2010.03.09:平成22年第1回定例会(第7日)
◯19番(山口剛司)登壇 私は、我が党川辺敦子議員の代表質問を補足して、本市の地球温暖化対策について、公共料金の減免制度について、学校規模の適正化について質問いたします。
厳しい経済状況が続き、本市の財政状況も好転していないのが現状ですが、今後の福岡市発展のために、市民の皆様に安心と希望のメッセージを発信し、予算の集中と選択で施策を実行していくことが重要と考えています。
そこで、最初に本市の温暖化対策についてお尋ねいたします。
地球温暖化対策は、今や全世界で二酸化炭素をいつまでにどのくらい削減していくのか、大きな課題になっております。現在の世界の指標である京都議定書によると、我が国は基準年1990年、平成2年比ですが、2012年までに削減目標をマイナス6%としています。さらに、昨年は総理大臣が国連でマイナス25%とこれまた大きく目標を発表しました。発表した以上、何らかの手を打っていくことは当然のことですが、国レベルだけでなく、地方自治体も何らかの手を打っていくことが重要であると思います。
そこで、まず国レベルですが、現在はどの程度CO2が削減されているのか、お示しください。
本市では二酸化炭素の削減割合の目標数値は、目標年度を2010年度、つまり、来年度として第3次の計画に定めてあります。その目標は、家庭部門でマイナス8%、業務部門でマイナス14%、運輸、自動車の1台当たりマイナス8%です。来年度の達成見込みはどうか、お尋ねいたします。さらに、22年度はどのような方向で取り組んでいかれるのか、あわせてお示しください。
国の削減指標によりますと、マイナス6%のうち、森林吸収源として3.8%を見込んでいます。これは、先ほどの環境局の目標数値には入っていません。本市の林業を管轄する農林水産局では、二酸化炭素の吸収量の現状と目標がどうなっているのか、お示しください。また、福岡県では森林環境税を導入していますが、全体の事業計画と新年度の事業計画をお尋ねいたします。
これまでの本市の林業は、間伐が進んでいないと指摘されてきました。林業が生計として成り立たないという点、従事者が高齢化してきているなどさまざまな要因がありますが、特に間伐について市全体で何ヘクタールが実施されているのか、今後の見通しはどうか、お聞きします。また、木材の価格の推移はどうか、市役所内で公共事業における木材の利用について関係局との会議を始められていますが、状況はどうでしょうか、何か有効な施策が話されているのでしょうか、お尋ねいたします。
次に、公共料金の減免についてお尋ねいたします。
高齢者や障がい者が生活する環境は、昨年からの不況の影響でますます厳しさを増しています。平成17年国勢調査の発表によりますと、本市の一般世帯の伸びは12年の調査と比較すると10.6%増に対し、高齢夫婦世帯、65歳以上は20.2%増で、さらに高齢単身世帯は23.9%と大幅に増加しています。
本市の上下水道料金を他政令市と比較します。水道料金は家事用の口径13ミリで1カ月20立方メートルの場合、本市は18政令市中、高いほうから5番目です。下水道料金では1カ月20立方メートルを使用した場合、高いほうから4番目になります。どちらも料金が高いのが本市です。減免措置を行っている都市は使用料金も安く、住みやすいまちと言えると思います。本市とは大きな差があります。過去の下水道料金の値上げのときに、我が会派は高齢者や障がい者に対して減免ができないかと担当局にお尋ねいたしました。しかし、そのときは基本料金の減免を検討していないということで、減免に対して具体的に話ができませんでした。実際、減免するとなると一体どのくらいの予算が必要か、試算してみます。下水道の2カ月の基本使用料金は1,596円です。基本料金だけで試算すると、高齢夫婦世帯は平成17年の国勢調査で3万8,881世帯ですので、年間約3億7,000万円です。そのうち、寝たきり老人等の方の場合だけですと、8,800万円になります。障がい者で手帳を持っておられる方は4万5,968人で4億4,000万円です。ひとり親は2万1,332世帯で2億400万円になります。所得制限を行ったりした場合や申請される方のみの減免となると、この試算よりさらに費用が減少します。
減免されている政令市の中で広島市の例を紹介します。昭和63年に、生活困窮者の経済的な負担を軽減することを目的として生活保護世帯を対象に実施されました。その後、平成に入り、心身障がい者や寝たきり老人等がいる世帯やひとり親世帯にも水道、下水道の基本料金を減免され、今日に至っております。本市は生活保護世帯の生活扶助に限定して下水道料金を減免されていますが、そのほかは一歩も踏み込んでいません。私どもは毎年の予算要望において公共料金の減免を主張してまいりましたが、上下水道両局では対応ができず、福祉予算の中でやってもらいたいとの話がありました。他の政令市では、福祉関連予算の中で制度化されて、現在9都市が実施しております。市長の選挙時の公約にもあったのですが、また、我が党の予算要望の回答でも個別の事情に応じた検討を行うと回答されてきているのですが、これまでどのような検討がなされてきたのか、お示しください。
次に、学校規模の適正化についてお尋ねいたします。
学校規模適正化検討委員会を平成20年に立ち上げて以来、現在は内部で検討されています。今回、第1次の検討対象となっている31学級以上の過大規模校4校と、全学年でクラスがえができない小規模校11校について発表されていますが、それぞれ現在はどの程度進捗しているのか、状況をお尋ねいたします。
以上で1回目の質問を終わり、2回目以降は自席にて行います。
◯副議長(久保 浩) 吉澤環境局長。
◯環境局長(吉澤 温) 温暖化対策についてお答え申し上げます。
国の二酸化炭素排出量につきましては、平成20年度の速報値で12億1,600万トンであり、前年、平成19年度と比較いたしますと6.5%の減、京都議定書の基準年度である平成2年度と比較いたしますと6.3%の増であります。
次に、本市の二酸化炭素排出量の削減目標につきましては、現計画では平成22年度の目標数値が家庭部門で1世帯当たりマイナス8%のところ、最新データである平成20年度で8.3%増、同様に業務部門で1平方メートル当たりマイナス14%の目標のところ10.7%増、自動車部門では1台当たりマイナス8%の目標のところ2.8%減となっており、楽観できない状況でございます。なお、現計画では平成16年度を基準といたしております。
次に、平成22年度の地球温暖化対策の取り組みの方向につきましては、温室効果ガスの排出は全国では家庭部門と業務部門を合わせた割合が約3分の1のところ、本市では2分の1以上を占めております。非常に大きいことが特徴でございます。このため、現計画では家庭部門、業務部門に自動車部門も加えた3部門を重点部門と位置づけており、これら3部門の施策の充実、強化に引き続き取り組んでまいります。以上でございます。
◯副議長(久保 浩) 谷口農林水産局長。
◯農林水産局長(谷口芳満) 本市の森林による二酸化炭素吸収量につきましては、測定したデータはございませんが、平均的な吸収量をもとにして、平成21年5月に策定された福岡市新・緑の基本計画においては、平成19年度の現況値を年間5万3,510トンと推測し、平成32年の目標値を年間5万7,240トンといたしております。
県の森林環境税による本市の荒廃森林再生事業の計画内容でございますが、市域内の森林約1万1,000ヘクタールのうち、28%に当たる約3,100ヘクタールを対象に、平成20年度からの5カ年間での荒廃森林調査を行うとともに、10カ年間で約1,500ヘクタール、1年当たり約150ヘクタールの間伐などの森林整備を行うこととしております。平成22年度は荒廃森林の調査を約780ヘクタール実施し、全体の3分の2の調査が終了する予定でございます。また、間伐につきましても150ヘクタールで実施することを計画しており、事業にかかる県補助金は総額で約1億円を予定いたしております。本市における間伐の実施状況につきましては、荒廃森林再生事業や森林組合による間伐等により年間350ヘクタール程度を実施しているところであり、今後とも、引き続き計画的な間伐に努めてまいります。
