福岡市議会議員・山口つよし

2003.09.16 : 平成15年第5回定例会

◯19番(山口剛司)登壇 私は、公明党福岡市議団を代表いたしまして、今や大きな社会問題となっておりますアレルギー疾患と、地域開発再生の手法とされている土地区画整理事業に絞りまして一般質問いたします。行政当局の前向きの御回答を期待するものであります。
 アレルギー疾患につきましては、国民の3人に1人が何らかのアレルギー症状に悩んでいると言われて久しいですが、それが近年、さらに増加傾向にあります。今アレルギー疾患と言われるものに、アトピー性皮膚炎、ぜんそく、食物アレルギー、結膜炎、花粉症などがありますが、そのほかシックハウス症候群と言われるような、いろいろと新しい症例が多数報告されております。日本において医療レベルは非常に高いのに、なぜこのアレルギー疾患の患者がふえ続けるのか、私ならずとも疑問を持っている人も多いと思います。有識者の方々が指摘するのは、まず、患者数などの情報が的確に把握されていないということです。正確な統計がなければ、的確な対処や今後の対策が打てないというのが大多数の意見としてあります。本市におきましては、平成12年に我が党の提案により、政令市で初めての実態調査が行われ、去る3月に調査結果と対策が発表されたところであります。全国的に見ましても、この調査及び対策はよくまとめられているとされております。しかし、今回の調査と対策だけでよしとするのではなく、さらに調査に裏打ちされた原因究明と治療法などを確立されますよう、まず要望しておきます。先ごろ平成14年度学校保健統計調査が発表されております。中でも、小児ぜんそくの数値には驚きを禁じられませんでした。罹患率、つまり病気の発症率で見てみると、幼稚園で1.3%、小学校2.7%、中学校2.2%、高等学校1.4%と、小中高で過去最高を記録し、何と10年前の2倍にふえているのです。日本では、年間約4,000人がぜんそくで死亡しております。中でも思春期のぜんそく死、また乳幼児のぜんそく死が増加傾向にあり、社会問題化していると報じられています。福岡市では、ぜんそくについてどのくらい実態調査されているのかお示しください。
 国立成育医療センター研究所の免疫アレルギー研究の斉藤部長らの調査では、アレルギー疾患になりやすい体質の若者が急増し、20歳代前半では9割近くが、既に発症しているか、またはそのアレルギー予備軍であることが明らかになりました。福岡市におきまして、成人についてどこで相談を聞かれているのか、また病院の症例の統計などとってあるのかお尋ねいたします。成人で先ほどの数値があれば、乳幼児ではもっと問題があるのではないかと思います。そこで、今の乳幼児の健診項目と健診の場における医師の診断の状況、保護者からのアレルギーに関する不安とか要望など、どのように集められているのか、問診表に記載する箇所があるのかお尋ねいたします。
 国レベルでも、国立相模原病院臨床研究センターの設置など、アレルギー疾患の病態解明や治療法などの研究が進められておりますが、いまだ必要な情報が必要な人に届き、相談し、的確な治療を受けられる体制になっていないのが現状であります。
 そこで、お尋ねいたします。現在の福岡市で日本アレルギー学会の認定医は何人でしょうか。認定医、認定専門医、認定指導医と分けてお示しください。また、アレルギー科を持っている診療所と病院の数は現在ではどのくらいでしょうか。全国的に小児科医が減少していると指摘されております。福岡市において小児科の医師の人数は、ここ3年間どのように変遷しておりますか、お尋ねいたします。さらに、夜間救急における小児患者の人数を把握されていましたら、あわせてお示しください。また、アレルギー診療に深くかかわっているのが皮膚科だと言われております。現在、福岡市には何人の皮膚科の医師がおられるでしょうか。そして、小児科、皮膚科の連携はどのようにされているかお尋ねいたします。
 平成13年第4回定例会で我が党の大石司議員が提案した、アレルギー専門相談員の導入について要望した中で、保健福祉局長より、保健婦など関係職員の専門研修を充実させて実施すると言われましたが、現在の実態はいかがかお尋ねいたします。さらに、東区保健福祉センターでのアトピー性皮膚炎の相談窓口を各区に拡大してはという要望について検討するとのことでしたが、今どのような計画で進められているのか御説明ください。
 学校現場では、児童との接点が一番大事で神経を使ってあることと思いますが、アレルギーに関する手引書で各学校に配付された本として、平成7年に「ぜん息を持つ児童の指導のポイント」、平成11年「アトピー性皮膚炎Q&A」、平成12年「学校での運動とぜん息」を渡し啓発されていますが、今はどのような手引書を出されているのかお示しください。また、先生方の研修は毎年どのように実施されているのかお尋ねいたします。
 シックスクール症候群についてですが、校舎の内装や教科書、文房具などで罹患する児童がふえていると報告されています。東京都では、1区に2人から3人の報告があります。本市において何件の子供たちの報告があっていますでしょうか。
 次に、食物アレルギーについてお尋ねいたします。ここ3カ年の児童の実態は何人の報告があっておりますでしょうか。また、対策をとっておられたら、あわせてお答えください。
 保護者との連携ですが、既に罹患している児童に対しては、学校も認識し対処しておられると思いますが、今回の全国学校保健調査でも明らかになりましたように、幼稚園よりも小学生、さらに中学生と新規に罹患する生徒がふえています。新規発見に向けどのような取り組みを行われているのかお尋ねいたします。特に学校健診における校医との連携や常日ごろの保健福祉センターと学校側としての連携はどのように取り組まれているのか、関係機関のネットワーク化の現状と今後の対応についてお示しください。
 次に、まちづくりとしての土地区画整理事業とその関連事業についてお伺いいたします。東区におきまして、筥崎土地区画整理事業及び連続立体交差事業と香椎副都心土地区画整理事業が着実に進められておりますが、現在の工事進状況と完成予定年月はいつかお尋ねいたします。また、それぞれ事業を進める上で課題はありませんでしょうか。当事者としての権利者の住民の人たち、さらには事業計画周辺の住民の人たちについて、住民の意思の反映がなされていますでしょうか。住民とトラブルを起こしているケースはないかお尋ねいたします。また、この事業には地域住民に対して減歩の措置がとられております。日本経済が右肩上がりのときは、事業が行われることにより資産価値もふえ、おおむねうまくいっていたようですが、今日の状態では価値がふえるというよりも住環境などが損なわれるデメリットの方が大きいと考えられている方がふえてきております。今後の対策として、これからの事業開発についてどのように検討されているのかお尋ねいたします。
 以上で第1問の質問を終わります。2問目以降は自席にて行います。

