福岡市議会議員・山口つよし

2013.12.17:平成25年第5回定例会

◯23番(山口剛司)登壇 私は公明党福岡市議団を代表して、ふるさと納税について、就学援助について、そして九州の拠点としての福岡観光戦略の役割について、質問をしてまいります。理事者の明確な答弁を期待いたします。
 まず、ふるさと納税についてお尋ねいたします。
 自分が任意に決めた自治体に納税する制度ができて、5年が経過いたしました。寄附金の扱いで行われるこの制度で、今や自治体からの謝礼の品を目当てに寄附をされる人たちも少なくありません。当然ながら過度な農産物等の謝礼は、行き過ぎているという批評もありますが、自治体の収入源としてのふるさと納税は納める人、納入される自治体とともに魅力があると言えます。
 そこで、本市はどのような状況で、どのように今後取り組まれるのか、質問いたします。
 まず、24年のふるさと納税について、総務省自治税務局の発表によりますと、全国の県、市、町村で1,729自治体が取り組みました。そして、その納税総額は96億円を突破したと公表されております。
 それでは、福岡市において24年度のふるさと納税の金額、件数、どこにお住まいの人から納税されているのか、上位5県を示していただくとともに、幾らの金額帯が多いのか、お尋ねいたします。
 以上で1回目の質問を終わり、2回目以降は自席から質問をいたします。


◯財政局長(重光知明) 平成24年度のふくおか応援寄付、いわゆるふるさと納税の実績につきましては、まず件数が40件、金額は170万円余となっております。また、寄附者の居住地等につきましては、福岡県内が最も多く21件、次いで東京都が6件、さらに埼玉県、大阪府、佐賀県が各2件ずつとなっており、最も多い寄附の金額帯につきましては1万円以上2万円未満で、16件となっております。以上でございます。


◯23番(山口剛司) これまでに振り込まれた方の納税動機にはどのようなことがありますでしょうか、アンケート結果などからお示しください。また、寄附をいただく先としては、どのような受け皿があるのか、お尋ねいたします。


◯財政局長(重光知明) まず、これまでに寄附をしていただいた方々の動機につきましては、平成22年度から平成25年10月末までに御回答いただいたアンケートによりますと、福岡市の施策に役立ててほしいというものや、制度導入をきっかけとして寄附を行ったという回答が多く寄せられましたほか、寄附をすることで記念品が受け取れる、福岡市のPRにより、ふくおか応援寄付の存在を知ったためなどでございました。
 次に、寄附の受け皿につきましては、従来、次世代を担う子どもたちの健全育成のためのまちづくりに資するこども未来基金や、NPOの公的な活動に必要な資金の助成を行うあすみん夢ファンドなどの基金等で寄附を受け入れておりましたが、平成25年度は寄附者のさまざまな意向に一層応えられるよう、新しいこども病院の敷地内に整備されます患者家族の滞在施設であるふくおかハウス建設事業や、人と動物との調和のとれた共生社会の実現を目指す動物愛護事業など、5つの事業を追加するなどしており、現在、受け皿としましては18の基金や事業がございます。以上でございます。


◯23番(山口剛司) 今日までの納税金額はどのような推移になっていますでしょうか、お示しください。また、8月に記念品をリニューアルされたそうですが、どのような内容で効果はどうなのか、お尋ねいたします。


◯財政局長(重光知明) まず、これまでの寄附金額の推移でございますが、制度をスタートさせました平成20年度が91件で401万円余、平成21年度が66件で240万円余、平成22年度が61件で709万円余、平成23年度が33件で127万円余、平成24年度が40件で170万円余となっており、平成25年度は新たに追加しましたふくおかハウスの建設事業におきまして7,364万円余の寄附をいただいたことなどによりまして、10月末現在でございますが、484件、7,559万円余となっております。
 次に、平成25年8月の記念品のリニューアルの内容についてでございますが、リニューアル前は1万円以上の寄附者に対しまして一律に博多おはじきまたは山笠手拭い半天を進呈いたしておりましたが、リニューアル後は2段階の区分を設けまして、それぞれの区分に応じて福岡の地元特産品やその加工品などの記念品を進呈いたしております。具体的には、1万円以上2万5,000円未満の寄附者に脇山産紅茶など6種類の記念品の中から1つを、また、2万5,000円以上の寄附者にあまおうなど4種類の記念品の中から1つを選択していただけるようにいたしております。
 この結果、全寄附件数に占める2万5,000円以上の寄附件数の割合がリニューアル前後で31%から60%へと増加し、寄附金の増収につながっているところでございます。以上でございます。


◯23番(山口剛司) 今お示しいただきましたとおり、金額別に見ますと謝礼の対象となる金額が2万5,000円となっていますので、増加していると言えます。
 そこで、謝礼の品の種類や応募数の状況はどうでしょうか。人気1位から3位まで順にお示しください。


◯財政局長(重光知明) 8月にリニューアルを行いました記念品の希望状況でございますが、平成25年10月末現在で第1位があまおうデラックスで39件、第2位が唐泊恵比須かきで26件、第3位が博多米で18件となっております。以上でございます。


