15年度が約4億1,157万4,000円で20.4%の増、16年度は約5億898万9,000円で23.7%の増の見込みでございます。
健康診断の受診についてですが、国民健康保険の加入者や社会保険の家族など、職場等で受診機会のない40歳以上の市民の方を対象に、基本健康診査、ミニドックと申しておりますけれども、これを実施してございまして、平成16年度の対象者数は約17万7,000人程度と推定されまして、受診者数は6万9,930人ということで、受診されてない方は残りの10万7,000人程度というふうに考えております。
次に、対象者の未受診等についてでございますが、平成17年度から市民1人1人に応じた健康づくりを進めるため、対象者全員に40歳、50歳、61歳、70歳の人生の節目となる誕生月にあわせ封書で健診案内を送付するとともに、市政だよりやポスター、チラシを活用したPRを行い、対象者全員の受診に努めております。
また、被保険者証の個人カードにつきましては、社会保険におきます実施状況について実態の把握等を調査研究してまいりたいというふうに考えてございます。以上でございます。
◯副議長(大石 司) 鶴川財政局長。
◯財政局長(鶴川 洋) 市税の滞納に関する御質問にお答えいたします。
平成16年度末の市税の滞納者数は9万1,720人、収入率は95.1%の見込みとなっております。また、平成14年度からの前年度と比較した収入率の増減率でございますが、平成14年度は前年度に比べ0.3%の減、平成15年度及び平成16年度は0.3%の増となっております。
次に、市税の滞納整理に対する取り組みといたしましては、昨年4月に策定いたしました財政健全化プラン税務行政実施計画に掲げております平成19年度の目標収入率96.0%の達成に向けまして、外勤等により滞納原因や納付資力等の調査を積極的に行い、滞納者の正確な実態把握に努め、納税に誠意のない納税者に対しましては、負担の公平の観点から滞納処分の強化を図っております。また、平成17年度におきましては、新たに特別滞納整理課を新設し、高額困難事案につきまして集中的な滞納整理を推進いたしているところでございます。以上でございます。
◯副議長(大石 司) 植木教育長。
◯教育長(植木とみ子) 国民健康保険等に関する授業の現状につきましては、社会科公民的分野の授業の中で、公的扶助や社会保険などの社会保障制度の充実の必要性について、少子・高齢社会の特色を踏まえながら学習しております。
続いて、図書館に関する御質問についてですが、平成17年度の総合図書館本館と分館を合わせた資料購入予算は、平成14年度と比較しますと9,689万7,000円、25.5%の減となります。
総合図書館本館の平成16年度の入館者は、14年度を100としますと122.5、貸し出し利用者は101.4と増加しております。貸し出し利用者の区別内訳は、東区1万8,634人、博多区1万997人、中央区7万1,059人、南区2万1,475人、城南区4万3,763人、早良区16万8,813人、西区7万9,520人、市外4万119人となっております。
政令市における1館当たりの人口数につきましては平均で11万人で、本市では約13万9,000人でございます。
民間からの寄附金につきましては、平成13年度に500万円、14年度から16年度の3年間で計1,100万円、17年度には約1,400万円をいただく予定で、9月議会で歳入の補正をお願いしております。
図書の寄贈につきましては、平成16年度に1万2,000冊でございます。また、貴重な文献等の寄贈につきましては、原田種夫氏を初めとする作家や福岡アジア文化賞受賞者の竹内実氏の中国に関する書籍など、郷土福岡に関係の深い方々から多くの貴重な文献をいただいております。
市民が自由に使えるパソコンは、図書の検索用パソコンが本館、分館を合わせ全体で47台設置しております。平成16年度の利用状況は368万件でございました。図書検索用以外のパソコンは現在のところ設置しておりません。