次に、木材価格につきましては、昭和55年のピーク時の価格に比べ、平成20年は丸太価格で約3分の1、製材品価格で約2分の1となっております。
次に、公共事業における木材利用につきましては、福岡市公共事業市内産木材利用推進委員会を年1回から2回開催し、公共工事等の仕様書の中での市内産木材利用の指定や価格面での財政措置等の可能性について協議、検討するとともに、学校用補修原材料や案内板などの利用について要請を行っているところでございます。以上でございます。
◯副議長(久保 浩) 山田教育長。
◯教育長(山田裕嗣) 学校規模適正化の進捗状況についてのお尋ねでございますが、まず、過大規模校につきましては、那珂小学校、壱岐小学校では、通学区域の調整等について保護者、地域の方々と協議をしており、松島小、西新小については平成20年度に校舎を増築し、当面は児童数の推移を見守ることとしております。
次に、小規模校につきましては、舞鶴中学校ブロックでは、小中連携校として統合する計画について地域の合意が得られたことから、平成26年の開校を目指し、準備を進めてまいります。住吉中学校ブロックでは、小中連携校として再編する方向性について、おおむね地域の理解が得られ、今後、具体的な計画づくりについて協議してまいります。また、志賀中ブロック、早良中ブロック、西部6校区では、保護者、地域の方と引き続き協議を行ってまいります。以上でございます。
◯副議長(久保 浩) 鶴川副市長。
◯副市長(鶴川 洋) 公共料金の減免についての検討状況につきましては、他の政令指定都市の実施状況や制度導入の経緯などの情報収集を行うとともに、低所得者対策とした場合や福祉施策とした場合など施策の位置づけや対象者についての考え方の整理、また、公営企業の独立採算制や受益者負担の問題、さらには財政負担の問題など、さまざまな課題について検討を行っているところでございます。このような状況を踏まえつつ、負担軽減について検討しているところでございますが、一昨年秋以降の景気悪化により市税収入が大幅に減少する一方で、生活保護世帯の急増などにより扶助費が増加するなど厳しい状況が続く中で課題も多く、また、国における高齢者医療制度や障がい者施策の見直しに向けた動きなどもあり、引き続き検討が必要であると考えております。以上でございます。
◯副議長(久保 浩) 山口剛司議員。
◯19番(山口剛司) 2回目の質問に入ります。
温暖化対策について、CO2は先ほどの答弁にもありましたとおり、国も本市も減少するどころか、逆に増加しています。これまでの施策が有効に機能していないと言えます。二酸化炭素の排出量で家庭部門が大きな要素を占めています。ここの対策を強化することが大事です。千葉県柏市のように、行政と民間事業者とでCO2見える化プロジェクトをスタートしている地域があります。京都大学名誉教授の吉田先生によりますと、CO2の家庭による排出割合は、動力照明が36%、給湯29%、暖房26%、冷房は2%だそうです。しかし、市民の認識では、照明は14%、給湯15%、暖房40%、冷房は30%と差があります。特に照明は22%、冷房は28%も認識に差があります。この思い込みの状態から実際の数字に近づける必要があります。どこに気をつければCO2が削減できるか、知っていただく必要があるのです。
そこで、各家庭が何グラムのCO2を排出しているのか毎日チェックできる見える化プロジェクトが効果を発揮するのだと思います。もっと市民に協力いただくために、市政だよりなどの媒体を使い、広報で啓発していくとともに、見える化プロジェクトなど実施することが必要ではないでしょうか、お尋ねいたします。
本市の林業活性化策について、本年度の事業内容をお聞きしました。大事な森林を保護し、育てていくことは、私どもの責任と思います。今、植林している木は、孫の代になってやっと製品として活用されるという長期間を考えての施策が必要です。しかし、今日、50年以上の樹木が製品として流通していないという実態があります。費用対収入のバランスがとれていないからではないでしょうか。全国の木材の製品は、2008年、日本で用材供給量7,797万立方メートルありました。しかし、国産は24%で、輸入材が76%も使われているということです。さらに、国産材の価格のピークは1980年で、その年以降、毎年下落しています。本市では人工林の増加で伐採期、収穫期を迎えているのに、国産材を使わず、輸入材に依存していることが問題です。全国でも2,524の製材工場が廃業していると言われています。林業の担い手不足も高齢化も深刻です。1975年の約18万人が2005年では約4万7,000人と74%も減少しています。福岡市においても全国の数値に比例しています。つまり、新規従業者がほとんどいないということです。このままでは日本で材木の供給ができなくなってしまいます。木材消費サイクルの確立を急ぐ必要があります。生産者側の施策とその木材を使用していく施策、この両輪がうまく機能することが大事ではないでしょうか。生産という観点からは、市場に出すまでの林道整備、特に早良の広域林道は整備完成予定から大幅におくれていて、いまだ全線完成のめどが立っておりません。道が分断されたままで機能していないのです。ここは福岡県に早期完成の働きかけを強く行っていただきたいと要望いたします。
また、先ほどの間伐の推進という点、製材工場、乾燥場などの設備も大事です。そして、人手不足というのであれば、新規就労の支援やボランティアの受け入れが必要です。また、住宅会社や箱物をつくる事業者などにも福岡市産の木材を採用していただく協議会などをつくり、使用をお願いしていくことも重要ではないでしょうか。本市として、これから木材の利用促進に向けてどういう施策を講じていかれるつもりか、お尋ねいたします。
特に市役所内部に設けられている福岡市公共事業市内産木材利用推進委員会で十分な成果が上がっていなく、残念でなりません。局をまたがる施策でもありますので、担当部長にだけ任せるのではなく、関係局長や、場合によっては副市長も出席されて、皆さんの知恵を出し合ってはいかがでしょうか。実効性のある具体策を、推進委員会で公共事業における木材利用拡大のための検討をしていただきたいのですが、お考えをお聞きします。
次に、化石燃料からの脱却という点からお尋ねしてまいります。
温暖化対策として石炭や石油に依存しない自然エネルギーなどの利用が各地で始まっています。太陽光発電はもとより、風力発電も本市は21年度より取り組み始められています。1回目の質問でお尋ねしたとおり、削減目標に対しての取り組みが弱い本市にとって、これから化石エネルギーにかわる新エネルギーの開発について提案も含め、お尋ねしてまいります。
まず、本市では来年度、新エネルギーに関連してどのような取り組みをするのか、お示しください。
次に、提案に移りますが、最初に下水処理場の消化ガス燃料への取り組みについてです。
下水処理で発生する消化ガスはメタンガスであり、可燃性です。本市でどのくらい発生しているのでしょうか。そして、現在の利用はどうされているのでしょうか。未利用の消化ガスはどのくらいあるのか、お尋ねいたします。
先日、神戸市へ視察に行ってまいりました。この消化ガスを何と自動車の燃料にかえて利用するとともに、今度は家庭の都市ガスとしても利用を開始するという画期的な事業を行っています。普通、未利用の消化ガスは燃焼施設で燃やすだけですが、神戸市の場合は違いました。消化ガスの燃料施設の整備費と、メタンガスとして利用できる施設を建設するコストはほとんど同じくらいの費用だったそうです。初期投資も施設の更新時期に合わせたことで特段に出費がかさばらず、かつ車の燃料にしていることで、循環型社会への取り組みとして広く市民にも支持されているということでした。製品としての小売価格も1立方メートル当たり60円から70円です。ガソリンの半値近い価格です。この価格は卸売価格に充てん作業員の人件費などの運営経費も含まれています。21年の下期は毎月1,000台を超えるバスやごみ収集車、民間の運搬車両に充てんしています。本市では、このような取り組みを検討もされたことがないと思いますが、これからです。循環型社会を目標としている本市として、余っている消化ガス利用の検討会を立ち上げたらいいと考えますが、いかがでしょうか、お尋ねいたします。
