福岡市議会議員・山口つよし

2011.02.28:平成23年第1回定例会

◯19番(山口剛司)登壇 私は、公明党福岡市議団を代表して、高島市長の平成23年度市政運営方針並びに予算案、重要施策、関係諸議案について質問いたします。
 21世紀の第2の10年の開幕の年に当たり福岡市は、高島新市長が初めての予算編成をされました。昨年は、高齢社会を迎えている日本が無縁社会などと評されるような、住民によるコミュニティ不足、また、崩壊が問題になりました。東京の111歳の消えた男性を皮切りに、高齢者の行方不明問題が多数発覚しました。家族や地域とのつながりが薄くなり、社会での孤立感が増す中で、先行きを不安視する若者や中高年も少なくありません。その背景には、厳しい経済状況や核家族化など多くの問題が山積しています。情報化社会の急速な進展で、情報科学を介したつながりが、顔と顔が見える対話を損ない、ひいては孤立社会へと進んでいると言っても過言ではないと思われます。
 市民の多くは、このような現状から、将来の夢と希望を語ってくれる、また、実行してくれるリーダーを強く望みました。その人が高島市長、あなたでありました。市民から期待どおりだと言っていただけるよう、私ども会派も協力を惜しむものではありません。大いに議論し、市民生活にプラスになるよう努力しようではありませんか。
 それでは、まず、新年度予算及び今後の財政見通しと、財政健全化への取り組みについてお伺いいたします。
 一般会計は3.7%増と増額され、過去最大の7,661億円余となり、特別会計、企業会計を合計しますと814億円の増額で、1兆9,067億円、前年比4.5%の伸び率となっております。新年度の予算では、どの点に着目して、めり張りのある予算とされたのか、お伺いいたします。
 法人市民税が増加するということは、経済が持ち直し始めていると言えます。経済の活性化という点から、新年度は何に主眼を置いて実行されているのか、お尋ねいたします。
 市債残高を減少させるためには、市民の収入がふえれば、市税収入が増収になるので、その財源が活用できれば、新規事業を減少しなくても、長期的には、その効果で市債が減少に転じていくと考えられます。なかんずく地場企業に勤務している方々の収入をふやせるようにすることこそ重要であると考えます。これまでの指針となっている財政リニューアルプランについて、高島市長として何か見直しをされる予定があるのか、それとも、来年度までの計画なので、それを過ぎてから見直されるのかお伺いいたします。
 次に、財政の収入と支出についてですが、収入では、収納率の向上策と多様な財源の確保のため、効果的な資金調達が欠かせません。どのような施策を実施するのか、また、支出の面から申し上げますと、公明党が提案した事業仕分けが20年度から実施されているわけですが、全体の事業から見ると数パーセントしか仕分けされていません。それも新年度予算にどのように反映させているのかを見ると、規模が小さくて残念でなりません。今後、事業仕分け数はどうするお考えか、新年度は何か対策を考えておられますでしょうか、お尋ねいたします。
 また、以前より提案している電子自治体の構築と、これに欠かすことのできない仕事の手順の見直しは進んでいるのか、お尋ねいたします。
 コールセンターのワンストップサービスの導入と、新規事業の目玉政策の一つである、コンビニ端末での証明書発行は、新年度は何を行い、いつごろから発行手続等ができるようになるのか、あわせてお尋ねいたします。
 また、事業を推進していく上で、何よりも職員のモチベーションを上げるのが肝要であると考えます。優秀である職員からの改革、改善について提案を受けるような仕組みづくりを行ってはいかがでしょう。また、改革、改善を進めるためには、これまでとは違う職員とのコミュニケーションづくりが大事であると考えますが、御所見をお伺いいたします。
 次に、健康で快適に生活できる医療、福祉のまちづくりについてお尋ねいたします。
 まず初めに、こども病院について、現在、こども病院移転計画調査委員会での調査が開始されています。こども病院の老朽化、狭隘化は限界に達しており、建てかえは待ったなしの状態との現実を見据え、議会の議決を最大に尊重して、新病院開院時期をできる限りおくらせることなく進めていただきたいと考えます。新こども病院建設計画の着実な実行を強く要望するとともに、アイランドシティに新こども病院を建設し、その周辺に高度専門医療機関などが集積するメディカルクラスター機能を形成し、健康、福祉分野における産学官連携の健康をテーマにしたまちづくりを推進すべきと考えますが、当局の見解をお示しください。
 国民健康保険料を引き下げるとの市長公約の実現として、新年度の保険料が年間1人当たり平均2,000円下がる見通しとなり、一定の評価はするものの、一般会計からの繰り入れに多くを頼る構造をよしとするものではありません。所得割と均等割、世帯割の見直しに限界があることは明白であり、国に対し、国費での下支えを強化し、保険料の算定方式の地方裁量の幅を拡大するよう働きかけるとともに、ジェネリック医薬品の普及促進等、医療費の適正化を図ること、そして根本的解決へ、市民の自分の健康は自分で守るとの意識啓発を強化し、特に、特定健診受診率向上へ全力を傾注すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 がん対策についてお尋ねいたします。
 現在、乳がん、子宮頸がん検診の無料クーポン配布事業を行っていますが、永続化と男性の前立腺がんなど対象の拡充が必要です。総合的ながん対策について御所見をお伺いいたします。
 薬害肝炎やウイルス性肝炎及び原因が不明で根本的な治療法が確立していない難病患者などについては、患者の経済的負担の軽減、医療を受ける機会の確保と療養生活の質の向上を図っていく必要があります。ウイルス性肝炎や難病患者への在宅療養及び生活支援の充実についてお伺いいたします。
 自殺予防対策についてですが、福岡市自殺対策総合計画に基づき各種の事業を実施していますが、福岡市における自殺者数の傾向はどのようになっているのか、また、家庭や職場で自殺の兆候やうつ状態を早期発見するための知識の普及啓発、インターネット、夜間電話相談など相談体制、さらに、これらを支える人材の養成や支援団体のネットワーク化を推進することが重要です。自殺予防対策の充実についてお示しください。
 ひとり親世帯への支援策の充実強化についてですが、児童扶養手当の父子家庭への支給が実現し、一歩前進と評価していますが、厳しい経済情勢下にあって、まだまだ不安定な生活を強いられていることには変わりはありません。ひとり親世帯の自立のためには、あわせて生活、教育、法律など幅広い相談機能の充実が不可欠です。ひとり親家庭への支援策の充実について、お伺いいたします。
 次に、生活保護についてですが、ここ数年の生活保護相談の急激な増加に対し、ケースワーカー不足の状態が続いており、本来業務である生活指導や就労支援が十分な効果を上げていないと言わざるを得ません。また、市民からは、依然として生活保護の不正受給を指摘する声が絶えないのも事実であり、家庭訪問による指導や実態調査の人員を確保し、自立促進の実を上げることが強く求められています。生活保護受給者の実態把握、生活指導、就労支援対策についてお伺いいたします。
 ホームレス対策については、就労自立支援センター開設や民間施設への業務委託等の事業により、一定の前進が図られましたが、緊急一時保護事業の拡充、高齢者や障がい者に対する市立救護施設の活用による生活保護の適用を初め、緊急治療の実施など、自立支援や健康対策の一層の努力が求められています。また、就労自立支援センターの運営について、効果的な支援体制の確立へ的確な現状把握と改善指導が期待されています。ホームレスの自立促進に向けた取り組みについて、御所見をお伺いいたします。
 次に、子どもを安心して育てられるまちづくりについてお尋ねいたします。
 国は、子宮頸がん予防ワクチン、ヒブワクチン、小児用肺炎球菌など3種のワクチンに必要な経費の2分の1を今年度と来年度分、公費助成することになりました。本市においても、公明党が要望しておりました3種のワクチンの公費助成実施が、高島市長のスピード感ある決断により、3月から実施されることになり、高く評価するものです。実施に当たり、料金の支払い方法については立てかえ払いにならぬよう要望するとともに、接種方法や周知徹底についてお伺いいたします。
 子どもの医療費助成拡大について、公明党は入院、通院ともに義務教育期間である中学3年生まで拡大すべきであると主張してまいりました。入院医療費については、本年1月から小学6年生まで無料となりましたが、北九州市では中学3年生までの拡大への動きもあるようです。公明党は、拡大を着実に進めるための年次計画の作成を提案しております。今後の中長期的な展望とあわせて、年次計画の作成についてお伺いいたします。
 次に、保育所の待機児童数は昨年12月時点で859人と、既に過去最高となっています。市長の目指す待機児童解消の新たな整備計画を具体的にお示しください。特に、3歳未満児の対応は喫緊の課題です。どのような手だてを講じるのか、また、現在3カ所で開始している保育ママについて、今後各区へ拡大計画はあるのか、あわせて、有効な整備手法である認可外保育施設への助成事業や規制の緩和など、認可化についての考えをお伺いいたします。
 子どもを預ける際に理由を問わない、乳幼児の一時預かり事業が、1カ所ではありますがスタートしました。認可保育施設に限らず、幼稚園や認可外保育施設などでも広げていくようですが、実施施設の増設を早急に取り組むべきです。今後の増設計画とサービス内容をお示しください。また、現在認可保育施設で行われている一時保育事業との違いについてもお尋ねいたします。
 児童虐待防止対策についてですが、平成22年度の児童虐待相談件数は、12月現在、過去最悪の436件となりました。さまざまな対策を講じているにもかかわらず、増加がとまらない原因をどう分析しているのか、お伺いいたします。
 また、生後4カ月までの訪問事業は、育児不安など児童虐待の芽をいち早く掌握する取り組みです。こんにちは赤ちゃん事業とあわせ、新生児訪問事業を全戸訪問で取り組むべきと考えます。御所見をお伺いいたします。
 次に、高齢者、障がい者の暮らしを守る施策についてお尋ねいたします。