総合図書館の司書資格を有する職員は、嘱託職員を含め116人中67人となっております。また、16年度の総合図書館の人事異動数は、一般職員46人中12人でございます。次に、16年度の司書資格取得者は2名でございます。また、人事異動につきましては、総合図書館は図書、文学、映像部門と多岐にわたる機能を有しているため、学芸員や専門員、読書相談員など専門的知識を有する職員を配置して、それぞれに求められる業務へ対応しております。今後の人事異動におきましても、そのことを配慮するとともに、資格の取得や研修への参加により専門性を高めてまいります。
総合図書館の団体貸し出しの制度を利用している学校は、平成17年度では小学校が20校、中学校が1校の計21校となっております。また、PTAなどの学校関係団体は17団体ございます。
朝の読書活動についてですが、各学校ではそれぞれの教育課題に応じて朝の読書活動のほかに計算や漢字等のドリル学習、なわとびや持久走等の体力を高める活動など、さまざまな活動を時間割に位置づけて取り組んでいるところでございます。現在、朝の読書活動を実施していない学校は、平成17年5月の段階で小学校17校、中学校22校となっておりますが、朝の時間帯以外にも帰りの会等で実施している学校も多くあります。朝の読書活動などの実施に当たりましては、校長が児童生徒の様子や特色ある学校づくり等と関連づけながら、何を実施したらよいかを判断しておりますが、朝の読書活動が持つ情緒の安定や集中力の高まりなどの効果が報告されていることから、その効果については引き続き啓発してまいります。
学校司書の今後の配置目標についてでございますが、現在15名の学校司書が1人2校ずつを担当することとし、合計30校に配置しております。今後の採用につきましては、学校図書館の整備状況はもとより、司書教諭や学校図書館ボランティアの活動状況等を見ながら検討してまいります。また、司書教諭の配置校につきましては、平成17年度は218人となっております。未配置校は、配置義務のない11学級以下の学校のうち、小学校6校、中学校6校、養護学校高等部3校となっております。以上でございます。
◯副議長(大石 司) 柴原土木局長。
◯土木局長(柴原 斉) 都市計画道路についてでありますが、都市計画道路の整備に当たりましては、整備効果の発揮できる区間を設定し、事業化を行っているところであります。このため、本市と周辺市町にまたがる都市計画道路につきましても、より整備効果が発揮できるように、関係自治体と整備年度等について定期的に、また適時に協議を行いながら進めているところであります。しかしながら、自治体によっては、都市計画道路の整備に対する優先順位の考え方や地元の要望等によりまして路線全体としての整合がとれず、御指摘のような状況も結果的に生じている箇所もございます。ただ、道路の整備効果を上げるためにはその整合は必要であると考えておりますので、今後とも関係自治体と綿密に連携をとりながら進めてまいります。
次に、都市計画道路の整備に関する市民への公表状況についてでありますが、本市の道路整備につきましては、これまで道路整備5カ年計画を策定し事業を進めており、その計画内容もその都度公表をいたしております。現在は平成15年度から19年度までの5カ年計画を計画期間とした道路整備アクションプランとして公表をいたしております。本プランの内容でありますが、道路整備のビジョンや成果目標等を定めるとともに、都市計画道路などの幹線道路について路線ごとに事業の完成時期や着手時期などを具体的に示しております。また、今回は新たに次期の整備計画に反映するため、調査や測量等に着手する路線も明示をいたしております。公表の方法につきましては、計画策定時にパブリックコメントを実施した際に公表をいたしておりますし、また、策定後は本プランをより広く市民の皆様に知っていただくために、市政だよりや土木局のホームページなどでお知らせをするとともに、パンフレットを作成し、各区役所、情報プラザなどで配布いたし、情報の提供に努めております。しかしながら、浸透が十分でなく、またわかりづらいという御意見もありますことから、今後は例えば区別ごとに、また路線ごとに計画内容を明示するなど、市民の皆さんにもっとわかりやすくなるように工夫をしていきたいというふうに考えております。以上です。
◯副議長(大石 司) 山口剛司議員。
◯19番(山口剛司) 2問目に入ります。