次に、ジャトロファ、南洋アブラギリという植物の栽培についてです。
先日も、本市の耕作放棄地へこの植物を育成してはどうかと我が会派から質問をさせていただいております。復習になりますが、このジャトロファの実は食用にはならないのですが、この実から出る油分は何と石油と同じなのです。栽培には肥料など要りません。水の少ない土地でも育ち、害虫にも強いと言われています。実際に八丈島に行き、漁船の燃料100%のオイルとして活用されている話を聞いてまいりました。エンジンの回転も普通の石油と全く変わらないということです。このオイルは、今や飛行機の燃料の一部としても活用されています。ジャトロファは実際、八丈島という暖かい地域で栽培されていたため、本市でも育つのかと心配がありましたので、現地で苗をいただき、今、同僚議員のお宅と私の家とで栽培しています。間もなく1年が経過しますが、最初、10センチの苗が現在では1メートルを超えるまで順調に育っています。九州では長崎県長崎市と佐世保市などでも栽培実験がスタートしています。もし耕作放棄地に植えたとして、燃料としての油ができれば一石二鳥です。先進都市に倣い、本格的に研究を開始してはいかがでしょうか、御所見をお伺いします。
次に、公共料金の減免についてです。
さきの代表質問で市長の答弁では、今後の国の動向も注視しながら鋭意検討する旨の発言をされていますが、結局、市長は何もしないということでしょう。副市長も先ほどの答弁で、引き続き検討と言われていますが、この課題こそ、市長がリーダーシップを発揮しなければいけないのではないでしょうか。今のままですと、いつになったら実行されるのかは甚だ疑問です。やる気が全く伝わってきません。
水道や下水道料金は、他の政令市と比べて、福岡市はそもそも料金が高いのです。減免を実施されている都市と比較すると、本市の場合は格段に高い使用料金となっています。吉田市長の1期目の任期が本年で終わります。公約されていた「高齢者、障がい者福祉の問題に取り組みます」の中で「生活基盤の安定のため、雇用施策、負担軽減措置を実施します」とありますが、任期の最終年の総仕上げの年に負担軽減措置を何も打ち出されないのはいかがなものでしょうか。
我が会派は、これまで公共料金の減免の要望をしてまいりました。当局は検討したが、何もしないということで終わっています。市長、あなたの公約がこの点に関して何も実施されないまま任期が終わってしまってよいのでしょうか。1回目の質問で試算した数字を示しましたが、下水道基本料金や水道基本料金の全額免除か、例えば、半額は免除するなど、今後の議会で提案される方針を示されてはいかがでしょうか。この質問はこれで終わりますので、吉田市長にしっかり答弁をお願いいたします。
次に、学校規模の適正化についての質問です。
進捗状況から、小規模校対策については地元と統合の話し合いが随分進んでいると思われます。一方で、過大規模校は校区の分割などが解消の方法の一つになるため、4小学校ともまだ時間がかかるようです。地元の合意が大前提ではありますが、過大規模の解消がいつになるのか、一番気になるところです。那珂小学校と壱岐小学校は通学区域の変更で検討が進められていますが、松島小学校と西新小学校は児童数の推移を見守るとして話が前に進んでいません。これでは本当に子どもたちがかわいそうです。いろんな意味からも整備された学習環境で学ぶことが重要です。校区の将来児童の推計は、その地域が抱える今後の住宅開発などに大きな影響を与えます。松島と西新も校舎の増築ができる敷地の余裕はありません。また、増築だけでは、学校運営でも一昨年、条例予算委員会で指摘しましたように、大人数ゆえのさまざまな問題が発生しています。そうなりますと、移転や分割することも早期に決断しなくてはならないのではないでしょうか。特に松島小学校の場合は、今後、北部で宅地開発が考えられます。校区内住民は21年12月時点で7,965世帯、1万6,618人と東区でも1位、2位の多さです。50年の大計を考えると、小学校児童数1,000名を複数年で超えている状況では、校区を分割するべきではないでしょうか。教育委員会では、現在、校舎の耐震化を行っておられます。今はそちらにお金がかかっていると言っておられますが、23年度で終わります。新設校を設置する場合、幾らかかるのか、国の補助はどのくらいか、補助率をお聞きします。
耐震化の後は、本市でも分離、新設について検討できると思いますが、いかがでしょうか、御所見を伺います。仮に新設校を設置する場合は、当然ながら敷地が必要です。松島校区内で、今は民間所有の適した空き地があります。もしそこも住宅開発などがなされると、建設はもうできないことになります。今は様子を見守るとして、ただ年月を費やしたのではどうしようもありません。適正化検討のスピードを上げて結論を出す必要があると考えますが、御所見を伺います。
以上で2回目の質問を終わります。
◯副議長(久保 浩) 吉澤環境局長。
◯環境局長(吉澤 温) 温暖化対策についてお答え申し上げます。
二酸化炭素の削減方法に関します市民への広報につきましては、家庭で簡単に取り組める省エネのアイデアを掲載いたしました市政だよりの温暖化特集号の全戸配布や、省エネハンドブックを作成するとともに、公民館や学校における出前講座の実施などを行っております。今後とも、地球温暖化に対する市民の理解が深まりますよう、さまざまな機会をとらえまして、市民、事業者への広報、啓発に努めてまいります。
次に、新エネルギーの取り組みにつきましては、家庭部門において新エネルギーの普及促進を図るため、住宅用太陽光発電の設置補助件数を本年度当初の200件から1,000件まで大幅拡充するほか、新たに家庭用燃料電池の設置補助などを行うことといたしております。また、業務部門の対策といたしましては、地域グリーンニューディール基金を活用いたしまして、市内中小事業者が行う省エネ改修への助成制度を創設することとしており、太陽光発電等の新エネルギー設備の設置についても助成の対象といたします。本市の率先導入につきましては、太陽光発電を学校や公民館など14カ所に、小水力発電を1カ所に設置することといたしております。以上でございます。
◯副議長(久保 浩) 谷口農林水産局長。
◯農林水産局長(谷口芳満) 木材の利用促進のための施策についてでございます。
広域林道早良線などの林道や、木材を搬出するために必要な伐採現場と林道を結ぶ作業道の整備などにより、生産のコスト低減を図るとともに、森林組合の製材施設整備などへの支援による供給体制の充実に努めてまいります。また、木材の需要拡大に向けて、住宅建設業者等と連携した地域産木材を使った家づくりなどについて協議を進めてまいります。
次に、公共事業における木材の利用につきましては、今国会に公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律案が提出される予定であり、地方公共団体についても木材利用の努力義務が規定されるとの情報を得ております。また、国において、平成21年12月に10年後の木材自給率を50%以上にするという目標とした森林・林業再生プランが作成され、具体的な対策の検討に着手されております。これらの動向などを踏まえながら、福岡市公共事業市内産木材利用推進委員会において実効性のある具体策を検討してまいりたいと考えております。
次に、ジャトロファ、南洋アブラギリの栽培につきましては、現在、苗1本ではございますが、花畑園芸公園内において栽培試験を行っております。今後、関係局とも連携し、他都市における栽培試験の結果や、加工、流通システムの動向などを把握しながら、一般農作物の栽培が困難な耕作放棄地などの解消策としての可能性について研究してまいりたいと考えております。以上でございます。