 

◯議長(川上義之) 鶴川保健福祉局長。


◯保健福祉局長(鶴川 洋) アレルギー疾患対策についての御質問にお答えいたします。
 本市のぜんそくについての調査でございますが、小児ぜんそくに関連した調査を平成14年度から環境省の委託を受け、南区保健福祉センターで3歳児健診に際して年間約2,000人のアンケート調査を実施しております。症状や家庭環境、家族歴等を5年間かけて調査し、実態を把握するものでございます。成人についての相談体制の問題でございますが、アレルギー疾患につきましては、症状が多様であり、各人に応じた医療機関の受診が大切であると考えております。成人のアトピー性皮膚炎につきましては、九州大学皮膚科と本市が共催して実施しております専門相談会の中で相談を受けております。症例の統計につきましては、アレルギー疾患は届け出対象となっておらず、把握いたしておりません。
 次に、乳幼児健診につきましては、問診や医師の診察等による疾病の発見、身体発育、精神発達の観察や育児の相談等を行っております。アレルギー疾患につきましても、事前に送付した食物アレルギーやその他心配事等のアンケートを参考に、保健師等が問診を行うとともに、医師の診断によりアトピー性皮膚炎やぜんそくの項目を設け、乳幼児健診実施マニュアルに沿って診察を行っているところでございます。
 次に、医療体制についてでございますが、市内のアレルギー学会認定医等につきましては、認定医が36人、認定専門医が16人、専門医を養成する認定指導医が5人となっております。また、アレルギー科を有する市内の医療機関数につきましては、平成15年7月末現在で病院が10施設、診療所が58施設でございます。市内の小児科医師数は、厚生労働省が2年ごとに行っております医師・歯科医師・薬剤師調査によれば、平成8年が404人、平成10年が386人、平成12年が382人で推移いたしております。急患診療センターでの夜間の小児科患者数等でございますが、平成12年度で約2万5,000人、平成13年度で約2万8,000人、平成14年度は約3万人となっております。市内の皮膚科の医師数につきましては、平成12年の医師・歯科医師・薬剤師調査によりますと162人となっております。アトピー性皮膚炎につきましては、小児科、皮膚科それぞれの医師が独自に診療に当たっていることが多いと聞き及んでおりますが、個々の医師相互の連携はある程度図られると考えております。
 次に、アレルギー疾患相談体制でございますが、保健師等関係職員の研修につきましては、本年度から各区保健福祉センター職員を対象に専門研修を実施するとともに、相談マニュアルを作成することといたしております。乳幼児健診や母子健康相談、家庭訪問などのさまざまな機会を活用して相談やスキンケアなどの保健指導に当たってまいりたいと考えております。また、本市のアトピー性皮膚炎の専門相談は、九州大学皮膚科と共催によるアトピー性皮膚炎相談会と、東区保健福祉センターでの乳幼児アトピー性皮膚炎専門相談を実施いたしております。東区保健福祉センターでの乳幼児の相談につきましては、地理的な偏りもあり、今後西部地区での開設などについて検討してまいりたいと考えております。以上でございます。