国民健康保険の収納率ですが、収納率の向上と負担の公平性を確保することは非常に重要なことであります。国保収入についてなかなか改善されていかない。今の経済状況から国民健康保険を取り巻く環境は、日本経済の長期低迷による倒産、リストラ、失業や若年層の就職難によるフリーター、契約社員の増加など保険料を支払えない国保加入者が急増し、滞納者が増加しているのが現状ではないかと考えます。若年層の未納割合が増加傾向にあるという点で、実際に中学生であれば五、六年後には自分たちが主体者となって、かつ社会の一員としての義務が発生するということを身をもって指導していただいているのかということです。今の若年層の未納割合が増加していくことに憂慮しているのは私だけではないと思います。教育長の御所見を伺います。
平成3年度、本市の収納率が政令市の順位で3位になったこともありました。現在の高額滞納者は3,000人を超えております。先ほど資格証の人数をお聞きしましたが、この高額滞納者はすべて生活困窮者ではなく、相互扶助精神に基づく国民健康保険制度の理解不足による納付意思の乏しい人たちもおられるのではないでしょうか。これから収納率を向上させる施策についてお尋ねしてまいります。国において携帯電話利用料金に上乗せして徴収する方法などを考えているようですが、本市でも取り組んではどうかと考えますが、その計画についてお尋ねいたします。別の角度からですが、口座振替が本市の場合54%と非常に少ない。この口座振替について、他都市の例ですが、東京八王子市で口座振替キャンペーンを実施していました。新規に切りかえると市の施設の利用料金を減免するとか、割り引きしたりしていました。本市でも期間も3カ月などと限定して、まずは口座振替率6割を目指すキャンペーンを実施してはいかがでしょうか、御所見を伺います。
次に、国保の滞納者に対してですが、国保料徴収員の人は現在何人で、1人当たり月を平均すると何件訪問して、幾らの回収を実施しているのかお尋ねいたします。全滞納者には面談や電話で話すなどできているのかお尋ねいたします。さらに、新規滞納者ですが、どのような対策をとっておられるのか。また、その効果についてお尋ねいたします。
次に、市税の滞納者と国保の滞納者ですが、情報の共有はできないものでしょうか。どちらの担当局も滞納者の状況調べにそれぞれ出向いている。滞納者が少ないときは、これらの事務事業は目立たないのでしょうが、市税は9万1,000人を超えており、国保についても5万2,000人を超えています。財政局長、滞納者データの一元化も含め、改善の余地がありはしないかお尋ねいたします。
次に、支出についてですが、先ほどの報告でレセプト点検は適正な支出になるよう努力されていることが評価できます。今後も点検の強化を要望いたします。健康診断については節目健診が大盛況ということは非常にいいことです。しかし、その節目以外の人が厳しい。この現状を変えなければなりません。健康診断の受診率アップについて、秋田県ではインターネットによる健診データの閲覧と予防方法の情報提供を始めました。パソコンや携帯電話のインターネット画面を通じて自分の健康情報を照会できるシステムです。このシステムを県民本人が利用することで、自分独自の健康維持の方法や増進に役立つ情報を手にすることができるようになりました。特に脳卒中を発症した患者の内訳として、医療対象外の高血圧の人や正常値でも高目の人の血圧を下げることができれば、多くの人が血圧を下げ、脳卒中を防ぐのに役立っています。また、茨城県健康プラザでは、筑波大との共同開発で、インターネットによる自己診断表の記入で5年以内脳卒中で死亡する確率が予測できるソフトを開発しました。これにはがんや虚血性心疾患などの死亡率も予測できるようになっています。自分の健康状態が判断できるよう、病院の診断とあわせて自分でも状態の把握ができる、また改善された目標値を決め、達成するための努力をどうしていけばいいかわかります。このような方法で健康状態をよくしていくこともできると考えますが、本市でも取り組んではいかがかと提案いたします。御所見を伺います。
また、広報紙などで健康診断の日程などを告知していますが、受診希望者待ちではなく、対象者へ受診予約カードなどを作成し、いつ受診するのかなど、保健福祉センターから連絡するなどの取り組みが必要ではないでしょうか。また、保険証のカード化で受診情報や投薬等の履歴など個人カルテの情報を記入できるようにすると、これがひいては健康診断後の医療費支出の抑制にもつながると考えますが、御所見を伺います。
