平成15年~16年
◯19番(山口剛司)登壇 私は、公明党福岡市議団を代表いたしまして、博多湾アイランドシティにおける環境保全対策、本市における子供施策、小学校新設整備計画の以上3点にわたり質問いたします。当局の前向きの回答を期待いたします。
まず初めに、博多湾アイランドシティにおける環境保全対策について質問いたします。
これまでのアイランドシティの埋め立てで、水質の悪化や鳥類や貝類など減少しているのではないかと危惧されている方がおられます。そこで、これまで調査された平成五、六年ごろと覆砂や御島海岸の養浜、つまり海岸を養生することですが、それらを実施された平成11年、そして、現在の3時点を比較すると、状況がどのように変化しているのか、種類数、個体数についてお示しください。
また、博多湾の水質についてですが、先日、環境局が発表されました「平成15年度ふくおかの環境」を見ますと、水環境のデータ中、博多湾8カ所の水質調査で、全窒素、全燐はすべての箇所で基準をクリアしているものの、化学的酸素要求量、CODは西部海域1カ所しか基準を満たしていませんでした。特に中部海域の状態が悪く、次いで東部海域となっています。この数値、CODは海や湖の汚染の指標として使われておりますが、博多湾では平成5年度からの数値がなかなか改善されておりません。平成15年度の博多湾の水質の現状をお示しください。また、その結果についてどう分析されていますでしょうか。さらに、改善するためには何が必要でしょうか。対策方法とあわせてお示しください。
次に、和白干潟一帯が昨年11月、国の鳥獣保護区に指定されました。これまでの県指定から国へ指定が変わるとどのような変化があるのでしょうか。また、鳥獣保護区が国へ移管するようになった経緯と、今後、国からどのような働きかけがあるのか、それを本市ではどのように対応していくのかお尋ねいたします。また、全国で環境保全運動の高まりがありますが、特にこの地域をラムサール条約に登録させてほしいとの意見があります。当局はこのラムサール条約に対してどのように考えているのか、その条約に登録したいと考えられているのかお尋ねいたします。また、条約に登録するためには、今後どのような条件が必要か。仮に今の和白干潟鳥獣保護区がラムサール条約の登録湿地となった場合、アイランドシティ整備に影響が出るのかお示しください。
次に、子供施策について質問いたします。
国の施策として、児童手当が小学3年修了までの支給や小児救急の電話相談を全国で実施するシステムなど、実現へ向け推進しております。私たち市議会公明党もかねてより、少子・高齢化社会を迎えるに当たり、次代を担う子供たちへの環境づくりと大人のかかわり方についてさまざまな形で提案し、意見を述べてまいりました。乳幼児では、家庭保育に関する問題、保育所の待機児童解消への施策、小中学校生徒たちへの取り組み、ジョブカフェを含む就労支援や奨学金を拡充し、進学の機会をふやすなど、国、県、市と連携し、成果を上げております。本市でも特筆すべき子供事業が数多く実施されておりますが、そのうち、ことし新たに拡充された施策について質問し、検証いたします。
まず、子どもプラザの実施についてです。本年度は4カ所を開設するとなっていますが、それぞれの進捗状況について、まずお尋ねいたします。特に、区に1カ所ですから、それで当初の目標である、孤立しがちな乳幼児親子を支援し、子育て不安の軽減を図り、子育てしやすい環境づくりを図るというところまではなかなか達成が難しいと考えます。そこで、地域でサポートされている子育てサロンとの連携がどのようになっているのか、あわせてお示しください。
次に、留守家庭子どもクラブについてです。学校の週休2日制実施に当たり、土曜日も留守家庭子ども会を実施してほしいとの意見が市民の方々より多数寄せられておりました。その要望を受け、公明党市議団としても毎年開設の要望を行ってまいりました。留守家庭子どもクラブができたことにより、土曜日も希望者には預かっていただける仕組みができております。特に、このクラブは留守家庭子ども会の大規模な校区や待機児童がいる校区のために、幼稚園に協力いただき事業を進めるということで本年度スタートしていますが、現在の状況をお尋ねいたします。受け入れの幼稚園側はいかがでしょうか、問題点が出ていますでしょうか、また、預けている親御さんや子供たちはどうでしょうか、お示しください。
また、過日、留守家庭子ども会のプレハブ校舎が古いところを見ました。壁面にブレース、つまり対角線上に金属の棒が筋交いとして使われていました。トイレは、これも作業現場でよく見る仮設トイレで、ここは余りにも古く汚い感じでした。このようなプレハブづくりで20年以上過ぎているのは何カ所あるのでしょうか。そして、何年で20年以上の古い施設が建てかえられるのか、お尋ねいたします。
次に、子供たちの遊び場という視点から、城南区で話題になっている冒険遊び場についてお尋ねいたします。まず、この施設の概要についてお尋ねいたします。また、今後このような遊び場ができる計画があるのでしょうか、あわせてお示しください。私が子供のころは、それこそ木登りをしたり、川に入ったりして遊んでいましたが、今はそういう遊び場が少なくなっております。自然と触れ合う場所の提供が必要な時代になっていることに一抹の寂しさを覚えますが、これも時代の趨勢です。このように自然と触れ合うことのできる遊び場づくりがこれからの公園づくりとあわせて必要だと思いますが、どのように考えておられるのかお尋ねいたします。
次に、児童の通学時の安全対策についてお尋ねいたします。本年4月27日に我が会派は、児童の安全対策について要望した署名19万3,578人分を山崎市長へ、生田教育長同席のもとお渡しいたしました。具体的な要望事項として、児童生徒に防犯ベルをぜひ貸与、配布してほしいという要望をさせていただいております。今や児童が安全に通える環境でなくなっていることは危機的なことです。この防犯ベル配布の取り組みに対し、教育委員会としての考え方をお尋ねいたします。
また、不審者情報を保護者の携帯電話メールに配信するシステムが他都市で始まっておりますが、本市ではこういったシステムに対し調査されるなど、何か行動を起こされていますでしょうか、お尋ねいたします。
また、1997年から福岡県警中央署が小中学校に対し犯罪情報をファクスするFネットを始められておりますが、情報は有効に活用されておりますでしょうか。現在の状況をお尋ねいたします。
3点目のテーマとして、小学校の新設についてお尋ねいたします。
本市における小学生の人数は昭和57年をピークに減少し続けていましたが、平成14年から増加に転じ、ことしの対象児童数は5月1日の速報値で7万3,933人になりました。過去10年間の新設校は4校あり、廃校は統合のため4校あります。新設校のうち、合併による博多小学校を除けば平成8年が最近の新設校となります。約8年間今の学校数ですが、本市において1,000人を超える大規模小学校が現在は3校になりました。そのうち内浜小学校は平成19年、新設校の開校で大規模校を解消するそうであります。残り2校ですが、那珂小学校についてはさきの3月の条例予算特別委員会において質疑がありました。私は3校目として、東区の松島小学校について教育委員会の意見を伺いたいと思います。当小学校は児童数1,047人で29学級あります。ことし3教室の増築が完成いたしました。まず初めに、特殊学級がつくれない点について指摘いたします。ことし教室が増築されたのですが、それでも教室不足のため特殊学級が設置できない状況にあります。発達教育センターに尋ねると、特殊学級の設置が必要な小学校であるが、教室が不足しているため特殊学級がつくれない。今のところ、近隣の特殊学級がある小学校にやむなく通学してもらっているとのことでした。保護者の方々も毎日の送迎が徒歩では通えないため、大変な苦労をされております。他の校区に通わなければならない特殊学級の児童を我が校区の小学校に通えるようにする手だてはないものでしょうか。ここはぜひ教育委員会にしっかり検討いただき、保護者、児童へ大きな負担をかけないよう要望いたします。
今、全国的に30人学級への取り組みが進んでいる中で、本市でも低学年の少人数学級が検討されています。大規模校では教室が幾らあっても余る状況ではないのが現実です。そこで、福岡市教育委員会ではどのくらいの学級数が適正だと考えられているのかお示しください。さらに、学校の分割に至るまでの考え方ですが、どのくらいの人数、学級数になったら調査を始めているのか示していただくとともに、増築や新築の場合、どういった専門の課、職員で検討されるのか。また、新設する場合、予算措置としては何年の計画が必要かお尋ねいたします。
以上で第1問の質問を終わります。2問目以降は自席にて行います。
◯議長(川上義之) 酒井港湾局長。
◯港湾局長(酒井勇三郎) 博多湾アイランドシティにおきます環境保全対策の御質問にお答えいたします。アイランドシティ周辺の自然環境の状況についてでございますが、平成5年、平成11年及び平成14年における鳥類の飛来状況につきましては、種類数で見ますと、それぞれ99種、92種、89種でございます。また、飛来数で見ますと、最大値といたしまして、およそ2万7,000羽、2万1,000羽、1万5,000羽となっておりますが、ウミガモ類などの減少によるものでございまして、予測の範囲内となっております。また、鳥類の重要なえさとなります底生生物の状況につきまして、和白海域において種類数で見ますと、31種、49種、43種、個体数で見ますと、5,000個体、1万2,000個体、9,000個体となっております。調査年度によります変動はございますが、自然現象によりまして左右されるものであり、予測の範囲内となっております。以上でございます。
◯議長(川上義之) 植木環境局長。
◯環境局長(植木とみ子) まず、平成15年度の博多湾の水質の調査結果でございますが、有機性汚濁の指標であります化学的酸素要求量、いわゆるCODは、西部海域の湾口部の1カ所で環境基準を達成しておりますが、その他の7地点では環境基準を超えております。また、全窒素につきましては、これまで全海域で環境基準を達成しておりましたけれども、平成15年度は東部海域で環境基準を超えております。全燐につきましては、すべての海域で環境基準を達成しております。経年的にはほぼ横ばいであると認識しております。このような博多湾の環境を改善するためには、博多湾に流入する負荷を削減したり、博多湾内での植物プランクトンの増殖を抑えるということが必要であると考えております。そのために、博多湾流域における対策として、下水道の整備であるとか、下水の燐除去の高度処理、合流式下水道の改善、さらに発生源での対策として、覆砂などの底質の改善や作れいによる海水の交換、その他関連の技術開発、調査研究及び環境保全活動の支援、促進等を実施しておりますが、下水道局におきましては、窒素除去の高度処理について検討を進めております。今後とも、庁内関係局や県との連携を図りながら着実な推進に努めてまいります。
次に、和白干潟の鳥獣保護区についてでございますが、鳥獣保護区が県の指定から国の指定に変わるのは、保護区の管理者が県知事から環境大臣に変わるだけであり、内容的には何ら変化はございません。国指定に変わった経緯ですが、国際的に見て鳥獣の保護、繁殖に重要な地区は国が指定することとなっており、和白干潟については国が平成12年に実施した調査に基づき、シギ、チドリ類の渡り鳥の中継地、越冬地として国際的に重要であるといったことの判断から、平成14年度に本市を初め、県や地元農業団体などに対して国指定に変更することについて協議があり、これら関係者の理解を図った上で、昨年、平成15年11月に和白干潟を国の鳥獣保護区に指定したところでございます。その後、国においては、鳥獣保護区の保全、管理を進めていくためには、地元の方々の理解と協力は不可欠であるということから、地元農業関係者や国、県、市等で構成します国指定和白干潟鳥獣保護区地元懇談会を設置するとともに、シンポジウム等による市民啓発に努めております。したがいまして、今後、国からは本市に対してこの懇談会やシンポジウムへの協力を求めてこられることと思いますので、本市としても積極的に国に協力してまいりたいと思っております。
ラムサール条約への登録につきましては、次の段階の国の特別鳥獣保護区になることが必要となります。まずは、現在の国指定鳥獣保護区について地域住民の方々の理解を深めることが重要で、特別保護区等は将来的な課題と考えております。なお、仮に現在の和白干潟鳥獣保護区がラムサール条約登録湿地になりました場合でも、アイランドシティは登録範囲外となりますので、直接整備などに影響が生じることはないと考えております。以上でございます。
◯議長(川上義之) 鶴川保健福祉局長。
◯保健福祉局長(鶴川 洋) 子供施策についてのお尋ねにお答えいたします。
まず、子どもプラザにつきましては、乳幼児親子がいつでも利用し、子育てに関する相談や情報交換、情報提供ができる各区の拠点として、平成16年度は中央区、南区、城南区、西区の4カ所に設置する予定であります。各区の施設につきましては、中央区は中央児童会館の一部を改修し、南区は塩原区画整理事務所跡地に整備し、城南区は区保健福祉センターで現在実施しているサロンを常設化し、また、西区は旧姪浜区画整理事務所の建物を改修することといたしており、現在整備に向けて取り組んでいるところでございます。運営の一部について、子育て支援に実績のあるボランティアグループやNPO等に委託したいと考えており、現在、城南区及び西区の子どもプラザの運営団体を募集しているところでございます。また、地域の子育てサロンとの連携につきましては、区保健福祉センターとともに校区の子育てサロンへの情報提供やサポーターの情報交換会の開催など、子育てサロンの運営が円滑に行われるよう支援を行ってまいりたいと考えております。
次に、留守家庭子どもクラブにつきましては、子ども会の大規模化に伴う待機児童の解消や時間延長、土曜開設等の保護者のニーズに対応するため、幼稚園など地域の社会資源を活用し、留守家庭子ども会事業を実施することといたしたものであります。現在の状況につきましては、5月末現在、市内5カ所の幼稚園で開設いたしておりますが、入会児童はまだ少なく、多い園で10人程度となっております。その原因といたしましては、保護者への広報開始時期が3月の予算確定後からであり、ほぼ留守家庭子ども会への入会が固まっていたことや、留守家庭子ども会が学校内にあり、なじみがあること等が考えられます。また、受け入れの幼稚園側からは特に問題等の発生についてはお聞きしておりませんが、利用者からは時間延長や土曜日などの利用ができるようになり、助かっているとの声が寄せられております。最近では、入会児童も留守家庭子どもクラブでの活動に大分なじんできていると開設園からの報告を受けております。留守家庭子ども会のプレハブ施設についてでございますが、建築後20年以上経過している施設は現在30カ所となっております。また、現在の財政状況におきましては、これらの施設は10年程度で建てかえを行っていくことと考えております。
また、城南区の冒険遊び場についてでございますが、冒険遊び場は子供たちの好奇心や欲求を大切にし、通常の公園などにあるような禁止事項は設けずに、土、木、水などを思いのままに使い、自分の責任で自由に遊ぶスペースのことで、特に施設を整備するものではありません。平成14年度から現在まで、城南区の西南の杜の湖畔公園予定地において、市民団体の方による一日冒険遊び場が5回開催されております。今後の計画といたしましては、市民団体による冒険遊び場活動を支援するため、城南区の事業として、平成16年度及び17年度にこの市民団体の取り組みを1つの試みとして、場所の確保や活動が継続してなされるための仕組みづくりなどについて都市整備局と連携し、研究してまいります。また、子供の成長にとって自然に触れ合う体験は貴重なものであり、一日冒険遊び場のような活動は子供の自主的、主体的な遊びを支援するものとして重要なものであると考えております。以上でございます。
◯議長(川上義之) 生田教育長。
◯教育長(生田征生) 通学時の児童生徒の安全対策としましては、福岡市PTA協議会との連携によります、こども110番のいえの設置や通学路の安全点検を実施するほか、状況によっては集団登下校の実施や、あるいは家庭に注意を呼びかける文書の配布を行っております。また、地域の関係団体の御協力により安全パトロールが実施をされている校区もございます。しかしながら、最近の各地での事件の発生状況を見てみますと、防犯ベルや防犯笛は通学時の児童生徒を連れ去りや性犯罪から守る有力な手だてとして考えていく必要があると認識をいたしております。
それから、携帯電話などにメールを配信するシステムにつきましては、不審者情報を迅速に提供できる、また、携帯電話加入者に同時に一斉配信ができるというメリットがあります。したがって、学校から保護者に向けた情報発信の手段として将来有力なものの1つと考えております。しかしながら、このシステムの導入に当たりましては、情報の正確さを確保することが何より大切でありまして、情報の内容を警察など関係機関に確認をする必要があります。寄せられました情報をそのまま配信をした場合、不審者扱いをされた人の人権問題になったり、あるいは性犯罪の場合、情報提供の方法によっては被害者が特定をされ、風評や、あるいは中傷など2次被害を招くおそれもあります。それからまた、このシステムがより効果を出すためには、保護者の個人情報でありますメールアドレスの提供、登録とかという意味ですが、そういう提供により多くの人に協力をしてもらい、さらに目的外の漏えい等がないように適切に管理をしていく必要があります。試行されています他都市の例でも、情報の正確性の確保と、それからシステムの適切な管理のための人的、技術的な体制を整えることが大きな課題であるというふうに聞いております。
それから、Fネットでございますが、Fネットは警察の外郭団体である防犯協会のファクシミリ専用ネットワークで、警察署管内の金融機関やコンビニ、公民館、学校など、必要なあて先に一斉に情報発信ができる機能を備えております。各学校において児童生徒の安全に関する情報をFネットから入手した場合、必要に応じて近隣校や保護者、地域と情報を共有しながら、集団下校など登下校時の安全確保に活用をいたしております。
それから、小中学校におきます適正な学級数のことについてでございます。文部科学省では、従来から普通学級数の標準は12から24として、学校施設の整備に当たっての国庫補助の運用上も31学級以上は過大規模校として分離新設や、あるいは校区調整により対応するという考えでありまして、本市におきましても、これに準じて学校整備に努めてきたところでございます。また、児童生徒数の推計につきましては、教育委員会の企画課で担当しておりまして、毎年校区ごとに幼児数や児童数、それから、住宅の開発状況などの調査を行いまして、向こう6年間の将来推計を行い、教室の増築などの必要性の有無などについて検討を行っております。また、この推計によりまして、相当期間継続して31学級以上となると見込まれる場合には、過大規模校化に対応した方策を検討することとしております。それから、分離新設の場合の予算措置ですが、移転用地の確保だとか、校舎の建設に要する期間などを見通して行うことになります。以上でございます。
◯議長(川上義之) 山口剛司議員。
◯19番(山口剛司) それでは、第2問目の質問に入ります。
先ほどの答弁で、博多湾の野生生物が極端に減少していないことに、まずは安心いたしました。アイランドシティには野鳥公園を整備する計画ですが、この計画の概要が進展していましたらお示しいただきたいと思います。
また、海域の水質の浄化についてですが、基準値を達成していない今の状態では、いずれ貝類等が死滅し、さらに、それらのえさがなくなると野鳥の姿も見れなくなることが危惧されます。これまで以上の対策が必要です。福岡市だけでなく、河川流域の市町村とも広域の協議会を設立し、環境基準をクリアできる数値の目標を設定して排水対策をつくることが重要と考えますが、当局の意見を伺いたいと思います。
日本で最初にラムサール条約に登録したのが北海道の釧路湿原でした。その後、皆様御存じのとおり、国立公園に認定され、国の自然再生推進法による保全活動を実施されております。先日、釧路を訪問し、行政担当の方とNPOで釧路湿原案内ボランティアをされている方に話を伺ってまいりました。この地域では、かつて水害対策のため、曲がりくねっていた川を直線にする工事が行われていました。また、湿地を酪農などができるよう改善を始めた結果、そこに生息する植物が死滅していき、さらに魚や鳥、動物等にも影響が出始めてきました。特にタンチョウヅルの減少が激しく、絶滅のおそれが出てきたのです。タンチョウヅルは大正時代末期に、これまで絶滅したと思われていたのが10数羽確認され、昭和に入り、湿原の2,700ヘクタールが繁殖地と指定されました。この湿原のツルは、いわゆる渡りをしないため年じゅうこの湿原で生息しています。1つのつがいは、数ヘクタールの範囲を縄張りとして必要としており、えさをとったり、ひなを外敵から守ったり、そういった適地が必要とされております。その後、昭和40年代に5,012ヘクタールに拡大した地域を釧路湿原との名称で天然記念物に指定されました。しかし、この地域が保護の網にかかっていないため、高度経済成長期のさまざまな改修により個体の減少が進んだということがその一因として考えられております。今、地域のNPO団体を初め、行政との取り組みで、動物に対し冬季のえさ場を確保するなど、自然の状態で生息できるように対策をとられております。その結果、ツルは現在900羽まで確認されるようになりました。自然の復元力と生態系の微妙な均衡を監視し、維持管理することで他の動植物も功を奏してきたということです。釧路湿原はその後、開発と自然を共生させようとの意見が出始めて、湿原関係の1市5町1村と国と北海道で、釧路国際ウェットランドセンターを設立しました。このセンターで調査から公園の管理、エコツアー研修や国際協力の推進等を論議し、実行されております。