◯副議長(久保 浩) 箱嶋道路下水道局理事。
◯道路下水道局理事(箱嶋次雄) 本市の水処理センターで発生しています消化ガスについてでございますが、平成21年度の現時点における合計発生量は日平均約3万立方メートルとなっております。その用途につきましては、約半分の量を消化槽の加温に使用し、約4分の1を汚泥焼却炉の補助燃料に使用しております。また、昨年2月には中部水処理センターの消化ガス発電の更新を行い、一般家庭約1,000戸相当分の発電を行い、センター内で利用しております。
水処理センターで発生する消化ガスについては、水処理センター内で有効利用を行っており、その有効利用率は約93%となっております。一方、未利用の消化ガスにつきましては、日平均約2,000立方メートルで、全発生ガスの約7%となっております。
次に、未利用の消化ガスにつきましては、さらなる有効活用を図るために調査、研究を進めているところであり、今後とも、神戸市等の事例も参考にしながら、福岡市下水道技術検討委員会等において検討してまいります。以上でございます。
◯副議長(久保 浩) 山田教育長。
◯教育長(山田裕嗣) 学校規模適正化についての御質問にお答えをいたします。
まず、小学校の新設校の費用でございますが、建物につきましては約18億円、用地につきましては1平方メートル当たり10万円とすると約20億円で、合わせて38億円程度でございます。また、国の補助制度につきましては、建物が補助率2分の1、プールが3分の1、用地につきましては補助制度はございません。
次に、過大規模校の分離、新設につきましては、全市的な少子化の傾向や今後の住宅開発の動向などを十分に把握した上で、児童生徒数の長期的な推計をもとに、将来にわたって学校の設置が必要な場合に行うことといたしております。
次に、過大規模校でございます松島小への対応につきましては、平成20年度に必要な教室整備を行っており、現在、児童数の推移など状況を見守っているところでございます。今後も住宅の開発状況等を踏まえ、計画的に教育環境の整備に努めてまいります。以上でございます。
◯副議長(久保 浩) 吉田市長。
◯市長(吉田 宏) 高齢者や障がい者に対する負担軽減については、障がい福祉サービスの利用者負担や介護保険料などについて軽減措置をするなど配慮しているところでございます。
介護保険料については、平成21年度から第4段階において保険料を軽減した特例を設けました。また、平成22年度からは国による障害者自立支援法における低所得者の利用負担無料化にあわせて、本市の地域生活支援事業を無料とする新たな負担軽減策を行ってまいります。
公共料金の減免につきましては、公営企業の独立採算制や受益者負担の問題などさまざまな課題があることから、負担軽減の方策について高齢者医療制度や障がい者施策の見直しなどの今後の国の動向も注視しながら、引き続き鋭意検討を行ってまいりたいと考えておりますので、御理解をお願いいたします。
◯副議長(久保 浩) 山口剛司議員。
◯19番(山口剛司) 3回目の質問に入ります。
公共料金の減免については、できるまで徹底してこれから先も審議をしてまいりたいと、そのように思っております。
本市における温暖化対策は、個々の事業では実施されていますが、それが果たして全体でどれだけの量の削減に寄与しているのか、市役所全体でどうなのかという意識が足りないのではないかと思います。来年度の削減目標も達成は楽観視できません。ここはしっかり対応していただきたい。環境、エコが今のキーワードです。自治体も企業も、この視点がなければ生き残りが難しい状況になっています。
まず、新エネルギーについてですが、太陽光、風水力、海洋等の自然エネルギーの活用は言うまでもなく、提案した以外の他都市でも新潟市ではバイオマス利用として、菜の花プラン・廃食用油精製などを実施したり、名古屋市は廃食用油でバイオディーゼル燃料化モデル事業、京都市はバイオマス利活用の促進として、生ごみの分別収集により新エネルギー生成モデル実験を行ったりしております。本市も他都市がまねをしたいと考えるような事業を推進しませんか。神戸市の消化ガス実用化の取り組みは、わずか1年間の検討会で事業者参加の協議会を含め決定し、現在実施されるに至っております。スピードが大事です。低炭素社会を目指した環境共生都市づくりを行う本市でも取り組む必要があると思いますが、吉田市長の新エネルギーに関する御所見をお伺いいたします。
また、森林資源の活用ですが、本市の樹林地は市全体の19.5%です。森林整備も含め、まだ力を入れなければならない分野が多々あると思います。次の世代に残す本市の財産について真剣に議論していこうではありませんか。森は一度壊すと、次に再生するためには莫大な費用と時間、労力がかかってしまいます。今からでも対策をしっかり打つべきです。生産者に対してなりわいとしていけるよう支援も必要です。使う手だてを行政は道筋をつけていくべきでしょう。間伐材がそのまま森林に放置されているなんて、何とももったいない話だと思いませんか。これからの森林の整備も含めて、吉田市長の御見解をお伺いいたします。
次に、学校規模の適正化についてですが、子どもたちによりよい学習環境をつくっていくというのは市長も賛成いただけると思います。しかし、現在は過大規模校の解決に時間がかかっています。先ほどの答弁では住宅開発状況を見ながらと言われていますが、もう間もなく開発が始まっていくではありませんか。もっとスピードを上げて取り組むべきではないでしょうか。市の幹部の方々も協議の行方に注視していただき、過大規模校2校の場合は増築が難しい現状があるので、分割し、新設校の道を選ばなければならないのではないかと考えますが、最後に吉田市長に御所見をお伺いし、私の質問を終わります。
◯副議長(久保 浩) 吉田市長。
◯市長(吉田 宏) 低炭素社会の実現のためには、太陽光などの新しいエネルギーの普及、それから、議員御指摘になっております森林資源の活用など不可欠であると認識をしておりまして、取り組んでおります。
中部水処理センターでは、出力500キロワットという西日本では最大規模の消化ガス発電設備を稼働しておりますし、今行っております小型風力発電の実証実験も高い注目を受けております。来年度は住宅用太陽光発電の設置補助を大幅に拡充しますし、政令市では初めてになりますが、家庭用燃料電池の設置補助も創設をいたします。
森林資源の活用につきましては、確かに間伐材、放置されているのはもったいないことでありますけれども、森林が持つ二酸化炭素吸収など環境保全機能を最大限に発揮させるために、荒廃森林の再生事業などによる森林整備や生産基盤の整備に努めていきます。とはいえ、これは非常に大きな自然が相手なので、しっかり検討していかないと実効性が上がるものはないというふうにも思っておりますので、しっかり検討していきたいと思います。
また、本市の温室効果ガスの排出ですけれども、これは一般家庭からとオフィス、店舗からの割合が大きいという本市の特性がございますけれども、市民や事業者の自主的な行動を促す共働の取り組み、「エコ・ウェイブ・ふくおか」ストップ・ザ・温暖化事業、これをスピード感を持って展開をしてまいりたいと思います。
また、ヤシですかね、さらなるバイオマスの活用と、議員も御自宅で育てておられるということでございますけど、御提案いただきましたのは、新たな、今、第4次の福岡市地球温暖化対策実行計画の策定も行っておりますので、御提案も踏まえながらいろいろ研究してまいりたいと思います。
それから、過大規模校の適正化についてのお尋ねですけど、現在、少子化に伴う児童生徒の減少が見られる一方で、地下鉄であるとか、都市高速道路とか、交通ネットワークが整ったところに人口が集中し、その結果、子どもの数がふえていくという過大規模化している学校もあります。減少しているところと急に膨らんでいるところが同時に進んでいるということでございますけど、このような過大規模校への対応、現在、教室不足が生じないように増築でカバーしておりますが、今後も各校の実情を把握しながら、適切に子どもたちの教育環境の整備には努めてまいりたいと考えております。