 

◯議長(川上義之) 生田教育長。


◯教育長(生田征生) 学校におけますアレルギー関係の御質問にお答えいたします。
 アレルギーに関する手引書につきましては、議員お示しのように、これまで日本学校保健会などから発行されました3種類の手引書があり、これを各学校へ配付をいたしております。本年度中に日本学校保健会から新しい参考資料が発刊される予定となっておりますので、発刊され次第、各学校に配付し、活用してまいりたいと考えております。教職員の研修につきましては、毎年福岡市学校保健大会や教職員を対象とした学校保健研修会、学校栄養職員研修会、プール衛生管理研修会などにおきまして、児童生徒のアレルギー疾患、アトピー性皮膚炎、紫外線障害などについて専門家による研修を実施しております。また、新規採用教員研修におきましても、健康に関する課題としてアレルギー疾患を取り上げ、全教職員に認識されるよう努めております。
 次に、化学物質過敏症、いわゆるシックスクール症候群につきましては、平成14年度に各学校、園に対しまして、化学物質過敏症の児童生徒がいるか否か、また、新たに発生した場合は教育委員会に報告するよう通知をいたしておりますが、現在までのところ、発生事例の報告はあっておりません。
 それから次に、食物アレルギーについてでありますが、小学校における食物アレルギーを持つ児童の実態につきましては、保護者への聞き取り調査等により把握いたしております。平成13年度は1,214人で、全児童に対する割合は1.64%となっております。平成14年度は1,346人、1.84%、平成15年度は1,539人、2.09%となっております。
 小学校給食におけます食物アレルギーを持つ児童への対応につきましては、児童1人1人のアレルギー反応の状態がさまざまであり、一律に対応することが困難であるために、各学校において保護者と連携をとることが重要であります。このため平成14年4月から従来の家庭配布用献立表に加えまして、おかずごとに使用する食材とその原材料を記載した詳細献立表を毎月配付しておりまして、食物アレルギーを持つ児童の保護者と学校側とで十分な連携がとれるように情報提供を行っております。
 それから、学校におきますアレルギーの児童生徒の新規発見についてでありますが、毎年年度当初の定期健康診断の中で、保護者が記入をいたします保健調査票によりまして日ごろの健康状況を把握した上で学校医の診察を行っており、ぜんそく、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚疾患についても把握に努めております。また、日ごろの児童生徒の健康状態の把握につきましても、家庭との連絡表や日々の学校生活の観察、家庭訪問の懇談などにより把握に努めております。
 それから、学校健診におけます学校医との連携につきましては、学校では保護者が記入する保健調査表による情報をもとに、学校医の診察によりアレルギー疾患の児童生徒を把握し、養護教諭や担当教諭と学校医が協議をし、受診指導などを行っております。学校と保健福祉センターや関係機関とのネットワーク化につきましては、アレルギー疾患は、ぜんそくやアトピー性皮膚炎、食物アレルギーなど症状が多岐にわたり、個々に応じた対応が必要ですので、今後は保健福祉局とも協議をし、検討をしてまいります。以上です。

 

◯議長(川上義之) 平間土木局長。


◯土木局長(平間和俊) 筥崎土地区画整理事業の進につきましては、JR鹿児島本線の東側では公共施設整備はほぼ完了し、現在は主に西側について整備を行っております。事業費ベースでの進率は、平成15年末で約84%となり、平成18年度末の完成を目指してまいります。
 次に、区画整理事業と並行して行っておりますJR鹿児島本線連続立体交差事業の進状況につきましては、現在下り線の高架切りかえを行い、平成16年春の全線高架に向け事業を進めております。両事業とも関係者の皆様の御理解と御協力を得ながら進めていくことが重要であり、事業の実施に当たりましては、都市計画決定の段階や事業計画の進に応じて、公告、縦覧、意見書の提出など、法令で定められた手続を行うとともに、理解を得ていただくための説明会も随時開催し、意見の聴取に努めております。これらの事業を進めるに当たりましては、関係者の御理解、御協力を得るのに時間を要するケースもあり、また現在、連続立体交差事業におきましては、下り線高架切りかえに伴い、近接した既存のマンションから騒音などの指摘もあっております。今後とも説明や協議を重ね、事業への御理解と御協力が得られるよう努めてまいります。以上でございます。