次に、図書館についてです。
まず、本館としての利用状況についてお聞きしました。地理的立地からいっても利用者は早良区に特化されています。また、区というよりも百道地域周辺でしょうか。他の地域の市民に対してサービスが提供されていないことに危惧いたします。まず、1館当たりの人口では政令市の中では多い方です。さらに、貸し出し数、入館者数についても偏りがあります。市民サービスとしてはまだ改善の余地があります。栃木県日光市では、市民へのサービスとしてインターネットの蔵書検索を通じて本の郵便宅配などを行うeライブラリー事業を昨年2月にスタートさせました。私も日光市を視察し、さまざまな観点から勉強させていただきました。まず、配送料として郵便局の冊子小包を利用していて、料金は手数料込みで250グラム210円からとなっています。また、障がい者の方には障害者手帳の保持者に郵便料金の半額を免除しています。本の返却についても郵便を利用することができるようになっています。また、公民館に返却ポストを設置しており、それを利用すると、もちろん返却代はただです。この背景には、バスで図書館まで行くのに片道1,500円かかる地域があったり、車で行くとしても渋滞で片道4時間近くかかるときもあったりして、市民の利便性の向上を図る施策として非常に喜ばれていました。本市では先ほどの貸し出し数から見てみますと全市人口の23%にしかなりません。もっと利用者を増加するためにも、そして何より市民の利便性向上を図るために郵便による貸し出しを行ってはどうかと提案いたしますが、御所見を伺います。この案内のチラシは郵便局が印刷して全戸配布し、貸し出しバッグも企業の協賛など知恵を使い、日光市では費用の軽減をされておりました。こういった貸し出しの実験も何もしないのでは、図書館利用の不便な地域に住む市民の不満は何も解消されません。しっかりと答弁を求めます。
また、総合図書館の図書購入費についてですが、年々減額されています。これはちょっといかがなものでしょうか。市長はめりはりのついた予算が大事であるといつも言われるように、本市の顔でもある図書館の充実を図ることが大事なのではないかと申し上げたいのです。これまでも新規購入図書について限られた予算でやりくりされていたのですが、それでも利用者からは読みたい本が予約待ちでなかなか借りられないといった話を聞いております。この点について御所見を伺います。
市民からの寄附金についてですが、14年度は1件あったと聞きました。図書寄贈に関しては平成16年度本館のみで1万2,000冊に上っています。他都市やアメリカの図書館では財政事情厳しき折、図書館のレベルを下げないために寄附を募っているということです。本市でも図書館幹部職員が専任として取り組むなど、この寄附事業を拡大する意思はないかお尋ねいたします。
本の団体貸し出しについてですが、本の冊数としては1,000冊と申し分ないのですが、借りる以上、期間中の保管場所や管理責任などの障害があって引き受け手を見つけるのが難しくなっています。市民の方から、公民館でサークルを開催しているときに、以前実施されていた青い鳥号のような移動図書館を運行させていただけないかと要望を受けておりますが、いかがでしょうか、御所見を伺います。
次に、自由に操作できるパソコンの整備についてです。
今や図書館においてはパソコンを整備するのは時代の要請ではないでしょうか。昨年、沖縄のインキュベート施設を視察しましたが、そこでも子どもたちがインターネットを自由に使い勉強していました。そこは本来就業者支援施設ですが、休日などは子どもたちにもパソコンを使用させているとのことでした。本市周辺市町村にも市民が自由に利用できるパソコンを整備している図書館があります。本市は何と1台もないのです。おかしくないでしょうか。市民の情報活用能力を向上させるためにも、17年度は予算措置もとっておられないでしょうからできないでしょう。ぜひ次年度は整備していただきたいのですが、御所見を伺います。