福岡市の和白干潟は、規模として100ヘクタールに満たないものの、渡り鳥や水生生物など貴重な個体も見受けられます。現在、開発等によって損なわれた自然はないという御報告ですが、今後どのように保全、維持管理するかは重要な課題であります。干潟生物の活性化のため、砂地に酸素を送ってどのように変わるかという実験を職員の方とボランティアの方々が干潟を耕す作業を月に1度実施されております。私はこのように和白干潟を保全するという運動が行われていることは大事なことと思います。さらに、これからは悪くならないようにするだけでなく、人と共生できる、すなわちビオトープの発想が必要と考えます。また、その推進のやり方として、国が自然再生推進法を制定しております。この法律は、まず自然再生協議会を立ち上げ、将来どうあるべきかという構想を策定します。そして、事業計画をつくり実施するという流れですが、本市でも使えるのではないかと考えますが、御所見を伺います。
これからの和白干潟と野鳥公園は、これらの地域一帯あわせて、福岡ならではの安らぎの一角として、さらには観光の名所として整備していくのが将来にわたり財産になるのではないかと考えますが、御所見を伺います。また、野鳥公園の近くにNPO団体の活動の拠点として調査や観察ができる施設、観光客も訪れることができるセンターなどを用意したらいかがかと提案いたしますが、御所見を伺います。
次に、子供施策についてお尋ねいたします。
子どもプラザですが、まだ開設できていないところがあるので評価するには早いのですが、本年度確実に実行の成果があらわれることを期待いたします。そこで、1問目で尋ねました地域の子育てサロンですが、それぞれの公民館で活動されており、その情報はその公民館の地域しかわかりません。ぜひ隣の区域とか情報が伝わるよう連携を福祉センターの指導でできないものでしょうか、お尋ねいたします。
留守家庭子どもクラブについては、留守家庭子ども会との連携が不可欠です。本年は子ども会の人数が9,519人に達しております。100人以上の子ども会が12カ所あります。本年、子どもクラブを設置していただいている5つの幼稚園は使命感で協力いただいております。開設されている幼稚園では幼稚園の負担がかさむと言われております。この解消のため、本市として1つの園に対して補助の増額と、また総額の予算として、せめて各区に二、三カ所は新規開設できるようふやしていただけないものでしょうか、お尋ねいたします。
留守家庭子ども会の古いプレハブですが、早急に計画を練り直し、建てかえを促進していただきたいと強く要望いたします。子供たちがかわいそうではありませんか。先ほどの答弁で10年ということですが、私としましては、少なくとも5年以内には20年以上たつプレハブがないよう改善していただきたい、当局の決意をお聞かせください。
また、1問目で冒険遊び場的な公園についてお尋ねいたしました。これには都市整備局に公園のつくり方を伺わなければなりませんが、詳細は次の機会に質問することとしまして、これからの公園づくりという視点から、都市整備局にぜひ検討をお願いしたいと要望いたします。
次に、児童の通学時の安全対策です。防犯ベルの貸与、配布については、署名を受けて実施に踏み切った自治体も相次いでいます。杉並区危機管理対策課では、5歳から15歳までの子供たち全員に防犯ベルを配るのは全国でも例がないと思う。杉並区内にいる子供たちは全員が防犯ベルを持っているということが犯罪への大きな抑止力になるはずとして実施されています。このほか、配布の対象や方法は異なるものの、全国の自治体で防犯ベルを子供たちに配る動きが活発化しています。ちなみに、東京23区では半数以上の区が既に配布を実施、または決定しています。それ以外のほとんどの区も、現在検討中とし、配布予定がないとしているのはわずか数区だけとなっているのです。政令市である千葉市は、本年早々と全小中学校、養護学校の児童生徒7万1,000人に防犯ベルを配布いたしました。愛媛県では、本年度中に24市町で貸与や配布を実施すると決めております。本市でも実行のときが来ていると考えますが、御所見を伺います。
不審者情報の連絡については、携帯電話メールに配信するシステムを実験することからスタートしていただきたいのですが、御所見を伺います。
小学校の特殊学級の設置についてですが、対象児童数を超えれば必ず設置していただきたいと教育委員会にお願いいたします。1人1人の子供たちの将来のため、今我々ができることをしっかり取り組みたいと思います。
さて、新設校についてですが、将来の見込み児童数が重要なことがわかります。松島小校区では今もマンション建設が進んでおり、2年以内に5棟が新築されます。入居が済んでからの調査では遅きに失します。これまで本市では、児童数がオーバーし、教室が不足した場合、プレハブ等で臨時教室をつくってきましたが、そこで勉強し、卒業する子供たちは学校生活の思い出がプレハブ校舎なんて本当にかわいそうなものです。福岡市の財政が厳しい状況であることは承知いたしておりますが、片やアイランドシティに国際理解を教育活動の柱とする小中学校の建設を検討するなどと新聞報道されております。今、大規模校で現実に教室不足で悩んでいる地域は、このような報道があるとたまりません。住民の方々から御批判の意見が入ってきております。新設校の場合、小学校用地としては5,000坪要ると聞いておりますが、最近の例では新規に土地を買うと2ヘクタールで概算二、三十億円、建設費用で十五、六億円かかっております。単年度の予算措置で済む話ではありません。校区単位で、ここの校区はこの人数まで増加すると新設するとか、今の小学校の近隣の土地を買収して校舎を建てるといった具体的な方策を示していただきたいと考えますが、御所見を伺います。
以上で2問目の質問を終わります。
◯議長(川上義之) 酒井港湾局長。
◯港湾局長(酒井勇三郎) アイランドシティにおきます野鳥公園整備についてお答えいたします。野鳥公園につきましては、エコパークゾーン整備基本計画の中で位置づけられておるところでございますが、その整備に当たっては、本年度から各分野の専門家や市民の方などで構成いたします委員会を設置いたしまして、平成17年度を目途に基本構想の策定を行っていくこととしております。基本構想の検討に当たりましては、ワークショップやシンポジウムなどの場を設け、広く市民の意見や提案を受け、エコパークゾーンの中核的な施設としてふさわしい整備となるように努めてまいりたいと考えております。
次に、和白干潟や野鳥公園の整備のあり方についてのお尋ねでございますが、和白干潟や野鳥公園は港湾計画上、エコパークゾーンのエリアとしております。エコパークゾーンは人と自然と都市の共生を図る空間として、自然環境の質的向上を目指し整備を進めるものとしております。渡り鳥や水生生物などの観察、また、自然海岸や親水空間での体験など、都市の中でのこのような自然は市民にとって貴重な安らぎの空間であり、学習の場としても重要でございます。このため、野鳥公園を初めとするエコパークゾーンの整備に当たりましては、市民や本市を訪れる多くの方々が親しむことができるようなものをつくってまいりたいと考えております。また、NPO団体の活動の拠点となる施設などについてでございますが、地域に根差したNPO団体の情報交換の場や子供たちの自然観察などの場づくりも不可欠であると考えております。このことにつきましても、野鳥公園基本構想検討委員会の意見を聞きながら検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
◯議長(川上義之) 植木環境局長。
◯環境局長(植木とみ子) 博多湾流域における排水対策についてでございますが、博多湾には流域の16市町村からの流入があり、議員御指摘のとおり、本市の対策のみでは博多湾の保全は十分ではございません。福岡市では博多湾水質保全計画におきまして、環境基準点等の維持、達成に努めることを目標に掲げており、この達成に向け、県及び流域市町村と連携し施策を推進しております。まず、県におきましては、流域別下水道整備総合計画に基づいて流域関連の下水道の整備を着実に進めるとともに、平成15年度に福岡地域公害防止計画を策定し、この中で海域のCODに係る水質汚濁の防止を図ることを特に重点的な課題の1つとして掲げております。また、現在、福岡都市圏広域行政推進協議会や福岡都市圏環境行政推進協議会におきまして、生活排水対策に関する普及啓発を実施しているところであり、今後ともこれらの協議会において流域市町村と連携をしてまいりたいと考えております。
次に、自然再生推進法を活用した和白干潟の保全についてでございますが、議員御紹介していただきましたように、和白干潟を再生するための市民レベルでの取り組みが進んできておりまして、環境局の職員も月1回は干潟に出向いてボランティア活動を行っております。このような動きが広まり、市民レベルで干潟を愛する心が高まってきてほしいと考えているわけです。自然再生推進法に基づく自然再生事業は、過去に損なわれた自然環境を取り戻すことを目的として、関係行政機関、地方公共団体、地域住民、NPO、専門家等の地域の多様な主体が連携して取り組むものでございます。和白干潟の保全に関する活用については各局連携し、市民との共働の中でそのつながりをますます深めながら検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
◯議長(川上義之) 鶴川保健福祉局長。
◯保健福祉局長(鶴川 洋) まず、子育てサロンの情報についてでございますが、各区の情報を保健福祉センターで集約し、市のホームページに掲載するとともに、保健福祉センターや公民館等において随時周知に努めております。また、サロンの運営に携わる子育てサポーターが区の中のサロンの状況について情報を共有し、課題を解決していくための交流会や研修会を保健福祉センターと市民センターが連携して実施しており、今後ともさらに情報の共有に努めてまいりたいと考えております。
次に、留守家庭子どもクラブにつきましては、大規模子ども会の待機児等の受け皿として今後も幼稚園等と協議し、可能なところから開設してまいりたいと考えております。運営委託料の増額につきましては、今年度の子どもクラブの運営状況等を見ながら、できるだけ広く制度の利用が図られるよう検討してまいりたいと考えております。また、留守家庭子ども会の古いプレハブ施設につきましては、市としても課題があると認識しております。今後とも入会児童の安全面や施設面に配慮し、空き教室の活用など、幅広い観点からの対応も検討しながら、施設整備の充実について鋭意検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
◯議長(川上義之) 生田教育長。
◯教育長(生田征生) 防犯ベルなどについてでありますが、本年4月に民間会社から福岡県青少年健全育成対策推進本部を通じまして防犯笛の寄贈を受けましたので、新1年生全員に配布をいたしております。また、校区によりましては、PTAや自治協議会から防犯ベルや防犯笛の配布がなされているといった例もございますので、今後、防犯ベルなどの導入の方法などについて検討する必要があると考えております。
それから、携帯電話へのメール配信システムの導入に当たりましては、先ほど述べましたような課題がございます。また現在、本市では学校教育情報ネットワークとして各学校でインターネットへの接続をしておりますので、この既存のシステムを活用する情報発信の方法について、技術的、経費的な研究も進めたいと考えております。そのため、当面他都市におけるメール配信システムの運用状況も参考にしながら、メール配信システム実施の前提条件となるいろいろな課題について、今後とも積極的に研究を進めてまいりたいと考えております。
それから、学校の過大規模化への対応の具体的な方策についてでございますが、児童数の増加に伴う教室の不足すると見込まれる期間などの状況によりまして、プレハブ教室の設置や教室の増築を行ってきております。それからまた、相当の期間継続して31学級以上となると見込まれる場合には、隣接する学校の児童生徒数の動向、将来推計、校舎の改築計画の状況など、多様な面から検討をすることとなります。なお、お尋ねの松島小学校につきましては、昨年実施をしました将来推計によりますと、6年後の平成21年度に31学級に達するものと見込んでおりましたが、議員御指摘のように、予想していました以上に住宅開発の進展という要素もありますので、今後、より精密に推計を行ってまいる必要があると考えているところであります。以上です。
◯議長(川上義之) 山口剛司議員。
◯19番(山口剛司) 博多湾アイランドシティにおける環境保全対策についてですが、さまざまな形で学識経験者や市民の意見を幅広く集約し、ラムサール条約に登録するという目標を持って、ぜひ国指定の特別保護区につなげていただきたいと考えます。国の自然再生推進法を活用してはと考えますが、御所見を伺います。
環境保全対策は市民の生活に密接につながっていることですから、開発と保全の両輪でアイランドシティ事業の成功に結びつけていきたい。福岡市の一大観光名所にも育てていければと考えますが、市長の御所見を伺います。
また、子供施策においては、将来の福岡市を担っていく、もっと言えば、日本の将来を担う子供たちに安全で安心な施策を行うことは重要なことと考えます。子どもプラザや留守家庭子どもクラブは年を重ねるたびにますます充実させていっていただきたい。留守家庭子ども会のプレハブについては、先ほど局長の答弁にもありましたように、耐用年数が過ぎても使用したりしているのですから、事業予算を減らさずにしっかり推進していただきたい。本質的にはプレハブづくりではなく、しっかりした校舎が必要と考えますが、御所見を伺います。
ことし4月27日、山崎市長は、子供の安全確保は大事。警備保障会社と契約して小学校の外周りを警備してもらうとか、防犯ベルの助成が考えられないか前向きに研究したいと、署名をお渡しした際に答えられました。防犯対策として、他都市において防犯ベルが配布されたと連日報道されております。先ほど防犯笛の話がありましたが、犯罪に巻き込まれそうになったとき、子供たちにとって最も効果的に使用できるのは防犯ベルです。福岡市においても遅きに失することがないよう早急に防犯ベル配布を実施していただきたいと考えます。もし一度に全小中学生に実施できないのであれば、まず、小学1、2年生と、女子中学生で部活のため帰りが遅くなる生徒に支給するなど、段階的にでも実施できないでしょうか。重要性を理解していただいている山崎市長の御決断を伺いたい。
また、小学校の新設については、市としても大きな財源が必要なことから、ぜひ今後の実施計画を踏まえ検討を始めていただきたいと要望します。特に、学校建設や運営のための基金の創設も考えてはいかがでしょうか。山崎市長の御所見を伺い、私の質問を終わります。ありがとうございました。
◯議長(川上義之) 山崎市長。
◯市長(山崎広太郎) 和白干潟の問題でございますけれども、アイランドシティ事業は、私どもは環境との共生、環境と共生できるということを最大のテーマにいたしておりますので、今日の国の普通地区から、さらに特別保護区、そしてラムサール条約指定、こういう流れということを認識して取り組んでいきたいと、このように考えておるところでございます。
それから、防犯ベルの問題は何度もおただしでございまして、平畑議員からも御指摘いただきましたように、今後教育委員会と相談して検討させていただきたいと、このように思っております。
それから、新設校の問題ですが、全体的には児童数がピーク時と比べると7割になっておると。ただ、地域で差が出ておると。非常に空き教室がふえている学校もある一方で児童数がふえておるという地域もあると、こういうことでございまして、総合的にやはり検討していくことが大事だと、このように考えておるところでございます。それから、多額の財源を必要としておりまして、この確保については議員御指摘の件についても研究をしてまいりたいと考えております。
◯19番(山口剛司)登壇 私は、公明党福岡市議団を代表して、本会議に上程されている平成16年度一般会計、特別会計、及び企業会計の予算議案、条例案並びに関係諸議案については、原案に賛成の意を表し、討論を行います。
まず、行財政改革についてです。
平成16年度予算編成は、長引く景気低迷や国の一方的な地方交付税や国庫補助金などの大幅削減によって、極めて厳しいやりくりを強いられることとなりました。新年度については、各種基金の取り崩しによって、何とかしのぐ形になったものの、平成17年度以降は、国の三位一体改革の動向いかんによっては、さらに大幅な縮減を強いられることになることが予想されるだけに、これまで以上の徹底した行財政改革が求められます。
将来の税源涵養に結びつく地域経済の活性化に取り組むことは当然として、公共事業のコスト縮減を初めとする経常経費の徹底した削減、各種補助金の整理、合理化、外郭団体の統廃合、企業会計や特別会計の経営改革の推進、PFI事業の積極的活用等々に、これまで以上の熱意で取り組まれることを、まず求めておきます。
次に、電子市役所の構築についても、平成17年8月からスタートする電子入札を初め、インターネットによる各種証明書の交付申請など幾つかの事業が平成18年度開始をめどに進められていますが、市民サービスのなお一層の向上のため、さらに意欲的な取り組みを要望します。なお、IT化に伴う個人情報の保護など安全管理についても、積極的な取り組みを求めます。
次に、地域コミュニティーの自律経営を目指して展開される各校区における自治協議会の発足については、地域の住民の理解と納得のもとに進めることが重要であります。このため、拙速に陥ることなく、できる限り多くの地域団体や住民が参加できるよう、徹底した話し合いと自治協議会立ち上げの支援強化を要望しておきます。
また、新年度に発足するNPO・ボランティア支援基金については、我が会派も早くから提唱していたものであり、早期創設と基金の充実を求めておきます。
次に、教育問題についてです。
真に子供のための心豊かな人間成長を実現するため、創造性をはぐくむ教育、外国語、国際理解、人権、情報、環境教育など、新たな時代の要請に対応した教育を積極的に推進するよう求めます。また、特色ある教育のため、少人数学級、通学区域の弾力化、2学期制の導入、中高一貫教育の実現等に取り組んでいただきたいと思います。
特別支援教育については、障害の重度重複化を踏まえ、医療的支援体制の充実、また、普通教室における特別な教育的配慮を必要とする子供に対する支援策についても取り組まれるよう要望いたします。いじめ、不登校の解決へ向けて、スクールカウンセラーや心の教室相談員を積極的に活用するとともに、教育相談体制の強化に努めていただくよう要望します。また、教師の資質向上及び指導力の向上のための取り組みを強く求めます。読書活動を推進するため、朝の読書運動や読み聞かせ運動の推進、学校図書館への司書配置の充実や学校図書館ボランティアの育成に努めていただきたいと思います。開かれた学校づくりのため、学校サポーター会議の充実並びに学校評議会の設置を要望いたします。生涯学習の推進については、公民館の整備、機能強化を図り、大学や地域、NPOなどとの連携、交流の促進を求めます。
次に、児童生徒の安全対策については、学校の安全管理体制の総点検、見直しを行い、防犯監視システム、門、フェンスの設置などの整備を行うとともに、学校独自の防犯マニュアルの策定を求めておきます。また、子供の登下校や外出の際に高齢者に協力していただき、散歩をしながら子供たちを見守ってもらうなど、地域ぐるみの取り組みを強く要望します。
文化芸術の振興については、音楽・演劇練習場や地域の文化芸術施設の整備を進め、地域文化の指導者や後継者、若手芸術家の育成、並びに未来を担う子供たちが本物の文化芸術に触れる機会を充実していただきたいと思います。また、文化芸術振興条例の早急な制定を求めます。
スポーツの振興については、市民が気軽に利用できる運動広場の整備やスポーツリーダーの育成を図るとともに、総合型地域スポーツクラブの創設についても要望いたします。
次に、次世代育成支援対策の推進についてです。
企業を初め地方公共団体は平成16年度末までに行動計画を策定し、平成17年4月1日以降速やかに届け出なければならないとされています。地方公共団体の行動計画には、1、地域での子育て支援、2、母子の健康確保、3、教育環境の整備、4、子育て家庭に適した居住環境の確保、5、職業と家庭の両立などの施策が盛り込まれるようであります。次世代育成支援の効果が最大に発揮できる行動計画を策定されますよう要望いたします。
本市では、子供が生き生きと育つ環境づくりとして、子育て交流サロンや子どもプラザなどの施策を実施いたしますが、地域全体で子供をはぐくんでいけるよう、きめ細やかな取り組みを要望いたします。放課後の遊び場づくり事業や留守家庭子ども会事業、留守家庭子どもクラブについては、市民が喜んで利用できるよう市民本位の施策の展開を強く要望いたします。
障害者の自立と社会参加については、ホームヘルプサービス等の在宅福祉の充実、さらには、知的障害者のグループホームや地域生活センターの設置等、障害者の地域での生活を支援する各種施策の積極的な取り組みを強く要望いたします。
介護保険については、安心して介護が受けられる体制づくりの観点から、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設などの施設基盤整備の前倒しや、施設介護サービスを補完するケアハウスや高齢者グループホームの設置など、介護基盤の早期整備を要望いたします。介護保険利用料の1割負担については、支払いが困難で十分なサービスの提供が受けられないとの訴えもあり、支払いが困難な利用者に対して減免制度を早急に導入されますよう要望いたします。