 

◯議長(川上義之) 鹿野都市整備局長。


◯都市整備局長(鹿野 至) 香椎副都心土地区画整理事業についてお答えいたします。
 当事業は都市基盤整備公団が施行しておりますが、その進状況につきましては、本年7月にJR鹿児島本線の高架切りかえが完了し、あわせて千早駅が開業するとともに、松崎千早線など一部の都市計画道路が暫定供用を開始いたしたところであります。現在、西鉄宮地岳線の高架工事や道路等の公共基盤の整備とともに、建物の移転補償などを鋭意進めているところでございまして、平成19年度末の事業完了を目指してまいります。また、事業を進める上で関係権利者の御理解と御協力を得ることが重要でございますが、そのため都市基盤整備公団は、事業着手以来、事業の進に応じて関係権利者の代表者から成る区画整理審議会での御審議や関係権利者に対する説明会の開催、まちづくりニュースの配布、アンケート調査の実施などによりまして意向の把握を行い、事業の円滑な推進に努めてきたところであります。さらに必要に応じまして、地区外の周辺住民の皆様にも適宜計画内容のお知らせを行ってきたところでございますが、現在、事業地区外の住民の方々から地区内の一部で計画されている民間事業者の建築行為に対して要望が出されていると聞いております。
 また、土地区画整理事業のデメリットと申しますか、今後の対策についての御質問でございますが、本市におきましては、これまで既成市街地やその周辺部におきまして、道路、公園等の公共基盤の整備、改善や宅地の利用増進を一体的に進め、安全、快適な市街地環境の形成を図るため、土地区画整理事業によるまちづくりを推進してきたところであり、既に本市の市街化区域面積の4分の1について本事業により整備を完了したところでございます。平成14年度末に事業が完了した姪浜土地区画整理事業におけるアンケート調査結果では、従前居住者の約7割の方々が住みやすくなったと感じておられるなど、既成市街地のまちづくりを進める上で住環境の整備や改善を目的とする土地区画整理事業の役割は極めて大きいものと考えております。今後とも関係住民の皆様方に事業への理解を深めていただけるよう、きめ細やかな対応を進めてまいりたいと考えております。以上でございます。

 