◯23番(山口剛司) 博多らしい品物がやはり上位を占めているという今の御報告でございました。
 そこで、昨日の新聞報道では、25年度、九州内で本市が一番納税額が多いと書かれていますが、それはこども病院のマクドナルドハウスに対しての特別寄附があったからではないでしょうか。通常の都市と比較しますと、他都市に比べて謝礼品や納税される金額が本市はとても少ない自治体と言えると思います。せんだって新潟市を訪問し、ふるさと納税の状況を伺いました。24年度で寄附件数341件、金額では1,466万円でした。それぞれ本市と比較した場合では桁が違っております。そこで、どのような取り組みをされているのか伺ったところ、納税された方々のアンケートで、新潟市を応援したい、高校時代までお世話になったや、仕事でお世話になったなど何か関係があった方からの寄附が多いようでした。そこで、新潟市はサポーターズクラブを設置し、メンバーには今の新潟市の状況や寄附先の状況などを見てわかる広報誌を渡されています。また、毎年寄附いただけるように、新潟市の応援団としてそのクラブメンバーをふやす努力をされておられました。本市では毎年寄附をいただけるような取り組みをされていますでしょうか、お伺いいたします。


◯財政局長(重光知明) 毎年継続して寄附していただくための取り組みについてでございますが、先ほど答弁させていただきましたが、8月のリニューアルでは、まず記念品を毎年楽しみにしていただけるよう、福岡、博多の季節の風物詩である複数の地元の特産品などから選んでいただけるよう改めるとともに、これまでに寄附をしていただいた方々に対して、改めて寄附先の追加や記念品の見直しなどリニューアルの内容についてお知らせしたところでございます。なお、この結果、リニューアル後に再度寄附していただいた方は10月末現在で14名となっております。今後とも、毎年寄附していただけるよう、寄附の受け皿や記念品の見直しなどを継続的に行っていくとともに、これまでに寄附していただいた方々にもお知らせをしてまいりたいと考えております。以上でございます。


◯23番(山口剛司) これからだということで今の局長の答弁かと思います。
 また、納税の告知方法として、本市では東京県人会を初め、関西、中京、京都県人会などでリーフレットなど配布されているようですが、特に高島市長が定例で行われている東京懇話会など福岡出身の経営者へのアプローチはどうされているのでしょうか。成果として示していただけるものがありましたらお伺いいたします。


◯財政局長(重光知明) 福岡出身の方々へのアプローチにつきましては、東京、大阪などで開催されます福岡県人会でのリーフレットの配布、東京事務所が福岡の情報発信のために発行しております広報紙、博多っ子通信でのふくおか応援寄付の紹介のほか、お尋ねがございました平成25年8月に開催されました東京懇話会では特設のブースを設置し、積極的なPR活動を行ったところでございます。これらの取り組みなどにより、福岡県外からの寄附につきましては、制度をスタートさせました平成20年度から24年度までの平均が年24件であったのに対し、平成25年度は10月末現在で約4倍の94件となっております。以上でございます。


◯23番(山口剛司) ようやく何か始まったなというような印象を今の答弁で受けておりますが、これより今後の取り組み方についてお伺いしてまいります。
 まず、本市が納税者をふやす意識があるのかという点です。
 私は、福岡に縁やゆかりがある方に寄附という形で応援していただけると、本当に助かると思います。それには、毎年幾らかでも寄附をいただける方々を募ることが大事ではないでしょうか。新潟市のように寄附者の40%に当たる130人が登録をされているサポーターズクラブなどをつくってはいかがでしょうか、お尋ねいたします。


◯財政局長(重光知明) サポーターズクラブなどつくってはどうかとの御提案でございます。福岡に縁やゆかりのある方々から寄附という形で継続的に応援していただくための取り組みは大変重要であると考えております。このため、引き続き東京懇話会や各地での福岡県人会などさまざまな機会を捉えてふくおか応援寄付をPRしてまいりますとともに、議員御提案のように、寄附していただいた方々をいわば福岡応援隊と捉え、福岡を継続的に応援していただけますような取り組みについても検討してまいります。以上でございます。


◯23番(山口剛司) もうぜひ検討をお願いしたいと思います。さらに、納税された方々に今の福岡市がどうなっているのかお知らせすることも必要ではないでしょうか。例えば、こども病院事業に寄附をいただいた方には、今の工事現場の写真をお送りし、免震構造にはこのような新技術を取り込みましたとか、1階フロアで全ての診療ができるようになりました、また、保護者が付き添われる際にはマクドナルドハウスを設置し宿泊できるようにしたことなどお知らせできれば、寄附金が生かされていると実感していただけるのではないでしょうか。動物園にしても、皆様の寄附で動物たちの餌代がこんなに助かっていますなど、大量の餌を必要とする動物に登場してもらい、今の動物園の状況をお知らせしたりすれば、これまで寄附をしただけというよりも、このような使い方をされているのかと、さらに関心を持ってもらえるのではないでしょうか。アンサーチラシでいいと思います。作成してはいかがか、御所見をお伺いいたします。


◯財政局長(重光知明) 寄附していただいた方々への寄附金の使い道などのお知らせにつきましては、現在、ふくおか応援寄付のホームページにおきまして事業実績などを掲載しておりますところでございますが、議員の御提案を踏まえ、今後は寄附金を活用した事業の進捗状況や活動風景などをより具体的にお知らせをするとともに、関係者の感謝の言葉を掲載するなど、寄附をしていただいた方々に福岡市に貢献したことをより一層実感していただけるよう改善を図ってまいりたいと考えております。また、寄附をしていただいた方々、特に福岡県外の方々には、福岡市に関する情報なども添えて、それぞれ個別にお知らせをしてまいるようにいたします。以上でございます。