高齢者虐待については、生命の危機に及ぶこともあり、本市調査に基づいて早急なセーフティーネットの整備を要望いたします。
次に、アイランドシティ整備事業についてです。
今や全部局が何らかのかかわりを持って推進する事業となってきました。まちづくりの初期段階にある現在、計画の見直しを迫られるなど情勢の変化は大であります。まさに市民の幅広い意見を伺いながら、行政、議会で知恵を出し合う必要があります。当局におかれましては、ぜひ情報開示を進めていただきたい。これまでのように計画が新聞発表されて初めて議会が事実を知るということでは、何をかいわんやです。情報開示について強く要望いたします。野鳥公園やエコパークゾーンと和白干潟についてですが、これまで我が会派は一貫して野鳥の保護と干潟の保全に対し発言しております。特に和白干潟は昨年11月、国設鳥獣保護区に認定されており、今後国の自然再生推進法に決められた整備事業も活用し、ラムサール条約に登録することを視野に入れながら整備を図るべきであると要望いたします。
次に、中小企業対策についてです。
景況感も中央では徐々に良くなってきているとはいえ、本市の事業者ではいまだ好転の気配が見えておりません。本年も商工金融資金として822億円余の予算を出されています。しかし、審査等の段階でこの融資の条件を満たせなくて受けられないケースが出ております。厳正に対処することが重要であることは論をまちませんが、可能な限り条件の緩和を実行していただき、借りかえを含め融資の実行をしていただきたいと要望いたします。雇用問題については若者の就職率の低下が深刻な問題になっております。中高年層の就職も大きな問題です。これまで雇用対策は国と県で対策をとっていたところを本市でも予算をつけ積極的に取り組むことは大いに評価できます。就職率の向上のため実のある成果が出せるよう求めます。
農林水産業についてですが、本市の食糧自給率が下がっております。生産農地の減少に加え、人口が増加しているため前年より毎年減少しています。農業従事者の高齢化と減少も深刻な問題です。本市農林業水産業総合計画の実行で振興を図っていただくことを要望いたします。
次に、良好な住宅、住環境づくりについてです。
公営住宅については、高齢者や障害者が安心して住めるように、バリアフリー化や福祉施策との連携を図るよう要望します。また、PFIなどによる民間活力の導入を図り、建てかえや全面的改善などによってストックを有効に活用し、効率的な整備を推進するよう要望します。あわせて、民間事業者などによる優良なファミリー向け住宅などへの支援、誘導を図り、多様なライフスタイルに応じた住宅供給の促進を図っていただきたい。
民間共同住宅については、適切な維持、管理などの啓発を進めるとともに、分譲マンション建てかえへの支援を推進していただきたいと思います。
次に、人と環境に優しい総合交通体系を整えていくために、公共交通のネットワークを強化し、車から、鉄道やバスなど公共交通機関や自転車への利用転換を図るとともに、パーク・アンド・ライド、時差出勤・通学の促進など、交通マネジメントを推進していく必要があります。公共交通ネットワークの強化並びに交通マネジメント推進を強く要望しておきます。
特に、鉄道駅などを中心として、駅施設や車両、周辺道路などにおけるバリアフリー化を促進し、安全で円滑な移動の確保を図るよう求めます。
平成17年2月開業予定の3号線については、1・2号線との結節は利便性や採算性の上から不可欠であり、築港、博多駅方面の延伸計画に早急に取り組まれるよう要望します。また、3号線沿線のまちづくりと集客対策を兼ねて、特に、橋本、野芥、福大、六本松などの拠点駅においては駅前広場や自転車駐輪場の整備など交通結節機能の強化を図るとともに、近辺住宅街を結ぶ循環バスの導入についても早期に取り組んでいただきたいと要望します。
次に、福岡市高速鉄道事業会計ですが、高金利債の借りかえ促進や駅業務の委託など、総事業費の圧縮に引き続き努力していただくとともに、新長期収支計画で想定している予定乗車人員を確保できるよう、関係各局との協議を強力に推進するよう要望いたします。
次に、最も手軽で、環境に優しい交通手段である自転車の活用についてです。駐輪場の設置や、迷惑駐輪対策はかなり進んでまいりましたが、自転車走行空間の確保は遅々として進んでおりません。サイクル・アンド・ライドの視点から住宅地と鉄道駅までを結ぶ自転車走行空間の確保、また自然環境の豊かな地域や文化、観光施設の多い区域での自転車走行空間の形成など、その整備が急務です。重点地域を決め、早急に対処することを強く望みます。なお、好評の天神駐輪場における3時間以内の無料を本格実施し、市内の全駐輪場にも適用するよう提案いたします。
次に、九州大学の移転についてです。
移転先の西部地域や箱崎、六本松の移転跡地のまちづくりに取り組むとともに、移転計画と工事の進捗状況については、市のホームページやメディアなどをさらに活用して、市民に具体的に、タイムリーに公表していくよう要望いたします。
次に、環境問題についてです。
地球環境対策としての交通マネジメントの推進は喫緊の課題です。ノーマイカー市民運動に本腰を入れて取り組むとともに、マイカーから公共交通機関へのシフトを促進する効果的な施策を、広く市民にアピールすることが重要と考えます。循環型社会の構築に向けて、新たなごみ処理基本計画で、ごみの排出抑制目標やリサイクル目標を示し、目標を達成することができる、実効性のある行動計画を早急に明らかにするよう要望いたします。また、ごみ処理有料化の議論がなされておりますが、福岡市のごみ行政はどうあるべきか、1人1人が考え判断できるよう、校区説明会等で必要な情報を十分に開示することを要望いたします。
次に、浸水対策事業についてですが、博多駅周辺を三たび浸水させない対策として、山王公園での雨水調整池新設のほか、3万トン規模の雨水貯留管の整備など、1999年の6.29水害並みの集中豪雨に耐えられる対策、いわゆるレインボープランを策定しました。総事業費300億円、主要施設を5年間で整備、全体の完成を8年としていますが、主要施策の完成を少なくとも二、三年程度短縮するなど、市民の不安解消に全力を尽くすよう強く要望いたします。また、河川や治水池が、市民に潤いや親しみを感じさせる貴重な資源となっていますので、整備に当たっては本来の自然を損なうことなく、住民の意見を入れた水辺環境にするよう要望しておきます。
次に、人に優しい安全で快適な生活道路や側溝の整備についてです。地域住民と身近にかかわり合う場所が、歩道や側溝であります。最近では老朽化や高齢化、地域環境の変化などにより、安全性、快適性が失われてきております。これらの維持管理、補修については十分に予算計上し、最重点事項として取り組まれますよう特に申し上げておきます。
次に、水道事業について申し述べます。
鉛製給水管取替事業ですが、水道水における鉛の水道基準はリットル0.05ミリグラム以下から平成15年4月に0.01ミリグラム以下に強化されております。このため水道局では、漏水発生給水管取替事業及び配水管整備事業とあわせ年間約2,000戸の取りかえを推進しております。本市で平成14年度末、約7万戸に鉛製給水管が使用されているということです。当局におかれましては、市民の生命、健康を守り、安心、安全な水の供給を図られるよう、鉛製給水管取替事業については、より一層の積極的な取り組みを要望いたします。
次に、水道用資機材の調達方式の変更についてです。
これまで当局が購入し請負工事業者へ支給する支給材料制度を基本としてきましたが、口径300ミリ以下の水道用資機材について、一部を除き請負工事業者が直接購入する請負材料制度へ変更することになっています。地元中小業者からは、これまでよりも材料費が高くなるのではないかとの心配の声が上がっております。制度の変更により請負工事業者に新たな負担がかからないよう、今後の取り組みについて意見を申し上げます。
最後に、水道事業財政収支計画についてです。
平成16年度に策定作業が行われますが、当局はこれまで財政健全化として高金利の企業債の借りかえや企業債発行の抑制、事務事業の見直しなどにより、大幅な経費節減に取り組まれております。しかし、料金収入の減収傾向に加え、渇水時の減収に対する一般会計からの補助金が16年度に終了することなどにより、今後、財政状況は厳しくなると考えます。17年度から実施される水道事業財政収支計画については、機会あるたびに水道料金を抑制されるよう意見を申し上げてきたところでありますが、今後とも経費の節減や経営効率化に努められ、現行料金をできるだけ長く維持されますよう要望いたします。さらに、下水道会計におきましても、市当局は有識者の検討委員会の提言を受け、17年4月をめどに下水道料金を値上げするとしていますが、市民負担を極力抑制するよう強く要請いたします。
以上、我が党の意見要望を述べてまいりましたが、市民の皆様とともに市民の皆様のためにということを根本に据えて、山崎市長を初め職員の皆様には使命感にあふれた市政の運営に取り組んでいかれますよう希望いたしまして、公明党福岡市議団の賛成討論を終わります。
◯19番(山口剛司)登壇 私は、公明党福岡市議団を代表いたしまして、本市で就学している留学生や在留外国人の支援についてと、安心、安全なまちづくりを進める上で重要な施策としての街路灯整備について質問いたします。当局の前向きの回答を期待いたします。
まず初めに、留学生や在留外国人の支援について質問いたします。
勉強するのにアルバイトをしながら生計を立てている留学生が多いのですが、1カ所のアルバイトでは生活費が足りないため、夜だけでなく朝も昼も働いている。さらに、昨今の雇用情勢では働き先の求人が減少しており、環境はますます厳しくなってきています。学生の中には、違法に働いたり窃盗グループに入ったりしているケースも報告されています。本年11月に開催された来日外国人犯罪抑止・所在不明事案等防止連絡会議では、正規のビザで入国後、所在不明になった留学生や研修生が福岡県内で本年1月から9月の間で110人になったと報告されています。昨年は1年間で63人ということですから、既に2倍近くにふえています。そこで現状についてお尋ねいたします。
まず、留学生の人数ですが、先ごろの報道によると全国で10万人を突破したと伝えられております。福岡市並びに福岡都市圏、福岡県内に何人の留学生がいますでしょうか。国費留学生、私費留学生と分けてお示しください。さらに、出身国別に分けると上位5カ国はどの国で何人でしょうか、お示しください。また、在留外国人は福岡市で何人登録されていますでしょうか、各区別に上位からお示しください。また、留学生に対する保証人の件です。特に先ほど述べました所在不明の学生について、日本人の保証人がいましたでしょうか。また、所在不明の生徒のうち、留学生は何人いましたでしょうか、お尋ねいたします。
次に、生活支援についてお尋ねいたします。留学生などの支援は、本市の場合、財団法人福岡国際交流協会が中心となって活動されております。国の機関も別にあり、支援されているということですが、それらを含めてお示しください。
まず、奨学金制度についてですが、どのようなものがありますか。対象者、給付額、人数について、返済のあるなしについてお尋ねいたします。また、現在の支給規模と人数、金額に改定してから何年がたつのでしょうか、あわせてお示しください。
次に、住居支援についてはどのような制度がありますでしょうか。また、留学生を入居させてもよいと言われるアパートの総戸数は幾つありますか。家賃は一般市民が入居するときと比べて差があるのでしょうか、お尋ねいたします。
次に、医療支援についてです。2002年度外国籍市民アンケートの中で、福岡市は94.3%の人が住みやすいと思っていると報告されておりますが、日常生活での悩みや困ることの項目では、1位に物価が高いこと、2位に言葉が通じない、そして3位に、日本語以外で診療が受けられる病院についての情報が少ないということが挙げられております。在留外国人や留学生に対して私たちが加入している健康保険みたいな制度がありますでしょうか。また、外国語で受診できる病院は何カ所あるのでしょうか。医療について相談があるときはどこで話を聞いておられるでしょうか。また、各区にある保健福祉センターでは相談など受けられていますでしょうか、お尋ねいたします。
次に、市民とのコミュニケーションの場づくりであります。1995年8月に開催されたユニバーシアードのときは、各校区などで海外の選手のおもてなしをしました。その国の文化や習慣についてみんなで勉強したおかげで、選手たちに喜んでいただき、大成功したと記憶しております。それでは現在はどのような交流事業を行っていますでしょうか。補助金を出している事業がありましたら、その事業名と金額もお示しください。また、それらの事業に対して市民の反応はいかがかお尋ねいたします。また、小中学校においてはどのような交流を進めておられるのでしょうか。全学校に対する計画があれば、あわせてお示しください。また、外国人が日本で学ぶ日本語教室におけるネットワークですが、どのようにされておりますでしょうか。何か市として支援されていますでしょうか、お尋ねいたします。さらに、今日まで卒業された留学生に対し何か連携の機会を持つなど実施されたことがありますでしょうか、お尋ねいたします。
次に、ここ数年、外国人の方々がわかるように誘導板や案内板など改善された実績や今後の取り組みについてお示しください。
2つ目のテーマとして、安心、安全なまちづくりを進める街路灯整備についてお尋ねいたします。本市においては、都市基盤整備としてさまざまな対応をされておりますが、防犯や景観の観点から見ましても、照明灯は非常に重要な、かつ効果があるものと認識いたしております。
まず、本市におけるひったくり犯罪の件数についてお尋ねいたします。ここ2年間どのように推移しておりますでしょうか。所轄ごとにわかりましたらお示しください。中でも増加している地域はありますでしょうか、お尋ねいたします。政令指定都市において全照明灯の設置数と人口に対する1本当たりの比率では、福岡市は何番目になるのでしょうか。中でも照明灯の設置が他都市に比べて進んでいると言われている札幌市、仙台市については設置本数、人口比率についてもお示しください。
次に、福岡市が設置管理する直営灯である一般道路照明灯と生活道路照明灯の設置本数をお尋ねいたします。また、ポール式と共架式がありますが、3カ年の設置比率もお示しください。また、直営灯のうち生活道路照明灯の設置にかかわる予算について、過去3カ年の推移はどのようになっておりますでしょうか。これまでも議会で1本当たりの単価が下がっているのに要望されている本数が設置されていないという指摘がありました。平成14年度に生活照明灯の要望があって設置されていない本数が区ごとにわかりましたらお示しください。また、その設置されなかった理由は何だったのでしょうか。あわせてお尋ねいたします。
次に、町内会が設置する防犯灯や商店会が設置する明町灯の設置数と、それらの補助金の額、設置費に占める補助金の割合についてお伺いいたします。過去3カ年の推移はどのようになっておりますでしょうか。明町照明協会については、本市からの補助金の内容も含めお示しください。全照明灯の調査として、昨年行った道路照明灯の状況はいかがだったでしょうか。結果を教えていただくとともに、問題点がありましたらお示しください。照明ですから、球切れが発生いたします。防犯灯の交換では町内会の世話役の方でしょう、脚立を持ち出されて蛍光灯をかえておられるのをよく見かけます。高齢の方もいらっしゃるし、安全の上からも何らかの是正をする必要があると考えます。現在はどのような対応をされておりますでしょうか。照明灯の新技術について何か研究をされていますでしょうか、お尋ねいたします。
次に、電線地中化事業についてお尋ねいたします。電柱がなくなれば、共架式などの照明灯のあり方が変わってまいります。これまでの計画の推移と、それに対する整備状況はどのようになっておりますでしょうか。さらに、今年度の整備路線及び整備延長をお示しください。また、現在進めている第4期計画は予定どおりに進んでいるのでしょうか、お尋ねいたします。
以上で第1問の質問を終わります。2問目以降は自席にて行います。
◯副議長(大石 司) 高田総務企画局長。
◯総務企画局長(高田洋征) 留学生に関しましてお答えいたします。多項目にわたるおただしですので、答弁が少し長くなりますことをお許し願いたいと存じます。
まず、平成15年5月1日現在のデータでございますけれど、福岡市の留学生数は2,212人、うち国費留学生が325人で私費留学生が1,887人でございます。出身国、地域別には、上位から中国が1,457人、韓国が285人、台湾が67人、インドネシア45人、マレーシア、ベトナムが同数で28人となっております。また、福岡都市圏の留学生数につきましては2,779人で、うち国費留学生が336人、私費留学生が2,443人で、出身地域別では、中国が1,818人、韓国が423人、台湾124人、インドネシアが46人、ベトナムが29人となっております。また、福岡県内の留学生数につきましては4,304人で、うち国費留学生が387人、私費留学生が3,917人で、出身国、地域別では、中国が3,109人、韓国が511人、台湾が164人、マレーシアが57人、インドネシアが54人となっております。
次に、福岡市の外国人登録数では、平成14年12月末現在で1万7,665人となっておりまして、区ごとの内訳につきましては、上位から東区が5,878人、博多区が3,774人、中央区が2,971人、南区は1,984人、早良区が1,299人、城南区が919人、西区が840人でございます。
また、保証人に関しましてですが、福岡入国管理局によりますと、平成8年度までは、留学生、就学生の在留資格認定に当たって身元保証書が必要でございましたが、平成9年度以降は必要がなくなったということでございます。しかし、日本語学校等におきましては、現在でも個別に身元保証人を求めている例があると聞いております。また、所在不明との通報を受けた110人のうち22人が大学、短大、高等専門学校からの通報でございまして、これらは留学生であると考えられます。お尋ねの所在不明学生に係る保証人につきましては、このような事情から、本市といたしましては把握することが困難であるということでございます。
次に、留学生の奨学金制度でございますが、国におきましては、国費留学生の招致のほか、私費留学生に対します学習奨励費の給付などの事業を行っております。本市では、現在、財団法人福岡国際交流協会におきまして、福岡留学生奨学金、ユニバーシアード市民の会記念奨学金、留学生育英奨学金の3種類の奨学金を支給いたしております。これらの奨学金は、いずれも返済の必要はなく、対象は福岡都市圏の大学に在籍する留学生となっております。まず、福岡留学生奨学金でございますが、金額は月額2万円、人数は115人となっております。昭和63年度開始時の40人から平成5年度にかけて次第に115人にふやしてきておりまして、改定後10年を経過いたしております。支給額は開始時から変わっておりません。次に、ユニバーシアード市民の会記念奨学金でありますが、金額は月額5万円、人数は5人となっております。平成8年度開始から7年を経過し、支給額、人数とも変わっておりません。留学生育英奨学金につきましては、民間団体や企業、個人からの寄附金による奨学金制度でありまして、奨学生は寄附者の希望に基づき選定されます。金額は、学部の学生で年額30万円以上、大学院生で年額50万円以上の基準で、寄附者が決定することとなっております。支給規模につきましては、平成12年度開始時は15名、支給総額520万円でございましたが、次第にふえまして、平成15年度実績では27名、支給総額が1,304万円となっております。
次に、国による留学生の住宅支援といたしましては、国立大学に留学生宿舎を整備しているほか、財団法人日本国際教育協会の私立大学や地方公共団体等の留学生宿舎整備に対する奨励金制度があります。また、財団法人内外学生センターにおきまして、留学生への住居のあっせんを初めとして、民間の宿舎を留学生の専用宿舎として指定し、貸し主に協力金を支払う指定宿舎制度の運用などを行っております。本市の住居支援につきましては、福岡学生交流会館及び六本松学生交流会館におきまして、留学生向けに世帯者用住宅5戸と、単身者用居室24室を提供するほか、留学生が住宅の賃貸契約を結ぶ際に財団法人福岡国際交流協会が連帯保証人となります留学生住宅保証制度を実施いたしております。また、留学生の入居可能な賃貸物件につきましては、総戸数は把握できておりませんが、留学生住宅保証制度には福岡県宅地建物取引業協会など不動産業界の団体も加入しておりまして、協力業者数は現在約400ほどございます。また、留学生の住居の平均家賃につきましては、平成11年度にこれも国際交流協会が行った留学生生活実態調査によりますと、月額2万8,198円となっております。これに対しまして福岡市内の民間借家の平均家賃は、これは5年に1度実施されております住宅・土地統計調査の平成10年度実績数値によりますと、5万3,071円でございます。
次に、外国語で受診できる病院数についてでございますが、福岡国際交流協会におきまして、外国語で診療可能な福岡都市圏医療機関ガイドという冊子を作成いたしておりまして、区役所の外国人登録窓口を初め、レインボープラザ、保健福祉センターなどで配布いたしております。この冊子には、英語、中国語、韓国語等で診療できる医療機関延べ329件の情報を記載いたしております。