 高齢社会は、日本が目指した国づくりの結果であり、本来目指すべき姿でもあります。その結果に伴い、高齢者が享受すべきQOL、生活の質は残念ながら追いついていません。本市におきましても社会構造の変化とともに、高齢化が進む中、障がい者施策と同様、そのニーズは今後ますます多様化し、細分化してまいりますが、対応策の進展は遅く、今後、加速度的な対応が不可欠であります。高齢者の皆さんが老後を安心して迎えられるためにも、高齢化対策は待ったなしです。
 まず、公明党は、わずかな年金や障害年金による生活を余儀なくされている高齢者、障がい者、低所得者への各種公共料金の減免の実施を求めてまいりました。大変厳しい時代が続く中、減免制度は社会的に所得が少ないと言われる方々への本市からの応援メッセージであり、いまだに実現に至らないことは極めて残念であり、引き続き実施を強く求めます。財源の面で厳しいならば、少なくとも一部導入からでも開始すべきでありますが、御所見をお伺いいたします。
 要介護度の高い高齢者の施設入居待機者の解消に向け、23年度の入居施設の増設計画とあわせて、元気な高齢者の皆さんが利用できる介護支援ボランティアのポイント制度の導入についても御所見をお伺いいたします。
 高齢者を取り巻く課題の中でも、ひとり暮らしの高齢者に対する支援事業については、特に地域関係者の皆さんに御尽力いただいており、民生委員の配置数については、地域の実情に応じ適正化を図るとともに、本市行政による地域支援策を創設すべきでありますが、御所見をお伺いいたします。
 次に、高齢者の生活交通についてです。
 本年1月より、福大病院と西鉄大橋駅を結び、国道202号福岡外環状道路を運行するバス路線が社会実験として行われており、これについては沿線住民の期待も大変大きく、大変重要な事業であると認識しております。今後の課題であるバスカット設置など交通安全対策を十分に行い、本格運行、営業路線の延伸、バス停の増設など検討すべきでありますが、今後の取り組みについてお示しください。
 高齢社会のトータルな視点に立った支援策は重要です。特に本市内の交通事業の穴と言うべき、高齢者が地域を移動する手段の確保は大変重要ではないでしょうか。移動したいのに移動が困難な方たちが、何の条件にも縛られずに利用できる公共交通のあり方について、例えば春日市のように、住民ニーズに対するアンケート調査等を行った上で事業化について協議してはいかがでしょうか。そうしたことが、高齢化が標準となる社会におけるコミュニティ形成と、本市経済の活性化の視点からも、重要かつ喫緊の課題であると思います。御所見をお伺いいたします。
 現在、モデル事業で行われている、高齢者の安心確保の生活支援事業について、早期に本格的全市展開を行うべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。同時に、全国の過疎地においてクローズアップされる買い物不便地域にお住まいの方々について、既に対策を始めた政令市もあり、本市においても今後、モデル事業を実施してはいかがでしょうか、御所見をお伺いいたします。
 これまで述べましたように、高齢社会の課題は多岐にわたっております。公明党は、従来の縦割りを越えて、高齢化問題に特化したチームをつくり、高齢社会に即応できる体制を構築すべきであると、かねてから主張してまいりました。23年度における新たな取り組みについて、御所見をお伺いいたします。
 障がい者の高齢化につきましても課題は多く、老後を安心して暮らせるついの住みかをいかに確保すべきか。今後、障がい者のニーズに合ったグループホーム等の整備は喫緊の課題であり、待ったなしです。具体策についてお尋ねいたします。
 高次脳機能障がい、強度行動障がいについて、今年度の新たな取り組みについて、また、人材養成の強化によるプログラムの拡充も図るべきであると考えますが、御所見をお伺いいたします。
 次に、男女共同参画社会についてお尋ねいたします。
 同基本法の公布、施行から10年以上が経過したにもかかわらず、依然として緩やかな進歩しかないのが現状です。今年度は第2次基本計画の策定がされております。
 そこで、何点かお尋ねいたします。
 まず、DVについてです。
 配偶者等からの暴力の防止及び被害者支援策として、昨年、配偶者暴力相談支援センターが設置されましたが、その現状についてお示しください。
 次に、ワーク・ライフ・バランスの推進についてです。
 男性の家庭、地域への参画促進、また、男性の育児休業取得促進など、本市職員を初め、企業への効果的な働きかけの推進はどのようになっているのか、お尋ねいたします。
 女性職員の人材育成・活性化プランに基づく活躍促進の取り組みについては、特に本市の女性幹部職員の登用状況が政令市中下位に位置しており、早急に数値目標を達成すべきです。御所見をお伺いいたします。
 地域における男女共同参画推進活動の支援については、地域において男女がともに支え合う、安心して暮らせる社会を目指すことが強く求められています。さらなる推進支援についてお伺いいたします。
 次に、教育についてお尋ねいたします。
 まず、良好な教育環境の提供、整備充実についてです。
 学校内水道の直結給水、太陽光発電、また、校舎、講堂、体育館へのエレベーター設置やバリアフリー化を早急に進めるべきです。また、近年の異常気象の状況から、暑さ、熱中症対策や学習環境対策として、全小中学校へクーラー設置を早急に実施する必要があります。また、児童生徒の安全確保や不審者の学校施設への侵入防止や校内犯罪の未然防止のために、教育委員会による防犯カメラの設置も必要です。具体的な取り組みをお示しください。
 子どもにとっての最大の教育環境は、教師自身です。そのような観点から、教員の資質向上のための研修をさらに充実させていく必要があります。また、授業力向上支援センターについても設備や運営システムの改善を図り、利用しやすい環境整備を行うべきです。御所見をお伺いいたします。
 優秀な教員を確保するため、教育現場での実務、社会的経験等を考慮するなど、具体的な採用方法の改善、さらに、人事評価制度の見直しを行うことなど、具体的な取り組みをお聞かせください。
 子どもたちの学力向上については、学力実態調査により明らかになった課題の克服を図り、少人数学級の拡大により、さらなる学習指導の充実に取り組むべきです。また、心身の健やかな育成推進について、朝の読書運動、学校司書の充実を図り、各学校図書館への支援を行う必要があります。また、いじめ、不登校対策として、全校にスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを早急に配置し、教育相談体制を強化する必要があります。あわせて御所見をお伺いいたします。
 教師が子どもと向き合う時間確保について、教員用パソコンを活用し、事務の簡素化を図り、提出書類の大幅削減、担任教師への支援プログラムの策定など、具体的な取り組みについてお伺いいたします。
 市立高等学校の特色ある変革については、学力向上を推進し、国公立大学などへの入学者の増加を図るなど、進路の充実、教員のレベルアップ、県教委との積極的な人事交流の推進など、特色ある学校づくりが必要と考えますが、御所見をお伺いいたします。
 図書館等学校施設の地域開放推進と地域教育力向上の支援については、総合図書館と学校図書館をネットワーク化し、学校図書館の地域開放を図り、空き教室やその他の学校施設についても生涯学習や地域活動の場として活用し、地域教育力の向上を支援する必要があると思います。御所見をお伺いいたします。
 特別支援教育の推進については、特別支援教育コーディネーターの養成を進め、発達障がい児への個別の支援計画の活用や通級指導教室の拡充を図るとともに、中学校においては地域バランスを考慮した配置に努めるべきであります。また、私立高校へも講師派遣、アドバイスなどを適宜行う必要があるかと思います。また、特別支援学校高等部及び博多高等学園卒業生の就労支援促進については、教育、労働、福祉部門など関係機関が連携を深め、雇用率の向上に努める必要があります。あわせて御所見をお伺いいたします。
 中学校及び知的障がい特別支援学校の給食を調理する給食センターの整備計画については、現在、第1給食センターの整備計画検討委員会において審議が行われ、さきの2月議会において検討委員会の最終報告がなされたところです。よりよい計画策定のため、施設整備の基本仕様、整備事業や事業手法など、市の計画の審議内容について議会への報告を速やかに行い、議会の意見、要望も計画に反映させる必要があります。今後の取り組みをどうされるおつもりか、具体的にお示しください。
 次に、地球温暖化対策と資源循環型社会の構築についてお尋ねいたします。
 我が国は、2020年までに温室効果ガスを1990年比で25%削減することを目指しています。この実現に向けて、本市の温室効果ガス削減目標並びに地球温暖化対策地域推進計画はどのように改定されるのか、お伺いいたします。
 その目標を達成するために、太陽光発電などの再生可能エネルギーへ大胆に移行転換することが求められています。太陽光発電の新たな買い取り制度や、住宅エコポイント制度の積極的活用及び今後の本市の取り組みについて、お伺いいたします。
 また、エコカー用燃料供給ステーションなど、インフラ整備支援について、電気自動車や天然ガス車などの燃料供給ステーションの整備促進をバックアップし、エコカー普及を加速するべきと思いますが、御所見をお伺いいたします。
 温暖化対策として有効なエコポイント制度を活用したグリーン家電製品の普及促進や太陽光発電、エコカー、省エネ家電など、環境ビジネスは大きく伸びる可能性を秘めています。税制面の優遇や補助金制度の創設など、環境ビジネスへの支援策についてお伺いいたします。
 都市鉱山と呼ばれる、都市でごみとして大量に廃棄される家電製品の中に存在する有用な資源であるレアメタルを分離、回収し、有効活用するためのリサイクル技術の開発はますます重要になってきています。都市鉱山活用の支援策について、御所見をお伺いいたします。
 ヒートアイランド対策の強化について、公共施設並びに民間施設の屋上、壁面緑化や雨水、再生水の積極的な活用を図るべきです。新年度の取り組みをお伺いいたします。
 2002年のCOP6では、2010年までに生物多様性の損失速度を顕著に減少させるとの目標を掲げ、懸命な取り組みにもかかわらず、絶滅危惧種はふえています。生物多様性に配慮した自然環境の保全について、お伺いいたします。