◯23番(山口剛司) 今おっしゃっていただきました個別にお知らせする、本当に今はITが進んでいて、ホームページには載せているよというお話をよく聞くんですが、普通見ません、関心がなければ。それが郵便で送ってくるとなると、直接福岡市がこんなふうに私に対して感謝してくれているんだなというのが実感されると思いますので、ぜひこの取り組みは行っていただきたい、そういうふうに要望いたします。
 また、謝礼品についてですが、総務省からも各自治体に豪華な特典で寄附をふやそうなどと行き過ぎないように注意する旨の新聞記事を見ました。良識が必要と私も思います。今後は御当地グルメだけではなく、観光に来てもらえるようなプレゼントが考えられないでしょうか。寄附金額のランクにもよりますが、例えば、市長肝いりのオープントップバスの乗車券や本市が所有する施設、博物館や博多町家ふるさと館など入場料を無料にするなど、福岡市にぜひおいでくださいとメッセージを出せる特典が考えられないものでしょうか。また新潟市の紹介で恐縮ですが、そちらでは寄附者への感謝状の裏面に新潟市文化施設御優待証を印刷して、市内18施設の入場料を無料にしますから、ぜひおいでくださいと案内されています。寄附者が来てくれるという最高のおもてなしを本市も計画されてはいかがでしょうか、お伺いいたします。


◯財政局長(重光知明) 福岡へ観光に来ていただけるようなプレゼントをとの御提案でございますが、福岡市の観光振興と結びつけてふくおか応援寄付を展開していくことは今後取り組むべき一つの方向であると考えております。このため、今後、経済観光文化局とも連携をし、他都市の事例なども参考にしながら、特に県外にお住まいの寄附者に対する福岡の観光情報の提供や文化、観光施設の入場特典などにつきまして検討してまいりたいと考えております。以上でございます。


◯23番(山口剛司) もうぜひそういう方々に来ていただけるような施策を考えていただきたい。余りそうお金はかからないと思います。逆に、納税をされている、福岡市にとってはありがたい方々ですので、その方々の御恩に報いるという意味でも取り組みを始めていただきたい、そのように思っております。
 また、本市ではコンビニでふくおか応援寄付として振り込みができるなど、他政令市にはない取り組みをされていることは評価いたします。しかし、認知がまだまだされていないことが残念でなりません。福岡出身で県外にお住まいの経営者などにも積極的に働きかけをされてはいかがでしょうか。他都市とは違う、ふるさと納税された方に満足いただけるような取り組みが必要ではないでしょうか。米子市では、ふるさと納税が1億円を突破したと新聞記事になっておりました。本市の取り組み方として、今回、るる提案申し上げました。この質問の最後に今後の方向性について財政局長や総務企画局長を歴任されています貞刈副市長にお伺いいたします。


◯副市長(貞刈厚仁) ふくおか応援寄付、いわゆるふるさと納税の推進につきましては、福岡市に寄附したいと思っていただけるような寄附の受け皿や記念品を用意するとともに、山口議員御提案のように、寄附者が福岡市に貢献したことを実感できるような取り組みや、寄附者との結びつきを強めていく取り組みが重要であると認識しております。
 このため、平成25年8月には、寄附者の意向によりきめ細かく対応できるよう、寄附先の追加や記念品の見直しなどのリニューアルを実施するとともに、ホームページでの情報提供や、福岡県人会、東京懇話会でのPRなどに積極的に取り組んでいるところでございます。
 今後は、議員の御提案も踏まえ、観光の観点も含め、これらの取り組みについて、さらに工夫改善を加え、福岡にゆかりのある方々を初め、多くの皆様により一層福岡市を応援していただけるよう取り組んでまいります。以上でございます。


◯23番(山口剛司) ぜひ市の職員の若手の方々など、特にいろんな知恵とかアイデアをお持ちだと思います。どうかそういった方々の意見も踏まえて、よりいいものになるように期待をいたしておりますので、よろしくお願いします。
 次に、就学援助について質問いたします。
 本市の対象人数で小学生、中学生別にそれぞれ全体人数の何パーセントになるのか、お伺いいたします。


◯教育長(酒井龍彦) 就学援助を受給する児童生徒の割合につきましては、平成24年度の実績で小学生が23.6%、中学生が26.8%でございます。以上でございます。


◯23番(山口剛司) 今報告いただいた、それぞれ20%を超えております。この割合は他の政令市と比べていかがでしょうか、多いのか少ないのか。また、その要因は何と考えておられますでしょうか、お伺いいたします。


◯教育長(酒井龍彦) 就学援助を受給する児童生徒の割合を平成24年度の実績で他の政令指定都市と比較いたしますと、福岡市は20都市の中で上位から4番目となっております。福岡市の割合が高い要因といたしましては、生活保護受給率が高いなど低所得世帯の割合が多いことが挙げられますが、近年、非正規雇用の若年労働者の市外からの転入が増加している影響もあるのではないかと考えております。以上でございます。


◯23番(山口剛司) 今、要因をお答えいただきました。これは、この就学援助に限らず、本市のいろんな施策にも反映させなければいけない内容だと思っておりますが、この就学援助、それだけ申請された人数が多いということは、経済状況が全国的に好転に向かっているとはいえ、本市の場合はまだ経済が上向きと言えるには時間がかかると思われます。
 そこで、支給世帯の認定基準がどのようになっているのか、お示しください。