次に、留学生を含めた在住外国人と市民の交流についてでございますが、留学生と市民が家族ぐるみの交流を行う留学生ホームビジット交流、公民館等に留学生を講師として紹介し、生活習慣や文化についての講演などを行います「留学生と世界を学ぼう」、留学生を講師といたしまして、言語だけでなく留学生の母国の文化などについて学ぶ外国語教室などの事業を財団法人福岡国際交流協会で行っているところでございます。また、市民の国際交流活動に1件30万円以内で助成を行う国際交流活動助成や校区で行われます国際交流活動などの事業に事業費の2分の1で10万円を上限として助成を行っております校区国際交流活動助成事業などの助成事業を行っております。市民の反応につきましては、ホームビジット交流事業終了後に実施いたしておりますアンケートによりますと、お互いの国の文化を知ることができた、あるいは留学生の生活の状況を理解することができた、これからも交流を続けていきたいなどの感想が多く寄せられているところでございます。
次に、日本語教室のネットワークについてでございますが、在住外国人の日本語学習を支援するボランティア団体の活動促進と相互交流を図ることを目的として、平成15年の2月に福岡日本語支援ネットワークが発足されたところでございまして、本ネットワークへの支援につきましては、これまで福岡都市圏の日本語教室のガイドブックを所属団体有志とともに作成したほか、外国人による日本語スピーチコンテストを平成16年1月に共催する予定となっております。今後とも在住外国人の日本語支援を推進していくに当たりまして、本ネットワークとの共働を進めてまいります。
最後に、卒業後、本市地元企業などに就職した留学生の方々につきましては、必要に応じて国際化施策に関する御意見をいただいております。卒業後帰国された留学生につきましては、留学生を含む外国人の希望者に対しましてレインボープラザを通じたメールマガジンの送付を行っておりますが、その他につきましては連携の機会を持つことが少ないのが現状でございます。以上でございます。
◯副議長(大石 司) 鶴川保健福祉局長。
◯保健福祉局長(鶴川 洋) 外国人の方の健康保険の適用につきましては、会社などにお勤めの方やその扶養されておられる方は勤務先の社会保険の適用となります。それ以外の方で外国人登録を行い1年以上日本に滞在すると認められている方は国民健康保険の適用対象となります。国民健康保険への加入につきましては、各区保健福祉センター保険年金課で手続を行うこととなります。なお、国民健康保険に加入している外国人留学生につきましては、財団法人日本国際教育協会が行う医療費補助制度がありまして、留学生が支払った医療費の本人負担分の80%が補助されることになり、最終的な負担は医療費全体の6%で済むこととなっております。
また、在留外国人や留学生からの医療に関する相談につきましては、外国語で受診できる医療機関の紹介や日本の医療システムについての相談などがございますが、このような相談につきましては、保健福祉センターでできる限り対応に努めているところでございます。以上でございます。
◯副議長(大石 司) 生田教育長。
◯教育長(生田征生) 小中学校におきます留学生や地域在住の外国人との交流につきましては、特色ある教育推進事業の取り組みの1つとして国際理解教育を実施し、豊かな国際感覚やコミュニケーション能力の育成、異文化理解に努めているところであります。具体的には、国際理解教育に、小学校が123校、中学校42校が取り組み、社会科や総合的な学習の時間などにおいて世界の国々の人々の暮らしなどを取り上げ、留学生や地域在住の外国人等を招いて、異なる文化や習慣を理解し合い、外国の人々とともに生きていくための大切さを学んでおります。また、小学校におきましては、108校が英会話活動に取り組んで留学生などをゲストティーチャーとして招いて、歌やゲーム、遊びなどを取り入れた活動を行っているところです。さらに、福岡県国際交流センターが中心となって実施をしております「教室から世界をのぞこうプログラム事業」を活用いたしまして、留学生を招いての世界の文化や民族の多様性を認め合う授業に53校の小中学校が取り組み、国際交流の推進を図っているところであります。以上です。
◯副議長(大石 司) 大場経済振興局長。
◯経済振興局長(大場美徳) 誘導板や案内板などの改善等についてでございますけれども、複数の局、区が設置しております案内板等につきまして、本年度現状調査を行うこととしており、調査結果をデータベース化し、関係局、区において情報の共有を図ることにより、効率的な維持管理に役立てることといたしております。この調査結果をもとに、経済振興局所管の案内板等につきましては、平成16年度以降5カ年ほどで再整備を行いたいと考えており、再整備に当たっては多言語表記を含めデザインの見直しを行ってまいります。以上でございます。
◯副議長(大石 司) 平間土木局長。
◯土木局長(平間和俊) 街路照明灯設置等についてお答えします。
まず、ひったくり犯罪件数の推移についてでございますが、各所轄署ごとに平成13年と14年を比較し、増減についてお答えします。東署管内では、平成13年に239件、平成14年に294件で、55件の増となっております。以下、博多署377件が584件で207件の増、中央署569件が642件で73件の増、南署、236件が332件で96件の増、西署750件が539件で211件の減となっており、西署以外は増加を続けております。
次に、市が設置管理を行います直営灯の設置本数についてでございますが、平成15年3月末時点で約2万4,000本で、1本当たりの人口は54.8人で、13政令指定都市のうち10番目の整備水準となっております。また、札幌市は設置本数約9万7,000本で、1本当たり18.8人、仙台市は設置本数約6万6,000本で、1本当たり15人となっております。
次に、直営灯の過去3カ年の設置本数のうち、一般道路照明灯につきましては、平成12年度の設置本数が228本で、うち共架式の占める割合は9%となっております。以下、13年度249本、13%、14年度136本、33%となっております。また、生活道路照明灯につきましては、平成12年度の設置本数が545本で、うち共架式の割合は75%となっております。以下、13年度441本、75%、14年度396本、77%となっております。
次に、生活道路照明灯の設置にかかわる予算につきましては、平成12年度約1億4,100万円、13年度約1億1,600万円、14年度約1億600万円となっております。また、平成14年度において照明灯の要望があって設置されていない本数は、各区ごとに東区17本、博多区16本、中央区30本、南区21本、城南区29本、早良区7本、西区33本、今宿出張所管内12本で、合計165本となっております。設置できなかった理由につきましては、単年度で予算規模以上に要望があったこと、歩道整備など他の交通安全施設の整備を優先させたこと、要望された時期が年度末であり対応ができなかったことが主な理由でございます。
次に、防犯灯についてでございますが、平成12年度の設置数は853基、設置に対する補助金552万円、設置費に占める補助金の割合は33%です。以下、13年度は1,222基、769万円、38%、14年度は740基、479万円、33%となっております。明町灯につきましては、平成12年度の設置数は676基、設置に対する補助金は5,982万円、補助割合は31%、以下、13年度は558基、3,382万円、32%、14年度は574基、3,865万円、33%となっております。明町灯の補助の内容につきましては、建設費と建設に対する事務費になっております。
次に、昨年行いました照明灯の調査につきましては、直営灯、民間灯、合わせて約6,800基を行いました。直営灯の危険なものにつきましては、撤去の上、建てかえを行っております。防犯灯及び明町灯の民間灯は損傷の程度が多いものについて町内会及び明町照明協会に通知し建てかえ等を依頼したところでございます。問題点は、管理する各町内会の維持管理に対する意識が低いことが目立ったことでございます。今後とも、明町照明協会及び防犯協会を通じて維持管理の意識向上に努めてまいります。
次に、防犯灯の維持管理につきましては、各町内会で球がえ等を行っておりますが、特に脚立を使った球がえ作業は注意が必要でございます。近年、地上から球がえができる小型の水銀灯が開発され、防犯灯として設置する町内会がふえております。
最後に、電線類地中化事業の計画の推進についてでございますが、昭和61年度に第1期計画がスタートし、現在、平成11年度から始まりました第4期の新電線類地中化計画に基づき整備に取り組んでいるところでございます。計画の総延長は130.5キロとなっておりまして、それに対する整備延長は14年度末で99.2キロメートルでございます。今年度の整備路線は福岡筑紫野線など9路線で、約4.3キロメートルの整備を実施中でございます。第4期計画における平成15年度末での進率は約37%を予定しております。また、全体の130.5キロに対する進率は約79%となる予定でございます。今後も引き続き整備を推進してまいります。以上でございます。
◯副議長(大石 司) 山口剛司議員。
◯19番(山口剛司) それでは、第2問の質問に入ります。
留学生の人数が県内で4,300人を超え、福岡市でも2,200人に達していることがわかりました。そのうち、福岡市の私費留学生は1,887人にもなります。本年6月、東区で一家4人が殺害されるという痛ましい事件が発生いたしました。捜査が進む中で、中国から来ていた留学生が逮捕されております。当初は犯行の動機がわからず、また、子供たちまで殺害されるという残忍性のため捜査が難航していました。が、しかし、この事件で留学生や日本語学校の生徒が逮捕されたと全国に報道されると、大きな議論を呼んでおります。今でも地域におきましては、留学生を見ると不安にかられる方が少なくありません。今回の事件以降、留学生がアルバイトをするにしても求人が少なく、苦労を余儀なくされております。大多数の留学生は勉強の意欲が旺盛です。このような生徒に対しては、ぜひ人への投資と考えて拡充することができないでしょうか。奨学金を希望する留学生に対して、本市の財政事情も厳しいとは思いますが、生徒は増加しているのに奨学金の額も支給人数もここ10年変わっておりません。企業や団体にはさらなる奨学金の増加を、また、新規の企業や団体にもスポンサーとしてお願いできないのか、お尋ねいたします。
生活支援については、イムズにあるレインボープラザでよく外国人からの相談に乗っておられることに関心いたしました。平成14年の来場者は26万6,000人です。1日の平均ですと800人弱の方が来場されていることになります。イムズが開店している間はプラザもあけているために、毎日10時から20時までを職員10人で交代勤務されております。受付カウンターは1日5人の勤務が必要ということですので、10人では少な過ぎるのではないでしょうか。中国語や韓国語が話せる人を増員してはと考えますが、御所見を伺います。
さらに、プラザでの相談内容ですが、在留外国人も含めてトップが日本人の友達をつくりたいということでした。プラザは外国人の支援施設でもありますが、同時に、私たち市民が留学生や外国を知る上で参考になる場所です。もっと市民に対しても情報を発信していただきたいと考えます。これまでどのような手段で情報を発信されているか、また、していかれようとしているのか、お尋ねいたします。
次に、留学生との交流事業についてです。ホームビジット交流では、交流希望家庭数が平成14年度で73世帯の応募でした。そのうち実現したのはわずか47組にしかすぎません。大変少ないのではないでしょうか。私はまず希望家庭の絶対数をふやし、次に留学生で奨学金の支給者にはぜひ協力していただき、3けたの実績が残せるよう関係者の方々に要望したいのですが、御所見を伺います。
小中学校の交流についてですが、先ほどの実績で小中学校で実施されていない学校があることがわかりました。小学校144校、中学校68校の子供たちはふだん外国人との触れ合いの機会がありません。2,000人を超える留学生が福岡にはいます。在留外国人を含めると、それは大きな人数となります。そこで提案ですが、本市における独創的なカリキュラムとして全学校において留学生との交流会を持つなど企画ができないものでしょうか。その国の歴史や文化、そして、習慣について学ぶということは、国際社会の一員となる上で大事なことと考えます。教育委員会にお尋ねいたします。
また、交流事業については、外国語教室事業に対しての補助金が130万円とは少な過ぎませんでしょうか。講師をしてもらう留学生への給料や会場使用料を考えると、ふやす必要があるのではと考えますが、いかがでしょうか。
次に、外国人観光客のおもてなしのまちづくりとしての地下鉄駅名の表記についてです。先日、知人が韓国釜山の地下鉄に乗ったときに感心したことがあったと私に話してくれました。それは地下鉄の駅名の表示にアラビア数字で1、2、3とつけているということです。駅名には確かに英語表記もされているのですが、観光するのに目的地まで地下鉄を利用するとき駅名表示に番号がつけてあるので間違わないで計画どおりに乗りおりでき、よかったと話していました。本市でも外国から来たお客様が利用しやすいように、駅名表示に番号をつけてはと提案いたします。東京都でも来年4月から記号や番号の表記をつけるとともに、色覚バリアフリー対策としてカラフルな地下鉄路線図の改善も行うように決定いたしました。名古屋市においても2005年の愛知万博に備え、記号や番号の表記をつけるため2004年度に関連経費を計上し、実施していく予定と聞いております。福岡市ではどうでしょうか。当局のお考えをお尋ねいたします。
次に、卒業した留学生とのネットワークづくりについてです。日本にそのまま就職された人もおられますが、大半は本国に帰国していると思います。福岡市や九州のよさをアピールするには、ここに何年間か住んでいた方々が私たちと一緒になって、福岡はこんなまちで住みやすいまちだ、企業進出にも適しているなどと話していただくと、それは強い味方になるのではないでしょうか。海外からの企業の誘致や貿易の振興は、本市にとって重要な施策であります。ここはぜひ卒業生のネットワークができるよう各大学にもお願いしてつくったら大変プラスになると思いますが、御所見を伺います。
次に、1問目で照明灯に関連してひったくり件数を伺いました。全体でも増加して、特に博多署管轄では200件も増加しております。安全なまちづくりの観点からも、照明灯の役割は大きいと考えます。道路照明灯の本数についてですが、やはり他の政令都市と比較すると本市の整備がおくれていることがわかります。特に、幹線道路から一歩生活道路に入ると薄暗い道が続いてまいります。先日も、バス停から東区蒲田の市営住宅に帰る道について照明灯の設置の要望がありましたので、見に行ってまいりました。大きな坂道の頂上に水銀灯が1本あるのですが、道が曲がっているため死角ができておりました。なるほどひとり歩きは危険な地域ということで区役所に設置の要望をしましたところ、途中の道に2本取りつけられるようになりました。地域の方は非常に喜んでおられるのですが、実はこれまでもここの照明灯の設置について地域で過去2回要望されていたそうです。それがどんな理由だかわかりませんが、設置されなかったそうです。予算が厳しい状況ではありますが、市民の安全のためにもっと設置の要望に対し前向きに取り組んでいただき、設置していただきたい。地域からの要望に対しては早急に対処すべきだと思いますが、御所見を伺います。
また、生活道路の設置本数ですが、先ほどの答弁にもありましたように、平成12年から見ましても減少しています。1本当たりの単価が共架式を採用した結果、設置コストは下がっております。その下がった分の事業予算をしっかり確保し、設置本数をふやすべきと思うのですが、御所見を伺います。
次に、防犯灯の補助金についてです。利用者負担の考え方があるとは思いますが、町内会が設置するのに現在の3分の1程度の補助金では少ないと思います。過去には2分の1まで補助金を出していたときもあると聞いております。市民からの批判の中で幹線道路にばかり立派な照明をどんどんつけて、生活道路の照明に対しては対応が厳し過ぎるのではないかとの声も上がっております。特に来年度からは校区単位の自治組織に大きくシフトする予定があるわけですから、防犯灯の照明についても補助金のアップを考えていただけないかと要望したいのですが、御所見を伺います。
次に、明町照明協会についてです。私は、明町照明協会がなくても地元商店会や自治会で十分にこれまで同協会が行っている事業と同じ対応が可能ではないかと思うのですが、当局として今後どのように進めようと思われているのか、御所見を伺います。
全照明灯に対し調査された件ですが、先ほど6,800基と局長おっしゃられました。ぜひこの照明灯につきましては、全照明灯について実態を確認していただきたい。また、その中で修理や建てかえが必要と判断し、対策を依頼された照明灯に対してはきちんと改善されたかどうか、ぜひ報告をとっていただきたいと意見を申し上げておきます。
次に、照明灯の維持管理のあり方ですが、設置した後、町内会や自治会任せでは十分な管理ができていないのではないでしょうか。皆さんも帰宅されるとき町内の街灯を見てください。消えている照明灯が何本かあることに気がつかれると思います。私も先週気をつけてみていきますと、水銀灯で消えているのが2本、防犯灯で10本消えていました。せっかく設置しているのに消えているのでは何もなりません。球切れなのか、明かりをつけるスイッチが入っていないのかわからないのです。また、明町協会がかつて設置した照明灯が球切れや老朽化したものが見受けられます。スポンサー不在になった明町灯については市が引き継いで補修、撤去すべきではないでしょうか。現在では補修、撤去の場合、町内会等に一部負担を求めておられるけれども、町内会は財政的に余裕がありません。もし照明灯が倒れて事故でも起きたら、だれが責任を負うのでしょうか。早く市が管理するべきだと思いますが、御所見を伺います。道路の陥没などの早期発見に対しては、郵便局の配達員の方々に連絡をくださるようお願いしたりされています。これからの球切れなどの管理、老朽化した照明灯に対して市として今後どのように対処されようとしているのか御所見を伺います。
以上で2問目の質問を終わります。
◯副議長(大石 司) 高田総務企画局長。
◯総務企画局長(高田洋征) お答えいたします。奨学金事業についてでございますが、福岡留学生奨学金につきましては、留学生の生活支援の中心となる事業でございまして、引き続き実施してまいります。奨学金の拡充に当たりましては、本市の厳しい財政状況を踏まえまして、市民の皆様や民間企業からの寄附による留学生育英奨学金のPRや支援要請を行うとともに、市民に、より参加しやすいような工夫をするなど、その拡充に努めてまいります。
次に、レインボープラザにおける外国語対応につきましては、現在、英語3人、中国語が1人、韓国語1人の計5人のスタッフが交代で勤務いたしております。英語につきましては、開館時間内は常時対応しておりますが、中国語や韓国語は常時対応には至っておりません。増員につきましては、繁忙期における対応など必要に応じて検討してまいりたいと存じます。また、レインボープラザにつきましては、外国人に対する情報提供はもちろんでございますが、市民に対しましても、国際交流・協力、海外事情等に関する相談や情報提供、また外国人と市民との情報交換、交流の場の提供といった役割もあり、窓口やホームページ、印刷物などにより情報提供等を行っております。今後とも引き続き市民に対する情報の提供につきましても進めてまいります。
次に、留学生ホームビジット交流につきましては、例年、受け入れ希望家庭に比べまして留学生の希望が少ないのが現状でございます。今後、当事業のPRをより積極的に行うとともに、留学生受け入れ家庭の意見も伺いながら、募集時期や方法等につきまして改善の方法を検討し、事業の充実に努めてまいります。
次に、外国語教室につきましては、留学生支援と市民の国際理解の推進を目的といたしまして、アジアの言語を中心に、平成15年度は19言語27教室を実施し、講師である留学生に月額4万円の報酬を支払っております。当事業は主に教室の受講料収入で賄われておりまして、市民に人気の高い言語の講座であれば、補助金に頼ることなく講座数をふやすことも可能でありまして、これまでも新たな教室の追加など内容の充実を図ってまいりました。今後とも、市民の要望や留学生の意見などを踏まえまして、事業の充実に努めてまいります。
最後に、卒業した留学生とのネットワークづくりにつきましては、多くの大学等においても、名簿の作成、管理やホームページ等の活用によりまして情報提供などに取り組んでおられます。本市といたしましても、大学等と情報の共有化など連携しながら、インターネットなどを活用した定期的な情報提供を行うことなどによりまして、人的ネットワークの形成に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。
◯副議長(大石 司) 生田教育長。
◯教育長(生田征生) 留学生との交流会についてでありますが、諸外国の歴史や文化、そして、習慣について学ぶことは、国際社会の一員となる上で重要であることから、本市教育改革プログラムにおきましても、留学生等の地域人材の活用を図り、国際理解教育を推進するということを取り上げているところでございます。各学校におきましては、教科や総合的な学習の時間などに留学生などを招いてその国の文化や習慣を紹介してもらったり、お互いの国の文化を体験するなど、有意義な交流を行っているところであります。今後とも留学生との交流の拡大に努めてまいります。以上です。
◯副議長(大石 司) 前交通事業管理者。
◯交通事業管理者(前 博) 駅名の表記についてでございますが、本市の地下鉄の各駅の識別につきましては、開業当初から外国の方、あるいは小さなお子様、他都市から福岡へおいでになった方々、このような方々に一目で判別していただけるように、その駅の地域の歴史風土、あるいは文化、そのようなものを図案化いたしましたシンボルマークを制定いたしまして、漢字、平仮名、そして、ローマ字表記と組み合わせをいたしまして、各駅に表示をいたしておるところでございます。御提案のように、駅名表示に記号、番号をつける方法なども考えられますが、本市におきましては、本市独自の表示方法として定着をいたしております現在のシンボルマークを生かしてまいりたいと、このように考えておるところでございます。