厳しい経済状況が続き、本市の財政状況も好転していないのが現状ですが、今後の福岡市発展のために、市民の皆様に安心と希望のメッセージを発信し、予算の集中と選択で施策を実行していくことが重要と考えています。
そこで、最初に本市の温暖化対策についてお尋ねいたします。
地球温暖化対策は、今や全世界で二酸化炭素をいつまでにどのくらい削減していくのか、大きな課題になっております。現在の世界の指標である京都議定書によると、我が国は基準年1990年、平成2年比ですが、2012年までに削減目標をマイナス6%としています。さらに、昨年は総理大臣が国連でマイナス25%とこれまた大きく目標を発表しました。発表した以上、何らかの手を打っていくことは当然のことですが、国レベルだけでなく、地方自治体も何らかの手を打っていくことが重要であると思います。
そこで、まず国レベルですが、現在はどの程度CO2が削減されているのか、お示しください。
本市では二酸化炭素の削減割合の目標数値は、目標年度を2010年度、つまり、来年度として第3次の計画に定めてあります。その目標は、家庭部門でマイナス8%、業務部門でマイナス14%、運輸、自動車の1台当たりマイナス8%です。来年度の達成見込みはどうか、お尋ねいたします。さらに、22年度はどのような方向で取り組んでいかれるのか、あわせてお示しください。
国の削減指標によりますと、マイナス6%のうち、森林吸収源として3.8%を見込んでいます。これは、先ほどの環境局の目標数値には入っていません。本市の林業を管轄する農林水産局では、二酸化炭素の吸収量の現状と目標がどうなっているのか、お示しください。また、福岡県では森林環境税を導入していますが、全体の事業計画と新年度の事業計画をお尋ねいたします。
これまでの本市の林業は、間伐が進んでいないと指摘されてきました。林業が生計として成り立たないという点、従事者が高齢化してきているなどさまざまな要因がありますが、特に間伐について市全体で何ヘクタールが実施されているのか、今後の見通しはどうか、お聞きします。また、木材の価格の推移はどうか、市役所内で公共事業における木材の利用について関係局との会議を始められていますが、状況はどうでしょうか、何か有効な施策が話されているのでしょうか、お尋ねいたします。
次に、公共料金の減免についてお尋ねいたします。
高齢者や障がい者が生活する環境は、昨年からの不況の影響でますます厳しさを増しています。平成17年国勢調査の発表によりますと、本市の一般世帯の伸びは12年の調査と比較すると10.6%増に対し、高齢夫婦世帯、65歳以上は20.2%増で、さらに高齢単身世帯は23.9%と大幅に増加しています。
本市の上下水道料金を他政令市と比較します。水道料金は家事用の口径13ミリで1カ月20立方メートルの場合、本市は18政令市中、高いほうから5番目です。下水道料金では1カ月20立方メートルを使用した場合、高いほうから4番目になります。どちらも料金が高いのが本市です。減免措置を行っている都市は使用料金も安く、住みやすいまちと言えると思います。本市とは大きな差があります。過去の下水道料金の値上げのときに、我が会派は高齢者や障がい者に対して減免ができないかと担当局にお尋ねいたしました。しかし、そのときは基本料金の減免を検討していないということで、減免に対して具体的に話ができませんでした。実際、減免するとなると一体どのくらいの予算が必要か、試算してみます。下水道の2カ月の基本使用料金は1,596円です。基本料金だけで試算すると、高齢夫婦世帯は平成17年の国勢調査で3万8,881世帯ですので、年間約3億7,000万円です。そのうち、寝たきり老人等の方の場合だけですと、8,800万円になります。障がい者で手帳を持っておられる方は4万5,968人で4億4,000万円です。ひとり親は2万1,332世帯で2億400万円になります。所得制限を行ったりした場合や申請される方のみの減免となると、この試算よりさらに費用が減少します。
減免されている政令市の中で広島市の例を紹介します。昭和63年に、生活困窮者の経済的な負担を軽減することを目的として生活保護世帯を対象に実施されました。その後、平成に入り、心身障がい者や寝たきり老人等がいる世帯やひとり親世帯にも水道、下水道の基本料金を減免され、今日に至っております。本市は生活保護世帯の生活扶助に限定して下水道料金を減免されていますが、そのほかは一歩も踏み込んでいません。私どもは毎年の予算要望において公共料金の減免を主張してまいりましたが、上下水道両局では対応ができず、福祉予算の中でやってもらいたいとの話がありました。他の政令市では、福祉関連予算の中で制度化されて、現在9都市が実施しております。市長の選挙時の公約にもあったのですが、また、我が党の予算要望の回答でも個別の事情に応じた検討を行うと回答されてきているのですが、これまでどのような検討がなされてきたのか、お示しください。
次に、学校規模の適正化についてお尋ねいたします。
学校規模適正化検討委員会を平成20年に立ち上げて以来、現在は内部で検討されています。今回、第1次の検討対象となっている31学級以上の過大規模校4校と、全学年でクラスがえができない小規模校11校について発表されていますが、それぞれ現在はどの程度進捗しているのか、状況をお尋ねいたします。
以上で1回目の質問を終わり、2回目以降は自席にて行います。
◯副議長(久保 浩) 吉澤環境局長。
◯環境局長(吉澤 温) 温暖化対策についてお答え申し上げます。
国の二酸化炭素排出量につきましては、平成20年度の速報値で12億1,600万トンであり、前年、平成19年度と比較いたしますと6.5%の減、京都議定書の基準年度である平成2年度と比較いたしますと6.3%の増であります。
次に、本市の二酸化炭素排出量の削減目標につきましては、現計画では平成22年度の目標数値が家庭部門で1世帯当たりマイナス8%のところ、最新データである平成20年度で8.3%増、同様に業務部門で1平方メートル当たりマイナス14%の目標のところ10.7%増、自動車部門では1台当たりマイナス8%の目標のところ2.8%減となっており、楽観できない状況でございます。なお、現計画では平成16年度を基準といたしております。
次に、平成22年度の地球温暖化対策の取り組みの方向につきましては、温室効果ガスの排出は全国では家庭部門と業務部門を合わせた割合が約3分の1のところ、本市では2分の1以上を占めております。非常に大きいことが特徴でございます。このため、現計画では家庭部門、業務部門に自動車部門も加えた3部門を重点部門と位置づけており、これら3部門の施策の充実、強化に引き続き取り組んでまいります。以上でございます。
◯副議長(久保 浩) 谷口農林水産局長。
◯農林水産局長(谷口芳満) 本市の森林による二酸化炭素吸収量につきましては、測定したデータはございませんが、平均的な吸収量をもとにして、平成21年5月に策定された福岡市新・緑の基本計画においては、平成19年度の現況値を年間5万3,510トンと推測し、平成32年の目標値を年間5万7,240トンといたしております。
県の森林環境税による本市の荒廃森林再生事業の計画内容でございますが、市域内の森林約1万1,000ヘクタールのうち、28%に当たる約3,100ヘクタールを対象に、平成20年度からの5カ年間での荒廃森林調査を行うとともに、10カ年間で約1,500ヘクタール、1年当たり約150ヘクタールの間伐などの森林整備を行うこととしております。平成22年度は荒廃森林の調査を約780ヘクタール実施し、全体の3分の2の調査が終了する予定でございます。また、間伐につきましても150ヘクタールで実施することを計画しており、事業にかかる県補助金は総額で約1億円を予定いたしております。本市における間伐の実施状況につきましては、荒廃森林再生事業や森林組合による間伐等により年間350ヘクタール程度を実施しているところであり、今後とも、引き続き計画的な間伐に努めてまいります。