 新たなごみ処理基本計画の策定については、現在のごみ処理基本計画を大胆に見直し、ごみ処理量に見合った清掃工場の処理能力となるよう規模を適正化し、維持コストの負担軽減を図る必要があると考えます。御所見をお伺いいたします。
 ごみ減量の推進については、発生抑制を最優先した3Rの定着を目指し、より効果的な啓発活動を展開するとともに、環境配慮型製品の普及促進を強化すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 廃油、生ごみ、間伐材等の木質、下水汚泥などのバイオマス資源の活用については、実用化を目指し、産学官が連携し研究、開発に取り組める体制づくりを強化すべきであります。御所見をお伺いいたします。
 ごみの不法投棄対策については、特に大量廃棄が予想されるアナログテレビ対策を強化するとともに、不法投棄常習地の監視体制についてお示しください。
 次に、快適な生活環境と地域づくりについてお尋ねいたします。
 日本は今、人と人とのきずなが切れ、単身者がふえ、孤立死がふえる孤族の国とも言われています。また、冒頭でも無縁社会と指摘しましたように、福岡市においても地域や職場、家庭での人間関係が希薄化したことによる孤立死や児童虐待をめぐる事件が多発していますが、将来を見越した地域での支え合いの再構築や地域コミュニティのあり方についてどのようなお考えをお持ちか、具体的に御所見をお伺いいたします。
 福岡市の現実は、集中豪雨があればすぐに水浸しになる浸水常襲地域があり、救急車や消防車も入れない狭隘道路に囲まれた住宅地もあり、自転車道の未整備と自転車利用者や乗用車の運転手のマナー欠如もあって、安心して歩けない歩道や生活道路、さらには、区内だけでなく隣接する区の総合病院や公共施設に容易に行けない不便な交通網や交通過疎地域の増加、さらには多発する交通事故や犯罪など、とても、世界で最も住みよいまちとは言えないと思います。
 そこで、お伺いしますが、本市を名実ともに世界で最も住みよいまちにするために、どのような施策を講じようとしているのか、長期、短期に分けて具体的にお示しください。
 次に、市長公約にあった古い都市計画道路の見直しと自転車対策の強化をうたわれています。都市計画道路の見直しは、昨年3月に検証結果が示されましたが、今後どのように見直しを進めるおつもりなのか、御所見をお伺いいたします。
 また、自転車対策については、自転車専用道路や専用レーンの増設が急務となっていますが、年次計画を立てて対応すべきだと考えます。自転車利用者のマナーアップや、法令遵守を徹底させる方途をどう考えていらっしゃるか、県警への対応も含めて見解をお示しください。
 自治協議会役員の皆さんから、行政からの仕事が多く、ボランティアの域を超えているとの不満の声をよく聞きます。行政と地域の役割を見直し、先駆的なコミュニティを築くべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 市長公約の中の、水と緑のまち「ふくおか」の項目に、「10年計画である公園の再整備150か所を前倒しで進めます」とあります。この事業は、市が管理する1,500余のすべての公園を総点検し、整備する公園を150カ所と決め、ワークショップ方式などで整備しようとするものです。150カ所に決めた根拠と、計画の前倒しにより、いつまでに幾らの予算をかけて事業を終了させるのか、御所見をお伺いいたします。また、残余の公園についての整備は考えておられないのか、今後の取り組みについて御所見をお伺いいたします。
 次に、文化芸術、スポーツの振興についてお尋ねいたします。
 かつて米国では、ニューディールでの公共事業政策と同時に文化振興策に力を入れ、不況を克服してきました。公明党は、多様な文化産業、観光産業を福岡市の成長戦略に位置づけることを主張してまいりましたが、人と都市の活力を生み出す福岡市の文化芸術振興策のビジョンを次年度どのようにとらえ、具体的に進めていかれるのか、お尋ねいたします。
 また、文化芸術を振興するための環境整備を目的とする文化芸術振興条例の制定を進めるべきと考えますが、あわせてお尋ねいたします。
 福岡市の美術館、博物館も相互に連携し、単独ではなし得ない高いレベルの文化を発信することが求められています。本市も他都市との美術館、博物館の協定締結を含めた相互協力を図るべきであり、また、エコポイントのような特典、アーツポイントの創設など、若者を引きつける政策を打ち出すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 そして、3年ごと、定期的に開かれる福岡アジア美術トリエンナーレの次回開催年とその内容をお示しください。
 市民会館、少年科学文化会館の再整備についてです。
 市民会館の建てかえについては、専門委員会で検討されておりますが、文化芸術振興ビジョンの中において、どのようなコンセプトで検討されているのか、整備場所も含めて内容をお示しください。
 また、現在の少年科学文化会館の用地は、新しい小中連携校のグラウンドとして計画されていることから、移転場所について早急な検討が必要であり、他都市の情報収集やアンケート調査を踏まえた行程表を明確に示すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 次に、スポーツ振興についてです。
 すべての年代において、地域、校区のスポーツ参加者が減少し、地域コミュニティの課題となっております。スポーツに関する知識や技術力のある指導者及び新たな担い手を育成するスポーツボランティア登録制度や、スポーツリーダーバンク制度をどのように充実、活用されていくのか、お尋ねいたします。
 また、全天候型の多目的グラウンドについては、市民のスポーツ活動の実態やニーズ、施設の必要性や機能、規模など検討内容をお示しください。
 次に、農林水産の振興についてお尋ねいたします。
 我が国の農業の現況は、政府が環太平洋パートナーシップ、TPP協定について、関係国との協議を開始することとしたことから、国内の農業生産に大きな打撃を与え、国民生活に多大な不安を抱かせる結果となっております。
 こうした中、まず、有害鳥獣対策についてお尋ねいたします。
 拡大する一方の有害鳥獣による農作物の被害に対し、対象鳥獣を広げるとともに、助成制度拡充を強化するお考えはないか、お尋ねいたします。
 口蹄疫並びに鳥インフルエンザ対策についてです。
 昨年、宮崎県において猛威を振るった口蹄疫は、畜産業界に致命的な大被害をもたらし、国難とまで言われるほどの脅威でした。さらには、鳥インフルエンザが宮崎県を初め、各地に飛び火する勢いとなっております。これらの感染病は、本市でいつ発生してもおかしくない状況であることから、緊急かつ速やかに万全な対策が必要であります。対策と対応についてお示しください。
 地産地消についてですが、学校給食に米飯の回数をさらにふやすなど、本市の農畜産物の利用を拡大、促進すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 次に、新青果市場の移転整備についてお尋ねいたします。
 業界より事業手法の見直しの要望を受け、PFI方式から直営方式への変更も視野に入れ、使用料などを含めた市場関係者の意向を十分反映できる事業手法にすべきと思いますが、御所見をお伺いいたします。
 市民のニーズが高い市民農園、体験型農園の広報活動を活発化させ、市民の関心を高め、農業に親しみを持たせ、参画できるよう推進してはどうかと考えますが、見解をお伺いいたします。
 次に、市民が支える森林づくりについてお尋ねいたします。
 不法投棄対策事業は、より実効性のあるものとして、さらに推進していただきたい。森林組合を初めとした関係団体との機能強化を図り、森林の保全、林道整備のさらなる推進を図っていただきたいのですが、あわせて見解をお伺いいたします。
 また、市内産木材の利用をさらに積極的に推進すべきであると考えますが、御所見をお伺いいたします。
 水産業の振興についてですが、極めて厳しい業界にあって、経営安定と販売力の強化など、制度の充実を図るべきと思いますが、御所見をお伺いいたします。
 次に、都市基盤の整備と災害に強い都市づくりの推進についてお尋ねいたします。
 公明党市議団としても、地下鉄延伸の必要性を訴えてまいりましたが、本市地下鉄七隈線の延伸については、天神南から博多駅ルートについて、早期実現に向け、取り組みを進めていく必要があるとされております。七隈線については、開業時からの利用者予測に大幅な乖離が生じ、果たして利用者予測と言えるのか、厳しい市民的批判もありました。今後、事業推進に当たっては、しっかりとした予測に基づき進められるよう強く要望するとともに、本市の財政状況の厳しい中、高島市長の御自身の地下鉄七隈線延伸に対する御所見と決意をお伺いいたします。あわせて、西鉄貝塚線と地下鉄箱崎線との直通運転化は多くの市民の強い要望でありますが、今後の取り組みについてお尋ねいたします。
 博多駅九州新幹線全線開通で、市民の期待はまちづくりや経済の活性化など大変高まっておりますが、一方で長年の懸案とされてきた都心部の交通渋滞対策については、福岡外環状道路などの整備により天神地区の流入交通量は減少傾向にあるものの、博多駅地区については九州新幹線や新駅開業により、交通集中に対する一層の対応が求められています。アジアの中心都市を目指す本市として、都心部の交通円滑化に向けた抜本的改善が求められていると思いますが、御所見をお伺いいたします。
 次に、アイランドシティへの交通基盤整備についてですが、アイランドシティはこども病院の立地のみならず、青果市場の立地や博多港の物流拠点として、ますますその交通インフラの整備が喫緊の課題となっています。都市高速道路の延伸の早期事業化に向けた現在の取り組み状況と供用はいつごろになるのか、御所見をお伺いいたします。
 次に、本市における防犯対策についてです。
 犯罪認知件数における本市の印象は、今や全国屈指の犯罪多発都市となっています。その原因の究明と防犯対策については、強い市民的要求があるわけですが、どのように分析され、防犯対策に取り組もうとされているのかお尋ねいたします。あわせて、本市自主防災組織の整備と防災士の育成状況についてお示しください。
 次に、雨水排水事業の推進についてです。
 近年のゲリラ豪雨に対して、特に床上被害多発地域に対する施策はどうなっているのか、お尋ねいたします。また、地域住民から早期整備の声が出ていますが、河川整備の現状と整備計画についてお尋ねいたします。