なお、外国からのお客様に対しましては、地下鉄の利用方法、あるいはシンボルマークなどを説明いたしました中国語、韓国語、そして英語のパンフレットを御用意いたしまして御利用をいただいているところでございます。以上でございます。
◯副議長(大石 司) 平間土木局長。
◯土木局長(平間和俊) まず、先ほど答弁いたしました昨年調査いたしました照明灯の調査数を6,800と申しましたけど、6万8,000の誤りでございました。おわびさせていただきます。
それで、生活道路照明灯の設置要望への対応についてでございますが、整備に当たり現地調査や地元関係者と協議を行い、要望箇所の優先順を十分考慮した上で整備を行うこととしております。また、予算確保につきましては、今後も厳しい財政状況ではありますが、他の交通安全施設との優先順位など十分に踏まえまして、地域の皆様の要望にこたえられますよう早期整備に努めてまいりたいと考えております。
次に、防犯灯の補助金についてでございますが、補助額増の要望にこたえ、設置費と水銀灯の電気料について増額を行う方向で検討を行っているところでございます。
次に、明町照明協会につきましては、過去40年間に約3万8,000基の街路灯が建設され、明るい都市美の形成と交通安全や防犯に多大な寄与をされました。近年はスポンサーの離脱等の理由で管理者が不明なものや老朽化しているものがふえております。これらの処理や撤去についても明町照明協会が主体的に行っております。今後とも明町照明協会とともに明るいまちづくりに努めていきたいと考えております。
次に、スポンサー不在等で管理者が不明なものは明町照明協会で撤去しております。また、道路照明灯としての機能を有するもので地元による管理が難しくなったものは、市に引き継ぐこともできるようになっております。
最後に、球切れなどの照明灯の管理につきましては、平成14年度から新たに始めました区役所の夜間パトロールなどにより、今後とも適切な維持管理に努めてまいります。また、老朽化した照明灯につきましては、老朽化調査結果等を活用して計画的な建てかえ等を実施してまいります。以上でございます。
◯副議長(大石 司) 山口剛司議員。
◯19番(山口剛司) 3問目に入ります。
卒業した留学生のネットワークについてですが、今後前向きに検討していただく旨の答弁をいただきました。ぜひ推進していただくよう要望いたします。
先日、私の同僚が中国人留学生の1人から次のような訴えを聞き、大きなショックを受けたと語っておりました。その留学生は、日本が好きだから、いずれは中国と日本のかけ橋になりたいとの思いで3年前国費留学生として来日し、K大学で国際関係論を研究しているとのことでした。ところが、この約3年間の福岡市での生活の間に、中国に帰国したら二度と福岡に足を運びたくないと思うまでになったと語っているのです。どのような出来事が彼にそこまでの思いを持たせるに至ったのでしょうか。その話を聞きながら、私自身も福岡がアジアの玄関口、おもてなしの都市を標榜しながら、いまだに市民の間に抜きがたい差別意識があることにショックを受けております。その留学生の訴えの一例として、中国人の方々がよく自転車などで交通事故に遭うそうでありますが、その際の日本人関係者の対応が極めて悪質であること。例えば、来日間もない女子留学生が自転車で通行中タクシーと衝突したところ、事故係からおまえがすべて悪いと言わないと保険がおりないと脅されたあげく、担ぎ込まれた病院からも十分な手当てをしないまま出されたということでした。中国人の方々の交通事故は結構多いようですが、警察や保険の担当者、相手方など日本人関係者の差別的な対応には大きな憤りを訴えていました。ある女子留学生が観光バスにはねられ瀕死の重症を負い、出産もできない体になったものの、治療費だけしか出してもらえず、現在、裁判ざたになっているケースもあるということでした。このほかにもバイト先での賃金面などでの差別待遇、冗談めかしたからかい、住宅の確保の困難さ等々、まだまだ留学生の方々を取り巻く環境の厳しさは改善されていないようであります。生活相談や法律相談の機能をもっと高めていくことは当然ですが、何よりも市民レベルで留学生を温かく受け入れる環境をつくっていかなければならないと痛感しております。今やアジアにおいて福岡が留学生の増加を見てもわかるように、日本での先進的な地域として脚光を浴びております。留学生に対し奨学金の拡充を図り、彼らが勉強できる良質な環境とその生徒たちを見守っていく市民との調和がとれたまちとして評価される都市を目指すべきではないかと考えますが、山崎市長の御所見を伺います。
また、都市のサインや案内表示などにつきましては、外国人の生活と活動の利便性を向上させるという視点から、留学生を初めとする在住外国人や来訪された外国人にとってもわかりやすい表示の取り組みが必要と思いますが、市長の御所見を伺います。
照明灯の設置についてですが、安全で安心なまちづくりを推進するためにも、必要な計画はどしどし採用していただきたい。福岡市は政令指定13都市の中でも10番目の整備状況です。犯罪の少ない住みよいまちづくりのためにも重要な街路灯整備だと考えます。また、事故を未然に防ぐ照明灯は市民の生活に密接につながっていることですから、事業予算を減らさずにしっかり推進していただきたいのですが、最後に山崎市長の御所見を伺い、私の質問を終わります。
◯副議長(大石 司) 山野助役。
◯助役(山野 宏) 外国の方々にとってわかりやすい表示の取り組みにつきまして、本市は在住外国人にとって住みやすい、かつ活動しやすいまちづくりと、来訪外国人を含めましたおもてなしの心に満ちた国際集客文化都市づくりを推進しており、市民、企業などと連携を図りながら積極的に進めてまいりたいと考えております。
◯副議長(大石 司) 山崎市長。
◯市長(山崎広太郎) 本市で学ばれる留学生の数はふやしていくということを基本的に考えております。ただ、留学生のほとんど、8割、9割はアジアの国々からお見えになって学んでおられる留学生で、なかなかやはりそれぞれの母国も経済状況の厳しい中で、国費の留学生よりも私費の留学生が圧倒的に多いという状況でございます。そういう留学生あるいは就学生が生活苦のために犯罪に走らないようにすることも非常に大事なことでございます。我々としても当然奨学金制度の拡充、これも多くの企業、民間や市民の皆さん方の御協力を必要としておりますけれども、ぜひ奨学金制度の拡充に一層取り組んでいきたい。それから、留学生の皆さんの生活支援といいますか、アルバイトのお世話とか住居のお世話とか、そういうこともやっていかなきゃいけないと、このように考えております。私はその前提として、やはり留学生、就学生のしっかりした把握が必要だろうと、これはもうまさに行政側の仕事じゃないかと。福岡におられる留学生、就学生をしっかり把握すると、何かあれば連絡をいただくという形を早急にとりたいと、このように思っておりますけれども、留学生、就学生のいろんな問題を解決してまいりまして、そして、福岡市が学びやすい都市になっていくためには、何といっても行政の力だけでは及ばないと、市民やNPOの皆さん方の協力が必要だと、これもしっかり呼びかけていきたいと、このように考えておるところでございます。
それから、照明灯の問題でございますけれども、これも大変、何といいますか、件数も多いし、非常にきめ細かな対応を必要とするテーマでございます。この照明灯の適切な設置、あるいは管理をしていくことによって地域の明るいまち、そして、安全なまちというものが実現できると、このように考えておるところでございます。今までの施策を、さらに点検するということもやってまいりたいと思っておりますけれども、やはり何といっても地域のコミュニティーの力にやっぱりこれも頼らざるを得ないところが大きいと思います。したがって今後、我々期待しております地域自治、あるいはコミュニティーの活性化で自治協議会等ともこの点についてもしっかり連絡、連携をしながら、負担の問題も御相談しながら、的確に防犯灯、街路灯の維持管理というものをやっていきたいと、このように考えております。
◯19番(山口剛司)登壇 私は、公明党福岡市議団を代表いたしまして、今や大きな社会問題となっておりますアレルギー疾患と、地域開発再生の手法とされている土地区画整理事業に絞りまして一般質問いたします。行政当局の前向きの御回答を期待するものであります。
アレルギー疾患につきましては、国民の3人に1人が何らかのアレルギー症状に悩んでいると言われて久しいですが、それが近年、さらに増加傾向にあります。今アレルギー疾患と言われるものに、アトピー性皮膚炎、ぜんそく、食物アレルギー、結膜炎、花粉症などがありますが、そのほかシックハウス症候群と言われるような、いろいろと新しい症例が多数報告されております。日本において医療レベルは非常に高いのに、なぜこのアレルギー疾患の患者がふえ続けるのか、私ならずとも疑問を持っている人も多いと思います。有識者の方々が指摘するのは、まず、患者数などの情報が的確に把握されていないということです。正確な統計がなければ、的確な対処や今後の対策が打てないというのが大多数の意見としてあります。本市におきましては、平成12年に我が党の提案により、政令市で初めての実態調査が行われ、去る3月に調査結果と対策が発表されたところであります。全国的に見ましても、この調査及び対策はよくまとめられているとされております。しかし、今回の調査と対策だけでよしとするのではなく、さらに調査に裏打ちされた原因究明と治療法などを確立されますよう、まず要望しておきます。先ごろ平成14年度学校保健統計調査が発表されております。中でも、小児ぜんそくの数値には驚きを禁じられませんでした。罹患率、つまり病気の発症率で見てみると、幼稚園で1.3%、小学校2.7%、中学校2.2%、高等学校1.4%と、小中高で過去最高を記録し、何と10年前の2倍にふえているのです。日本では、年間約4,000人がぜんそくで死亡しております。中でも思春期のぜんそく死、また乳幼児のぜんそく死が増加傾向にあり、社会問題化していると報じられています。福岡市では、ぜんそくについてどのくらい実態調査されているのかお示しください。
国立成育医療センター研究所の免疫アレルギー研究の斉藤部長らの調査では、アレルギー疾患になりやすい体質の若者が急増し、20歳代前半では9割近くが、既に発症しているか、またはそのアレルギー予備軍であることが明らかになりました。福岡市におきまして、成人についてどこで相談を聞かれているのか、また病院の症例の統計などとってあるのかお尋ねいたします。成人で先ほどの数値があれば、乳幼児ではもっと問題があるのではないかと思います。そこで、今の乳幼児の健診項目と健診の場における医師の診断の状況、保護者からのアレルギーに関する不安とか要望など、どのように集められているのか、問診表に記載する箇所があるのかお尋ねいたします。
国レベルでも、国立相模原病院臨床研究センターの設置など、アレルギー疾患の病態解明や治療法などの研究が進められておりますが、いまだ必要な情報が必要な人に届き、相談し、的確な治療を受けられる体制になっていないのが現状であります。
そこで、お尋ねいたします。現在の福岡市で日本アレルギー学会の認定医は何人でしょうか。認定医、認定専門医、認定指導医と分けてお示しください。また、アレルギー科を持っている診療所と病院の数は現在ではどのくらいでしょうか。全国的に小児科医が減少していると指摘されております。福岡市において小児科の医師の人数は、ここ3年間どのように変遷しておりますか、お尋ねいたします。さらに、夜間救急における小児患者の人数を把握されていましたら、あわせてお示しください。また、アレルギー診療に深くかかわっているのが皮膚科だと言われております。現在、福岡市には何人の皮膚科の医師がおられるでしょうか。そして、小児科、皮膚科の連携はどのようにされているかお尋ねいたします。
平成13年第4回定例会で我が党の大石司議員が提案した、アレルギー専門相談員の導入について要望した中で、保健福祉局長より、保健婦など関係職員の専門研修を充実させて実施すると言われましたが、現在の実態はいかがかお尋ねいたします。さらに、東区保健福祉センターでのアトピー性皮膚炎の相談窓口を各区に拡大してはという要望について検討するとのことでしたが、今どのような計画で進められているのか御説明ください。
学校現場では、児童との接点が一番大事で神経を使ってあることと思いますが、アレルギーに関する手引書で各学校に配付された本として、平成7年に「ぜん息を持つ児童の指導のポイント」、平成11年「アトピー性皮膚炎Q&A」、平成12年「学校での運動とぜん息」を渡し啓発されていますが、今はどのような手引書を出されているのかお示しください。また、先生方の研修は毎年どのように実施されているのかお尋ねいたします。
シックスクール症候群についてですが、校舎の内装や教科書、文房具などで罹患する児童がふえていると報告されています。東京都では、1区に2人から3人の報告があります。本市において何件の子供たちの報告があっていますでしょうか。
次に、食物アレルギーについてお尋ねいたします。ここ3カ年の児童の実態は何人の報告があっておりますでしょうか。また、対策をとっておられたら、あわせてお答えください。
保護者との連携ですが、既に罹患している児童に対しては、学校も認識し対処しておられると思いますが、今回の全国学校保健調査でも明らかになりましたように、幼稚園よりも小学生、さらに中学生と新規に罹患する生徒がふえています。新規発見に向けどのような取り組みを行われているのかお尋ねいたします。特に学校健診における校医との連携や常日ごろの保健福祉センターと学校側としての連携はどのように取り組まれているのか、関係機関のネットワーク化の現状と今後の対応についてお示しください。
次に、まちづくりとしての土地区画整理事業とその関連事業についてお伺いいたします。東区におきまして、筥崎土地区画整理事業及び連続立体交差事業と香椎副都心土地区画整理事業が着実に進められておりますが、現在の工事進状況と完成予定年月はいつかお尋ねいたします。また、それぞれ事業を進める上で課題はありませんでしょうか。当事者としての権利者の住民の人たち、さらには事業計画周辺の住民の人たちについて、住民の意思の反映がなされていますでしょうか。住民とトラブルを起こしているケースはないかお尋ねいたします。また、この事業には地域住民に対して減歩の措置がとられております。日本経済が右肩上がりのときは、事業が行われることにより資産価値もふえ、おおむねうまくいっていたようですが、今日の状態では価値がふえるというよりも住環境などが損なわれるデメリットの方が大きいと考えられている方がふえてきております。今後の対策として、これからの事業開発についてどのように検討されているのかお尋ねいたします。
以上で第1問の質問を終わります。2問目以降は自席にて行います。
◯議長(川上義之) 鶴川保健福祉局長。
◯保健福祉局長(鶴川 洋) アレルギー疾患対策についての御質問にお答えいたします。
本市のぜんそくについての調査でございますが、小児ぜんそくに関連した調査を平成14年度から環境省の委託を受け、南区保健福祉センターで3歳児健診に際して年間約2,000人のアンケート調査を実施しております。症状や家庭環境、家族歴等を5年間かけて調査し、実態を把握するものでございます。成人についての相談体制の問題でございますが、アレルギー疾患につきましては、症状が多様であり、各人に応じた医療機関の受診が大切であると考えております。成人のアトピー性皮膚炎につきましては、九州大学皮膚科と本市が共催して実施しております専門相談会の中で相談を受けております。症例の統計につきましては、アレルギー疾患は届け出対象となっておらず、把握いたしておりません。
次に、乳幼児健診につきましては、問診や医師の診察等による疾病の発見、身体発育、精神発達の観察や育児の相談等を行っております。アレルギー疾患につきましても、事前に送付した食物アレルギーやその他心配事等のアンケートを参考に、保健師等が問診を行うとともに、医師の診断によりアトピー性皮膚炎やぜんそくの項目を設け、乳幼児健診実施マニュアルに沿って診察を行っているところでございます。
次に、医療体制についてでございますが、市内のアレルギー学会認定医等につきましては、認定医が36人、認定専門医が16人、専門医を養成する認定指導医が5人となっております。また、アレルギー科を有する市内の医療機関数につきましては、平成15年7月末現在で病院が10施設、診療所が58施設でございます。市内の小児科医師数は、厚生労働省が2年ごとに行っております医師・歯科医師・薬剤師調査によれば、平成8年が404人、平成10年が386人、平成12年が382人で推移いたしております。急患診療センターでの夜間の小児科患者数等でございますが、平成12年度で約2万5,000人、平成13年度で約2万8,000人、平成14年度は約3万人となっております。市内の皮膚科の医師数につきましては、平成12年の医師・歯科医師・薬剤師調査によりますと162人となっております。アトピー性皮膚炎につきましては、小児科、皮膚科それぞれの医師が独自に診療に当たっていることが多いと聞き及んでおりますが、個々の医師相互の連携はある程度図られると考えております。
次に、アレルギー疾患相談体制でございますが、保健師等関係職員の研修につきましては、本年度から各区保健福祉センター職員を対象に専門研修を実施するとともに、相談マニュアルを作成することといたしております。乳幼児健診や母子健康相談、家庭訪問などのさまざまな機会を活用して相談やスキンケアなどの保健指導に当たってまいりたいと考えております。また、本市のアトピー性皮膚炎の専門相談は、九州大学皮膚科と共催によるアトピー性皮膚炎相談会と、東区保健福祉センターでの乳幼児アトピー性皮膚炎専門相談を実施いたしております。東区保健福祉センターでの乳幼児の相談につきましては、地理的な偏りもあり、今後西部地区での開設などについて検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
◯議長(川上義之) 生田教育長。
◯教育長(生田征生) 学校におけますアレルギー関係の御質問にお答えいたします。
アレルギーに関する手引書につきましては、議員お示しのように、これまで日本学校保健会などから発行されました3種類の手引書があり、これを各学校へ配付をいたしております。本年度中に日本学校保健会から新しい参考資料が発刊される予定となっておりますので、発刊され次第、各学校に配付し、活用してまいりたいと考えております。教職員の研修につきましては、毎年福岡市学校保健大会や教職員を対象とした学校保健研修会、学校栄養職員研修会、プール衛生管理研修会などにおきまして、児童生徒のアレルギー疾患、アトピー性皮膚炎、紫外線障害などについて専門家による研修を実施しております。また、新規採用教員研修におきましても、健康に関する課題としてアレルギー疾患を取り上げ、全教職員に認識されるよう努めております。
次に、化学物質過敏症、いわゆるシックスクール症候群につきましては、平成14年度に各学校、園に対しまして、化学物質過敏症の児童生徒がいるか否か、また、新たに発生した場合は教育委員会に報告するよう通知をいたしておりますが、現在までのところ、発生事例の報告はあっておりません。
それから次に、食物アレルギーについてでありますが、小学校における食物アレルギーを持つ児童の実態につきましては、保護者への聞き取り調査等により把握いたしております。平成13年度は1,214人で、全児童に対する割合は1.64%となっております。平成14年度は1,346人、1.84%、平成15年度は1,539人、2.09%となっております。
小学校給食におけます食物アレルギーを持つ児童への対応につきましては、児童1人1人のアレルギー反応の状態がさまざまであり、一律に対応することが困難であるために、各学校において保護者と連携をとることが重要であります。このため平成14年4月から従来の家庭配布用献立表に加えまして、おかずごとに使用する食材とその原材料を記載した詳細献立表を毎月配付しておりまして、食物アレルギーを持つ児童の保護者と学校側とで十分な連携がとれるように情報提供を行っております。
それから、学校におきますアレルギーの児童生徒の新規発見についてでありますが、毎年年度当初の定期健康診断の中で、保護者が記入をいたします保健調査票によりまして日ごろの健康状況を把握した上で学校医の診察を行っており、ぜんそく、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚疾患についても把握に努めております。また、日ごろの児童生徒の健康状態の把握につきましても、家庭との連絡表や日々の学校生活の観察、家庭訪問の懇談などにより把握に努めております。
それから、学校健診におけます学校医との連携につきましては、学校では保護者が記入する保健調査表による情報をもとに、学校医の診察によりアレルギー疾患の児童生徒を把握し、養護教諭や担当教諭と学校医が協議をし、受診指導などを行っております。学校と保健福祉センターや関係機関とのネットワーク化につきましては、アレルギー疾患は、ぜんそくやアトピー性皮膚炎、食物アレルギーなど症状が多岐にわたり、個々に応じた対応が必要ですので、今後は保健福祉局とも協議をし、検討をしてまいります。以上です。
◯議長(川上義之) 平間土木局長。
◯土木局長(平間和俊) 筥崎土地区画整理事業の進につきましては、JR鹿児島本線の東側では公共施設整備はほぼ完了し、現在は主に西側について整備を行っております。事業費ベースでの進率は、平成15年末で約84%となり、平成18年度末の完成を目指してまいります。