◯議長(川上義之) 山口剛司議員。


◯19番(山口剛司) それでは、第2問の質問に入ります。
 アレルギー疾患の治療はそれぞれ患者の症状が違っており、1人1人の症状に応じたオーダーメードの治療が必要と言われております。100人の症状があれば、極端な話、100通りの治療方法が必要であるというわけです。福岡市検討委員会の調査によりますと、「アレルギーに関して困っていることがあるか」の問いに対し、3,646人中16.5%、602人の方が困っていると回答されております。実に6人のうち1人が困った問題を抱えているというのです。最新の医療ガイドラインに沿った診断とオーダーメードの治療を受ければ、大半の人が症状をコントロールできるし、結果的に医療費の負担も少なくて済む。病院のはしご、いわゆるドクターショッピングが減って医療費の抑制にもつながってまいります。今、不適切な治療のために苦しみ、またアトピー商法に食い物にされる患者もいます。慢性疾患の苦しみから我が子を虐待し、家庭崩壊、自殺へと追い込まれるケースも後を絶ちません。もはや、待ったなしの状況にあります。1問目でも述べましたように、20代で10人のうち9人がアレルギーを持っております。過去では、結核が国民病と言われておりました。そのときでも患者は3割でした。今のアレルギーについてはどうでしょうか。全人口の3人に1人の割合で、しかも90%を超える世代があるということなのです。乳幼児の健診について先ほどお尋ねいたしましたが、担当医師により診断基準がばらついているのが現状であります。ぜひ基準ですから、徹底していただきたい。現場での判断が一番重要と考えますが、御所見を伺います。
 日本小児アレルギー学会理事長で、福岡市アレルギー疾患対策検討委員会委員長も務められました西間三馨南福岡病院院長が中心となって、WHOの国際調査として、平成7年には小中学校50校に、平成14年には49校の児童に対し抽出調査を実施されております。また、小学校5校に対しては毎年調査を実施されていると伺っております。毎年新たな患者が発生し、また、診断や治療方法も日々進歩していると聞いております。地域においては、かかりつけ医の方々も最新のアレルギー医療を取り入れていただきたいと要望いたします。また、医療の側からの問題として、今その治療の変化を市民に浸透させられていない、また、患者にもアレルギー疾患の特徴とか最新の医療についての正しい進め方をわからせるように、情報を提供し続けていく必要があると言われております。行政としてどんな方法をとることができるのか、御所見を伺います。
 ぜんそくの治療についてですが、この10年で大きく変わってまいりました。気管支ぜんそくが気道の慢性炎症性疾患という考えをもとに、予防、治療、管理が示されたことです。従来のぜん鳴を伴う可逆性の気道閉塞性疾患という概念を大きく変えました。端的に言いますと、これまではぜんそく発作を起こしてから、その対処治療をされていたのに対し、今はぜんそく発作を起こさないための治療に変化しているということです。発作がないときの治療と管理に重点が置かれております。小児ぜんそくの場合、90%以上がダニによる影響が認められております。各家庭での環境整備を行うことはもちろんですが、問題は幼稚園を含む学校現場にあります。全教諭がまず病気について理解を深めていただくことが大事です。さまざまな検討する課題がわかるのではないでしょうか。先ほど学校におけるアレルギー対策の手引書についてお尋ねいたしました。手引書ですが、日本学校保健会発行のテキストなどを活用されているとのことですが、各学校に配付されている部数が2から3冊では少ないのではないでしょうか。それから、だれが見ても初期治療方法がわかる手引書を西間院長がつくっておられますので、どうか一読ください。ぜひ担任まで配付対象を拡大していただきたく、予算措置をとっていただきたいと提案いたします。
 次に、学校現場におけるアトピー性皮膚炎についてですが、ハードの面で、アトピーの子はプールの後や運動をした日焼けの後にスキンケアをしなければいけません。今そのケアをする場所をつくることが大事と西間院長は指摘されております。みんなと違うジャージのやわらかい襟がついたものを着ていてもおかしくない、また、いじめられないという環境が必要であると思います。学校にシャワー室が全小中学校にありますでしょうか。アトピーで体がかゆいため、かきむしる。それが続くと皮膚がじゅくじゅくしてきて痛がゆくなり、授業に集中できない。その集中できない子を先生方は、気合いが足りないと注意される。気合いじゃないんです。病気なんです。学校の先生方もこの疾患について正しく理解していただきたい。また、顔面に症状があらわれている子供たち、本人のつらさを理解するよう、ほかの子供たちにも指導していただきたいと要望いたします。
 次に、教諭に対する講習会の件ですが、事アレルギーに関しては毎年新しい症例や治療方法が発表されております。シックスクールについては、新しい分野であるため、どういう症状がそれに当てはまるのか、専門医の講習が必要だと考えます。主な症例として、気分が悪い、のどが痛い、皮膚がかゆいといった状態があります。学校現場で実効性のある研修を実施していただくとともに、食物依存性運動誘発アナフィラキシー、全身に起こる急性症状ですが、世代的に特有のある症状への理解も必要だと考えます。手引書の配付、シャワー室の件、子供たちへの指導、そして、教諭の方々への講習会とあわせてお尋ねいたします。