 さらに、雨水整備Doプランの進捗状況はどうなっていますでしょうか。このプランの重点地区以外で浸水した地区についても対策に取り組むのか、お尋ねいたします。
 さまざまな取り組まなければならない課題についてお尋ねしてまいりましたが、政府が公共事業費の削減を図る中で、本市に及ぼす財政的影響は大であります。今後、高島市長は公共インフラをどのように優先順位をつけて整備していくのか、お考えをお尋ねいたします。
 次に、雇用・経済対策についてお尋ねいたします。
 長引く景気の低迷により、超氷河期と言われる大学や高校等の新規学卒者の就職内定率の低さは深刻であり、卒業後3年間は新卒扱いとすることが、公明党の政策提案により政府の方針に盛り込まれ、産業界に広がりつつありますが、本市としても、地元経済界に強く働きかけを行うべきだと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 農業による雇用創出策として、耕作放棄地の解消と発生防止のため、優良農地の適正管理と利用権設定等について指導、支援を行い、農地の利活用を推進し、農商工連携や農業の6次産業化などにより、中高年者、障がい者、若年未就職者などの雇用の場の創出に積極的に取り組むべきだと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 現下の厳しい雇用失業情勢のもと、失業期間が長期化する中、離職者への生活資金の貸し付けや緊急避難的な居住支援に関する事業を拡充すべきだと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 また、本市独自の雇用創出事業に積極的に取り組み、委託事業による民間での雇用や臨時職員の採用などについて雇用枠の拡大、募集や採用時期をもっと早めるべきだと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 地場中小企業の支援策としての商工金融資金制度の充実、改善、十分な融資予算枠の確保や返済繰り延べの柔軟な対応、融資審査のスピードアップ、融資実行後の専門家や経験者による経営相談や販路開拓の支援など、もっと強化すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 公共工事における地場中小企業支援措置として、工事のスピーディーかつ途切れのない発注、平成23年度内工事の早期発注目標を明確化、代金の支払い手続を極力スピードアップ、工事完了から検査までの期間短縮、工事代金の支払い期限の短縮を推進、工事契約及び委託契約の前払金制度の利用促進や、下請については地場企業へ優先発注、支援措置を適切に執行管理する公共事業に関する中小企業支援推進会議の着実な開催など、きめ細やかな対応を行うべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 また、超高齢社会を見据えた高齢者仕様のまちづくりを公共事業として積極的に進めていくべきだと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 アジアと近接している地理的優位性を生かし、市が中心となって国際経験豊かなNGO、企業、大学、研究機関などと協力して、海外成長戦略策定機関を設置し、企業誘致、事業の海外展開などを具体的に進め、特にCO2削減や環境破壊防止など、アジアに共通する喫緊の課題解決に向け、自然エネルギー発電、水道敷設、海水淡水化事業などの自治体ビジネスを積極的に推進すべきだと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 また、音楽、デジタルコンテンツ、デザイン関連人材や教育機関の集積など、本市の特性を生かし、アジアにおける関連産業の拠点都市を目指すべきだと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 次に、アジアに開かれた国際交流観光都市づくりについてお尋ねいたします。
 内外観光客誘致へのネットワーク形成と集客戦略の強化については、韓国のソウルから釜山間の高速鉄道KTXが昨年11月に全線開業し、九州新幹線も3月12日に全線開通いたします。この絶好の機会に、福岡市と釜山を軸とした新たな集客戦略と、福岡・釜山超広域経済圏への取り組みを本格化するべきと考えます。本市の取り組みについて、お尋ねいたします。
 魅力ある都市景観の形成と歴史文化遺産を活用したまち歩き観光の強化については、鴻臚館など歴史文化遺産の復元の早期実現を図るとともに、歴史遺産資源の魅力の向上を図り、また、観光を推進する上で欠かせない存在になっています観光案内ボランティアの充実、さらに外国人観光客に対する通訳サポートについては留学生の活用を図るなど充実する必要があると思いますが、御所見をお伺いいたします。
 あわせて、博多駅周辺に発着する観光バスやタクシーの待機場所として、市営博多駅駐車場などの活用を検討していると思いますが、今後の取り組みについてお示しください。
 福岡空港の機能強化については、滑走路増設の早急な具体化への取り組みと計画の十分な市民への説明が必要ですが、今後どのように取り組むのか、また、観光客を迎える空の玄関として、空港ターミナル周辺の花と緑の美しい環境整備を図る必要があると思いますが、お考えをお尋ねいたします。
 国際競争力のある港づくりの推進については、大型クルーズ客船に対応したボーディングブリッジの整備や、CIQ、入国審査、検疫、税関体制の強化など、博多港の観光基盤強化が求められていますが、今後の取り組みをお示しください。
 地場企業の国際化支援については、中小企業が海外に販路を開拓するのはリスクが大きく、商品開発や貿易相談、物産展の海外における開催など一貫したサポートが必要であると考えます。専門アドバイザーや海外商談会の定例化など、特に中国、韓国への外需拡大支援強化に取り組む必要があると思いますが、御所見をお伺いいたします。
 大規模国際スポーツ大会や閣僚級の国際会議などの招致には、コンベンション都市福岡の地位をさらに高めるために、長期的な視野での取り組みが必要だと思います。例えば、アジア競技大会やAPEC国際会議などの長期的な招致戦略を考えるべきではないでしょうか。高島市長の長期展望についてお尋ねいたします。
 以上、市政全般にわたり質問いたしました。
 著名な哲学者は教えています。「行動への集中・熱意、仕損じても挫けずに再び興す力、しなやかさと結びついた精神力の強さがあれば諸々の課題を克服することができる」と。さあ、これからだの気概を持って前進あるのみです。高島市長を初め、職員の皆様が市民のためにとの目線を忘れず、市政運営に励まれますことを願いまして、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。


◯市長(高島宗一郎)登壇 ただいま公明党福岡市議団を代表して、山口議員より御質問いただきましたので、まずは私から御答弁いたします。
 最初に、平成23年度予算案、財政健全化への取り組みなどについての御質問にお答えをいたします。平成23年度予算案につきましては、財政規律を維持しながら、公約の着実な実現を初め、市民の安全、安心の確保や福岡という都市の価値を高め、将来の成長を牽引する分野への積極的な投資を重視して、人と環境と都市が調和のとれたまちづくりの実現に向け、新たな一歩を踏み出すチャレンジング予算を編成したところであります。特に市民の皆様との公約については、保育所待機児童の解消に向けた過去最大規模となる1,100人の定員増や特別養護老人ホーム整備の大幅な前倒し、第二産学連携交流センター整備による新産業の育成など、85%の項目について実施または着手することとしております。
 経済の活性化につきましては、緊急課題である経済・雇用対策として商工金融資金の拡充や平成22年度を上回る公共事業費を確保するなど、地場中小企業の経営安定化を図るとともに、1,500人を超える雇用の創出や中高年、若年者などを対象としたきめ細やかな就職支援に取り組みます。さらに、地域経済の活性化と都市の成長を目指し、2階建てバスの導入などによる観光施策の充実や情報関連産業などの知識創造型産業の振興に取り組むほか、アジアとの近接性を生かし、国内外企業の誘致や地場企業の国際ビジネス支援を進めてまいります。
 財政リニューアルプランの見直しにつきましては、平成23年度に検討する福岡市の将来についてのビジョンや成長戦略などを踏まえながら、財政規律と投資とのバランスを図った財政運営の方向性について検討してまいります。
 次に、財源確保のための施策につきましては、市税収入率の向上、未利用地売却や広告料収入のさらなる確保など多様な歳入確保策に取り組むほか、人件費の抑制や事務事業の見直し、効率化など歳出の見直しを徹底し、平成23年度予算案においておよそ92億円の財源を捻出いたします。
 事業仕分けにつきましては、平成20年度の導入以来、毎年事業数の拡大などの充実を図ってきたところであります。今後とも、継続して実施することによって着実に成果を上げていきたいと考えており、既存事業の見直しや市政運営の透明性の向上のため、より一層成果を上げられる仕組みを検討してまいります。
 電子自治体の構築につきましては、ICTの活用をさらに促進し、行政手続のオンライン化の拡充などに取り組むとともに、仕事の発想や手法を見直すことにより、各種申請を行う際の添付書類の簡略化など、市民サービスの向上と行政事務の効率化に努めてまいります。
 コールセンターのワンストップサービスにつきましては、市民からの電話による問い合わせ状況を把握するための調査を行い、コールセンター設置の必要性などについて検討いたします。
 コンビニエンスストアでの住民票などの交付については、平成23年度はシステムの構築など準備を進め、平成24年度にサービスを開始することとしております。
 職員による提案制度につきましては、市民サービスの向上や事務の効率化を図るため、積極的に提案を受け付けております。今後とも、制度の効果的な運用に努め、職員の改革意欲を引き出していきたいと考えております。また、職員とのコミュニケーションについては、職員が一丸となって市政運営にチャレンジするために不可欠であると考えておりまして、職員と対話する機会を積極的につくってまいります。