◯教育長(酒井龍彦) 就学援助の認定基準のうち、年収に係るものといたしましては、生活保護基準をもとに算定した市民税の所得割額を基準としております。平成25年度の認定基準につきましては、15歳以下の子どもが2人の場合で、24年中の収入に係る25年度の市民税所得割額が10万3,100円以下の世帯を対象としております。以上でございます。


◯23番(山口剛司) 市民税の所得割で算定されているとのことです。生活保護基準をもとに算定されていますので、妥当な基準であると言えます。
 そこで、本市の就学援助の支給金額は幾らになっていますでしょうか。給食費の扱い、学用品費の支給額、課外活動費の場合など、どのような内訳になっているのか、お伺いいたします。


◯教育長(酒井龍彦) 就学援助のうち、給食費につきましては、実費を福岡市の給食用口座に直接支払い、保護者には支給しておりません。学用品費等につきましては、学年によって支給額が異なり、小学生が年額1万2,610円から1万4,780円、中学生が年額2万3,880円から2万6,050円で、各学期に分けて保護者に支給をしております。また、修学旅行費、社会科見学費、卒業記念品費などにつきましては、それぞれ実費を保護者に支給しております。以上でございます。


◯23番(山口剛司) 給食費など特に直接給食用口座に振り込まれている点は評価できます。
 次に、支給月は何月でしょうか。対象月を含めて示していただくとともに、その中で入学準備金というのがあります。この入学準備金について、その金額と支給日についてお示しください。また、新入学に係る費用実態、小中学生別ではその支給金額で賄えていますでしょうか、お伺いいたします。


◯教育長(酒井龍彦) 学用品費等につきましては、1学期分が7月、2学期分が11月から12月、3学期分が2月から3月に支給しており、修学旅行費などにつきましては、実施後3カ月程度で支給をしております。
 入学準備金につきましては、小学1年生が1万9,900円、中学1年生が2万2,900円で、申請時期に応じて5月下旬から順次支給をしております。
 新入学に係る費用につきましては、平成25年度の新入学時の体操服、上履き、文房具などの購入指定物品を抽出調査したところでは、小学校が2万円程度、中学校が2万1,000円程度となっております。新入学に当たりましては、このほかにランドセルや学生服などの費用もかかってまいりますが、入学準備金の支給により、一定の負担軽減はできておるものと考えております。以上でございます。


◯23番(山口剛司) 今答弁いただきました、この入学準備金で学校指定用品がほぼ賄えているようです。
 一方で、生活保護対象家庭の児童への入学準備金の支給はいつになっているのか、お伺いいたします。


◯保健福祉局長(中島淳一郎) 福岡市の生活保護世帯に対する小学校及び中学校の入学準備金につきましては、3月分扶助費として3月1日に支給いたしております。以上でございます。


◯23番(山口剛司) 就学援助の対象の家庭は、準要保護世帯となっています。ここが大事です。生活保護世帯には3月に支給されています。それは、多額のお金が3月に必要だからです。しかし、先ほど教育長の答弁にありました入学準備金は、必要な時を過ぎ、5月以降の支給となっています。この後も入学準備金についてはお聞きしますが、もう一つここで、支給方法についてお尋ねいたします。現在の援助金の支給は振り込みのほか、何か別の支給方法をとっておられるのか、お伺いいたします。


◯教育長(酒井龍彦) ただいまの御質問に対して答弁いたします前に、先ほどの答弁で、入学準備金について、5月下旬からというふうに申し上げましたが、5月上旬からの間違いでございますので、訂正をさせていただきます。
 それでは、就学援助の支給方法につきましては、保護者口座への振り込みのほかに、学校長を経由して保護者に渡すという方法があり、2つの方法を支給項目別に選ぶこともできます。なお、保護者口座への振り込みとした場合でも、学校徴収金に未納があるときは、未納額と相殺した残額を学校長を経由して保護者に渡す場合もございます。以上でございます。


◯23番(山口剛司) 今の御説明で、課外学習など一度保護者等が負担し、その後で援助金を出した場合、保護者に直接渡すのではなく、学校でその児童生徒に渡したケースがあり、大変困ったと保護者から市民相談を受けていますが、何件ぐらいそのようなことが発生しているのか、実態をつかんでおられるのか、お伺いいたします。


◯教育長(酒井龍彦) 就学援助を受ける児童生徒への教育的配慮について、日ごろから各学校に指導を行っている中で、御指摘のようなことはあってはならないことであり、実態の把握に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。


◯23番(山口剛司) 援助金の支給方法で、保護者口座へ振り込みが全てでなければならないと基本的に考えております。それか保護者等が直接学校に来校してもらった上で受け渡しすべきです。今回のように、児童生徒に援助金を託し、保護者に渡すようにするなんてもってのほかと思っておりますが、教育長、どう思われましたでしょうか、お伺いいたします。


◯教育長(酒井龍彦) 就学援助の認定や支給に当たりましては、就学援助を受給する保護者や児童生徒への人権及び教育上の配慮を細やかに行うべきであり、児童生徒に現金を渡す形で支給することは決して行ってはならないことであると考えております。以上でございます。


◯23番(山口剛司) 今おっしゃったとおり、私もそう思います。子どもたちは多感な年代です。他の児童生徒とは違い、お母さん、何でうちだけお金がもらえるとと聞かれた母親は説明ができなくて本当に弱りましたと打ち明けられました。自分だけお金をもらうことがどれだけ傷つけることになるのか、そのときの教諭は本当に軽い気持ちで後先の子どもの気持ちなど感じていないようで、残念でなりません。今後の支給方法としての現金受け渡しの方法について、教育委員会としてはどのように対応されるのか、お伺いいたします。