次に、木材価格につきましては、昭和55年のピーク時の価格に比べ、平成20年は丸太価格で約3分の1、製材品価格で約2分の1となっております。
次に、公共事業における木材利用につきましては、福岡市公共事業市内産木材利用推進委員会を年1回から2回開催し、公共工事等の仕様書の中での市内産木材利用の指定や価格面での財政措置等の可能性について協議、検討するとともに、学校用補修原材料や案内板などの利用について要請を行っているところでございます。以上でございます。
◯副議長(久保 浩) 山田教育長。
◯教育長(山田裕嗣) 学校規模適正化の進捗状況についてのお尋ねでございますが、まず、過大規模校につきましては、那珂小学校、壱岐小学校では、通学区域の調整等について保護者、地域の方々と協議をしており、松島小、西新小については平成20年度に校舎を増築し、当面は児童数の推移を見守ることとしております。
次に、小規模校につきましては、舞鶴中学校ブロックでは、小中連携校として統合する計画について地域の合意が得られたことから、平成26年の開校を目指し、準備を進めてまいります。住吉中学校ブロックでは、小中連携校として再編する方向性について、おおむね地域の理解が得られ、今後、具体的な計画づくりについて協議してまいります。また、志賀中ブロック、早良中ブロック、西部6校区では、保護者、地域の方と引き続き協議を行ってまいります。以上でございます。
◯副議長(久保 浩) 鶴川副市長。
◯副市長(鶴川 洋) 公共料金の減免についての検討状況につきましては、他の政令指定都市の実施状況や制度導入の経緯などの情報収集を行うとともに、低所得者対策とした場合や福祉施策とした場合など施策の位置づけや対象者についての考え方の整理、また、公営企業の独立採算制や受益者負担の問題、さらには財政負担の問題など、さまざまな課題について検討を行っているところでございます。このような状況を踏まえつつ、負担軽減について検討しているところでございますが、一昨年秋以降の景気悪化により市税収入が大幅に減少する一方で、生活保護世帯の急増などにより扶助費が増加するなど厳しい状況が続く中で課題も多く、また、国における高齢者医療制度や障がい者施策の見直しに向けた動きなどもあり、引き続き検討が必要であると考えております。以上でございます。
◯副議長(久保 浩) 山口剛司議員。
◯19番(山口剛司) 2回目の質問に入ります。
温暖化対策について、CO2は先ほどの答弁にもありましたとおり、国も本市も減少するどころか、逆に増加しています。これまでの施策が有効に機能していないと言えます。二酸化炭素の排出量で家庭部門が大きな要素を占めています。ここの対策を強化することが大事です。千葉県柏市のように、行政と民間事業者とでCO2見える化プロジェクトをスタートしている地域があります。京都大学名誉教授の吉田先生によりますと、CO2の家庭による排出割合は、動力照明が36%、給湯29%、暖房26%、冷房は2%だそうです。しかし、市民の認識では、照明は14%、給湯15%、暖房40%、冷房は30%と差があります。特に照明は22%、冷房は28%も認識に差があります。この思い込みの状態から実際の数字に近づける必要があります。どこに気をつければCO2が削減できるか、知っていただく必要があるのです。
そこで、各家庭が何グラムのCO2を排出しているのか毎日チェックできる見える化プロジェクトが効果を発揮するのだと思います。もっと市民に協力いただくために、市政だよりなどの媒体を使い、広報で啓発していくとともに、見える化プロジェクトなど実施することが必要ではないでしょうか、お尋ねいたします。
本市の林業活性化策について、本年度の事業内容をお聞きしました。大事な森林を保護し、育てていくことは、私どもの責任と思います。今、植林している木は、孫の代になってやっと製品として活用されるという長期間を考えての施策が必要です。しかし、今日、50年以上の樹木が製品として流通していないという実態があります。費用対収入のバランスがとれていないからではないでしょうか。全国の木材の製品は、2008年、日本で用材供給量7,797万立方メートルありました。しかし、国産は24%で、輸入材が76%も使われているということです。さらに、国産材の価格のピークは1980年で、その年以降、毎年下落しています。本市では人工林の増加で伐採期、収穫期を迎えているのに、国産材を使わず、輸入材に依存していることが問題です。全国でも2,524の製材工場が廃業していると言われています。林業の担い手不足も高齢化も深刻です。1975年の約18万人が2005年では約4万7,000人と74%も減少しています。福岡市においても全国の数値に比例しています。つまり、新規従業者がほとんどいないということです。このままでは日本で材木の供給ができなくなってしまいます。木材消費サイクルの確立を急ぐ必要があります。生産者側の施策とその木材を使用していく施策、この両輪がうまく機能することが大事ではないでしょうか。生産という観点からは、市場に出すまでの林道整備、特に早良の広域林道は整備完成予定から大幅におくれていて、いまだ全線完成のめどが立っておりません。道が分断されたままで機能していないのです。ここは福岡県に早期完成の働きかけを強く行っていただきたいと要望いたします。
また、先ほどの間伐の推進という点、製材工場、乾燥場などの設備も大事です。そして、人手不足というのであれば、新規就労の支援やボランティアの受け入れが必要です。また、住宅会社や箱物をつくる事業者などにも福岡市産の木材を採用していただく協議会などをつくり、使用をお願いしていくことも重要ではないでしょうか。本市として、これから木材の利用促進に向けてどういう施策を講じていかれるつもりか、お尋ねいたします。
特に市役所内部に設けられている福岡市公共事業市内産木材利用推進委員会で十分な成果が上がっていなく、残念でなりません。局をまたがる施策でもありますので、担当部長にだけ任せるのではなく、関係局長や、場合によっては副市長も出席されて、皆さんの知恵を出し合ってはいかがでしょうか。実効性のある具体策を、推進委員会で公共事業における木材利用拡大のための検討をしていただきたいのですが、お考えをお聞きします。
次に、化石燃料からの脱却という点からお尋ねしてまいります。
温暖化対策として石炭や石油に依存しない自然エネルギーなどの利用が各地で始まっています。太陽光発電はもとより、風力発電も本市は21年度より取り組み始められています。1回目の質問でお尋ねしたとおり、削減目標に対しての取り組みが弱い本市にとって、これから化石エネルギーにかわる新エネルギーの開発について提案も含め、お尋ねしてまいります。
まず、本市では来年度、新エネルギーに関連してどのような取り組みをするのか、お示しください。
次に、提案に移りますが、最初に下水処理場の消化ガス燃料への取り組みについてです。
下水処理で発生する消化ガスはメタンガスであり、可燃性です。本市でどのくらい発生しているのでしょうか。そして、現在の利用はどうされているのでしょうか。未利用の消化ガスはどのくらいあるのか、お尋ねいたします。
先日、神戸市へ視察に行ってまいりました。この消化ガスを何と自動車の燃料にかえて利用するとともに、今度は家庭の都市ガスとしても利用を開始するという画期的な事業を行っています。普通、未利用の消化ガスは燃焼施設で燃やすだけですが、神戸市の場合は違いました。消化ガスの燃料施設の整備費と、メタンガスとして利用できる施設を建設するコストはほとんど同じくらいの費用だったそうです。初期投資も施設の更新時期に合わせたことで特段に出費がかさばらず、かつ車の燃料にしていることで、循環型社会への取り組みとして広く市民にも支持されているということでした。製品としての小売価格も1立方メートル当たり60円から70円です。ガソリンの半値近い価格です。この価格は卸売価格に充てん作業員の人件費などの運営経費も含まれています。21年の下期は毎月1,000台を超えるバスやごみ収集車、民間の運搬車両に充てんしています。本市では、このような取り組みを検討もされたことがないと思いますが、これからです。循環型社会を目標としている本市として、余っている消化ガス利用の検討会を立ち上げたらいいと考えますが、いかがでしょうか、お尋ねいたします。