今やインターネットの普及でその分図書館の役割が減り、本の貸し出し数も減少しているのではないかと思っておりました。しかし、アメリカにおいてはその逆で、コンピューターが普及するにつれ図書館の利用が増加していると言われています。これはただ単に本の貸し出しを受けるのではなく、そこにある知恵や司書との話の中で生まれる価値を市民の皆さんが理解し利用して、新しいものを生み出しているということではないでしょうか。本市の状況を見てみますと、まだ取り組む余地があるように思えてなりません。図書館を情報センターとして位置づけ、そこで開催される講座なども文芸分野にとらわれることなく、さまざまな視点から講座を実施することが大事であると考えますが、御所見を伺います。
次に、学校図書室に関してですが、図書購入費は年々減少しており、17年度は14年と比較すると87.9%で、1校当たりでも84%と大きく減額されています。平成16年5月の新聞には、福岡県公立小中学校の図書購入費が前年度に比べて1.0%減少していると報じられましたが、本市の場合は平成15年度と平成16年度で0.7%の減額、平成16年度と平成17年度では前年の6.1%減額しています。子どもたちの本離れ、活字離れが叫ばれて久しいですが、古い本ばかりで生徒たちが興味を示さないようになれば、図書室の意味が損なわれるのではないかと危惧します。他政令市と比べても本市の図書購入費は削減幅が大きいのではないでしょうか。予算の増額を強く求めておきます。また、図書館の団体貸し出しは平成17年7月1日現在、小中学校及び学校関係団体合計で38校しかありません。教員の先生方も授業方法などを学ぶアイデアの域とするためにも、この団体貸し出し利用を全学校で連携すべきではないでしょうかお尋ねいたします。
総合図書館の司書についても、計画されているようにぜひ増員を求めます。
また、学校司書の配置ですが、次代を担う子どもたちに文化、教養の場をつくり、ともに学んでいくということは今の教育行政に課せられた使命であると考えます。学校司書を全校配置するのは、財政が厳しき折、希望どおり予算が配分できないのは承知していますが、しかし、15人で30校を担当しているようでは余りにも少ないのではないでしょうか。必要最小限の措置として今後どのようにされる方針をお持ちか、御所見を伺います。
また、学校の図書室を地域の皆さんに開放する流れが始まっています。神奈川県川崎市では、16年から小中学校15校で学校図書館を開放しています。東京都台東区でことし7月より、まちかど図書館と命名して小学校の図書室を地域に開放しました。地域住民からは図書館の利用が便利になったと好評を博しています。今後は学校だけではなく、保健所など区が所有する施設に対しても開設する予定になっているそうです。開設日を毎週土曜日と日曜日午前10時から午後5時までとしており、子ども連れのお母さんも図書館が近くにできたので、子どもと気軽に来られるようになったと喜ばれています。本市でも図書館が利用しにくい地域に対し取り組みを検討し、実現の方向で協議が進められないかお尋ねいたします。
次に、都市計画道路の整備についてですが、これからもわかりやすく公表することを要望いたします。
また、計画論としての都市計画道路について質問してまいります。
本年8月、福岡県建築都市部より都市計画道路としての幹線街路について抜本的な見直しを図るとの新聞記事が載っておりました。政令市を除く福岡県内において都市計画決定後も長期間未着手となっている路線、すわなち未着手路線は延長ベースで全体の52%、736キロに達し、そのうち都市計画決定後30年以上経過した区間が64%を占めています。この実態を受け福岡県は、県内690未着手全路線を対象にそれぞれ路線カルテを作成し、廃止や計画変更にも踏み切るとのことです。これまで本市では都市計画審議会でひとたび計画決定がなされたならば、一部の例外を除き変更はないとの姿勢でした。しかし、長期間にわたり整備できないのであれば、そこは期限を決めてそのまま存続するのか、または廃止や計画変更をするなどの措置をとる必要があるのではないかと考えます。都市計画道路について計画決定を行った後は、土地の所有者に対し個人の権利制限を課すという重大な決定事項であります。したがって、一度決定したものをおいそれと変更できないのも当然のことと思います。しかしながら、計画決定後30年を超えるような長期にわたり未整備となっている路線については、計画当初の目的やその整備効果が現在では果たせるのかどうか、費用対効果を見た場合にはどうか、現在または将来に向けてもなお必要な路線かどうか、整備を行うことが現実的かどうかなど、真剣に議論いただきたいし、住民の意見もよく聞いていただきたいと考えます。福岡県は未着手路線で路線ごとにカルテをつくっていきます。本市の今後の都市計画道路の見直しスケジュールやそれに伴う市民参加のあり方、検討の進め方などについてお尋ねいたします。