 次に、健康で快適に生活できる医療、福祉のまちづくりについての御質問にお答えいたします。
 まず、アイランドシティにおける健康分野のまちづくりにつきましては、市民が健康で安心して暮らせる居住環境の創出と健康、医療、福祉関連分野の研究開発、ビジネス拠点の形成を図るため、ふくおか健康未来都市構想を推進しているところであります。これまでに股関節・膝関節外科病院や特別養護老人ホームが開設されるなど、着実に事業が進められており、今後も健康、医療、福祉関連分野の集積を進めてまいります。
 次に、国民健康保険につきましては、国に対して国庫負担の引き上げなど財政支援の拡充を強く要望するとともに、保険料の算定方式については、現行制度においても一定の地方裁量が認められていることから、福岡市の実情に応じて見直しを行ってまいります。
 また、医療費の適正化については、健康への認識を深めていただくための医療費通知を初め、ジェネリック医薬品の普及促進のための意識啓発の強化を図ってまいります。
 さらに、特定健診については、広報、啓発に努めるとともに、関係機関と連携しながら、あらゆる機会をとらえて受診率の向上に取り組んでまいります。
 がん対策につきましては、検診による早期発見、早期治療が有効であり、市政だよりやホームページなどによる広報に努めるとともに、地域団体や医師会などの関係機関と連携しながら、あらゆる機会をとらえて、がん検診の受診率の向上に取り組んでまいります。なお、がん検診の無料クーポン配布事業については、乳がん及び子宮頸がん検診は平成23年度も引き続き実施し、平成24年度以降は国の動向を踏まえ、対応してまいります。
 ウイルス性肝炎や難病患者への支援につきましては、都道府県などが事業主体となり、医療費助成が行われていますことから、福岡市においては県と連携して制度の周知に努めるとともに、医療講演会、家庭訪問などにより、患者の方々が地域で安心して生活を送れるよう支援をしてまいります。
 福岡市の自殺者数の傾向につきましては、平成10年以降、年間の自殺者数が300名を超える状況で推移しております。自殺予防対策については、自殺対策総合計画に基づきシンポジウムなどを開催し、普及啓発を図るほか、インターネット相談や夜間電話相談の支援に努めるとともに、相談に対応できる人材の養成などを進めてまいります。また、自殺対策協議会を通して関係機関とのネットワークの構築や連携の強化を図ってまいります。
 ひとり親家庭への支援につきましては、これまで母子家庭のみを対象としていた医療費助成制度を平成21年度から父子家庭へ拡充し、また、平成22年8月からは児童扶養手当についても父子家庭へ拡大し、経済的支援を充実させたところであります。さらに、子育て相談や生活相談、弁護士による法律相談など各種の相談に応じるとともに、無料職業紹介事業や企業合同面談会などを引き続き実施し、ひとり親家庭への自立を支援してまいります。
 次に、生活保護につきましては、受給者へ効果的な生活指導などを行うため、ケースワーカーによる家庭訪問や実態把握が不可欠であり、新たに任期付短時間勤務職員を配置するなど体制を充実させ、適正保護に努めてまいります。また、就労支援対策として、求人開拓から離職防止まで、きめ細やかで一貫した支援を行う就労意欲喚起等支援事業を大幅に拡充しており、今後とも効果的かつ総合的な自立支援に努めてまいります。
 ホームレス対策につきましては、緊急一時宿泊事業などにより、個々人の状況把握を行い、就労が可能な方には、就労自立支援センターにおいて、技能習得や求職活動などの支援を行い、高齢者や障がい者には生活保護の適用を含め、健康対策などの支援を行っております。さらに、自立後再びホームレスとならないようアフターケア事業を実施しており、今後とも効果的な自立支援に努めてまいります。
 次に、子どもを安心して育てられるまちづくりについての御質問にお答えいたします。
 まず、子宮頸がん等ワクチン接種事業につきましては、対象者は立てかえ払いの必要はなく、委託医療機関に予約の上、無料で接種を受けることができます。また、市政だよりやホームページによる広報のほか、学校や医療機関などでポスターを掲示するとともに、特に平成22年度の高校1年生に相当する年齢の女子に対してはダイレクトメールを郵送するなど、周知の徹底を図っているところであります。
 次に、子どもの医療費助成拡大につきましては、平成23年1月から入院医療費について、小学校6年生まで無料化したところであります。医療費助成のさらなる拡大については、ほかの自治体の動向、他の子ども施策との関連や財源などを踏まえ、今後の検討課題とさせていただきます。
 保育所整備につきましては、児童福祉審議会の答申を踏まえ進めております。平成23年度は新築、増改築、分園整備、家庭的保育事業の拡充、認可外保育施設の認可化など、さまざまな手法により、過去4年間の平均整備数である500人分の2倍以上となる1,100人分の定員増を行うこととしており、新待機児童解消プランを前倒しし、スピード感を持って待機児童解消に取り組んでまいります。
 一時預かり事業につきましては、乳幼児の保護者が冠婚葬祭など必要なときに乳幼児を一時的に預かる事業で、平成23年度は1カ所増設し、平成26年度までに8カ所とする計画であります。また、一時保育は認可保育所で実施するのに対し、一時預かり事業は基準を満たす施設であれば認可保育所以外の施設でも実施可能となっております。
 児童虐待につきましては、厳しい経済情勢や核家族化など、社会情勢の変化に伴う子育ての悩みや不安が高まっていることなどにより相談件数が増加しております。また、たび重なる児童虐待事件の報道がふえたことなどにより、市民の関心、理解が深まったこともその一因と考えられます。平成23年度は、こども総合相談センターにおいて児童福祉司や児童心理司を増員するとともに、新たに弁護士資格を有する課長級職員を配置し、相談、支援体制を充実させるなど、虐待防止に取り組んでまいります。
 また、生後4カ月までの訪問事業につきましては、母子健康手帳に添付している出生連絡票を出された家庭を助産師が訪問する新生児訪問事業や民生委員、児童委員によるすこやか赤ちゃん訪問事業を実施しております。平成23年度は、出生連絡票の郵送料を無料化するなど、訪問事業の強化に取り組んでまいります。
 次に、高齢者、障がい者の暮らしを守る施策についての御質問にお答えいたします。
 まず、高齢者や障がい者、低所得者への各種公共料金の減免につきましては、公営企業の独立採算制や受益者負担の問題など、さまざまな課題もあることから、今後の経済状況や国の動向などを注視しながら鋭意検討してまいります。
 次に、要介護度の高い高齢者の施設入居待機者の解消につきましては、過去4年間の平均整備数であるおよそ160人分の2倍以上となる402人分の特別養護老人ホームの整備を前倒しして行ってまいります。また、介護支援ボランティアのポイント制度については、他都市の先行事例などから多くの課題があると考えておりますが、介護サービスを利用していない高齢者への施策について引き続き検討してまいります。
 民生委員の配置数につきましては、3年に一度の一斉改選時に委員の皆様の御意見を聞いた上で定めており、平成22年12月に増員しております。
 地域支援策の創設については、平成23年度から地域福祉ソーシャルワーカー・モデル事業を実施する中で、地域に対する有効な支援策を検討してまいります。
 次に、福大病院と西鉄大橋駅を結ぶバス路線の社会実験につきましては、公共交通の利便性の向上を図るため、福岡外環状道路の整備に合わせ、地下鉄七隈線福大前駅から西鉄天神大牟田線大橋駅を結ぶ区間において、平成23年1月から新たなバス路線の社会実験を開始し、現在、沿線地域や病院などに広く利用促進の取り組みを行っております。今後、実験結果の検証と課題整理を行い、関係者とともに、区間拡大なども含めて検討してまいります。
 高齢者の移動手段の確保につきましては、まず、生活交通を確保するため、現在のバスネットワークの維持、強化に努めることが重要であり、このたびの条例制定を受け、新たに公共交通空白地が生じるおそれのある地域については、引き続き生活交通確保に取り組んでまいります。また、公共交通が不便な地域についての全市的な調査を行ってきたところですが、平成23年度は具体的に生活交通の確保が課題となっている地域で、住民の主体的な取り組みが明確なものに対して現状や特性を十分調査し、課題を把握した上で支援の必要性や方法について、議会の御意見を踏まえながら検討を進めてまいります。
 高齢者の安心確保の生活支援事業につきましては、平成22年2月から中央区でモデル事業を実施してまいりましたが、平成23年度から全市域で事業展開し、高齢者が安心できる生活をさらに支援してまいります。
 また、買い物不便地域にお住まいの方々への対応につきましては、車をお持ちでない高齢者など社会的弱者の生活利便性が失われ、地域での生活が困難となることがないよう、都市構造の変化や高齢化の進展などを踏まえながら、支援のあり方などを研究してまいります。
 高齢社会に即応できる体制の構築につきましては、急速な高齢社会の進展がもたらす社会構造の変化に的確に対応していくことが、福岡市としても今後重要な課題になると認識しており、すべての人が安心して生活できる社会づくりに向け、全庁的な視点から取り組んでまいります。
 次に、障がい者の高齢化への対策につきましては、地域生活の基盤としてグループホーム、ケアホームの整備は重要であると考えており、市単独補助の拡充や国の助成事業などの活用により設置を促進してまいります。
 高次脳機能障がいなどの取り組みにつきましては、心身障がい福祉センターの生活訓練の利用定員増を図るとともに、人材養成などのための強度行動障がい者支援モデル事業や高次脳機能障がい支援事業を実施してまいります。
 次に、男女共同参画社会についての御質問にお答えいたします。
 まず、配偶者暴力相談支援センターにつきましては、区役所や男女共同参画推進センターなど関係機関と連携して、被害者の相談、保護、自立支援に取り組んでおります。平成23年度は職員体制を充実させ、DVの防止と被害者の支援に努めてまいります。
 次に、ワーク・ライフ・バランスの推進につきましては、第2次男女共同参画基本計画で重点施策に位置づけ、男性の家庭、地域への参画促進や福岡市の男性職員の育児休業の取得促進などに取り組むとともに、長時間労働見直しなどの先進的取り組みの紹介による企業への働きかけや子育て、介護支援などの施策を行ってまいります。さらに、企業向けセミナーの開催や「い~な」ふくおか・子ども週間の広報を行うほか、新たに産学官のネットワーク形成を図り、仕事と生活の調和がとれたまちを目指して取り組んでまいります。