次に、区画整理事業と並行して行っておりますJR鹿児島本線連続立体交差事業の進状況につきましては、現在下り線の高架切りかえを行い、平成16年春の全線高架に向け事業を進めております。両事業とも関係者の皆様の御理解と御協力を得ながら進めていくことが重要であり、事業の実施に当たりましては、都市計画決定の段階や事業計画の進に応じて、公告、縦覧、意見書の提出など、法令で定められた手続を行うとともに、理解を得ていただくための説明会も随時開催し、意見の聴取に努めております。これらの事業を進めるに当たりましては、関係者の御理解、御協力を得るのに時間を要するケースもあり、また現在、連続立体交差事業におきましては、下り線高架切りかえに伴い、近接した既存のマンションから騒音などの指摘もあっております。今後とも説明や協議を重ね、事業への御理解と御協力が得られるよう努めてまいります。以上でございます。
◯議長(川上義之) 鹿野都市整備局長。
◯都市整備局長(鹿野 至) 香椎副都心土地区画整理事業についてお答えいたします。
当事業は都市基盤整備公団が施行しておりますが、その進状況につきましては、本年7月にJR鹿児島本線の高架切りかえが完了し、あわせて千早駅が開業するとともに、松崎千早線など一部の都市計画道路が暫定供用を開始いたしたところであります。現在、西鉄宮地岳線の高架工事や道路等の公共基盤の整備とともに、建物の移転補償などを鋭意進めているところでございまして、平成19年度末の事業完了を目指してまいります。また、事業を進める上で関係権利者の御理解と御協力を得ることが重要でございますが、そのため都市基盤整備公団は、事業着手以来、事業の進に応じて関係権利者の代表者から成る区画整理審議会での御審議や関係権利者に対する説明会の開催、まちづくりニュースの配布、アンケート調査の実施などによりまして意向の把握を行い、事業の円滑な推進に努めてきたところであります。さらに必要に応じまして、地区外の周辺住民の皆様にも適宜計画内容のお知らせを行ってきたところでございますが、現在、事業地区外の住民の方々から地区内の一部で計画されている民間事業者の建築行為に対して要望が出されていると聞いております。
また、土地区画整理事業のデメリットと申しますか、今後の対策についての御質問でございますが、本市におきましては、これまで既成市街地やその周辺部におきまして、道路、公園等の公共基盤の整備、改善や宅地の利用増進を一体的に進め、安全、快適な市街地環境の形成を図るため、土地区画整理事業によるまちづくりを推進してきたところであり、既に本市の市街化区域面積の4分の1について本事業により整備を完了したところでございます。平成14年度末に事業が完了した姪浜土地区画整理事業におけるアンケート調査結果では、従前居住者の約7割の方々が住みやすくなったと感じておられるなど、既成市街地のまちづくりを進める上で住環境の整備や改善を目的とする土地区画整理事業の役割は極めて大きいものと考えております。今後とも関係住民の皆様方に事業への理解を深めていただけるよう、きめ細やかな対応を進めてまいりたいと考えております。以上でございます。
◯議長(川上義之) 山口剛司議員。
◯19番(山口剛司) それでは、第2問の質問に入ります。
アレルギー疾患の治療はそれぞれ患者の症状が違っており、1人1人の症状に応じたオーダーメードの治療が必要と言われております。100人の症状があれば、極端な話、100通りの治療方法が必要であるというわけです。福岡市検討委員会の調査によりますと、「アレルギーに関して困っていることがあるか」の問いに対し、3,646人中16.5%、602人の方が困っていると回答されております。実に6人のうち1人が困った問題を抱えているというのです。最新の医療ガイドラインに沿った診断とオーダーメードの治療を受ければ、大半の人が症状をコントロールできるし、結果的に医療費の負担も少なくて済む。病院のはしご、いわゆるドクターショッピングが減って医療費の抑制にもつながってまいります。今、不適切な治療のために苦しみ、またアトピー商法に食い物にされる患者もいます。慢性疾患の苦しみから我が子を虐待し、家庭崩壊、自殺へと追い込まれるケースも後を絶ちません。もはや、待ったなしの状況にあります。1問目でも述べましたように、20代で10人のうち9人がアレルギーを持っております。過去では、結核が国民病と言われておりました。そのときでも患者は3割でした。今のアレルギーについてはどうでしょうか。全人口の3人に1人の割合で、しかも90%を超える世代があるということなのです。乳幼児の健診について先ほどお尋ねいたしましたが、担当医師により診断基準がばらついているのが現状であります。ぜひ基準ですから、徹底していただきたい。現場での判断が一番重要と考えますが、御所見を伺います。
日本小児アレルギー学会理事長で、福岡市アレルギー疾患対策検討委員会委員長も務められました西間三馨南福岡病院院長が中心となって、WHOの国際調査として、平成7年には小中学校50校に、平成14年には49校の児童に対し抽出調査を実施されております。また、小学校5校に対しては毎年調査を実施されていると伺っております。毎年新たな患者が発生し、また、診断や治療方法も日々進歩していると聞いております。地域においては、かかりつけ医の方々も最新のアレルギー医療を取り入れていただきたいと要望いたします。また、医療の側からの問題として、今その治療の変化を市民に浸透させられていない、また、患者にもアレルギー疾患の特徴とか最新の医療についての正しい進め方をわからせるように、情報を提供し続けていく必要があると言われております。行政としてどんな方法をとることができるのか、御所見を伺います。
ぜんそくの治療についてですが、この10年で大きく変わってまいりました。気管支ぜんそくが気道の慢性炎症性疾患という考えをもとに、予防、治療、管理が示されたことです。従来のぜん鳴を伴う可逆性の気道閉塞性疾患という概念を大きく変えました。端的に言いますと、これまではぜんそく発作を起こしてから、その対処治療をされていたのに対し、今はぜんそく発作を起こさないための治療に変化しているということです。発作がないときの治療と管理に重点が置かれております。小児ぜんそくの場合、90%以上がダニによる影響が認められております。各家庭での環境整備を行うことはもちろんですが、問題は幼稚園を含む学校現場にあります。全教諭がまず病気について理解を深めていただくことが大事です。さまざまな検討する課題がわかるのではないでしょうか。先ほど学校におけるアレルギー対策の手引書についてお尋ねいたしました。手引書ですが、日本学校保健会発行のテキストなどを活用されているとのことですが、各学校に配付されている部数が2から3冊では少ないのではないでしょうか。それから、だれが見ても初期治療方法がわかる手引書を西間院長がつくっておられますので、どうか一読ください。ぜひ担任まで配付対象を拡大していただきたく、予算措置をとっていただきたいと提案いたします。
次に、学校現場におけるアトピー性皮膚炎についてですが、ハードの面で、アトピーの子はプールの後や運動をした日焼けの後にスキンケアをしなければいけません。今そのケアをする場所をつくることが大事と西間院長は指摘されております。みんなと違うジャージのやわらかい襟がついたものを着ていてもおかしくない、また、いじめられないという環境が必要であると思います。学校にシャワー室が全小中学校にありますでしょうか。アトピーで体がかゆいため、かきむしる。それが続くと皮膚がじゅくじゅくしてきて痛がゆくなり、授業に集中できない。その集中できない子を先生方は、気合いが足りないと注意される。気合いじゃないんです。病気なんです。学校の先生方もこの疾患について正しく理解していただきたい。また、顔面に症状があらわれている子供たち、本人のつらさを理解するよう、ほかの子供たちにも指導していただきたいと要望いたします。
次に、教諭に対する講習会の件ですが、事アレルギーに関しては毎年新しい症例や治療方法が発表されております。シックスクールについては、新しい分野であるため、どういう症状がそれに当てはまるのか、専門医の講習が必要だと考えます。主な症例として、気分が悪い、のどが痛い、皮膚がかゆいといった状態があります。学校現場で実効性のある研修を実施していただくとともに、食物依存性運動誘発アナフィラキシー、全身に起こる急性症状ですが、世代的に特有のある症状への理解も必要だと考えます。手引書の配付、シャワー室の件、子供たちへの指導、そして、教諭の方々への講習会とあわせてお尋ねいたします。
1問目で現時点での小児科医の人数についてお尋ねいたしました。全国的に小児科医が減少しているのが実情であります。最大の問題は、小児医療の診療報酬が低いこと。人手や手間がかかる割に薬の量や検査が少ないために、何十年も前から不採算性が指摘されている。それに夜間の救急医療担当が入ると、疲れがとれずに翌日の診療に入っていると小児科医は指摘されております。今続けられている大半の方々は、採算を度外視しても子供たちを救うという使命に燃えて診察されております。この不採算部門とも言える小児科医療、なかんずくアレルギー治療が担えるのは市立病院であると思います。また、こども病院でのアレルギー診療の取り組みをお示しください。今後ぜひ専門医がいるアレルギー科と研究セクションを設置し、診療が夜間も含めできる体制をとっていただきたいのですが、いかがお考えかお聞かせください。
保健福祉センターでの専門相談員の件についてですが、病院に行かないまでも今の症状を相談したいという成人の人たちが気軽に来れるのがセンターの役割だと認識いたしております。東区はいいのですが、他の区の場合、アレルギー相談員の方がおられない現状だと、なかなか病気に対して的確なアドバイスが受けられません。病院に行かなければいけないのか、それとも自宅でのケアで十分なのか、初期段階での相談ができるよう、人もつけ、体制をとっていただきたいのですが、いかがお考えでしょうか。
今、アレルギーマーチという言葉が使われ始めました。これは食物アレルギーを起こした子はアトピーも出てくる。そして、小児ぜんそくが出たり、結膜炎にかかるなど、複数の症状を示す割合がふえてきているということです。子供たちはアレルギーになりやすい体質を持っております。清潔な環境に置かれているために、病原菌、すなわちアレルゲンに対し感度がよ過ぎるのです。私以上の年齢の方々の場合、そう体質の感度がよくなく、これまでも決して清潔な環境ばかりではなかったものですから、私たち大人に症状が出なくても子供には出てくると報告されております。中でも食物アレルギーを持つ児童が、先ほどのお話の中では児童数は年々ふえ、ことしは1,500人を超えていることがわかりました。しかし、対策についてはまだまだではないでしょうか。学校現場では、校長と保護者との間で対象食品が選定され、給食の食材を避けるといったやり方をされております。主材料の場合は弁当を持参しているということですが、児童の対象品目をすべて特定するためにも、専門の診察が必要ではないでしょうか。食物アレルギーの診断には、時間をかけた問診と血液検査、皮膚テスト、最終的に除去付加試験と進みます。付加試験は、原因と思われる食品を医師が立ち会う万全の体制のもとで実際に食べ、数時間かけて様子を見ることが必要です。とても開業医には手がけていただけません。ここで地域の保健福祉センター、専門医の連携が必要となるわけです。関係機関のネットワークについてですが、国立南福岡病院を頂点として地域の基幹病院や保健福祉センター、そして、地域のかかりつけ医と連携がとれるよう行っていただきたい。それには、アレルギー専門医はまだまだ少ないと、先ほどの御説明で聞きました。小児科、皮膚科の先生方にもこのネットワークに入ってもらい、138万市民のため貢献していただきたいと考えますが、御所見を伺います。また、アレルギー指導員をふやし、かつ関係機関とスケジュール調整を行い、早期に今年度からでもネットワークを立ち上げて実行していただきたいと要望いたしますが、御所見をお伺いいたします。また南福岡病院西間院長が、学校健診においてはアレルギー検診も取り入れるべきだと提案されております。現在の健診項目は結核が多発し、栄養失調など虚弱児がたくさんいたころに必要とされていた項目です。現在のような高血圧、高脂血症といった生活習慣病やアレルギー疾患の子供がふえてきているため、切りかえる必要があると言われております。福岡市においてはどのように取り組もうと考えておりますでしょうか、見解を伺います。
次に、まちなみのルールづくり支援センターについてお尋ねいたします。マンションなどの建設をめぐるトラブルに対し、当初計画から市民の意見を聞く場とアドバイスをするセクションが必要なのではと今議会で提案する準備を進めていましたところ、9月2日に建築局内でまちなみのルールづくり支援センターを設置すると発表されました。行政が市民のかゆいところに手が届くサービスは大いに歓迎であります。このセンターの運用についてお尋ねいたします。何人で実施されるのですか。また、市の他の部局や区役所との連携はどう考えておられますか。市民に対しての広報活動はどうされますか。これまでのこのセンターの役割に似た業務で、建築局にある指導部の建築調整課はどうされるつもりか、考えをお聞かせください。これまで区画整理事業のトラブルで一番多いのが、事業に対する住民への説明が不十分なため問題となるケースが多いということです。役所からはメリットの説明があるが、住民にとってマイナスとなる点については話がない。いざ問題が起きて住民から事業主体にクレームをつけても、時既に遅しで解決されません。1問目で幾つかの課題がある旨報告をいただきました。住んでいる人にとっては、裏切られたという気持ちや行政に対し不信感しか残っていません。もっと住んでいる側に立って事業計画をきちんと説明し、責任を果たしてもらいたい。事業の大半は住民にとって環境がよくなるということですから、賛成なのです。筥崎の高架事業については、沿線マンションでのJR線高架の騒音問題、また列車から中をのぞかれるプライバシー問題について、どのような対策をとられようとしているのかお尋ねいたします。名島の操車場跡地で名島台からの景観を妨げる高さ45メートルのマンション建設について、地域住民から建築計画の話を聞くのが着工前で遅い、また新設マンションの取りつけ道路は困るという点があり、それをどこの部署に問題提起していいかわからないと意見が出されております。事業者と住民とのボタンのかけ違いが起こらないよう手を打っていただきたいのですが、御所見を伺います。
以上で2問目の質問を終わります。
◯議長(川上義之) 鶴川保健福祉局長。
◯保健福祉局長(鶴川 洋) 乳幼児健診におけるアレルギー疾患の把握につきましては、アレルギー疾患対策検討委員会でマニュアルの診断基準の見直しを行うとともに問診を強化し、保健指導の充実を図ってまいります。患者への正しい情報の提供につきましては、不安解消のためにも大変重要なことだと考えております。わかりやすいパンフレットを作成し、保健福祉センターの窓口や乳幼児健診、母子健康相談、育児教室などで活用してまいります。また、市政だよりやホームページ等による情報提供に努めてまいりたいと考えております。市立病院におけるアレルギー治療等につきましては、こども病院でのアレルギー診療の取り組みにつきまして、各科の一般外来の中でアトピー性皮膚炎を含む診療を行っております。特に重症の気管支ぜんそくの患者さんにつきましては、こども病院の呼吸管理や集中治療の機能を生かし、夜間救急を含め、受け入れ治療に取り組んでおります。また、専門医を配置しての医療体制につきましては、アレルギー疾患はその種類が多く、診療科目も多岐にわたるため、現在の病院の体制上困難な面がございますが、今後新しい市立病院の基本構想の中で医療機関や研究機関等との連携を視野に入れながら検討してまいります。相談体制につきましては、専門医による専門相談だけでなく、各区の保健福祉センターで市民が身近にアレルギーについての情報を得たり、相談できる体制も必要と考えております。そのため相談マニュアルを作成するとともに、研修等によりまして関係職員の専門知識の向上を図ってまいります。ネットワークにつきましては、アレルギー疾患対策検討委員会を中心として、専門医療機関と診療所、保育園、保健福祉センター、学校等による関係機関のネットワークづくりを進めてまいりたいと考えております。以上でございます。
◯議長(川上義之) 生田教育長。
◯教育長(生田征生) 学校におけるアレルギー関係についてでありますが、アレルギーの手引書の配付部数につきましては、学校長用、養護教諭用、職員回覧用として配付をいたしております。今後教職員1人1人へ周知徹底され、手引書が活用されるよう学校内での研修方法等を検討してまいります。それから、シャワー室に関しましては、各学校とも学校用務員室にシャワー室が設置されておりまして、児童生徒が必要に応じ使用している例もありますので、今後とも配慮をしてまいります。それから、アレルギーを持たない子供たちへの指導に関しましては、アレルギー症状の大変さや給食は個別の対応が必要なことなど、アレルギーへの理解が深まるよう指導に努めてまいります。教職員に対しましては、アレルギー疾患に関する新しい情報や学校において必要な知識について専門医等による研修会の開催を検討してまいります。
次に、学校における健康診断の項目につきましては、アレルギー疾患に関して全国的にぜんそくについてのみ行われている傾向でありますが、本市では平成6年度からぜんそくに加えましてアレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚疾患についても実施をいたしております。生活習慣病を含めて新たな検査項目の設定につきましては、他都市の状況などを見ながら検討してまいります。以上です。
◯議長(川上義之) 石井建築局長。
◯建築局長(石井幸充) まちなみのルールづくり支援センターについてでございますが、同センターは住民によるまち並みのルールづくり活動の支援につきまして、建築局を総合窓口とし、都市整備局や各区役所の関係課が連携を強化して、それぞれの専門性や特性を生かし、関係各課に配置されております職員がその業務を担当するものでございます。また、必要に応じ関係各課の職員も総合窓口で住民の相談等に対応することといたしております。
次に、市民への広報活動についてでございますが、市政だよりによる広報やパンフレットの配布並びに広報ビデオの貸し出しを行うほか、ホームページを活用した情報提供等を積極的に展開してまいります。
さらに、既存の建築調整課との関係でございますが、建築調整課は福岡市建築紛争の予防と調整に関する条例に基づき、中高層建築物等の建築計画の事前説明等、指導や紛争に至った場合の調整、調停等に取り組んでいるところでございます。しかしながら、建築紛争はなかなか減少しない状況にございます。このようなことから、まちなみのルールづくり支援センターは、建築紛争の未然防止を図るため、建築協定制度や地区計画制度を活用した住民の主体的な地域の特性やニーズに応じたきめ細やかなまち並みのルールづくり活動の支援を主な業務としております。今後これらの業務を通して快適で住みよいまちづくりを推進してまいります。以上でございます。
◯議長(川上義之) 平間土木局長。
◯土木局長(平間和俊) JR鹿児島本線の高架事業につきましては、騒音対策としてレール継ぎ目箇所から音を少なくするためのロングレールの使用、振動音を防ぐための軌道床板下の防振マットの設置、高架橋への高さ1.5メーターのコンクリート壁高欄の設置を、また、緩衝帯として幅員6メーターの側道を設けております。鉄道高架における騒音問題につきましては、道路騒音のような環境基準はありませんが、環境省の通達により考えが示されております。本事業につきましては、鉄道高架事業の実施時期から指導対象外となっておりますが、その内容を参考にしつつ他都市の事例をも調査し、来年春の上り線高架切りかえ後、特段の指摘をいただいていますマンションについて騒音調査を実施し、その結果を踏まえ、対応を検討したいと考えております。また、プライバシーの問題につきましては、鉄道に近接して建物がある、このような状況は、本市の鉄道沿線の高架及び平面において数多く見受けられますので、御理解をお願いしたいと考えております。以上でございます。
◯議長(川上義之) 鹿野都市整備局長。
◯都市整備局長(鹿野 至) 香椎操車場地区のマンション建設に関連する問題等にお答えいたします。香椎操車場地区につきましては、これまでも関係権利者はもとより周辺住民の御理解と御協力を得ながら事業を進めてきたところでございますが、今後とも御指摘の点も含め、住民の合意形成に努めるなど、よりよいまちづくりを一層円滑に進めるよう、事業者である都市基盤整備公団にも働きかけてまいりたいと思っております。以上でございます。
◯議長(川上義之) 山口剛司議員。
◯19番(山口剛司) 3問目です。
アレルギーについてですが、今や福岡におけるアレルギーの統計が世界での報告の中で日本の統計として位置づけられ、発表されていることを御存じだったでしょうか。先ほどから申し上げていますように、なお一層調査統計を今後もしっかり継続していただきたいと要望しておきます。医療従事者、保健福祉センター、そして、学校関係者との連携をとり、情報の共有をしっかりとっていただきたい。福岡市においては、九大、福大を初めとする専門の先生方がおられ、また、南福岡病院に代表される治療研究が、全国を見ましても進んでおります。どうかその辺を念頭に置かれ、アレルギー対策については福岡市が特に進んでおり、安心して住めるまちだと言われる地域を構築していただきたいと念願しております。山崎市長の御所見をお伺いします。