以上で2問目を終わります。
◯副議長(大石 司) 植木教育長。
◯教育長(植木とみ子) 若者の将来の社会の一員としての義務ということにつきましては、国民の生活は相互の助け合いによって成り立つことを踏まえ、病気になった場合や将来老後を迎えたときのことを自分のこととして考えられるように学習しております。今後とも、国民の権利とともに、納税の義務、勤労の義務、教育を受けさせる義務など、国民として果たすべき義務や役割について理解を深めるよう、しっかりと指導してまいります。
次に、図書館についてです。
郵便による貸し出しにつきましては、現在福岡市では、図書館への来館が困難な障がい者にきめ細かな図書館サービスを提供するとの観点から、返却も含み無料で実施しているところでございます。郵便による貸し出しを全市民を対象に行うということにつきましては、貸し出し、返却、発送業務の大幅な増にかかる人的体制の整備や郵送料の市民負担等の問題がありますので、今後の研究課題とさせていただきます。
借りたい本が借りられないとの利用者の声があるとのことですが、予約が集中するベストセラー等の本につきましては、本館と分館で一定冊数購入するなど調整をいたしております。また、予約の多い本の寄贈を館内の掲示やホームページ上で市民に呼びかけているところでもございます。
次に、寄附事業を拡大することについての考え方でございますが、総合図書館では開館以来、多くの方々から個人所蔵の図書や福岡ゆかりの書籍、同人誌等、貴重な文献等を寄附いただくなど、図書館の充実に努めてまいりました。今後はさらに、企業や各種団体等との連携や研究者などとのネットワークを構築し、図書館資料の充実と図書館サービスの向上に取り組んでまいります。
移動図書館につきましては、昭和29年に子ども向け図書について開始いたしましたが、昭和34年度に個人貸し出しから読書団体への団体貸し出しに切りかえたことにより廃止したものでございます。本市としては平成8年の総合図書館の開館に伴いまして、各市民センターの図書室を分館として位置づけたほかに、博多南図書館、和白図書館をそれぞれ地域交流センターの整備にあわせて設置し、図書サービスの充実を図っているところでございますし、さらに、現在青い鳥号などで配本しております団体貸し出し制度もより拡充したいと考えておりますので、移動図書館再開の考えはございませんので、済みませんけれども御理解いただきます。
利用者が自由に利用できるパソコンの整備につきましては、利用方法や必要台数など、導入について検討してまいります。
講座の実施につきましては、現在国際講座、児童文学講演会、郷土セミナー、古文書講座、アジア映画講座等さまざまな視点から実施しております。今後とも情報化、少子・高齢化、国際化など、社会の情勢の変化に対応し、時宜を得た講座の企画実施に努めてまいります。
各学校と総合図書館との連携につきましては、総合図書館における団体貸し出し制度の活用を行い、児童生徒の読書活動の充実に役立てているところでございます。今後とも、各市民センターに設置されております分館の活用等も含め、総合図書館の団体貸し出し制度の活用が促進されるよう、より一層啓発してまいります。
学校司書の今後の配置方針についてのお尋ねですが、学校司書の配置につきましては、3年ごとに配置校を移すことにより、その効果を全校に広げるよう努めてまいります。あわせて、学校司書の配置効果をより一層高めるために、司書教諭や学校司書、学校図書館ボランティアの研修会を充実させ、学校図書館関係者の資質や技能の向上を図り、子どもの読書活動の推進に努めてまいります。
最後に、学校図書室の地域への開放につきましては、現在博多小学校、曲渕小学校、城浜小学校、元岡中学校の4校で実施いたしております。また、本市では平成17年3月に福岡市子ども読書活動推進計画を策定し、子どもたちの読書環境の整備等に取り組んでいるところでもございますので、学校図書室の地域への開放につきましても、今後さらに拡充する方向で検討を進めてまいります。以上です。