◯教育長(酒井龍彦) 学校における就学援助の支給につきましては、これまで児童生徒の心情や人権に十分配慮して対応するよう各学校に指示してきたところでありますが、支給方法については保護者口座に振り込む方法または来校した保護者に直接支給する方法で行い、決して児童生徒に現金を渡すことがないよう、改めて学校への指導を徹底してまいります。以上でございます。


◯23番(山口剛司) この点につきましては、ぜひお願いします。毎年毎年、やはり新人の教員の方々が学校現場に行かれると思いますが、もうわかっているはずだろうというのが一番危ない話で、やはりそこは教育委員会からいろんな通達をされるかと思いますが、その中の1項目に必ずこれは加えていただきたい、これは要望いたします。
 そして、今回の就学援助費の質問の中で、ぜひ変更して取り組んでいただきたいのが、新入学対象者へ3月に支給の前倒しができないかという点についてお伺いいたします。
 その前提として、平成25年度に入学準備金を支給した新小学1年生と新中学1年生とに分けて人数をお示しいただくとともに、全体の金額もお示しください。


◯教育長(酒井龍彦) 平成25年度の入学準備金につきましては、小学1年生2,677人と中学1年生3,035人に対して、合計1億2,277万円余を支給しております。以上でございます。


◯23番(山口剛司) 先ほど生活保護受給家庭では、入学準備金を入学前の3月に前倒して支給されています。就学援助を申請される世帯も準がつくように準要保護世帯に当たります。そもそも入学してからこの援助制度が始まることは理解しているのですが、この入学準備金はその名のとおり、入学時に多額の費用がかかることから本市でも別枠で支給されているのです。それならば入学準備に、支払う月に間に合うよう支給することが考えられないのか、お伺いいたします。


◯教育長(酒井龍彦) 就学援助につきましては、経済的な理由で就学に必要な費用の捻出が困難な世帯への支援として、原則として保護者が一旦負担した後に定額または実費による支給を行っているところでありますが、実際に学用品などを購入する時期を考慮した支給のあり方についても検討していく必要があるというふうに考えております。以上でございます。


◯23番(山口剛司) この入学準備金を入学前の1月に申請し、3月に支給を始める、すばらしい施策を行う石川県白山市を視察してまいりました。この費用には会計年度が通常の前年となるために9月に補正予算を組まれていました。新中学生の人数は、小学6年生の人数からおおよその申請件数が特定されますが、新小学1年生の場合は捕捉が難しい話です。そこで白山市では、5歳児のいる家庭にこの就学援助制度が行われている旨の案内を直接自宅に郵送されていました。また、役所の窓口やホームページでも市の広報紙、(資料表示)これですね、白山市さんから12月号を送っていただきました。この中に就学援助を始めていますよという御案内が載っております。その広報紙にも掲載されております。また、入学準備金を3月にもらったが、転勤等で他都市に移り4月には入学しなかった場合など返還してもらうさまざまなケースを想定し、対処されていました。私は、入学準備金だからこそ必要な時期に支給するという白山市の施策は、本当に市民生活を第一に考えた、血の通った、生きた施策であると感動いたしました。
 先ほどの答弁で教育長は検討する必要があるという趣旨を述べられておられました。仮に4月以前に支給を実施するとした場合は、前年度のため補正予算を組む必要があるかと思います。人数は、新中学1年生の場合は小学6年生から類推できると思いますが、小学1年生は人数の予測が難しく、何か手だてが必要になります。
 入学準備金について、前倒し支給するためには、事務量の増加などさまざま乗り越えなければならない壁があることは十分承知いたしております。しかし、子どもたちには貧しさゆえで悲しませてはいかんと考えております。全ての児童生徒が入学式までには指定学用品がそろうように配慮していただきたいのです。現在、他の政令市で前倒し支給の取り組みがいまだないこの時期にこそ、本市が真っ先に取り組むことで、福岡市が子育てしやすいまちとして全国にアピールする絶好の機会と申し上げたい。ぜひ取り組まれませんでしょうか。この質問の最後に、教育長の御決意をお伺いいたします。


◯教育長(酒井龍彦) 入学準備金の支給時期の前倒しにつきましては、議員からの御指摘も踏まえまして、学校における申請受付事務の負担、保護者への周知方法、受給後に他都市に転出し福岡市立の小中学校に入学しなかった場合の対応など、さまざまな課題もございますので、今後、実施方法を慎重に検討してまいります。以上でございます。


◯23番(山口剛司) ぜひ早期実施ができるよう期待いたしておりますので、よろしくお願いいたします。
 次に、九州の拠点としての福岡観光戦略の役割について質問いたします。
 サービス産業が主軸の本市経済にとっては、観光戦略がとても重要な役割となっています。そこで、昨年の議会質問に引き続き、今回は九州の玄関口の拠点として本市の役割について質問いたします。
 本市を訪れた観光客は福岡経由でどの地域を訪問しているかなど、調査結果がありましたらお示しください。