 女性職員の登用につきましては、係長級以上の役付職員に占める女性職員の割合を平成30年度までに20%以上とすることを目標として、管理職の意識向上や女性職員のチャレンジ支援、ワーク・ライフ・バランスの推進などにより、引き続き積極的に取り組んでまいります。
 地域における男女共同参画推進活動の支援につきましては、第2次基本計画で重点施策の一つに位置づけ、推進サポーターや出前講座による啓発、校区の男女共同参画協議会の活動支援、女性リーダー育成などに取り組んでまいります。さらに、福岡市独自の男女共同参画の日または週間を設け、地域と共働で男女共同参画を考える取り組みを進めてまいります。
 良好な教育環境の提供、設備充実など教育に関する御質問につきましては、後ほど教育委員会から御答弁いたします。
 次に、地球温暖化対策と資源循環型社会の構築についての御質問にお答えいたします。
 まず、福岡市の温室効果ガス削減目標を定めている地球温暖化対策地域推進計画につきましては、地球温暖化対策推進法や国が定める中長期目標との整合を図りつつ、福岡市の特性に応じた数値目標やその実現に向けた施策について幅広く検討を行い、平成23年度中を目途に改定してまいります。
 太陽光発電に対する取り組みにつきましては、1,000件の住宅用太陽光発電の設置補助を引き続き行うとともに、新たに13カ所の公共施設に導入いたします。また、太陽光発電を含む再生可能エネルギーの全量買取制度の導入について国に要望してまいります。住宅エコポイント制度の活用については、福岡市独自の住宅省エネ改修助成事業を引き続き実施してまいります。
 次に、エコカー普及の加速に向けたインフラ整備支援につきましては、電気自動車の充電設備の設置補助により、民間による整備の促進に取り組んでまいります。また、福岡市も率先して市庁舎や区役所庁舎へ充電設備を設置し、一般に開放するとともに、充電ネットワークの構築の促進や充電設備情報の発信に努め、市民、事業者の皆様が安心して電気自動車を利用できる基盤づくりに取り組んでまいります。
 環境ビジネスへの支援策につきましては、省エネ専門業者の指導に基づき、事業所の省エネ化を行うソフトESCOの導入支援事業を新たに実施いたします。また、太陽光発電や家庭用燃料電池の設置、住宅や事業所の省エネ改修、電気自動車の購入など、温暖化対策として有効な取り組みに対し、引き続き助成を行ってまいります。
 都市鉱山活用の支援策につきましては、民間事業者が実施している使用済み小型電子機器回収事業に対し、回収ボックスを設置する商業施設や大学との調整などの支援を行うとともに、市民への広報、啓発等を行っております。また、国の中央環境審議会で使用済み小型電子機器のリサイクル制度などについての検討が始まっており、福岡市といたしましても、その動向を注視してまいります。
 ヒートアイランド対策につきましては、第2次環境基本計画の中で優先的課題と位置づけ、緑化推進などの地表面被覆の改善や人工排熱低減などの観点から施策を推進しているところであります。今後とも、公共施設や民間施設の屋上や壁面の緑化を推進するとともに、水循環型都市づくり基本構想に基づき、雨水、再生水の活用に取り組んでまいります。
 生物多様性に配慮した自然環境の保全につきましては、将来に豊かな生物多様性の恵みを継承し、都市と自然が調和したまちづくりを進めるため、福岡市の特性を踏まえた生物多様性に関する地域戦略を策定し、取り組んでまいります。
 次に、ごみ問題についてのお尋ねでありますが、まず、ごみ処理基本計画の策定につきましては、現在の循環のまち・ふくおか基本計画のごみ減量目標を既に達成した成果を踏まえ、平成37年度を目標とする新たな基本計画を平成23年度に策定してまいります。また、清掃工場の整備や維持管理につきましては、基本計画に基づき適切に対処するとともに、効率的な運用に取り組んでまいります。
 次に、ごみ減量の推進につきましては、市民に身近なマイバッグ持参によるレジ袋削減の取り組みや市民参加型の環境フェスティバル、地域での出前講座、事業者への立入指導などによりリデュース、リユースに重点を置いた3R、その定着を図ってまいります。また、環境配慮型製品の普及につきましては、福岡市が率先して使用するとともに、市民、事業者への啓発に努めてまいります。
 バイオマス資源の活用につきましては、まず、廃食用油や生ごみについて、新たに創設する事業系ごみ資源化推進ファンドの活用を図るとともに、肥料化やエネルギー利用への研究など、民間事業者の主体的な再資源化の取り組みを支援してまいります。
 間伐材などの木質系バイオマス資源の活用については、国や県における製造システムなどの研究の成果を踏まえて対応してまいります。
 下水汚泥については、処理の際に発生するガスを燃料として活用するとともに、セメントなどの原料として有効利用しており、今後とも企業との共同研究などを行いながら、先進的な活用の研究、開発に取り組んでまいります。
 また、テレビの不法投棄対策につきましては、アナログ放送の終了に伴い、家電リサイクル法の一層の周知徹底や引き取り体制の啓発に努めてまいります。不法投棄常習地の監視体制については、カメラによる監視やパトロールの強化、地域の防止活動団体への支援などに取り組んでまいります。
 次に、快適な生活環境と地域づくりについての御質問にお答えいたします。
 まず、地域コミュニティのあり方につきましては、住民がみずから地域のことを話し合い、地域の課題を解決するため、必要な活動を実施していくことが重要であると考えております。地域での支え合いについては、ふれあいネットワークなど地域福祉活動を支援するとともに、地域福祉ソーシャルワーカー・モデル事業を実施する中で、地域に対する有効な支援策を検討するなど、地域で支え合い、助け合うまちづくりを推進してまいります。
 次に、世界で最も住みよいまちにするための施策につきまして、短期的には、まず、浸水対策として河川改修による流下能力の向上と内水排除のための下水道整備を総合的に推進してまいります。道路の整備については、狭隘道路の整備や自転車の走行空間の確保など、安全に利用できる道路整備を進めるとともに、モラル・マナーの啓発に取り組んでまいります。交通が不便な地域などについては、高齢化の進行や人口の減少などの課題も踏まえ、郊外部の低層住宅地における容積率などの見直しや、市街化調整区域における地域と共働したまちのルールづくりを進めるとともに、地域の活動を支える生活交通を確保するため、現在のバスネットワークの維持、強化に努めるなど、総合的に取り組んでまいります。防犯につきましては、地域、事業者、警察などの関係機関と連携しながら、地域防犯力の向上や暴力団排除に取り組んでまいります。長期的な施策については、人と環境と都市が調和のとれたまちを目指して積極的な情報発信を行いながら、幅広い議論を行い、まちづくりの新しいビジョンをつくることとしており、それを踏まえた各種施策によって、世界で最も住みよいまちの実現に取り組んでまいります。
 次に、都市計画道路の見直しにつきましては、必要性や事業実現性などによる検証結果案で示した見直し候補路線ごとに、今後、地権者や地域の意見を伺いながら、順次取り組んでまいります。
 自転車走行空間の確保につきましては、幅員が広い歩道など、歩行者と自転車の分離が可能な箇所から整備を進めております。今後は、車道部における自転車走行空間の検討も含め、県警などと協議し、整備を進めてまいります。また、自転車の安全利用については、県警などの関係機関、団体と連携しながら、自転車教室の開催や自転車安全利用の手引きの作成、さらに、自転車安全利用に関する条例制定について検討するなど、その推進に努めてまいります。
 先駆的なコミュニティの構築につきましては、職員の意識改革や依頼事項の見直しなど、コミュニティとの共働に向けた取り組みを全庁的に進め、信頼し合う対等なパートナー関係の構築に努めてまいります。
 次に、公園の再整備につきましては、総点検の結果、施設の老朽化や市民ニーズと合わなくなってきていることなどの理由で、この10年以内に再整備が必要であると判断していた150カ所の公園について、計画を前倒しし、おおむね8年間で実施するものです。市民のニーズに合った使いやすい公園となるよう地域の意向を踏まえ、公園の規模や内容に応じた適切な予算を確保し、再整備を行ってまいります。また、残余の公園についても、市民に安全、快適に利用していただけるよう状況を把握しながら、計画的な施設の更新に取り組んでまいります。
 次に、文化芸術、スポーツの振興についての御質問にお答えいたします。
 まず、文化芸術振興策につきましては、文化芸術振興ビジョンの中で、すべての人々にとっての文化芸術、未来に向けての文化芸術を基本理念として掲げ、これに沿って事業を展開しております。平成23年度は子どもたちの豊かな心や創造性をはぐくむ芸術体験事業、文化芸術を支える若者の創造活動を支援する事業などを行う予定であり、ビジョンの進捗状況を勘案しながら、文化芸術振興条例の必要性についても検討してまいります。
 福岡市の美術館、博物館に関する御質問につきましては、後ほど教育委員会から御答弁いたします。
 次に、市民会館の再整備につきましては、これまで果たしてきた機能を踏まえつつ、福岡市の文化芸術の中核となる拠点文化施設として基本理念や果たすべき役割など、その整備場所も含めて検討を進めてまいります。
 少年科学文化会館の再整備につきましては、基本構想検討委員会で専門的、学術的見地や利用者の立場からの助言をいただきながら、施設の役割や機能などについて検討し、基本構想を策定してまいります。
 次に、スポーツ振興についてのお尋ねでありますが、まず、スポーツボランティア登録制度やスポーツリーダーバンク制度の充実、活用につきましては、福岡市体育協会と十分に連携し、子どもから高齢者、障がい者を含め、市民の身近なスポーツ活動を支える人材として確保と育成を図るとともに、幅広く活用を図ってまいります。また、全天候型の多目的グラウンドにつきましては、市民の余暇活動の多様化や健康増進への意識の高まりなどのスポーツに関する市民のニーズに対応するため、子どもから高齢者までだれもが安心して活動できる施設の整備に向けて、その機能、規模などについて検討してまいります。