次に、ジャトロファ、南洋アブラギリという植物の栽培についてです。
先日も、本市の耕作放棄地へこの植物を育成してはどうかと我が会派から質問をさせていただいております。復習になりますが、このジャトロファの実は食用にはならないのですが、この実から出る油分は何と石油と同じなのです。栽培には肥料など要りません。水の少ない土地でも育ち、害虫にも強いと言われています。実際に八丈島に行き、漁船の燃料100%のオイルとして活用されている話を聞いてまいりました。エンジンの回転も普通の石油と全く変わらないということです。このオイルは、今や飛行機の燃料の一部としても活用されています。ジャトロファは実際、八丈島という暖かい地域で栽培されていたため、本市でも育つのかと心配がありましたので、現地で苗をいただき、今、同僚議員のお宅と私の家とで栽培しています。間もなく1年が経過しますが、最初、10センチの苗が現在では1メートルを超えるまで順調に育っています。九州では長崎県長崎市と佐世保市などでも栽培実験がスタートしています。もし耕作放棄地に植えたとして、燃料としての油ができれば一石二鳥です。先進都市に倣い、本格的に研究を開始してはいかがでしょうか、御所見をお伺いします。
次に、公共料金の減免についてです。
さきの代表質問で市長の答弁では、今後の国の動向も注視しながら鋭意検討する旨の発言をされていますが、結局、市長は何もしないということでしょう。副市長も先ほどの答弁で、引き続き検討と言われていますが、この課題こそ、市長がリーダーシップを発揮しなければいけないのではないでしょうか。今のままですと、いつになったら実行されるのかは甚だ疑問です。やる気が全く伝わってきません。
水道や下水道料金は、他の政令市と比べて、福岡市はそもそも料金が高いのです。減免を実施されている都市と比較すると、本市の場合は格段に高い使用料金となっています。吉田市長の1期目の任期が本年で終わります。公約されていた「高齢者、障がい者福祉の問題に取り組みます」の中で「生活基盤の安定のため、雇用施策、負担軽減措置を実施します」とありますが、任期の最終年の総仕上げの年に負担軽減措置を何も打ち出されないのはいかがなものでしょうか。
我が会派は、これまで公共料金の減免の要望をしてまいりました。当局は検討したが、何もしないということで終わっています。市長、あなたの公約がこの点に関して何も実施されないまま任期が終わってしまってよいのでしょうか。1回目の質問で試算した数字を示しましたが、下水道基本料金や水道基本料金の全額免除か、例えば、半額は免除するなど、今後の議会で提案される方針を示されてはいかがでしょうか。この質問はこれで終わりますので、吉田市長にしっかり答弁をお願いいたします。
次に、学校規模の適正化についての質問です。
進捗状況から、小規模校対策については地元と統合の話し合いが随分進んでいると思われます。一方で、過大規模校は校区の分割などが解消の方法の一つになるため、4小学校ともまだ時間がかかるようです。地元の合意が大前提ではありますが、過大規模の解消がいつになるのか、一番気になるところです。那珂小学校と壱岐小学校は通学区域の変更で検討が進められていますが、松島小学校と西新小学校は児童数の推移を見守るとして話が前に進んでいません。これでは本当に子どもたちがかわいそうです。いろんな意味からも整備された学習環境で学ぶことが重要です。校区の将来児童の推計は、その地域が抱える今後の住宅開発などに大きな影響を与えます。松島と西新も校舎の増築ができる敷地の余裕はありません。また、増築だけでは、学校運営でも一昨年、条例予算委員会で指摘しましたように、大人数ゆえのさまざまな問題が発生しています。そうなりますと、移転や分割することも早期に決断しなくてはならないのではないでしょうか。特に松島小学校の場合は、今後、北部で宅地開発が考えられます。校区内住民は21年12月時点で7,965世帯、1万6,618人と東区でも1位、2位の多さです。50年の大計を考えると、小学校児童数1,000名を複数年で超えている状況では、校区を分割するべきではないでしょうか。教育委員会では、現在、校舎の耐震化を行っておられます。今はそちらにお金がかかっていると言っておられますが、23年度で終わります。新設校を設置する場合、幾らかかるのか、国の補助はどのくらいか、補助率をお聞きします。
耐震化の後は、本市でも分離、新設について検討できると思いますが、いかがでしょうか、御所見を伺います。仮に新設校を設置する場合は、当然ながら敷地が必要です。松島校区内で、今は民間所有の適した空き地があります。もしそこも住宅開発などがなされると、建設はもうできないことになります。今は様子を見守るとして、ただ年月を費やしたのではどうしようもありません。適正化検討のスピードを上げて結論を出す必要があると考えますが、御所見を伺います。
以上で2回目の質問を終わります。
◯副議長(久保 浩) 吉澤環境局長。
◯環境局長(吉澤 温) 温暖化対策についてお答え申し上げます。
二酸化炭素の削減方法に関します市民への広報につきましては、家庭で簡単に取り組める省エネのアイデアを掲載いたしました市政だよりの温暖化特集号の全戸配布や、省エネハンドブックを作成するとともに、公民館や学校における出前講座の実施などを行っております。今後とも、地球温暖化に対する市民の理解が深まりますよう、さまざまな機会をとらえまして、市民、事業者への広報、啓発に努めてまいります。
次に、新エネルギーの取り組みにつきましては、家庭部門において新エネルギーの普及促進を図るため、住宅用太陽光発電の設置補助件数を本年度当初の200件から1,000件まで大幅拡充するほか、新たに家庭用燃料電池の設置補助などを行うことといたしております。また、業務部門の対策といたしましては、地域グリーンニューディール基金を活用いたしまして、市内中小事業者が行う省エネ改修への助成制度を創設することとしており、太陽光発電等の新エネルギー設備の設置についても助成の対象といたします。本市の率先導入につきましては、太陽光発電を学校や公民館など14カ所に、小水力発電を1カ所に設置することといたしております。以上でございます。
◯副議長(久保 浩) 谷口農林水産局長。
◯農林水産局長(谷口芳満) 木材の利用促進のための施策についてでございます。
広域林道早良線などの林道や、木材を搬出するために必要な伐採現場と林道を結ぶ作業道の整備などにより、生産のコスト低減を図るとともに、森林組合の製材施設整備などへの支援による供給体制の充実に努めてまいります。また、木材の需要拡大に向けて、住宅建設業者等と連携した地域産木材を使った家づくりなどについて協議を進めてまいります。
次に、公共事業における木材の利用につきましては、今国会に公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律案が提出される予定であり、地方公共団体についても木材利用の努力義務が規定されるとの情報を得ております。また、国において、平成21年12月に10年後の木材自給率を50%以上にするという目標とした森林・林業再生プランが作成され、具体的な対策の検討に着手されております。これらの動向などを踏まえながら、福岡市公共事業市内産木材利用推進委員会において実効性のある具体策を検討してまいりたいと考えております。
次に、ジャトロファ、南洋アブラギリの栽培につきましては、現在、苗1本ではございますが、花畑園芸公園内において栽培試験を行っております。今後、関係局とも連携し、他都市における栽培試験の結果や、加工、流通システムの動向などを把握しながら、一般農作物の栽培が困難な耕作放棄地などの解消策としての可能性について研究してまいりたいと考えております。以上でございます。
◯副議長(久保 浩) 箱嶋道路下水道局理事。