土地区画整理事業についてですが、もう100年以上の歴史があります。最初は耕地整理の手法を使っておったそうですが、1919年、大正8年に都市計画法が制定されて以来、土地区画整理制度が成立いたしております。これまでは行政主導のまちづくりが一定の枠組みをもとに大いに進められ、福岡市でも多大な効果を上げられてきたことと思います。しかし、今ではコミュニティーの自律化が叫ばれており、開発地域の住民としては、当事者だけでなく周辺住民も含めた参加型の開発へとシフトしてきていると考えます。総論は賛成だが、各論は反対であるという意見も今後出てくることだと思います。森ばかり見て木を見ないと言われないプランを作成し、住民参加型の計画を発展させていただきたいと考えますが、山崎市長の御所見を伺い、私の質問を終わります。ありがとうございました。
◯議長(川上義之) 山野助役。
◯助役(山野 宏) 区画整理事業につきまして、私の方からお答えします。本市におきましては、これまで良好な市街地の形成を図るために区画整理事業を大いに推進してきたところでございます。今後のまちづくりを進める上で、この事業手法は極めて有効な手法だというふうに考えております。事業の実施に当たりましては、関係住民の皆様方の御意見を反映させていくため、関係権利者の代表者などから成ります区画整理審議会、こういうものを設置しているところでございます。さらに周辺住民の方々も含めた説明会などによりまして、さまざまな御意見をいただきながら進めてきているところでございます。今後とも快適で個性のある地域づくりを目指すために、住民参加によるまちづくりを推進してまいりたいと思っております。
◯議長(川上義之) 山崎市長。
◯市長(山崎広太郎) アレルギー疾患については、だれもが割と身近なところでその疾患に苦しんでいる人を知っているわけで、特に若い世代が苦しんでおると。これについてだれもが心を痛めておるテーマでございます。アレルギー疾患は社会がつくり出したものと、あるいは社会的に対応することが必要だと、この意味で社会的な課題として取り上げるべきだと、基本的にそう考えております。今後、本市のアレルギー疾患対策検討委員会の調査結果も出ておりますし、また提言もいただきましたので、これをもとにアレルギー対策に積極的に取り組んでまいります。
◯19番(山口剛司)登壇 私は、公明党福岡市議団を代表して、これからの福岡市政に関し一般質問いたします。行政当局の明快なる回答並びに決意を期待するものであります。
まず1点目に、通学指定校に対する学校選択制の推進についてであります。小中公立学校で自宅に近い学校の選択ができないか。平成12年に品川区が導入して以来、本年6月20日に直方市でも来年度から学校選択制度を導入する方針が明らかにされました。これまで本議会でたびたび取り上げられておりますが、現時点でのお考えをお尋ねいたします。市長公約事業の工程表によると、学校区の一斉点検を行うとありますが、現時点での進捗状況をお教えください。受け身の姿勢ではなく、通学距離、バス通学などの問題点を教育委員会から地元に示していく姿勢も大事だと思います。一斉点検に当たる教育委員会の取り組み方針についてお尋ねいたします。本年2月、東区土井と名子地区の保護者の方が中心となり、遠距離通学バスの補助金をお願いしたい旨の署名簿3,500名分を山崎市長あて渡されました。その際、検討しますと言われましたが、どうなりましたでしょうか。御回答をお願いいたします。また、教育委員会の附属機関に通学区域審議会が設置されていますが、その開催状況とどのような議論がなされているのかお答えいただきたい。
2点目は、地域コミュニティーの活性化及びそのための施設つくりについてであります。なぜこのような質問をするかと申しますと、選挙期間中に市民の方から多かった要望で、地域で自由に集えるような施設、集会所をつくってもらえないかということでした。福岡市では校区で1公民館しかなく、公民館が開設されたときより人口の分布が大きく変わっており、今の所在地は歩いて四、五十分かかって利用しづらいし、利用者が多くて会合の予約が取りにくい、高齢者も安心して使える施設をつくってもらえないかということでした。今の市民感覚は公民館が設立され始めた50年前より随分ばらつきが出てきて変わっております。まず、老人いこいの家を整備されておりますが、現状ではどのような計画を進められているかお尋ねいたします。
次に、財政健全化の市有財産減量作戦にも当てはまりますが、福岡市公有財産の土地の活用がどのようになっているかであります。市内各地を見ますと、バブル時代の遺物ともいえる空き地が随所に見られます。東区内でも目立ってふえております。箱崎・筥松地内でJRの連続立体交差事業が進められておりますが、移転に伴う換地があります。一概に遊休地とは言えませんが、早くから土地を収用されています。地元の方に伺いますと、道路にするにはまだほかの土地も購入しなければ使えません。まだお隣とかは移転交渉が進んでいないんですとの話でした。もし、着工がこれから四、五年かかれば、土地を購入されてから10年以上たつ計算になります。そこで、この筥崎土地区画整理事業の空地状況と今後の活用についてお伺いいたします。市内で遊休地と称される未利用地がどの程度存在するのか。また、土地開発公社で把握されている分もお教えください。市民の声として、使われていない財産をぜひ活用してほしい、また、しばらく利用計画がないようであればお借りしたいとの要望があります。この未利用地の中で先行投資のため購入された後、利用目的が変わり、5年以上10年未満使用されていないところがあれば、あわせてお示しください。また、地下鉄構内で祇園駅や西新駅など、私が知っているだけでも5年は空地になっている随分広いスペースがあります。維持管理費も、広い分、費用がかかっていると思います。市で有効利用するか、民間に貸すなど方法はありませんでしょうか。さらに、営業区間延長に伴い、会議室スペースなどで貸し出しが可能な会議室等は幾つありますでしょうか、お尋ねいたします。
3点目に、国際集客文化都市となる集客産業の振興についてであります。本年4月、福岡アジアビジネス特区が認可されました。その効果でおおむね10年で企業誘致創出を約700件、2,850億円の生産額の増加と約2万人の雇用を創出するとありますが、その具体的な取り組み方がどうなっているかお示しください。また、その中でアイランドシティでの誘致計画が大半を占めていると考えます。私は、アイランドシティにつきましては、まちづくり同様、本市の特性を生かした健康、医療、福祉関連産業やアジア国際関連産業、また物流関連産業などに市民の大きな期待があると思います。市の担当者は多くの企業や団体を訪問されていることと思います。現状でこれら団体等のアイランドシティへの反応はいかがなものでしょうか。進出の打診や問い合わせがあっていますでしょうか、お尋ねいたします。現在、地価は下落して、企業も土地取得から利用へと変わってきております。今後、このような企業ニーズにも柔軟に対応していくことも重要であると考えますが、当局の見解をお聞かせください。
先ごろ中小企業挑戦支援法が2月に施行されてから4カ月、その結果が公表されました。全国でこの新法を利用した会社設立の書類手続段階で3,099件あり、そのうち会社としてスタートしたのは1,856件と順調に伸びていると報道されていますが、当市においてはそのうち何件の申請があり、会社がスタートしましたでしょうか、お尋ねいたします。さらに、当市において創業者支援としてインキュベート事業をももち浜地区で推進されておりますが、これまで利用された方、団体は何件あったでしょうか。また、今後の増設計画についてあわせてお示しください。
また、当市における入り込み観光客数の集客目標として、平成13年1,574万人の実績から27年には2,000万人を目指すとされた交流人口増加の具体的計画はどのようになっておりますか。観光客数増加に影響を与えるコンベンションの誘致の計画と経済効果が期待できる、現在、決定しているイベントをお示しください。また、交流人口をふやす案として、市内名所巡回バスの導入について、平成14年9月に同僚議員が提案し、今後の研究課題であるとの答弁がありましたが、その後の結果はいかがでしょうか、御所見を伺います。
以上で1問目を終わり、2問目からは自席にて行います。
◯副議長(大石 司) 生田教育長。
◯教育長(生田征生) 学校選択制についてでございますが、本市の通学区域は、児童生徒に学びやすく良好な教育環境を保障するため、適正な学校規模や通学距離、通学路の安全確保、さらには地域コミュニティーなどを総合的に勘案し、設定をいたしております。学校選択制につきましては、希望する学校を選択できることや特色ある学校づくりが進むなどの効果があると言われておりますが、反面、学校と地域とのつながりが弱まるなどの懸念や特定の学校への児童生徒の集中や敬遠によって、望ましい教育環境が損なわれるなどという課題もございます。したがいまして、学校選択制の導入につきましては、児童生徒に良好な教育環境を確保するという観点から、児童生徒や保護者、地域社会に与える影響などを見きわめながら検討してまいりたいと思っております。
次に、学校区の一斉点検につきましては、平成14年11月に通学区域関係課長会議を設置しまして、点検の際の観点の整理や具体的な点検項目の検討などを進めているところでございます。その際の一斉点検の取り組み方針ということですが、現在、通学区域の変更は、地域コミュニティーとの連携を維持する観点から、地域の皆様の総意として御要望があれば検討することといたしております。今回の一斉点検については、まず、学校規模、通学距離、地域コミュニティーなどの現状を踏まえまして、見直しの検討が必要である通学区域を把握した上で、通学区域審議会において意見を伺いながら進めてまいりたいと考えております。
それから、遠距離バス通学に対する補助金の要望につきましては、現在、学校によっては校区の面積や交通の安全を考慮いたしまして、学校長の判断によりバス通学を認めている例がございます。通学費の助成という点につきましては、経済的事情によって就学に支障を来している児童生徒の保護者に経済的援助を行う就学援助制度という中で支給されておりますが、その基準でいきますと、小学校4キロメートル、中学校6キロメートル以上というふうになっております。仮にこの基準に当てはめてみますと、土井、名子地区につきましては、おおむね基準外ということになります。今回の御要望は就学援助制度との整合性を考えますと、本市独自の助成制度を設けるということになりますが、これは難しいのではないかと考えております。今後は学校区の一斉点検の中でこれらの地区についても検討してまいりたいと考えております。
それから、通学区域審議会につきましては、教育委員会の諮問に応じまして小中学校の通学区域の設定や改廃に関する事項を調査、審議し、答申をしていただくものでございます。このため通学区域審議会は定期的に開催するものではなくて、学校新設に伴いまして通学区域の設定を行う場合など、必要に応じて開催をいたしております。最近5年間で申しますと、平成10年度、12年度、13年度に各1回開催をいたしております。審議内容につきましては、例えば、平成13年度の審議会では、小学校の通学区域が2つの行政区にまたがっているため、地域コミュニティー活動に支障があるとの地域の御要望を受けまして、通学区域の変更について調査、審議をいただきまして、変更することが妥当であるという答申をいただいております。以上です。
◯副議長(大石 司) 鶴川保健福祉局長。
◯保健福祉局長(鶴川 洋) 老人いこいの家の整備についてのお尋ねについてお答えいたします。老人いこいの家の整備につきましては、昭和48年度から1小学校区に1カ所を整備することとし、平成15年4月1日現在、144小学校中142校区に整備いたしております。また、平成11年度からは老朽化、狭隘化した既存の老人いこいの家の建てかえを実施しており、建てかえに当たりましては、基準面積を40平米から65平米に拡充し、公民館との合築を基本に建てかえ整備を進めているところであります。以上でございます。
◯副議長(大石 司) 平間土木局長。
◯土木局長(平間和俊) 筥崎土地区画整理事業につきましては、平成18年度の完成を目指し、鋭意取り組みを進めているところでございます。事業区域内の空き地の状況につきましては、土地区画整理事業の性格上、民有地の換地時の移転や新しい道路などの公共施設整備のため一時的に生じることとなり、現在、換地や公共施設の整備が終了していない鹿児島本線の西側などに存在しております。事業区域内で市が管理している土地につきましては、市の公有財産規則に基づき、公共工事の資材置き場や地元権利者の建物建築時の一時使用、また、昨年のJR鹿児島本線下り線高架化、新箱崎駅開業の際に地域のイベント開催場所に提供しております。今後とも事業の円滑な執行や公共性を考慮して対応してまいります。以上でございます。
◯副議長(大石 司) 山崎財政局長。
◯財政局長(山崎一樹) 市内での未利用の市有地の状況でございますが、財政局が所管いたします普通財産は、各局が行政財産として使用しなくなったものの移管による決定によるものでございまして、この普通財産のうち100平米以上の未利用地につきましては、平成15年3月31日現在で53カ所、3万9,493平米となってございます。
それから、土地開発公社の長期保有土地のお話でございますが、御案内のとおり、土地開発公社は、各局が所管する事業に必要な用地につきまして、その局から依頼に基づいて先行取得して、当該局に売却するという仕組みになってございます。いわゆる長期保有土地でございますが、用地取得完了後5年以上保有している土地になりますけれども、この状況につきましては、元職員研修所、職員文化体育館建設用地、それから香椎地区副都心整備事業用地、それから金武小学校拡張用地、以上3件となってございます。このうち、元職員研修所、職員文化体育館建設用地につきましては、総務企画局からの依頼により東平尾の土地を取得いたしましたが、本年3月に当該地での建設は行わないこととされておるところでございます。以上でございます。
◯副議長(大石 司) 前交通事業管理者。
◯交通事業管理者(前 博) まず、駅のコンコースや通路などにつきましてでございますが、将来の需要も勘案した上で地下鉄利用者が利用しやすいように、また、防災上、速やかに避難できるよう設計をいたしておるところでございます。また、このコンコース、通路など、地下空間ということもございまして、多くの制限がございます。しかしながら、一部のスペースについては、利用者の利便性の向上や地下鉄事業の収益確保のために店舗等を設置いたしております。今後とも一層の有効利用を図ってまいります。
また、祇園~博多間連絡通路の一部につきまして、今年度から地下駐輪場として整備に着手をいたします。会議室等につきましては、現在、会議、あるいは書庫、資材置き場などとして使用いたしておりますが、今後、利用を工夫するなどによりまして有効利用できるものが生じた場合には、貸し出しを行うなど可能な限り活用を図ってまいりたいと、このように考えております。以上でございます。
◯副議長(大石 司) 高田経済振興局長。
◯経済振興局長(高田洋征) 5項目のおただしにお答えいたします。
まず、特区関連でございますが、構造改革特区につきましては、御承知のように、地域の特性に応じた規制改革を行い、民間活力を最大限に引き出して、我が国の経済の活性化を図るものでございます。福岡アジアビジネス特区は、博多港の国際ゲートウエー機能を強化しながら、また、アジアビジネスの展開を目指す国内外企業の集積を図っていくもので、本年4月の認定では海外人材の活用、創業促進、産学連携、物流機能の強化にかかわる11項目の規制緩和は認められており、今後とも各界、企業の声を聞きながら、必要な規制緩和の追加に努めていくことといたしております。また、本市といたしましては、こうした規制緩和を活用して産学連携や創業しやすい環境を整備するとともに、地元企業と海外企業との橋渡しや福岡への進出に際しての相談窓口の一元化など、アジアビジネス支援機能の強化に努めながら、また、投資意欲のある海外企業等とのネットワークの構築、あるいは海外駐在員や海外で開催されます大規模展示会等を活用した本市の広報やネットワークの拡充とともに、企業立地交付金制度の一層の充実などを総合的に推進して、特区計画の実現、アジアビジネス交流拠点の形成を図ってまいりたいと考えております。
次に、中小企業挑戦支援法の関係でございますが、本年2月に新事業創出促進法の一部の改正等がなされまして、いわゆる極端な例で申しますと、資本金が1円でも会社が設立できることとなったものでございます。市内における設立の状況は、九州経済産業局に確認しましたところ、6月23日現在で申請件数が70件、株式会社が33件、有限会社が37件、このうち現時点において法人の設立登記を完了した件数が38件、内訳として株式会社18件、有限会社20件となっております。
次に、インキュベートの事業についてでございますが、インキュベートプラザ百道浜は、平成12年8室を新設し、その後、平成14年に4室を増設したところで12室となっております。現在までに移転等に伴う入れかえも含めまして16社が利用いたしております。これに加えて本年度は、新たに福岡商工会議所ビル内にインキュベートプラザ博多を設置し、16室を募集する予定でございます。今後とも創業しやすいまちづくりを推進するために、創業支援事業の充実に努めてまいります。
次に、交流人口の増加についてでございますが、交流人口をふやす施策の取り組みにつきましては、今後、九州新幹線の一部開通を初め大型商業施設の開業など、本市に関連する集客ゾーンにつながる環境整備が進められておりますが、この機会をとらえ、ショッピングや食事などの都市型観光やアジアマンスなどの集客イベントの一層の充実を図るとともに、街かど観光ステーションを設置するなど、来福者サービスを深める施策を進めながら、リピーターの増加を図っていきたいと考えております。さらに、昨年9月に本市も参加いたしまして創設されました国内外の26都市で構成いたしますアジア太平洋都市観光振興機構との連携を図りながら、国外等の観光客誘致に一層力を入れるとともに、集客産業ともいうべきビジターズ・インダストリーの振興組織を設置し、関係業界と行政の共同により、観光を初め集客施策の充実に努めてまいりたいと考えております。また、コンベンション誘致につきましては、福岡観光コンベンションビューローを初め、大学、業界団体などのネットワークにより、開催情報の早期収集を図るとともに、助成金制度を活用し、開催件数の増加に向けて取り組んでまいります。なお、より経済波及効果の高い参加者1,000人以上のコンベンションにつきましては、平成15年度以降は300件が予定されておりまして、このうち国際的な会議及び大会につきましては22件が予定されております。中でも本市の知名度の向上等につながる大規模なコンベンションといたしましては、本年4月の日本医学会総会を初めとして、平成16年の国際青年会議所世界大会、平成17年の国際宇宙会議、平成18年の世界政治学会などがございます。
次に、市内名所巡回バスの導入についてでございますが、本市におきましては、民間事業者が豊富なバス路線を運営するとともに、観光客の利便性の向上などのため、100円循環バスや乗り継ぎ割引サービス、福岡都市圏を中心としたエリアで1日フリーバス乗車券などが実施されております。このため名所旧跡や観光施設などを低料金で周回するバス事業を実施することにつきましては、採算性の面や既存のバス路線との競合などの課題があり、現時点において市内名所巡回バス事業を本市が実施することは難しいと考えておるところでございます。以上でございます。
◯副議長(大石 司) 酒井港湾局長。
◯港湾局長(酒井勇三郎) アイランドシティにおきます産業誘致についてお答えいたします。まず、アイランドシティにおきます産業集積用地にかかわる企業の誘致活動につきましては、アジアビジネス、医療・福祉、IT・ロボットの関連分野を中心に、これまでサービス業や製造業など幅広い業種への訪問活動や複数の企業を集めた研究会の開催などを行ってきたところでございます。このような活動を通して、また、国の構造改革特区の第1号として認定された福岡アジアビジネス特区などの戦略的な取り組みも着目していただき、アイランドシティでの新しい事業展開や拠点設置への意向を示す企業なども出てまいってきており、一部具体的な立地条件、協議を進めているところもございます。
次に、港湾関連用地などにつきましては、港湾物流関連等に関して博多港のPRや情報提供を行うとともに、企業ニーズや立地意向の把握を進めているところでございます。この中で博多港は、中国を初めとするアジア諸国と近接し、世界の主要港ともコンテナ航路網で結ばれ、広域的な交通アクセスにも恵まれていることから、高い評価を得ており、既に立地を希望される企業も多うございます。
また、土地の処分方法につきましては、分譲を基本といたしますが、処分期間も長期を要することなどから、そのときどきの社会経済情勢に応じた柔軟な対応も必要でございます。今後、企業ニーズ、需要動向等も踏まえながら、企業の立地を支援できるような多様な分譲促進方法についても検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
◯副議長(大石 司) 山口剛司議員。
◯19番(山口剛司) それでは、2問目に入ります。
まず、学校選択制度についてですが、今、指定校を変えるには町内会、PTA、学校と協議し地域の校区変更をするか、いじめなどがあり、生徒の保護目的のためなどの場合しか認められないとなっていますが、まず、校区変更を希望する地域の保護者や児童に対しアンケートをとるなどして、市民の声をぜひ聞いていただきたいということであります。