 次に、農林水産業の振興についての御質問にお答えします。
 まず、有害鳥獣対策につきましては、国の鳥獣被害防止総合対策事業を活用し、福岡市の区域内で被害が発生している鳥獣を対象として、侵入防止さくや防鳥ネットなどの整備を助成するとともに、猟友会による捕獲活動を引き続き支援することにより、農作物の被害防止に取り組んでまいります。
 韓国における口蹄疫や宮崎県を初めとして全国各地で発生している鳥インフルエンザにつきましては、防疫措置を主導する県と連携し、万が一発生した場合に備え、必要な防疫対策を講じてまいります。原因となるウイルスの国外からの侵入防止対策としては、現在、空港と港湾施設において入国者に対する消毒などの措置がとられております。また、家畜及び家禽飼養農家に対しては、消毒剤の配布や巡回指導などの対策を実施しており、今後とも県や農業関係団体と連携しながら予防対策に取り組んでまいります。
 次に、地産地消についてのお尋ねでありますが、地産地消につきましては、学校給食における市内産農畜産物の使用拡大を図るとともに、農産物直売所への支援、農業体験や農林水産まつりなど各種イベントの実施を通して、地元農畜産物の消費拡大に努めてまいります。
 地産地消について、学校給食に関する教育委員会の取り組みにつきましては、後ほど教育委員会から御答弁いたします。
 次に、新青果市場整備事業の事業方式につきましては、PFI方式を導入した場合には、コスト削減効果が小さいことや施設設計などに市場関係者の意向を十分に反映できないことなどの課題が残されております。一方、国においては、市場整備にPFI方式を活用することを原則としていることから、平成23年度に市直営で基本設計を行いながら、市場関係者の意向をお聞きするとともに、国と十分に協議を行ってまいります。
 市民農園、体験型農園につきましては、市政だよりやホームページなどを通して、その魅力をPRしていくとともに、市民が身近に農業体験できる場として設置の促進に努めてまいります。
 森林における不法投棄対策につきましては、監視カメラの設置や巡回パトロールの実施による監視体制の強化、フェンスやガードレールの設置による投棄防止措置を進めるとともに、地域住民、警察、その他関係機関と連携を図り、実効性の確保に努めてまいります。
 また、森林の保全などの推進につきましては、森林組合の経営強化に向けた取り組みを支援するとともに、森林環境税を活用した荒廃森林再生事業などによる森林整備や広域基幹林道早良線などの基盤整備に取り組んでまいります。
 市内産木材の利用につきましては、公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律に基づき、施策の基本的事項や目標などの福岡市の方針を策定するとともに、民間建築物についても地域産材の利用を促進してまいります。
 水産業の振興につきましては、博多湾での覆砂や藻場の造成、アサリやクルマエビの放流などを継続して行い、漁場環境の保全、回復に努めるとともに、朝市などの直販事業や特産品開発への支援、融資制度の充実、省エネ型漁業の推進など、漁家の経営安定と販売力強化を図るための取り組みを進めてまいります。
 次に、都市基盤の整備と災害に強い都市づくりの推進についての御質問にお答えいたします。
 まず、地下鉄七隈線の延伸につきましては、鉄道の利便性の向上や全市的な交通課題、環境問題に対応するためにも重要と考えており、交通対策特別委員会の調査報告などを踏まえ、天神南から博多駅間の事業化に向け、国との協議に必要な調査や環境アセスメントに着手いたします。
 西鉄貝塚線と地下鉄箱崎線との直通運転化につきましては、東部地域の交通体系の形成やまちづくりの促進の観点から鉄道事業者と協議を行いながら、事業計画などについて調査、検討してまいります。
 都心部の交通円滑化につきましては、公共交通機関を主軸とした交通体系の確立を目指し、地下鉄の整備やバス交通の利便性の向上を図るとともに、放射環状型道路ネットワークの整備による自動車交通の分散化や、マイカーから公共交通機関への利用転換を促すバス・アンド・ライド施策などに取り組んでおります。今後もこれらの取り組みを進めるとともに、交通マネジメント施策や民間建築物の建てかえ更新に合わせた交通環境の改善など、都心部の交通円滑化に向けた取り組みを市民、企業、交通事業者などと連携しながら総合的に推進してまいります。
 アイランドシティへの自動車専用道路の導入につきましては、現在、都市計画決定に必要となる環境影響評価に着手しており、平成22年秋から1年間にわたる現況調査を行っております。また、都市計画決定の手続と並行して、事業予定者である福岡北九州高速道路公社などの関係機関との連携を強化し、事業手法などの協議、調整や諸手続を進め、早期導入に向け、鋭意取り組んでまいります。
 次に、福岡市における防犯対策についてのお尋ねであります。
 防犯対策につきましては、飲酒運転や性犯罪、薬物乱用など、福岡市における犯罪情勢は深刻な事態にあると認識をしており、このため、平成24年度から5カ年の新たな取り組みを定める防犯推進プランを策定するとともに、引き続き防犯出前講座の実施や地域防犯パトロールカーに対する支援など、地域防犯力の強化に向けた取り組みを推進いたします。
 また、自主防災組織の整備状況につきましては、平成23年2月末現在、149校区・地区のうち146校区・地区で結成されております。防災士の育成状況については、防災リーダーを養成する博多あんぜん・あんしん塾を493名が受講し、そのうち478名が防災士の資格を取得しております。
 次に、雨水排水事業の推進につきましては、治水の根幹である河川の改修による流下能力の向上を図るとともに、内水排除のための下水道整備を総合的に推進しております。下水道整備については、雨水整備緊急計画を一層推進するとともに、雨水整備レインボープランにより博多駅及び天神周辺地区の整備に取り組んでまいります。さらに、福岡市の公共施設での雨水貯留施設の整備を初め、市民と共働した貯留タンク設置の助成など、雨水の流出抑制対策にも取り組んでまいります。
 河川整備につきましては、近年の豪雨を踏まえ、県が平成22年度から那珂川・樋井川床上浸水対策特別緊急事業による河床掘削に着手しており、また、多々良川などその他の2級河川においても護岸改修などを進めております。福岡市においても、周船寺川を初めとした都市基盤河川及び準用河川の護岸改修を推進しております。今後とも、県と連携を図りながら、積極的に河川整備を推進するとともに、治水池などを活用した雨水の流出抑制対策についても取り組んでまいります。
 また、雨水整備Doプランの進捗状況につきましては、重点59地区のすべての地区に着手しており、平成23年度末までに38地区が完了する予定であります。重点地区以外で浸水した地区についても、早期に効果が発現できる対策や雨水幹線の整備などを進めてまいります。
 公共インフラの整備につきましては、国の公共事業関係費が削減される中、単独事業を積極的に追加し、平成22年度当初予算を上回る事業費を確保しております。今後とも、市民の安全、安心を確保するとともに、福岡という都市の価値を高め、将来の成長を牽引する分野へ積極的に投資を行うなど、選択と集中を図りながら、必要なインフラを整備してまいります。
 次に、雇用・経済対策についての御質問にお答えいたします。
 まず、新規卒業者の就職につきましては、商工会議所と共同で実施する会社合同説明会や就活支援プラザ事業などを通して、卒業後3年間の新卒扱いの導入について企業に働きかけてまいります。
 次に、農業による雇用の創出策につきましては、農業委員会などと連携し、就農相談窓口の充実や農地確保への支援などにより、新規に就農しやすい環境づくりを進めるとともに、農商工連携による商品開発や販路拡大に取り組んでまいります。
 離職者への生活資金の貸し付けにつきましては、平成21年10月に貸付要件の緩和などの制度改正が行われており、福岡市といたしましても、多くの方々に利用していただけるよう制度の周知に努めてまいります。
 緊急避難的な居住支援については、市営住宅の一時的な提供を継続するとともに、住宅手当緊急特別措置事業について、制度の周知やハローワークとの連携などにより、利用機会の拡充を図ってまいります。
 雇用創出事業につきましては、国の雇用対策基金を活用して推進するとともに、福岡市独自の中高年人材活用事業を実施し、合わせて1,500人を超える雇用を創出いたします。なお、各事業については、早期の募集などに努めてまいります。
 次に、商工金融資金制度の充実などにつきましては、国の景気対応緊急保証制度の終了に伴う金融対策として、経営安定化特別資金を創設するとともに、十分な融資枠を確保するほか、返済猶予の柔軟な対応や迅速な融資審査など、中小企業の立場に立った、より円滑な運用を金融機関に要請してまいります。融資実行後には、返済相談員の訪問などによる返済相談や専門家による経営相談などを行ってまいります。また、福岡、熊本、鹿児島の3市連携による販路開拓支援事業など、新市場の開拓も一層推進してまいります。
 公共工事における地場中小企業支援措置につきましては、緊急経済対策の一環として全庁挙げて取り組んでおります。平成23年度の工事発注についても、引き続き早期発注目標を定め、スピーディーかつ途切れのない発注を行うとともに、検査や工事代金の支払いについても期間短縮に努めてまいります。また、前金払制度の利用促進を図るとともに、受注者に下請や資材の地場企業への優先発注を要請するなど、きめ細やかな対応を行ってまいります。
 高齢者仕様のまちづくりにつきましては、交通バリアフリー基本方針の見直しを進めるとともに、歩道や施設のバリアフリー化など、ユニバーサルシティー福岡の実現のための取り組みを進めてまいります。
 次に、アジア地域における課題解決に向けた自治体ビジネスの推進につきましては、福岡市が持つ上下水道や廃棄物処理などのノウハウと人材を生かし、アジア地域の都市環境向上のため、JICAなどを通じた国際貢献を実施しているところであります。今後は、福岡市が高い評価を受けている住みよいまちづくりのノウハウを積極的に提供し、アジア諸国の快適な都市環境の創造に貢献するため、これまでに培ったアジア地域とのネットワークを生かしながら、ニーズなどの調査、研究を行ってまいります。