◯副議長(大石 司) 石井保健福祉局長。
◯保健福祉局長(石井幸充) まず、国民健康保険料を携帯電話の利用料金に上乗せして徴収する方法についてのお尋ねでございますが、この仕組みにつきましては、現在国において検討されているということでございますので、その動向に留意してまいりたいというふうに考えてございます。
次に、収納率の向上についてでございますが、口座振替世帯の収納率は、平成16年度の見込みでございますが、97.6%と極めて高い収納率になってございます。そういったことで、口座振替は収納率向上にとって効果的かつ重要なことであるというふうに考えております。したがいまして、今後他都市の実情等も含め、その方策について積極的に検討してまいりたいというふうに考えてございます。
次に、国民健康保険の徴収嘱託員でございますが、全市で72名配置してございまして、平成16年度見込みで1人当たり月平均、訪問件数で約300件、徴収金額で約300万円ということでございます。
次に、滞納世帯につきましてでございますが、家庭訪問や電話催告による納付指導に努めておるところでございます。また、訪問して不在の場合は、納付指導のため連絡票等をとめ置きいたしてございます。
次に、新規滞納者に対しましては、納付期限の翌月に督促状を発送し、指定期限までに納付がない場合は催告書を送付すると同時に、徴収嘱託員が家庭訪問し、早期に納付指導を行うなど、滞納額を累積させないということに努めてございます。
次に、現在健診の受診率アップのため、毎年健診の内容や実施場所、日時などを紹介した健康ガイドの全家庭への配布や市政だより等による健診のPRに努めておりますが、御提案のインターネットによる健康づくりにつきましては、今後、他都市の実施状況等も参考に調査研究してまいりたいというふうに考えております。
次に、今年度から実施しております節目健診につきましては、対象者全員にダイレクトメールを送付し、受診の徹底を図っておりますが、受診されていない方の対応につきましては、さらに引き続いて検討してまいりたいというふうに考えております。
また、被保険者証のカード化につきましては、必要情報の選定、機器の整備、プライバシーの保持等さまざまな課題がございますので、そういう課題の整理が必要だというふうに考えてございます。以上です。
◯副議長(大石 司) 鶴川財政局長。
◯財政局長(鶴川 洋) 市税と国保の滞納者データの一元化につきましては、税務情報は地方税法に規定された守秘義務によって目的外使用は原則として認められておりません。各法令に特段の根拠がある場合に限って税務情報を提供できるものであり、お尋ねのような市税と国保の納税者のデータの情報の共有につきましては、法令の守秘義務に抵触するものと考えられますので、御理解を願いたいと思います。以上でございます。
◯副議長(大石 司) 大場都市整備局長。
◯都市整備局長(大場美徳) 都市計画道路網の見直しに関します御質問にお答えいたします。
都市計画道路につきましては、これまでも必要に応じまして、全体的、部分的に道路網の見直しを行ってきたところでありますが、今後とも社会経済情勢の変化を踏まえ、適宜、適切に見直しを行うことが必要であると認識いたしてございます。このため、都市計画道路の見直しを行う基準となりますガイドラインの作成を本年度から平成19年度までの3カ年で行いますパーソントリップ調査とあわせて進めていくことといたしてございます。その後、ガイドラインに基づき、未整備路線のカルテを作成するなど、必要性の検証を行うことといたしております。その結果、都市計画変更等を行う必要があると判断される路線につきましては、平成20年度以降に情報開示を行うなど、市民の理解を得ながら必要な手続を進めてまいりたいと考えてございます。以上でございます。
◯副議長(大石 司) 山口剛司議員。
◯19番(山口剛司) まず、計画道路の未着手路線についてですが、路線ごとにカルテを作成していくということですので、一歩前進です。全国で公共工事全体の見直しが叫ばれています。しっかりと議論を深め、よりよい方へ向けていただくよう要望いたします。