 1問目で現時点での小児科医の人数についてお尋ねいたしました。全国的に小児科医が減少しているのが実情であります。最大の問題は、小児医療の診療報酬が低いこと。人手や手間がかかる割に薬の量や検査が少ないために、何十年も前から不採算性が指摘されている。それに夜間の救急医療担当が入ると、疲れがとれずに翌日の診療に入っていると小児科医は指摘されております。今続けられている大半の方々は、採算を度外視しても子供たちを救うという使命に燃えて診察されております。この不採算部門とも言える小児科医療、なかんずくアレルギー治療が担えるのは市立病院であると思います。また、こども病院でのアレルギー診療の取り組みをお示しください。今後ぜひ専門医がいるアレルギー科と研究セクションを設置し、診療が夜間も含めできる体制をとっていただきたいのですが、いかがお考えかお聞かせください。
 保健福祉センターでの専門相談員の件についてですが、病院に行かないまでも今の症状を相談したいという成人の人たちが気軽に来れるのがセンターの役割だと認識いたしております。東区はいいのですが、他の区の場合、アレルギー相談員の方がおられない現状だと、なかなか病気に対して的確なアドバイスが受けられません。病院に行かなければいけないのか、それとも自宅でのケアで十分なのか、初期段階での相談ができるよう、人もつけ、体制をとっていただきたいのですが、いかがお考えでしょうか。
 今、アレルギーマーチという言葉が使われ始めました。これは食物アレルギーを起こした子はアトピーも出てくる。そして、小児ぜんそくが出たり、結膜炎にかかるなど、複数の症状を示す割合がふえてきているということです。子供たちはアレルギーになりやすい体質を持っております。清潔な環境に置かれているために、病原菌、すなわちアレルゲンに対し感度がよ過ぎるのです。私以上の年齢の方々の場合、そう体質の感度がよくなく、これまでも決して清潔な環境ばかりではなかったものですから、私たち大人に症状が出なくても子供には出てくると報告されております。中でも食物アレルギーを持つ児童が、先ほどのお話の中では児童数は年々ふえ、ことしは1,500人を超えていることがわかりました。しかし、対策についてはまだまだではないでしょうか。学校現場では、校長と保護者との間で対象食品が選定され、給食の食材を避けるといったやり方をされております。主材料の場合は弁当を持参しているということですが、児童の対象品目をすべて特定するためにも、専門の診察が必要ではないでしょうか。食物アレルギーの診断には、時間をかけた問診と血液検査、皮膚テスト、最終的に除去付加試験と進みます。付加試験は、原因と思われる食品を医師が立ち会う万全の体制のもとで実際に食べ、数時間かけて様子を見ることが必要です。とても開業医には手がけていただけません。ここで地域の保健福祉センター、専門医の連携が必要となるわけです。関係機関のネットワークについてですが、国立南福岡病院を頂点として地域の基幹病院や保健福祉センター、そして、地域のかかりつけ医と連携がとれるよう行っていただきたい。それには、アレルギー専門医はまだまだ少ないと、先ほどの御説明で聞きました。小児科、皮膚科の先生方にもこのネットワークに入ってもらい、138万市民のため貢献していただきたいと考えますが、御所見を伺います。また、アレルギー指導員をふやし、かつ関係機関とスケジュール調整を行い、早期に今年度からでもネットワークを立ち上げて実行していただきたいと要望いたしますが、御所見をお伺いいたします。また南福岡病院西間院長が、学校健診においてはアレルギー検診も取り入れるべきだと提案されております。現在の健診項目は結核が多発し、栄養失調など虚弱児がたくさんいたころに必要とされていた項目です。現在のような高血圧、高脂血症といった生活習慣病やアレルギー疾患の子供がふえてきているため、切りかえる必要があると言われております。福岡市においてはどのように取り組もうと考えておりますでしょうか、見解を伺います。
 次に、まちなみのルールづくり支援センターについてお尋ねいたします。マンションなどの建設をめぐるトラブルに対し、当初計画から市民の意見を聞く場とアドバイスをするセクションが必要なのではと今議会で提案する準備を進めていましたところ、9月2日に建築局内でまちなみのルールづくり支援センターを設置すると発表されました。行政が市民のかゆいところに手が届くサービスは大いに歓迎であります。このセンターの運用についてお尋ねいたします。何人で実施されるのですか。また、市の他の部局や区役所との連携はどう考えておられますか。市民に対しての広報活動はどうされますか。これまでのこのセンターの役割に似た業務で、建築局にある指導部の建築調整課はどうされるつもりか、考えをお聞かせください。これまで区画整理事業のトラブルで一番多いのが、事業に対する住民への説明が不十分なため問題となるケースが多いということです。役所からはメリットの説明があるが、住民にとってマイナスとなる点については話がない。いざ問題が起きて住民から事業主体にクレームをつけても、時既に遅しで解決されません。1問目で幾つかの課題がある旨報告をいただきました。住んでいる人にとっては、裏切られたという気持ちや行政に対し不信感しか残っていません。もっと住んでいる側に立って事業計画をきちんと説明し、責任を果たしてもらいたい。事業の大半は住民にとって環境がよくなるということですから、賛成なのです。筥崎の高架事業については、沿線マンションでのJR線高架の騒音問題、また列車から中をのぞかれるプライバシー問題について、どのような対策をとられようとしているのかお尋ねいたします。名島の操車場跡地で名島台からの景観を妨げる高さ45メートルのマンション建設について、地域住民から建築計画の話を聞くのが着工前で遅い、また新設マンションの取りつけ道路は困るという点があり、それをどこの部署に問題提起していいかわからないと意見が出されております。事業者と住民とのボタンのかけ違いが起こらないよう手を打っていただきたいのですが、御所見を伺います。
 以上で2問目の質問を終わります。