◯経済観光文化局長(永渕英洋) 5年置きに実施しております福岡市観光客動態調査の直近の平成21年度調査によりますと、まず、国内からの来福観光客の本市以外の立ち寄り先は、県別では福岡県が29.8%、長崎県が25.8%、佐賀県が12%、それから大分県と熊本県がそれぞれ9.8%となっております。また、具体的な立ち寄り先といたしましては、長崎市内とその周辺が20%、太宰府が17.1%、阿蘇が9.1%、別府が7.3%、壱岐・対馬が6.9%となっております。
 一方、外国人観光客の本市以外の立ち寄り先は、県別では熊本県が60.1%、大分県が52.2%、長崎県が23%、九州外が12.9%となっており、具体的な立ち寄り先としては、阿蘇が48.9%、別府が48.3%、長崎市内とその周辺が18.5%、太宰府が16.3%、熊本市内とその周辺が10.7%となっております。以上でございます。


◯23番(山口剛司) 今説明いただきました日本人と外国人とでは行き先に違いがあるようです。また、現在は九州新幹線もあることから、以前より広範囲に行動されているようですが、まずは本市での観光客の行動パターンからお聞きします。
 昨年より始められた福岡城のバーチャル見学会があります。その参加人数はいかがでしょうか。予定どおりか、まだ参加人数に余力があり宣伝する必要があるのか、お伺いいたします。


◯経済観光文化局長(永渕英洋) 鴻臚館・福岡城バーチャル時空散歩ガイドツアーにつきましては、平成25年4月から運用を開始しており、11月末現在で3,803人の御参加をいただいておりますが、まだ参加人数には余力がございます。
 現在、10時30分から12時30分までの定時ツアーを実施するとともに、団体のお客様に対しては御希望の時間に合わせたツアーも行っておりますが、来年の大河ドラマ放映という絶好の機会を捉えまして、より一層の利用促進に努めてまいります。以上でございます。


◯23番(山口剛司) まだ余力がありそうです。参加人数をふやす努力をお願いしたい。
 次に、黒田官兵衛の見せ方の施策としては何か考えておられますでしょうか、お伺いいたします。


◯経済観光文化局長(永渕英洋) 福岡市には黒田官兵衛や黒田家ゆかりの刀剣類や古文書など当時をしのばせる本物が博物館などに数多く残っており、他都市と比べ、それが本市の強みだと考えております。それら本物をぜひ観光客や市民の皆様にごらんいただきたいと考えております。
 具体的には、まず福岡市博物館にお越しいただき、国宝や黒田家ゆかりの品を初め、11月にリニューアルいたしました常設展示をごらんいただいた後、博物館から福岡城あるいは崇福寺にございます黒田家墓所、あるいは光雲神社などの黒田家ゆかりの地へ観光客の皆様に回遊していただけるような観光ルートの掘り起こしや、それに関連する施策の推進に取り組んでまいります。以上でございます。


◯23番(山口剛司) ぜひ福岡市民の皆さんもこの機会に訪問してみたい、友人を誘って一緒に見たいと思ってもらえるようにしていただきたいものです。
 さらに昨年は志賀島等の施策をお聞きしましたが、今回は能古島についてお伺いいたします。
 能古島の訪問数として、市営渡船能古航路の利用者は何人でしょうか。そして、観光案内など情報発信はどのようにされているのか、また、旅行社が訪問先の一つとして企画などされているのか、お尋ねいたします。


◯経済観光文化局長(永渕英洋) まず、市営渡船の能古航路の利用者でございますが、直近の統計によりますと、平成23年度の乗客人員が往復総計で70万1,298人となっております。そのうち、定期券御利用の方22万1,200人を除いた48万78人の方が主に観光目的での利用者であると思われます。以上でございます。


◯23番(山口剛司) 福岡の観光資源を発信する必要があると思います。能古渡船についても船の時刻表は限られた場所にしか置かれていません。(資料表示)これですね。話を聞きましたら、西区役所でつくってある。西区役所関係のところにはということでございました。せっかくこのような観光パンフレットをつくってあるのですから、そこにこの福岡のパンフレットです、(資料表示)これは福岡観光ガイドブックというのがあります。これには時刻表とか運賃が載っておりません。こういうものもせっかくつくってあるのですから、一緒に掲載をしてほしいのです。また、割引案内もあるようですが、本日御出席されています理事者の方々も最近この一、二年で能古島に行かれたことがありますでしょうか。福岡の魅力をさまざまな場面で紹介されるときに、しばらく行ったことがないようでは宣伝部隊になりようがありません。黒田官兵衛についても同じです。博物館でいろいろ展示をされるようですが、観光客はどのようにしたら博物館へ行けるのかわかりません。バスだったら博多駅の何番乗り場が便利とか、時刻表では何時に乗ると何時間見られて、そして何時に博多駅に戻れるかなどを必要としているのです。皆様も一度、博物館へ公共交通機関を利用して見学に行ってみませんか。とても不便さを感じられると思います。せっかく天神と博多駅に案内所を設置しているのですから、もっと踏み込んで、市内観光の3時間コースや半日コースなど時間と料金とそして食事の提案などが1枚でわかるパンフレットをつくってはいかがでしょうか。観光客のかゆいところに手が届くような案内を観光客の目線になり計画していただきたいのですが、御所見をお伺いいたします。