国民健康保険についてですが、るる提案を含め申し上げてまいりました。平成16年度末には約49億円の累積赤字が見込まれております。保険年金課の担当者の方々は収納額の増加を目指して努力されていますが、なかなか黒字に転換することが難しい現状にあります。税の滞納者に対する取り組みについても市税と国保の滞納者の情報の共有ができるよう、市の状況を国へ働きかけをお願いいたします。徴収を担当されている方は、支払わない、または支払えない方へ出向き、業務を遂行されています。なかなか他の部署からは、その御苦労ははかり得ないものであると意見を申し述べます。
医療費の支出削減には、我が会派がかねてより申し上げていますように、元気なお年寄りや病気にならないための予防策をとることが大事ではないでしょうか。公民館での各種健康サークルや病気予防プログラムをつくることで、各人が健康に過ごせるよう行政として指導していくことが肝心なことではと考えます。このような国保会計の状況をどう改善していくのか、山崎市長の御所見をお伺いいたします。
次に、図書館、学校図書室についてです。
ユニセフが発表した世界子ども白書によると、初等教育を受けられない子は途上国で1億2,000万人を超えると報告されております。それに比べると日本ははるかに恵まれた環境にあるのですが、残念ながら活字離れが進んでいます。この対策は大事です。たった1冊の本さえ手にできない子どもたちがいることを忘れてはなりません。今や雇用の流動化や情報の高度化が進み、これらの情報にアクセスするのが難しい個人や中小企業の方々に対し支援をするのは図書館の目的にも当てはまると思います。このようなビジネスサービスは個人の経済的自立を促し、地域経済の活性化にも役立つはずです。都市の魅力を高め、新たな都市活力を創造することを目標としている本市にとって、図書館を魅力あるものにすることが大事なことです。図書館利用の不便な地域をなくすための施策が今こそ必要ではないかと考えますが、最後に山崎市長の御所見を伺い、質問を終わります。
◯副議長(大石 司) 山崎市長。
◯市長(山崎広太郎) 国民健康保険、これは市民の健康を保持する上で大切な制度でございますので、維持に努めておるところでございます。収納率のアップに今後もいろいろ知恵を出して取り組ましていただきたいと思っております。医療給付費が増大傾向にございます。医療費の適正化ということも非常に重要な目標でございまして、そのためには市民の健康づくりが大切だと。健診事業の充実と周知の徹底ということ、それから、行政と地域が一体となって健康づくりを進めていくということだと考えております。現在各区では地域住民と行政が共働いたしまして、ため池散策路や歴史的遺跡などの地域の特色を生かしながら、歩きたくなるまちづくりの取り組みをソフト、ハード両面から進めております。特に自治協議会において地域のウオーキンググループなどを中心とした健康づくりを推進してまいりたいと。とにかく自治協議会等が中心になっていただいて、やはり高齢者の健康を維持する、あるいは能力を向上するという方向でいろいろな運動を進めていきたいと、このように考えておるところでございます。
次に、総合図書館の問題でございますが、非常に図書館というのは大事な機能を果たしておると考えております。平成8年に開館をいたしたわけでございますが、現在福岡市の総合図書館は全国でトップクラスの利用をいただいておると。市民に愛され高い評価をいただいておりまして、大変喜んでおるところでございますが、図書館の機能、蓄積された豊富な資料、それから、司書などの専門的な能力、そして多くの来館者があるという3つの資源を生かしまして、さらに、新たなサービスを付加、充実していくことが大変大事だと考えております。図書館サービスが受けにくい地域に対しましては、これまで地域交流センターに併設いたしまして、地域交流センターの整備にあわせて、その中に博多南図書館あるいは和白図書館を設置してまいったところでございます。今後とも図書館サービスの充実に努めるとともに、子どもの読書活動を進めるため、学校図書室の地域開放を図るなど、市民にとって利用しやすく、魅力ある図書館づくりを進めてまいりたいと、このように考えております。御質問の趣旨、十分酌みとめてまいりたいと考えております。