 

◯議長(川上義之) 鶴川保健福祉局長。


◯保健福祉局長(鶴川 洋) 乳幼児健診におけるアレルギー疾患の把握につきましては、アレルギー疾患対策検討委員会でマニュアルの診断基準の見直しを行うとともに問診を強化し、保健指導の充実を図ってまいります。患者への正しい情報の提供につきましては、不安解消のためにも大変重要なことだと考えております。わかりやすいパンフレットを作成し、保健福祉センターの窓口や乳幼児健診、母子健康相談、育児教室などで活用してまいります。また、市政だよりやホームページ等による情報提供に努めてまいりたいと考えております。市立病院におけるアレルギー治療等につきましては、こども病院でのアレルギー診療の取り組みにつきまして、各科の一般外来の中でアトピー性皮膚炎を含む診療を行っております。特に重症の気管支ぜんそくの患者さんにつきましては、こども病院の呼吸管理や集中治療の機能を生かし、夜間救急を含め、受け入れ治療に取り組んでおります。また、専門医を配置しての医療体制につきましては、アレルギー疾患はその種類が多く、診療科目も多岐にわたるため、現在の病院の体制上困難な面がございますが、今後新しい市立病院の基本構想の中で医療機関や研究機関等との連携を視野に入れながら検討してまいります。相談体制につきましては、専門医による専門相談だけでなく、各区の保健福祉センターで市民が身近にアレルギーについての情報を得たり、相談できる体制も必要と考えております。そのため相談マニュアルを作成するとともに、研修等によりまして関係職員の専門知識の向上を図ってまいります。ネットワークにつきましては、アレルギー疾患対策検討委員会を中心として、専門医療機関と診療所、保育園、保健福祉センター、学校等による関係機関のネットワークづくりを進めてまいりたいと考えております。以上でございます。

 

◯議長(川上義之) 生田教育長。


◯教育長(生田征生) 学校におけるアレルギー関係についてでありますが、アレルギーの手引書の配付部数につきましては、学校長用、養護教諭用、職員回覧用として配付をいたしております。今後教職員1人1人へ周知徹底され、手引書が活用されるよう学校内での研修方法等を検討してまいります。それから、シャワー室に関しましては、各学校とも学校用務員室にシャワー室が設置されておりまして、児童生徒が必要に応じ使用している例もありますので、今後とも配慮をしてまいります。それから、アレルギーを持たない子供たちへの指導に関しましては、アレルギー症状の大変さや給食は個別の対応が必要なことなど、アレルギーへの理解が深まるよう指導に努めてまいります。教職員に対しましては、アレルギー疾患に関する新しい情報や学校において必要な知識について専門医等による研修会の開催を検討してまいります。
 次に、学校における健康診断の項目につきましては、アレルギー疾患に関して全国的にぜんそくについてのみ行われている傾向でありますが、本市では平成6年度からぜんそくに加えましてアレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚疾患についても実施をいたしております。生活習慣病を含めて新たな検査項目の設定につきましては、他都市の状況などを見ながら検討してまいります。以上です。

 

◯議長(川上義之) 石井建築局長。


◯建築局長(石井幸充) まちなみのルールづくり支援センターについてでございますが、同センターは住民によるまち並みのルールづくり活動の支援につきまして、建築局を総合窓口とし、都市整備局や各区役所の関係課が連携を強化して、それぞれの専門性や特性を生かし、関係各課に配置されております職員がその業務を担当するものでございます。また、必要に応じ関係各課の職員も総合窓口で住民の相談等に対応することといたしております。
 次に、市民への広報活動についてでございますが、市政だよりによる広報やパンフレットの配布並びに広報ビデオの貸し出しを行うほか、ホームページを活用した情報提供等を積極的に展開してまいります。
 さらに、既存の建築調整課との関係でございますが、建築調整課は福岡市建築紛争の予防と調整に関する条例に基づき、中高層建築物等の建築計画の事前説明等、指導や紛争に至った場合の調整、調停等に取り組んでいるところでございます。しかしながら、建築紛争はなかなか減少しない状況にございます。このようなことから、まちなみのルールづくり支援センターは、建築紛争の未然防止を図るため、建築協定制度や地区計画制度を活用した住民の主体的な地域の特性やニーズに応じたきめ細やかなまち並みのルールづくり活動の支援を主な業務としております。今後これらの業務を通して快適で住みよいまちづくりを推進してまいります。以上でございます。

 