 コンテンツ関連産業につきましては、産学官で構成する福岡ゲーム産業振興機構による人材育成などに取り組むとともに、新たに福岡と釜山で相互にインターンシップを実施するなど、アジアにおける拠点形成を目指してまいります。
 次に、アジアに開かれた国際交流観光都市づくりについての御質問にお答えいたします。
 福岡と釜山を軸とした集客戦略につきましては、韓国高速鉄道や九州新幹線の全線開業を集客拡大の機会ととらえ、釜山・福岡アジアゲートウェイ2011事業など、釜山市と共同によりアジア主要都市へのプロモーションを行うなど、集客促進に取り組んでおります。また、福岡・釜山超広域経済圏への取り組みについては、経済協力事務所を活用しながら、ビジネスCEOフォーラムの開催や展示会への相互出展などにより企業間の交流を推進しております。今後、釜山市と地域間連携の仕組みづくりの検討を始めるなど、福岡・釜山超広域経済圏形成の取り組みなどを一層進めてまいります。
 次に、歴史文化遺産を活用したまち歩き観光の強化につきましては、コンピューターグラフィックスによる鴻臚館の復元図を作成するなど、復元整備構想の具体化を進めるとともに、鴻臚館跡、福岡城跡などにおける休憩施設や観光案内板の整備など、今後とも魅力向上に努めてまいります。また、観光案内ボランティアについては、博多部での案内に加え、新たなガイドコースの開発や広報を強化するなど充実を図ってまいります。
 外国人観光客に対する通訳サポートについては、国際会議やクルーズ客船来航時の支援のため、留学生などを派遣しており、今後は登録者数をふやすとともに、研修などにより充実を図ってまいります。
 博多駅周辺における観光バス、タクシー対策につきましては、駅周辺の交通円滑化に向け、乗降場や待機場の確保などについて、市営博多駅駐車場を初めとする駅周辺の公共用地の活用も視野に入れながら、交通管理者や交通事業者などの関係者とともに検討してまいります。
 次に、福岡空港の機能強化につきましては、現在、滑走路増設方策に係る構想・施設計画段階の調査を行っております。今後、調査結果などを踏まえ、市民の皆様に積極的に情報提供を行いながら、空港能力向上のための検討を進めてまいります。
 また、空港ターミナル周辺の環境整備につきましては、新・緑の基本計画で都市の顔となる緑と位置づけ、訪れる人にとって快適で魅力的な花と緑の環境整備が必要であると考えております。このため、空港管理者である国などと連携し、緑化の推進に努めてまいります。
 博多港の観光基盤整備につきましては、中央ふ頭において平成21年度から岸壁、ボーディングブリッジ、交通広場などの整備や地区内の緑化に努め、また、国際ターミナルビルの内装改修やサインの設置などの整備を進めているところであります。平成23年度も、今後のクルーズ客船の大型化への対応や利用者の円滑で快適な移動の確保、国際ターミナルビルにおける最新の情報機器の設置などを行うとともに、海外臨船によるCIQ手続の迅速化を関係機関に働きかけるなど、海の観光ゲートウエーとしてのターミナル機能の充実やサービスの向上に取り組んでまいります。
 地場企業の国際化支援につきましては、アジア経済交流センターにおいて専門アドバイザーによる貿易相談の実施や国際ビジネスに関する人材育成などに取り組むとともに、地元経済団体との連携や上海事務所の活用を図りながら、展示会への出展支援や商談会を開催し、中国や韓国などの海外市場への販路拡大を支援してまいります。さらに、融資制度においてワールドビジネス振興資金を創設し、地場中小企業の国際ビジネス展開を資金面からも支援することといたしております。
 最後に、大規模な国際スポーツ大会や国際会議などの誘致につきましては、これまでもさまざまな大会、会議の開催により、都市の知名度の向上、大きな経済波及効果、学術、文化やスポーツの振興など、幅広い分野における効果があったと認識しております。今後とも、国や経済界を初めとした関係機関と連携し、長期的、戦略的な各種コンベンションの誘致に積極的に取り組んでまいります。
 以上、市政各般にわたり御答弁いたしましたが、承りました御意見、御提案に留意し、市民の代表である議会との対話を真摯に進めてまいります。私は、経済的な成長と安全、安心で質の高い暮らしのバランスがとれた、人と環境と都市の調和がとれたまちづくりを進めながら、アジアのリーダー都市福岡の実現を目指して、全力でこれからの市政運営に取り組んでまいります。よろしく御協力のほどよろしくお願いします。


◯教育長(山田裕嗣) 教育に関する御質問に対しまして、教育委員会からお答えをいたします。
 まず、教育環境の整備につきましては、校舎の新築、改築時などにエレベーターを設置するなど、バリアフリー化に努めるとともに、太陽光発電については計画的に取り組んでまいります。
 水道の直結給水については、水道局と連携して実施しているモデル校において課題などの検証を行い、導入について検討してまいります。
 教室へのクーラー設置については、皮膚温の低下などが認められるなど、暑熱対策として有効な結果が得られ、また、環境への影響や経済性においても空調機に比べてすぐれている扇風機を段階的に整備しており、平成23年度に完了予定です。
 また、不審者の侵入や犯罪の未然防止を図るため、防犯カメラを計画的に設置し、児童生徒の安全確保の充実を図ってまいります。
 次に、教員の資質向上のための研修につきましては、教職経験や職能及び課題に応じて実践的な指導力を高める研修の充実に努めてまいります。
 授業力向上支援センターについては、空調機器の整備や話し合いコーナーの拡張など設備の改善を行っており、今後は開室時間の延長や貸し出し手続の簡素化など、利便性の向上に努めてまいります。
 次に、優秀な教員の確保につきましては、面接試験の充実などによる人物重視の採用を行うとともに、民間企業経験者やスポーツ、芸術分野に秀でた人材などを対象とした特別選考に取り組んでまいります。
 教員の人事評価につきましては、目標管理による評価が教員の資質、能力の向上につながるよう、評価制度の運用を充実するとともに、さらにその活用に取り組んでまいります。
 次に、子どもたちの学力向上につきましては、全国学力・学習状況調査への全校参加とともに、小学校4年生と中学校1、3年生において生活習慣・学習等定着度調査を本格実施し、これを踏まえて、発達段階に応じた連続性のある教育活動を推進してまいります。
 なお、少人数学級の拡大につきましては、国における検討の動向に留意してまいります。
 次に、学校における読書活動につきましては、朝読書や各教科における調べ学習などを取り入れるとともに、必要に応じて学校図書館を利用するなど、その推進に努めております。また、読書活動の一層の充実を図るため、学校司書を配置しており、今後とも効果的な配置に努めてまいります。
 次に、いじめ・不登校対策につきましては、不登校対応教員やスクールソーシャルワーカーを増員するとともに、スクールカウンセラーのより効果的な配置を進め、教育相談体制の充実に努めてまいります。
 次に、教師が子どもと向き合う時間の確保につきましては、全教員へのパソコン配備を早急に進めるとともに、校務を支援するシステムを構築するなど、教員の負担軽減を図ってまいります。
 次に、市立高等学校につきましては、福岡市の特性や都市戦略などを踏まえ、特色ある教育を推進することが重要であり、時代にふさわしい市立高校のあり方などを検討しているところです。進路の充実については、教育センターでの研修や民間教育機関への派遣研修などにより、教員の授業力の向上を図るとともに、キャリア教育を推進し、生徒が明確な目標を持って学業に励み、進路希望を達成できるよう指導してまいります。また、市立高校の教員については、人材育成や活性化の観点から県立高校との交流推進に努めてまいります。
 次に、総合図書館と学校図書館とのネットワーク化につきましては、現在策定中の新・子ども読書活動推進計画において、連携のあり方について検討を進めております。今後とも、地域に開かれた学校図書館となるよう充実に努めてまいります。
 また、空き教室やその他の学校施設については、学校運営に支障のない範囲で、学校と地域が連携した活動の場となるよう、引き続き積極的な活用に努め、地域の教育力向上を支援してまいります。
 次に、特別支援教育の推進につきましては、すべての学校、園を対象に特別支援教育コーディネーター養成研修を実施しており、個別の教育支援計画を活用し、児童生徒の支援の充実を図るとともに、通級指導教室の拡充を対象者数、居住地などを考慮し、県へ要望してまいります。私立高校への支援については、私立高校からの要請に基づき、適時行っております。特別支援学校高等部及び博多高等学園卒業生の就労促進については、特別支援学校就職連絡会議を開催するとともに、障がい者就労支援センターなど関係機関との連携を密にし、雇用率の向上に努めてまいります。
 次に、給食センターの再整備につきましては、保護者や学校関係者、学識経験者などによる検討結果や議会での御意見を踏まえ、基本構想と第1給食センター整備計画の検討を進めてきたところです。第1センターの整備に当たっては、今後とも議会の御意見を伺いながら進めてまいります。
 次に、福岡市美術館、博物館の他都市との相互協力につきましては、現在、アジア各国の美術館、博物館と協定などを締結しており、また、国内外の他館との所蔵品の相互貸し出しや企画協力なども行っております。今後もさらなる相互協力を推進してまいります。
 また、若者を対象とする事業については、多彩な展覧会や、展覧会に関連したコンサート、映画会、舞踏などを実施しており、今後もその充実を図ってまいります。
 次に、福岡アジア美術トリエンナーレにつきましては、平成26年度に開催する予定にしており、平成24年度に実行委員会を設立し、アジア21カ国・地域の現代美術の最新動向を市民に紹介できるよう検討してまいります。
 最後に、地産地消につきましては、学校給食における米飯回数は平成21年度から週2.5回を週3回に増加しております。農産物については、農業協同組合と学校給食公社で構成する協議会で、生産品目や収穫量、時期、価格などを調査研究し、使用量の拡大に努めているところです。以上でございます。

福岡市議会議員
山口つよし

公明党 福岡市議団

〒812-8620
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福岡市議会内

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