◯経済観光文化局長(永渕英洋) ただいまの御質問に御答弁する前に、先ほどの答弁の中で、答弁漏れと数字の訂正がございますので、まずそちらから申し上げます。
 市営渡船能古航路の利用者で平成23年度の乗客人員の往復総数を70万1,298人と申しましたが、70万1,278人でございました。申しわけございません。
 また、答弁漏れにつきましては、まず、能古島の観光案内での情報発信をどうしているかというお尋ねでございますが、能古島の観光情報につきましては、福岡観光ガイドブックや観光案内サイトよかなびで紹介をさせていただいておるところでございます。よかなびでは、具体的に観光施設や海水浴場などのレジャー施設、季節の花々やイベントなどの観光情報もあわせて掲載しております。また、天神と博多駅の観光案内所におきまして能古島や島内の観光施設のパンフレットを配置し、観光客の皆様に広く御活用いただいているところでございます。
 次に、旅行社が能古島を訪問先の一つとして企画などをしているかという先ほどの問いでございますが、今秋、コスモスの時期には、民間の交通事業者と能古島の観光施設事業者が連携し、渡船場までのバス利用者に対し、施設入園料の20%割引券を配布するタイアップキャンペーンが実施されております。また、公益財団法人福岡観光コンベンションビューローが運営する着地型観光商品「福たび」でも、能古島の観光施設事業所が主催する陶芸体験のプログラムを御紹介いたしております。大変申しわけございませんでした。
 次に、先ほどの御質問、観光客の目線に立った観光案内をしてもらいたいという御質問でございますが、福岡観光ガイドブックでは、博多エリア、天神エリア、百道エリアなど、エリアごとに主要な観光スポットや公共施設、鉄道駅やバス停などの位置がわかるマップを掲載しております。
 また、観光案内所におきましても、御希望の箇所、観光できる時間などを利用者に確認しながら、お勧めの観光スポットや交通手段を紹介するとともに、コースや主要時間なども案内しております。
 今後とも、黒田官兵衛にちなんだコースを初め、観光モデルコースを掲載するなど、観光客のニーズに合った利便性の高いチラシやパンフレットなどを作成するとともに、観光客の目線できめの細かい観光案内を行ってまいります。以上でございます。申しわけございませんでした。


◯23番(山口剛司) 今、答弁漏れを答弁されましたので、私がもう先んじて、紹介してくださらないんだなと思いながら紹介をさせていただきましたが、今、局長がおっしゃられたとおり、やはりこの福岡の魅力、特に黒田官兵衛は来年ありますが、それ以外にもいろんな見ていただきたい、また見ていただくと非常に楽しい場所があるよというのは情報発信をしてほしいんです。今、答弁もいただきましたが、こういうモデルコースをつくることが非常に大事であると思っております。ぜひ早急に作成に取りかかっていただきたい。福岡での滞在時間が短かった観光客が、また福岡に来たらこんなところも見て回りたい、こんなものも食べてみたいと思っていただけるよう、リピーターを育ててもらいたいんです。
 私もいろんな都市を訪問しますが、主要な駅とかでそんな何時間コースとかがあれば本当に助かります。神戸市などは、そのような施策を実施されている典型ではないでしょうか。よく行き届いていると感心をいたしております。また、行きたくなるまちに福岡市も目指していただきたいと申し上げます。
 さらに、今回の質問では、次の訪問地に行く福岡市としての課題について伺います。
 最初、観光客がどこに行かれているのか説明をいただきました。私は、福岡の次の訪問地として、壱岐、対馬もぜひその立ち寄り先の上位となってほしいと念願しております。
 そこで、博多港から壱岐、対馬へ訪問されている人数をお尋ねいたします。


◯経済観光文化局長(永渕英洋) 博多港統計年報によりますと、平成24年の博多港から壱岐、対馬への航路の乗り込み人数は34万6,025人となっております。なお、長崎県観光統計によりますと、平成24年の壱岐、対馬の観光客延べ数は、それぞれ壱岐市が55万2,395人、対馬市が86万5,869人となっております。以上でございます。


◯23番(山口剛司) 今、御説明いただきました、この人数は10年前、20年前に比べると随分少なくなったなというふうに感じております。相手が長崎県なので行政としても協働支援が難しいのかもしれませんが、本市は職員として壱岐市からも毎年1人が派遣されておられます。県こそ違え、博多と船の航路として密接につながっているわけですから、先ほどの案内所でも案内パンフレットや観光案内なども一緒に紹介してほしいのですが、御所見をお伺いいたします。


◯経済観光文化局長(永渕英洋) 天神や博多駅の観光案内所、それから市役所1階の九州情報コーナーにおきまして、壱岐市も含め、九州各県の観光パンフレットを配置し、来訪者に情報提供を行ってございます。
 また、福岡観光コンベンションビューローが発行している福岡観光ガイドブックには、福岡市内に加え、周辺地域の観光情報も掲載しており、壱岐市についても紹介しているところでございます。以上でございます。


◯23番(山口剛司) 観光パンフレットですが、今御答弁いただきましたように、1階には確かに壱岐市はありました。しかし、対馬市がありません。ぜひ用意していただくよう強く要望いたします。福岡市民として、壱岐出身、対馬出身の方が他都市と比べても多い状況があります。福岡市職員で壱岐出身の方々は岳の辻会を結成され、会合を開催されているとお聞きしました。そこに所属されている方は130人に上るそうです。会合には、壱岐市の市長や高島市長も参加されていると聞いております。ともに栄えるため壱岐・対馬にも手を入れていただきたい。長崎県の施策ですが、しまとく通貨があります。1万円で1万2,000円分の金券と交換してもらえます。この通貨は、長崎県の離島のみで使用できる金券で、土産品はもちろんのこと、宿泊や食事どころ、レンタカー代など、それはいろんなところで使えるようになっています。本市でも長崎県が行っているような特典つきアイデアがないものでしょうか。11月の新聞に、経済界が主体となり対馬、釜山へ旅行に行きませんかとの提案記事を見ました。これはビートルで行かれるそうです。2万5,000円で1泊2日の旅行ができるのは魅力的な事業だと思います。今後、経済観光文化局が音頭をとり民間事業者に施策を提案してもらえるよう取り組まれませんでしょうか、お尋ねいたします。