◯議長(川上義之) 平間土木局長。


◯土木局長(平間和俊) JR鹿児島本線の高架事業につきましては、騒音対策としてレール継ぎ目箇所から音を少なくするためのロングレールの使用、振動音を防ぐための軌道床板下の防振マットの設置、高架橋への高さ1.5メーターのコンクリート壁高欄の設置を、また、緩衝帯として幅員6メーターの側道を設けております。鉄道高架における騒音問題につきましては、道路騒音のような環境基準はありませんが、環境省の通達により考えが示されております。本事業につきましては、鉄道高架事業の実施時期から指導対象外となっておりますが、その内容を参考にしつつ他都市の事例をも調査し、来年春の上り線高架切りかえ後、特段の指摘をいただいていますマンションについて騒音調査を実施し、その結果を踏まえ、対応を検討したいと考えております。また、プライバシーの問題につきましては、鉄道に近接して建物がある、このような状況は、本市の鉄道沿線の高架及び平面において数多く見受けられますので、御理解をお願いしたいと考えております。以上でございます。

 

◯議長(川上義之) 鹿野都市整備局長。


◯都市整備局長(鹿野 至) 香椎操車場地区のマンション建設に関連する問題等にお答えいたします。香椎操車場地区につきましては、これまでも関係権利者はもとより周辺住民の御理解と御協力を得ながら事業を進めてきたところでございますが、今後とも御指摘の点も含め、住民の合意形成に努めるなど、よりよいまちづくりを一層円滑に進めるよう、事業者である都市基盤整備公団にも働きかけてまいりたいと思っております。以上でございます。

 

◯議長(川上義之) 山口剛司議員。


◯19番(山口剛司) 3問目です。
 アレルギーについてですが、今や福岡におけるアレルギーの統計が世界での報告の中で日本の統計として位置づけられ、発表されていることを御存じだったでしょうか。先ほどから申し上げていますように、なお一層調査統計を今後もしっかり継続していただきたいと要望しておきます。医療従事者、保健福祉センター、そして、学校関係者との連携をとり、情報の共有をしっかりとっていただきたい。福岡市においては、九大、福大を初めとする専門の先生方がおられ、また、南福岡病院に代表される治療研究が、全国を見ましても進んでおります。どうかその辺を念頭に置かれ、アレルギー対策については福岡市が特に進んでおり、安心して住めるまちだと言われる地域を構築していただきたいと念願しております。山崎市長の御所見をお伺いします。
 土地区画整理事業についてですが、もう100年以上の歴史があります。最初は耕地整理の手法を使っておったそうですが、1919年、大正8年に都市計画法が制定されて以来、土地区画整理制度が成立いたしております。これまでは行政主導のまちづくりが一定の枠組みをもとに大いに進められ、福岡市でも多大な効果を上げられてきたことと思います。しかし、今ではコミュニティーの自律化が叫ばれており、開発地域の住民としては、当事者だけでなく周辺住民も含めた参加型の開発へとシフトしてきていると考えます。総論は賛成だが、各論は反対であるという意見も今後出てくることだと思います。森ばかり見て木を見ないと言われないプランを作成し、住民参加型の計画を発展させていただきたいと考えますが、山崎市長の御所見を伺い、私の質問を終わります。ありがとうございました。

 

◯議長(川上義之) 山野助役。


◯助役(山野 宏) 区画整理事業につきまして、私の方からお答えします。本市におきましては、これまで良好な市街地の形成を図るために区画整理事業を大いに推進してきたところでございます。今後のまちづくりを進める上で、この事業手法は極めて有効な手法だというふうに考えております。事業の実施に当たりましては、関係住民の皆様方の御意見を反映させていくため、関係権利者の代表者などから成ります区画整理審議会、こういうものを設置しているところでございます。さらに周辺住民の方々も含めた説明会などによりまして、さまざまな御意見をいただきながら進めてきているところでございます。今後とも快適で個性のある地域づくりを目指すために、住民参加によるまちづくりを推進してまいりたいと思っております。

 

◯議長(川上義之) 山崎市長。


◯市長(山崎広太郎) アレルギー疾患については、だれもが割と身近なところでその疾患に苦しんでいる人を知っているわけで、特に若い世代が苦しんでおると。これについてだれもが心を痛めておるテーマでございます。アレルギー疾患は社会がつくり出したものと、あるいは社会的に対応することが必要だと、この意味で社会的な課題として取り上げるべきだと、基本的にそう考えております。今後、本市のアレルギー疾患対策検討委員会の調査結果も出ておりますし、また提言もいただきましたので、これをもとにアレルギー対策に積極的に取り組んでまいります。

 

福岡市議会議員
山口つよし

公明党 福岡市議団

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