先日、学校選択制度を導入している先駆的地域である杉並区へ視察に行ってまいりました。この制度の導入は品川区が1番で、3番目に杉並区で実施できたそうです。杉並区教育委員会は、導入に当たり区民の方々の意見を幅広く聞かれております。学校関係者と町内会、PTA代表による懇談会を1年間に13回開催し、答申をまとめられました。導入後も毎年対象保護者、児童にアンケートを実施されています。選択制度初年の平成12年は5,999人中2,841人が回答、回答率47.4%です。その後、回答率はふえ続け、15年度は72.3%でした。設問項目の中で、この制度の評価について、保護者や子供の希望があれば好きな学校に行くことが望ましいと答えた方が74.5%に上っています。平成15年のアンケートのうち、学校選びには保護者と児童との話し合いで62.8%、385件もの方が学校を決められています。この数字は家庭でよくコミュニケーションをとっていることがうかがえると思います。また、指定校と隣接校の両方を見学した方は6割に上っていました。そもそもこの制度導入の背景には、児童の通学路の点検があり、その際、通学時間が重要視されてきました。指定校変更の認定・承諾基準表の中で、例えば、徒歩通学の所要時間として、1、2年生は20分で、中学校では60分以内と決められています。また、それぞれ新1年生になるときが選択対象生徒であり、隣接区域5から6校を選択校に指定して、40名以内の入学定員としています。地域間の違いもあり、本市においてそのまま通学時間を当てはめられませんが、東区の多々良小学校では徒歩で20分、さらにバスで15分かけて通っている地域があり、その途中では隣の小学校校区を通過しています。その青葉小学校までは徒歩で20分の近さです。過去の経緯から校区の変更はできないとの状況にあります。博多区立花寺地域でも隣の校区の小学校横を通過しているため、この近い隣接校に通学したい、また、させたいなどの要望が寄せられています。教育委員会はこのような現状をどのように認識されているのかお尋ねいたします。幼稚園、保育所は学区制の規制がないので、少子化の中で生き残りをかけて特色ある教育方針や父兄の要望を生かした取り組みをして、それぞれが競争性を発揮しております。先ほどの教育長の答弁で、実施すれば学校と地域が弱まり、教育環境が損なわれる旨の発言がありましたが、杉並区や品川区での事例でも、選択入学定員を40人未満としている点や選択校のエリアを設定すれば解決する問題と考えます。と同時に各学校が生徒獲得に意欲を出していただければ、これまで以上の魅力ある学校づくりの成果が期待できると思いますが、いかがでしょうか。杉並区では各学校が工夫したホームページを開設し、学校新聞ではここしかない人気のカリキュラムを紹介するなど、よい意味で競い合われておりました。当市におきまして、全市一斉でなくても、試験的にモデル校を設置することはいかがでしょうか、お尋ねいたします。子供の目線、つまり自宅近くに歩いて行ける学校があるのに、なぜバスに乗って遠くまで通わなければならないのかという児童の素直な質問に答えられない現状の校区制を弾力的に考えるときが来ているのではないかと思います。この子供たちは毎朝6時50分に起きて、7時20分には自宅を出て、隣の小学校校舎を遠目に見ながらバス停まで歩き、そこから5区間バスに乗り、学校に着くのが8時です。これを小学1年生から9年間続けていきます。家計も大変です。抜本的に解決してあげたいとは思われませんでしょうか。また、この制度は実施できるまでの間、学校がバス通学を認めた地域については、通学費の助成をすべきだと考えます。確かに20年以上前までは本市においても五、六十分歩いて通学するところもありました。しかし、昨今、通学時の児童に対する安全が危ぶまれており、また、通学路の交通量も以前とはけた違いにふえている状態では、名子、蒲田地区などほとんどの児童がバスを利用して通学しています。このような現状を考えると、通学校区の変更ができないのであれば、補助金の支出を行うべきと考えます。御所見を伺います。ぜひ問題解決に向け実効性のある機関をつくっていただき、協議していただけませんでしょうか、お尋ねいたします。
次に、地域コミュニティーについてであります。コミュニティーセンターの開設用地として使えるところがないかとお尋ねしたところから、とても大きな面積の未利用地があることがわかりました。その100平方メートル以上、53カ所の利用計画についてお聞かせください。利用目的が購入時から変化して残っているのか教えていただきたい。さらに、1問目でお尋ねした土地公社の保有する全体の借り入れ利息額は幾らになりましょうか。試算された金額をお示しください。また、東平尾に元職員研修所用地として購入された土地の現在での利用計画はいかがか御提示ください。昨今の財政状況を考えれば、利用計画変更で当面の目的がないのであれば、遊休地を公表し、売却するとか、また、有効な貸し付け先を募集するなど対策を早急にとった方がよいのではないでしょうか、所信を伺います。
公共施設の空きスペース有効活用についてですが、5月20日の新聞記事に「地下鉄馬出駅構内の会議室を利用して高齢者パソコン教室の実施」と紹介されてありました。余り使用されていなかった会議室を総務企画局と交通局が連携したおかげで、NPO団体に貸し出し、高齢者受講生に喜ばれているという内容です。現地を見ましたところ、ボランティアの先生方5名と10名の受講生が熱心に学ばれていました。1週間で8回受講時間がある中ですべて満員。さらに、ここの場所で10人の受講生が入るとスペースが足りないため、つくえのマウスが落ちたり、横に指導員が立てないなど手狭さを感じました。教室の立地もよく、皆さん喜んで参加されていますと指導者の方が感謝されていましたが、しかし、希望者が多く8月までいっぱいで、もっと施設が借りられたら、より多くの方が受講できるのですがと話されていました。先ほど伺いました駅舎などの空きスペースがあれば公表し、公共性の計画がある民間やNPO法人に貸し出しをしてはどうかと考えますが、所信を伺います。
3点目のアジアの企業団体まで誘致活動を行うとの趣旨で、福岡アジアビジネス交流拠点推進協議会が設置されたと伺いました。先日の会合での内容についてお聞かせください。アイランドシティのように、広大な面積が創出された今、どのようにでも計画ができるわけで、私が伺った話ですが、九州にはまだない高度専門医療機関をぜひ立ち上げてほしいとの意見がありました。非常にいい案だと思います。これから時代の変化に対応するために最善の方向を見出していただき、また、斬新な意見を集約していただきたいと思います。御所見を伺います。
交流人口の増加についてですが、今後予定されている1,000人以上の大型コンベンションが300件あり、そのうち国際コンベンションは22件、これは世界に福岡市を紹介する絶好のチャンスであります。これからも積極的な誘致活動で大学や業界団体、そして、市民の方々の知恵を生かし、より多くの経済効果が出せるようにするべきではと考えます。御所見を伺います。
ベンチャー企業の創設につきましては、本市でいろんなサポートをされておりますが、反面、事業に乗らず、せっかくのよい視点がありながら廃業してしまった方々がいらっしゃいます。次に事業を立ち上げようとしても、資金調達や施設の借り入れなどできないというのが現状です。このような人材に対する、いわば人としての投資が可能になれば、もっと活性化するのではないかと思いますが、この点についてどのようにお考えでしょうか、お尋ねいたします。
名所巡回バスの運用ですが、福岡市では民間の努力で、先ほど来、御説明がありました100円バス、また、フリーバス乗車券があります。しかし、残念ながら名所旧跡をつなぐルートがありません。福岡市独自で運営するのではなく、官民が連携すれば観光客増も図れるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。御参考までに平成13年に運行を始めた会津若松の周遊バス「ハイカラさん」は1台で1日平均100人を超える人気ぶりで、本年7月より2台目も運行するようになり、観光客や市民の皆様から慕われているとの記事が掲載されておりました。本市でも民間の協力を受けて運行を考えていただけないか、お尋ねいたします。
以上、2問目の質問を終わります。
◯副議長(大石 司) 生田教育長。
◯教育長(生田征生) 通学区域につきましては、先ほど申し上げましたように、総合的に勘案をし、保護者や地域の皆様の御意見や御要望などもお聞きした上で設定をしておりまして、長年にわたって機能をしておりますし、地域の皆さんの間でも定着したものとなっていると認識をいたしております。しかしながら、新たな住宅開発などによりまして、議員お示しのような問題が生じている場合もありますので、学校区の一斉点検の中でこれらの問題についても検討してまいりたいと考えております。
それから、学校選択制につきましては、これも先ほど答弁いたしましたように、効果があると言われている反面、課題も指摘されております。特に本市の場合におきましては、小学校の通学区域が自治会組織や子供会活動などさまざまな地域活動の単位とも密接に関係をし、かつ長年にわたり定着をしたものとなっております。そのため、学校選択制の地域を限定した試験的な導入につきましても、学校教育サイドの理由に加え、地域コミュニティーに与える影響なども十分見きわめながら検討してまいりたいと考えております。
それから、通学費補助についてでございますが、バス通学の実情や、あるいは就学援助制度との整合性などを今後とも研究をしてまいりたいと思っております。
それから、通学区域の問題解決のための機関の設置ということでございますが、現在、設置をされております通学区域審議会は大学教授などの学識経験者、校長会やPTAなど関係機関の代表者など幅広い分野の人々で構成をされております。この通学区域審議会において十分に検討していただくことで進めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。以上です。
◯副議長(大石 司) 山崎財政局長。
◯財政局長(山崎一樹) 未利用地の利用計画等でございますけれども、財政局が所管してございます53カ所の土地につきましては、各局が行政用途に供する必要がなくなり、用途を廃止したことによりまして普通財産となったものがございます。それから、町村合併時の承継財産のようなものもございます。これらのうち、過半数の土地につきましては市街化調整区域内の山間部にございます旧墓地、あるいは旧道路、池沼というような売却や活用が非常に困難な土地でございます。残りの土地につきましては、利用可能なわけでございますけれども、これらの利用可能な土地につきましては新たな行政用途への転用、あるいは活用ができないかどうかを全庁的に検討いたしまして、その結果、利用計画がないものにつきましては、売却、または貸し付けを進めていくということにしてございます。当面、6件の土地につきまして、ことしの8月に一般競争入札で公売を行う予定としてございます。
それから、土地開発公社の保有土地全体の借入利息でございますが、平成14年度末現在で土地開発公社が市事業分として保有しております土地の元金は、簿価で約509億円となってございまして、その利息額は30億7,000万円でございます。土地開発公社は金融機関等からの借入金によりまして用地の取得及び造成を行ってございますので、借入金の利息につきましては借入利率の引き下げ、保有期間の短縮などによりまして、金利の発生をできるだけ少なくするように努めてきておりますけれども、引き続き今後とも努力してまいりたいというふうに考えてございます。
それから、遊休地の売却、貸し付け等の対策を早急にとった方がよろしいのではないかという御提言でございます。売却可能な土地につきましては、入札、公募等、最もふさわしい手法によりまして迅速に売却の手続を進めてまいります。それから、貸し付けでございますが、民間への貸し付けへの導入に向けまして、本年度貸し付け料のあり方とか、あるいは貸し付け方法として定期借地権の活用などを検討してございまして、早速、来年度から実施してまいりたいというふうに考えておるところでございます。以上でございます。
◯副議長(大石 司) 渡部総務企画局長。
◯総務企画局長(渡部 晶) 職員研修所及び職員文化体育館の建てかえに必要な用地につきましては、博多区東平尾に先行取得しておいたところでございます。しかしながら、厳しい財政状況から当該地での建てかえは行わないことといたしました。この件につきましては、平成15年3月議会の第1委員会におきまして報告をさせていただいたところでございます。当該地の今後の利用計画につきましては、現在、総務企画局において全市的な有効活用策について検討をしておるところでございます。以上でございます。
◯副議長(大石 司) 前交通事業管理者。
◯交通事業管理者(前 博) 駅の諸施設の活用についてでございますが、地下鉄利用者及び市民の皆様方の利便性向上の観点から有効活用に努めてまいります。具体的には、駅にはいろいろ制約がございます。したがいまして、個々の案件についてその都度幅広く検討してまいりたいと、このように考えております。以上でございます。
◯副議長(大石 司) 高田経済振興局長。
◯経済振興局長(高田洋征) お答えいたします。福岡アジアビジネス交流拠点推進協議会の第1回の会議についてでございますが、当協議会は、経済団体、大学、産業支援機関、外国公館、福岡県、国関連機関等で構成し、福岡アジアビジネス特区の推進などアジアビジネス交流拠点の形成に向けて、産学官が連携して幅広く意見や情報交換を行いながら取り組んでいくため、この6月の24日に設置したものでございます。その設立総会では、設立目的でございますアジアビジネス交流拠点の形成に向けた基本的な考え方や福岡アジアビジネス特区、交通、港湾の基盤整備など、国の諸施策の導入を円滑にする第4次都市再生プロジェクトの北部九州圏におけるアジア産業交流拠点の形成等について御説明するとともに、今後、産学官が連携して取り組んでいくことや、また、実務者レベルでの会議を設けて意見、情報交換を密にしていくことを合意したところでございます。
次に、交流人口の増加についてでございますが、今後とも大学、業界団体を初め関連機関と連携して、経済効果が高い大規模会議や国際会議を初め、コンベンション誘致を積極的に進めますとともに、開催に当たりましては、国内外から多くの皆様が福岡を訪れ、本市を知っていただく絶好の機会でございます。魅力ある都市型観光の紹介を初めとしてシティーセールスに努めるとともに、アフターコンベンションとして、本市や近隣地域への観光PRなども深めてまいります。また、これまで国際的なコンベンションなどにおいて市民の皆様に外国語ボランティアとして参加、御協力いただくこともございます。今後、開催内容や主催者の要望等も踏まえながら、市民の皆様、関係団体の御協力を得ながら、多くの方々の創意工夫を生かしてコンベンション開催の効果をより高められるように努めてまいります。
次に、一度廃業した方の再度の事業化についてのお尋ねでございますが、企業が成長するためには、経営者としての資質に加え、人材の確保、資金調達、販路開拓等がうまく展開できることが重要でございます。そこで、本年度はインキュベートプラザ博多を新設するとともに、新たに経営、販路、財務などのさまざまな面から創業者を支援する人材をネットワーク化して、成長段階に応じたきめ細かい支援を実施する事業を立ち上げる予定でございます。一度廃業した後、再度事業を立ち上げることは容易ではありませんが、本市インキュベート施設入居者には廃業経験を糧として事業展開を行っている方もおられますし、また、創業者向けのセミナーで自身の失敗経験を伝えることで創業を支援する事例もございます。このような再チャレンジを目指す方、創業に対する思いや熱意を持った方々にも、本市創業支援事業で積極的に支援してまいりたいと考えております。
最後に、名所旧跡等の巡回するバスにつきましては、先ほど申し上げましたように、種々難しい課題を有しているところでございます。今後、ビジターズ・インダストリー振興組織を設置することといたしておりますが、関係業界等の意見等も伺いながら研究を行ってまいりたいと考えております。以上でございます。
◯副議長(大石 司) 酒井港湾局長。
◯港湾局長(酒井勇三郎) アイランドシティにおきます産業の創出についてお答えいたします。アイランドシティでは、福岡の地域特性を生かした新しい産業の集積拠点づくりを目指しているところでございます。少子・高齢化や経済活動のグローバル化、さらには経済成長の変化など社会経済環境が大きく変化する中で、次の時代を見据えた活力ある都市づくりや経済の活性化に役立つ産業の創出が必要であると考えております。したがいまして、できる限り市民や事業者の方々の御提案を取り入れる機会を設けるなど、アイランドシティでの事業展開の可能性を幅広く検討しながら、その実現に向けて取り組んでまいります。御指摘の高度専門医療機関につきましては、健康、医療、福祉分野のビジネス活動を牽引し、また、人々の暮らしを支える安心の拠点となる中核機能として、医療機関が必要であると考えており、今後実現に向けた取り組みを鋭意進めてまいりたいと考えております。以上でございます。
◯副議長(大石 司) 山口剛司議員。
◯19番(山口剛司) それでは、最後の質問になりますが、市長の公約事業の工程表の中で、子供たちに関する事項の実施スピードを上げてほしいということであります。検討中との事項が2項目あります。また、これからの世の中を担う次世代の人たちへ、子供が夢を描けるまちづくりを推進するとおっしゃっている中で、学校区の一斉点検を上げられています。通学区域関係課長会議を設置し、通学区域に関する諸問題について検討すると提言されていますが、その中で市民の意見も幅広く聞いていただき、先ほど種々提案しました件についても、山崎市長の御所見をお伺いいたします。
地域コミュニティーセンター、集会所の開設要望についてですが、今、行政のサービスに強く期待されている世代は、子供たちと高齢者の方々であります。特に高齢者ひとり世帯や2人世帯が増加していく中で、コミュニティーでの活動支援を強化してほしい、さらに、近くに集える場が欲しいという市民の声が高まってきております。今の施設設置状況は校区の中心に公民館などあればよいのでしょうが、現実は校区の端にあったりして、利用しにくい地域があります。市民の方全員ひとしく行政サービスが受けられるようにするのが目標だと考えます。地域コミュニティーの活性化を進める上で市民が気軽に集える場を確保することは何にも増して重要であると考えますが、市長の御所見をお伺いします。
経済の活性化に大きく寄与すると思われる福岡アジアビジネス特区で示された企業誘致の取り組み目標をぜひ実現していただくと同時に、雇用の拡大とその経済効果を実現していただきたいと要望いたします。
今後もあらゆる場面で市民の皆様に行政が取り組まれていることをどしどし紹介していただき、市民の皆様からアイデアや御意見を聞く機会を持っていただきたいと要望いたします。山崎市長の御決意をお伺いし、私の質問を終わります。
◯副議長(大石 司) 山崎市長。
◯市長(山崎広太郎) 学校区の問題でございますけれども、この福岡市も都市化の段階で毎年四、五校の小中学校の建設に追われまして、それは分校、分校という分離開校という形をとったわけでございますけれども、なかなか余裕がない。それと、学校用地を確保するというのもなかなか現実的に難しかった。そういう状況の中で、新設校の建設に追われた時期がございまして、今、落ち着いてまいりましたので、その意味でも学校区のあり方というものを点検する必要があるんじゃないかと。
それともう1つは、コミュニティー。1つの小学校区をコミュニティーの単位ととらえておりまして、そのコミュニティーの活性化ということを市政の大きな柱にさせていただくわけでございまして、その意味でも学校区の現状というものをもう一度しっかり把握し直そうと、こう考えておりまして、市長公約として学校区の一斉点検を上げさせていただいておりますので、これは議会の皆さんや地域の皆さん方の御意見をしっかり聞いて、点検を行わせていただきたいと、こう考えております。
それから、コミュニティーの活動支援ということでいろいろお集まりになる場が欲しいということでございますが、私どもやはりあくまでも公民館、今、80坪館を150坪館に切りかえております。毎年10館建てかえを行っておるという状況でございます。私どもその地域のコミュニティーの真ん中に公民館があって、いろいろ活用をいただいていきたいと、このように考えておりますが、私、そのほかに、例えば子育ての問題とか──乳幼児の、それから、若者が集える場とか、いろいろな世代によって集まれるというか、利用できる、そういう場というものが、それは校区単位というわけにはいかないかもしれませんけれども、やはりできるだけそういう場を設けるということは必要だと、このように考えておりまして、いろいろ検討してまいりたいと、このように思っております。また、公民館で手狭であれば、もし、小中学校に空き教室があれば、そういうところも積極的に地域の方に活用いただきたいと、このように考えておるところでございます。
それから、福岡市のいろいろ将来についてでございますが、御指摘のとおり、昨年からことしにかけていろんなことがございました。都市再生プロジェクトでこの北部九州がアジアの産業交流の拠点であるという国の位置づけをいただいたり、また、この春は福岡アジアビジネス特区、特区の中で第1号としてお認めいただくということもございました。また、私自身、政府の対日投資会議専門部会の地方自治体の代表委員ということで指名をいただいたというようなこともございまして、いよいよ私どもの福岡市がアジアの産業、経済、その他、文化、いろんな面で我が国とアジアとのゲートウエーの役割を務めるという形になってきたと、このように思っております。そして、いろんな面でそういうことを裏づける数字が上がってきておるような状況でございます。私どもアイランドシティを中心に、こうした福岡市の市としての役割をさらに高めていく方向で積極的に取り組んでまいりたいと、こう考えておりますので、よろしく御支援をお願いいたします。