◯道路下水道局理事(箱嶋次雄) 本市の水処理センターで発生しています消化ガスについてでございますが、平成21年度の現時点における合計発生量は日平均約3万立方メートルとなっております。その用途につきましては、約半分の量を消化槽の加温に使用し、約4分の1を汚泥焼却炉の補助燃料に使用しております。また、昨年2月には中部水処理センターの消化ガス発電の更新を行い、一般家庭約1,000戸相当分の発電を行い、センター内で利用しております。
水処理センターで発生する消化ガスについては、水処理センター内で有効利用を行っており、その有効利用率は約93%となっております。一方、未利用の消化ガスにつきましては、日平均約2,000立方メートルで、全発生ガスの約7%となっております。
次に、未利用の消化ガスにつきましては、さらなる有効活用を図るために調査、研究を進めているところであり、今後とも、神戸市等の事例も参考にしながら、福岡市下水道技術検討委員会等において検討してまいります。以上でございます。
◯副議長(久保 浩) 山田教育長。
◯教育長(山田裕嗣) 学校規模適正化についての御質問にお答えをいたします。
まず、小学校の新設校の費用でございますが、建物につきましては約18億円、用地につきましては1平方メートル当たり10万円とすると約20億円で、合わせて38億円程度でございます。また、国の補助制度につきましては、建物が補助率2分の1、プールが3分の1、用地につきましては補助制度はございません。
次に、過大規模校の分離、新設につきましては、全市的な少子化の傾向や今後の住宅開発の動向などを十分に把握した上で、児童生徒数の長期的な推計をもとに、将来にわたって学校の設置が必要な場合に行うことといたしております。
次に、過大規模校でございます松島小への対応につきましては、平成20年度に必要な教室整備を行っており、現在、児童数の推移など状況を見守っているところでございます。今後も住宅の開発状況等を踏まえ、計画的に教育環境の整備に努めてまいります。以上でございます。
◯副議長(久保 浩) 吉田市長。
◯市長(吉田 宏) 高齢者や障がい者に対する負担軽減については、障がい福祉サービスの利用者負担や介護保険料などについて軽減措置をするなど配慮しているところでございます。
介護保険料については、平成21年度から第4段階において保険料を軽減した特例を設けました。また、平成22年度からは国による障害者自立支援法における低所得者の利用負担無料化にあわせて、本市の地域生活支援事業を無料とする新たな負担軽減策を行ってまいります。
公共料金の減免につきましては、公営企業の独立採算制や受益者負担の問題などさまざまな課題があることから、負担軽減の方策について高齢者医療制度や障がい者施策の見直しなどの今後の国の動向も注視しながら、引き続き鋭意検討を行ってまいりたいと考えておりますので、御理解をお願いいたします。
◯副議長(久保 浩) 山口剛司議員。
◯19番(山口剛司) 3回目の質問に入ります。
公共料金の減免については、できるまで徹底してこれから先も審議をしてまいりたいと、そのように思っております。
本市における温暖化対策は、個々の事業では実施されていますが、それが果たして全体でどれだけの量の削減に寄与しているのか、市役所全体でどうなのかという意識が足りないのではないかと思います。来年度の削減目標も達成は楽観視できません。ここはしっかり対応していただきたい。環境、エコが今のキーワードです。自治体も企業も、この視点がなければ生き残りが難しい状況になっています。
まず、新エネルギーについてですが、太陽光、風水力、海洋等の自然エネルギーの活用は言うまでもなく、提案した以外の他都市でも新潟市ではバイオマス利用として、菜の花プラン・廃食用油精製などを実施したり、名古屋市は廃食用油でバイオディーゼル燃料化モデル事業、京都市はバイオマス利活用の促進として、生ごみの分別収集により新エネルギー生成モデル実験を行ったりしております。本市も他都市がまねをしたいと考えるような事業を推進しませんか。神戸市の消化ガス実用化の取り組みは、わずか1年間の検討会で事業者参加の協議会を含め決定し、現在実施されるに至っております。スピードが大事です。低炭素社会を目指した環境共生都市づくりを行う本市でも取り組む必要があると思いますが、吉田市長の新エネルギーに関する御所見をお伺いいたします。
また、森林資源の活用ですが、本市の樹林地は市全体の19.5%です。森林整備も含め、まだ力を入れなければならない分野が多々あると思います。次の世代に残す本市の財産について真剣に議論していこうではありませんか。森は一度壊すと、次に再生するためには莫大な費用と時間、労力がかかってしまいます。今からでも対策をしっかり打つべきです。生産者に対してなりわいとしていけるよう支援も必要です。使う手だてを行政は道筋をつけていくべきでしょう。間伐材がそのまま森林に放置されているなんて、何とももったいない話だと思いませんか。これからの森林の整備も含めて、吉田市長の御見解をお伺いいたします。
次に、学校規模の適正化についてですが、子どもたちによりよい学習環境をつくっていくというのは市長も賛成いただけると思います。しかし、現在は過大規模校の解決に時間がかかっています。先ほどの答弁では住宅開発状況を見ながらと言われていますが、もう間もなく開発が始まっていくではありませんか。もっとスピードを上げて取り組むべきではないでしょうか。市の幹部の方々も協議の行方に注視していただき、過大規模校2校の場合は増築が難しい現状があるので、分割し、新設校の道を選ばなければならないのではないかと考えますが、最後に吉田市長に御所見をお伺いし、私の質問を終わります。
◯副議長(久保 浩) 吉田市長。
◯市長(吉田 宏) 低炭素社会の実現のためには、太陽光などの新しいエネルギーの普及、それから、議員御指摘になっております森林資源の活用など不可欠であると認識をしておりまして、取り組んでおります。
中部水処理センターでは、出力500キロワットという西日本では最大規模の消化ガス発電設備を稼働しておりますし、今行っております小型風力発電の実証実験も高い注目を受けております。来年度は住宅用太陽光発電の設置補助を大幅に拡充しますし、政令市では初めてになりますが、家庭用燃料電池の設置補助も創設をいたします。
森林資源の活用につきましては、確かに間伐材、放置されているのはもったいないことでありますけれども、森林が持つ二酸化炭素吸収など環境保全機能を最大限に発揮させるために、荒廃森林の再生事業などによる森林整備や生産基盤の整備に努めていきます。とはいえ、これは非常に大きな自然が相手なので、しっかり検討していかないと実効性が上がるものはないというふうにも思っておりますので、しっかり検討していきたいと思います。
また、本市の温室効果ガスの排出ですけれども、これは一般家庭からとオフィス、店舗からの割合が大きいという本市の特性がございますけれども、市民や事業者の自主的な行動を促す共働の取り組み、「エコ・ウェイブ・ふくおか」ストップ・ザ・温暖化事業、これをスピード感を持って展開をしてまいりたいと思います。
また、ヤシですかね、さらなるバイオマスの活用と、議員も御自宅で育てておられるということでございますけど、御提案いただきましたのは、新たな、今、第4次の福岡市地球温暖化対策実行計画の策定も行っておりますので、御提案も踏まえながらいろいろ研究してまいりたいと思います。
それから、過大規模校の適正化についてのお尋ねですけど、現在、少子化に伴う児童生徒の減少が見られる一方で、地下鉄であるとか、都市高速道路とか、交通ネットワークが整ったところに人口が集中し、その結果、子どもの数がふえていくという過大規模化している学校もあります。減少しているところと急に膨らんでいるところが同時に進んでいるということでございますけど、このような過大規模校への対応、現在、教室不足が生じないように増築でカバーしておりますが、今後も各校の実情を把握しながら、適切に子どもたちの教育環境の整備には努めてまいりたいと考えております。