◯経済観光文化局長(永渕英洋) 福岡市では、観光集客施設としても楽しんでいただけるよう、美術館、博物館、アジア美術館を2館以上回りますと常設展示観覧料の割引を受けることができるふくおかミュージアムめぐりを実施しております。また平成25年からは、外国人観光客がふえる旧正月の時期に、多くの商業施設が参加する福岡ウェルカムキャンペーンが開催され、割引や記念品などの特典サービスやおもてなしイベントが実施されております。
 観光戦略におきましては、観光客がまちを楽しみ、もう一食、もう一品、もう一楽しみしたくなるような商品開発やイベントの促進に取り組むこととしており、今後とも、民間事業者と連携しながら、福岡の強みを生かし、飲食やショッピングなど福岡観光の魅力のさらなる向上に努めてまいります。以上でございます。


◯23番(山口剛司) 今、いろんな取り組みをこれから計画されているようですが、私は経済観光文化局の職員の方だけが頑張ればいいとは思っておりません。
 ここで、京都市の市営地下鉄の話を紹介させていただきます。交通事業管理者、きょうは答弁がありませんので、聞いておってください。
 これは、京都市の若手職員が企画をされ、営業を自分たちでしておられます。そして、成果を上げているというお話でございます。
 京都市の乗車人員の目標は約38万人だそうです。それが平成12年は約34万人、これは頭打ちになっているということで、そこで何とか乗客増を目指そうということで、局内で、うちでいう交通局でしょうか、企画をされて、そこで1日乗車券を提示すると8つのホテル、レストランなど、そういう飲食店です、特別企画の食事代が10%割引になる、その施策を今実施をされておられます。この施策で、ホテル側のメリットとしましては、地下鉄駅内で掲示されるホテルとかの宣伝ポスターの広告代が無料になるということだそうです。これは双方とも効果があります。観光客も地下鉄に乗り、また、そういう食事どころも来ていただける、また、それに行った観光客も割引になる、これほど、ああ、これはいい施策をされているなということで私も感心をいたしております。
 本市でも、地下鉄に乗って博物館に行こうとか、黒田官兵衛に会いに行こうとか、そういう企画を交通局、私は期待をいたしております。そういうことも考えられませんでしょうか。地下鉄の最寄り駅、博物館へ行くためのバスが、こういう時間で出ますよ、また、昨日、我が会派の黒子議員が言いましたが、西新のほうからはレンタサイクルもあります。レンタサイクルを利用しませんかというようなコラボのそういう提案をぜひ考えていただきたいものです。
 明年は大河ドラマもあり、福岡市にスポットが当たります。一度の訪問だけではなく、何回も福岡に来ていただくための施策が必要です。それには本市の食文化やフィルムコミッションなどの魅力発信だけではなく、周辺観光地域の発信も重要ではないでしょうか。観光客に気まずい思いはさせない、訪問してよかった、また行きたいと感じていただけるよう官民挙げてのおもてなしを示していただきたいものです。ふるさと納税でも謝礼品の一つとして観光の提案をいたしました。最後に高島市長の御所見をお伺いし、私の質問を終わります。


◯市長(高島宗一郎) 山口議員御指摘のとおり、福岡市を訪れていただいた観光客の皆さんがもう1回福岡市に来たいと思うような取り組み、思っていただくための取り組みというものは、これは福岡の観光戦略にとって大変重要であるというふうに認識をしております。
 そのために、観光客の皆様が福岡のまちを楽しんで、さらにもう一食、さらにもう一品、さらにもう一楽しみ、また、一番大事なのはもう一泊というですね、このように議員から御提案いただきました市内観光のモデルコースの紹介など、観光客の目線に立った、回遊促進につながるような観光情報の発信ですとか、もちろん市民の皆様一人一人のおもてなしの心の醸成に取り組んで、観光客の市内滞在時間の延長、そしてまた、リピートでもう1回福岡に来ていただける、こうした皆様の確保に努めていきたいというふうに思います。また、さらなる集客に向けて、議員御指摘のふるさと納税の活用など、きょう御提案いただきましたんで、さまざまな工夫を取り入れていきたいというふうに考えます。
 さらに、周辺地域の情報発信についても、福岡都市圏において、共通の観光パンフレットを作成したりとか、それから回遊性を向上させるための新たなプロジェクトの提案や検討も今行っているところでございます。また、壱岐市との間でも、海外大手PR会社を活用した外国人観光客誘致のための情報発信事業を共同で実施しますなど、福岡市を訪れた観光客を周辺地域へ回遊させる、そうしたルートの構築にも引き続き取り組んでいきたいと考えます。
 今後とも、観光客の皆様にきめ細やかなおもてなしができるように、官民協働による観光施策の充実に積極的に取り組みますとともに、経済効果が広く及ぶよう周辺地域とも一体となって、しっかりと事業を推進していきたいと考えます。以上です。

 

福岡市議会議員
山口つよし

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